視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」2月号
【もくじ】
1 こんにちは!赤れんが
2 おすすめ!地域から
3 ほっかいどう未来への元気遺産
4 北海道150年 なるほど!知るほど!物語
1 こんにちは!赤れんが
(1)はじめよう!エコ&セーフティドライブ
地球温暖化の原因とされているのが、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスです。北海道は、全国に比べて運輸部門から排出されるCO2の割合が高くなっています。道ではCO2排出量を減らし、安全運転にもつながる「ふ~んわりアクセル」「早めのアクセルオフ」などのエコ&セーフティドライブの取り組みを進めています。
「エコドライブ 10のすすめ」の一つ
- ふ~んわりアクセル
▲道庁気候変動対策課 電話(011)204-5190
(2)北海道の未来を担う若者を応援!
道では、北海道の未来を担う若者の海外留学を支援するため、企業や道民の皆さんからのご寄附やご協力をいただきながら、「ほっかいどう未来チャレンジ基金(みらチャレ)」を運営しています。
【ご協力いただける取り組み】
- キャンペーン商品の購入(アサヒビール「ブラックニッカ ハイボール香る夜」など)
- 店舗での募金(道内イオングループ各店舗で12月17日(月)?2019年1月20日(日)に実施しました。)
- 古本の寄贈(通年実施中) など
▲道庁総合教育推進室 電話(011)206-7380
(3)土砂災害にご注意ください!
大雨のときや雪解けの季節はもちろんですが、地震で地盤が緩んでいるときは、少しの雨でも土砂災害の危険が高まる恐れがあります。もしものときを考え、日頃の備えや早めの避難を心掛けるようにしましょう。
[土砂災害に関する情報をチェック]
- 自分の家の周りを確認しましょう
普段から、家の周辺の危険な箇所を把握しておきましょう。なお、道では、土砂災害の恐れのある区域を明らかにするために、「土砂災害警戒区域等の指定に必要となる基礎調査」が完了した区域を「北海道土砂災害警戒情報システム」内で公表しています。
- 大切な命を災害から守るために
雨が降り始めたら、雨雲の動きと気象警報、「土砂災害警戒情報」に注意し、早めの避難に備えましょう。
▲道庁河川砂防課 電話(011)204-5560
(4)子どもを虐待から守るために
次のような、虐待を受けていると思われる子どもを見かけたら、お近くの市町村や児童相談所に連絡してください。
- いつも子どもの泣き叫ぶ声や保護者の怒鳴り声がする
- 不自然な傷や打撲の痕がある
- 衣類や体がいつも汚れている など
「いちはやく 知らせる勇気 つなぐ声」児童相談所全国共通ダイヤル いち はや く 189 ※一部のIP電話からはつながりません
▲道庁子ども子育て支援課 電話(011)204-5237
(5)犯罪被害に遭った方への支援について
犯罪被害に遭った方々に対する理解を深め、社会全体で支援できるよう、道では「北海道犯罪被害者等支援条例」を施行しました。犯罪被害者は、犯罪による直接的なダメージだけではなく、心身の症状や医療費などの経済的負担など、被害後もさまざまな問題に苦しめられています。警察では、事件や事故の被害に遭われた方や家庭内暴力、ストーカーなどで悩んでいる方の相談も受け付けています。他にも、心の傷が癒えずに悩んでいる方のために、民間被害者相談窓口のカウンセラーが話をお聞きしています。一人で悩まずに、ご相談ください。
[警察相談電話]
- 被害者相談 性犯罪相談110番 #8103、少年相談110番(フリーダイヤル)0120‐677‐110
- 一般相談 #9110
[その他の相談電話]
北海道被害者相談室 電話(011)232-8740
性暴力被害者支援センター北海道(SACRACH) 電話050-3786-0799
また、被害者のご遺族や障がいが残った被害者などには、国が給付金を支給する「犯罪被害給付制度」があります。詳しくは道警本部またはお近くの警察署にお問い合わせください。
▲道警本部警務課 電話(011)251-0110
2 おすすめ!地域から
振興局の話題をお届けします。
(1)渡島総合振興局
渡島地域で水揚げされるブリを味わって!
近年、道内ではブリの来遊量が増加し、特に渡島地域は全道一の漁獲量となっています。そこで渡島地域ではブリの消費拡大を目指し、函館市内の生産者や加工関係団体、行政などで構成する「はこだて・ブリ消費拡大推進協議会」を設立。道内ではまだなじみの薄いブリの認知度向上などに取り組んでいます。イベントなどでブリを使った料理や加工食品の販売を行ったほか、ブリ料理のレシピ・コンテストを行い、振興局のホームページで紹介しています。
▲水産課 電話(0138)47-9481
(2)オホーツク総合振興局
「ロコ・ソラーレ」が「オホーツクール」な魅力を発信
オホーツク管内18市町村で組織するオホーツクイメージ戦略推進委員会では、地域のイメージ発信事業「オホーツクール」に取り組んでいます。2018年度はアンバサダーにオホーツク地域出身の女子カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」を迎えました。夏にはPRポスターが東京モノレール車内をジャックしたほか、特設サイトではメンバーのおすすめスポット紹介やインタビュー動画を掲載。今後もさまざまな形で「オホーツクール」な地域の魅力を発信します。
▲地域政策課 電話(0152)67-5621
3 ほっかいどう未来への元気遺産!
北海道を元気にする、人・もの・アイデアを紹介します。
(1)モール温泉水を使って十勝オリジナルのチーズを生産 十勝品質事業協同組合/音更町
十勝ならではのチーズをつくろうと、昨年、十勝品質事業協同組合は、十勝管内の6つのチーズ工房が、共通の基準でチーズの品質管理ができる国内初の共同熟成庫を十勝川温泉に開設しました。十勝産の生乳を原料に共通のレシピでつくり、地元のモール温泉水を使って3カ月以上熟成させた、まろやかでコクのあるチーズ「十勝ラクレット モールウォッシュ」を完成。国内では数少ないチーズ熟成士が、その日の気候や湿度、チーズの状態を見ながら、何度も表面を温泉水で磨いて熟成させ、価値ある十勝ブランドになるように仕上げています。
(2)十勝産チーズといえば、モールウォッシュに。
十勝品質事業協同組合 チーズ熟成士 柳平 孝二さん
一般的なラクレットチーズは塩水で表面を磨きますが、モール温泉水に含まれる有機物の影響で、より豊かな風味を引き出すことができました。その土地に棲む微生物や水、牛を育てる環境など、ヨーロッパ各地域にそれぞれの風土があるように、十勝にも固有の風土があります。地元の給食や家庭でも食べてもらって、このチーズが十勝の人たちにとって「私たちのチーズ」として根付いていくことを願っています。
▲お問い合わせ 十勝品質事業協同組合 電話(0155)67-6080
(3)地元酒造の酒粕を使ってブルーチーズを熟成 伊勢ファーム/旭川市
伊勢ファームでは、夏と冬の温度差が激しい江丹別地区の気候風土を生かし、ブルーチーズを生産。濃厚で芳醇なコクと甘みが食通の間で評判となり、国際線ファーストクラスの機内食にも採用されました。さらにチーズの品質を高めようと、再度フランスへ。そのときの経験をもとに、帰国後、地元の高砂酒造とコラボして道産酒造米「彗星」の酒粕で熟成させたブルーチーズの生産に成功。道の「北のハイグレード食品S 2018※」に選定されました。※北海道「食のサポーター」をはじめ、道内外の食の専門家に選ばれた食品。
(4)地元旭川でしかつくれないブルーチーズです。
伊勢ファーム 伊勢 昇平さん
現地を訪ねると、ヨーロッパではチーズづくりのアレンジが流行していて、特にワインの搾りかすで熟成したものが人気でした。それをヒントに、高砂酒造の酒粕で試してみると、酒粕のフルーティーな香りによって、チーズの風味が驚くほど変わりました。フランスのワイン祭りで試食してもらうと、現地の人も大絶賛。世界に通用する、旭川でしかつくれない日本酒に合うブルーチーズです。ヨーロッパではチーズやワインに地名がついているように、このブルーチーズの名前は「旭川」に決めました。
▲お問い合わせ 伊勢ファーム 電話(0166)73-2148
(5)図書館や書店に恵まれない地域をサポート中 一般社団法人北海道ブックシェアリング/江別市
学校図書館の蔵書が少なかったり、自治体に書店がなかったり、読書環境に恵まれない地域をサポートしようと、2008年から活動を開始した北海道ブックシェアリング。読み終えた本の再活用をはじめ、商店街でお薦めの本を紹介し合う書評合戦の開催や、喜茂別町、妹背牛町、鹿部町、西興部村など書店のない地域に出かける「走る本屋さん」にも取り組みました。現在はそのノウハウを生かし、道内各地の要望に応じて、約800冊の本をのせた移動図書車両の出動、絵本カバー工作や古本を交換する図書イベントの開催など、本と人をつなぐ「ぶっくぱーとなー」活動を実施。読書環境を向上させるための相談なども行っています。
(6)本と出合える喜びを道内各地に広めたい。
北海道ブックシェアリング代表理事 荒井 宏明さん
絵本でまちおこしに成功した地域もあれば、なかなか新しい図書に更新できない学校があるなど、道内の読書環境の差は大きいですね。隣まちに図書館や書店があっても、車で1時間もかかれば、読書習慣は消えていきます。本は、物語を楽しむだけでなく、自分の仕事につなげたり、人生や生活のヒントも教えたりしてくれるもの。どこに暮らしていても、本と出合える喜びを感じられるように、道内各地でサポートしたいですね。
▲お問い合わせ 北海道ブックシェアリング 電話(011)378-4195
(7)世界の絵本でニセコの子どもたちと国際交流 インターナショナル・リーディング・プロジェクト/ニセコ町
海外からの観光客が多く、人口5,115人のうち33カ国の外国人378人が暮らすニセコ町。地域の国際化を進めるため、町職員にドイツ、米国、アイルランド、中国出身の国際交流員がおり、子どもたちへ日本語と外国語で絵本を読み聞かせる「インターナショナル・リーディング・プロジェクト」に取り組んでいます。子どものうちから世界の言葉や文化の違いに触れてもらおうと、読み聞かせボランティアたちと協力し、学習交流センター「あそぶっく」や小学校などで活動を続けています。知る機会の少ないアイルランド語を学んだり、数カ国語で挨拶のできる子が増えたり、絵本を通して国際色豊かな地域づくりが進んでいます。
(8)多国籍なニセコだからできる活動があります。
ボランティア 本間 眞由美さん(絵本作家)
絵本の読み聞かせを始めたのは、発展途上国で貧困な子育て環境にカルチャーショックを受けたのがきっかけ。世界にはいろいろな国があることを子どもたちに知ってほしい。絵本なら、絵の表情や色合い、言葉のリズムからも、その国の生活や文化が伝わると考え、帰国後、32年間ライフワークとして続けてきました。ニセコ町に移り住んで9年。自宅の文庫にある22カ国の原書絵本をこのプロジェクトに役立てています。多国籍なニセコだからできる多言語による読み聞かせ活動だと思います。
▲お問い合わせ ニセコ町企画環境課 電話(0136)44-2121
(9)平均年齢71歳!認知症予防や詐欺被害防止など身近な問題を芝居に くしろ高齢者劇団/釧路市
老後の生きがいを求めて、2011年に結成した「くしろ高齢者劇団」。団員数は8人、平均年齢は71歳。認知症予防や詐欺被害防止など、高齢者が日頃抱えている身近な問題をテーマに、観客と一緒に泣いて笑って楽しめる芝居づくりを心掛けています。脚本や演出も自分たちで手掛け、毎年新しい作品に取り組んでいます。セリフを覚えるのも大変ですが、公演が近づくと週2、3回の練習を重ね、毎年11月には道立釧路芸術館で定期公演、また年5、6回は地域の高齢者施設や病院などで出前公演も行っています。観客は劇団員と同世代が多く、「セリフにリアリティーがある」「若さと元気な姿に刺激を受けた」と好評です。
(10)芝居づくりが定年後の生きがいに。
くしろ高齢者劇団事務局 佐藤 伸邦さん
定年退職後、この劇団に出合っていなければ、毎日テレビを見て過ごすか、病院通いをしていたと思います。仲間と一緒につくり上げていく芝居は、僕にとって生きがい。他のボランティア活動では得られない喜びを感じます。毎年、オリジナル作品の脚本を書いていますが、社会福祉協議会や老人クラブから聞いた悩みや課題、新聞記事をヒントにテーマを決め、劇団員の意見も盛り込みながら仕上げていきます。ことしのテーマは嫁姑問題、お楽しみに。
▲お問い合わせ くしろ高齢者劇団事務局 電話(0154)24-7663
(11)出演できるのは65歳以上!映画づくりが高齢者を元気にする 田んぼdeミュージカル委員会/むかわ町
2001年、当時の穂別町(現・むかわ町)で開かれた崔洋一映画監督の講演をきっかけに、高齢者たちの映画づくりが始まりました。当時、町民の約4分の1が65歳以上。それを逆手に年齢制限し、平均年齢75歳が奮闘する映画「田んぼdeミュージカル」を製作したところ、全国各地で話題を呼び、フランスやニューヨークのメディアに取り上げられ、韓国の映画祭にも招かれました。その後も、故郷の歴史や鵡川町(当時)との合併をテーマに、老いをパワーに作品をつくり続け、「地域づくり総務大臣表彰」など数々の賞を受賞。林業を取り上げた5作目「ここはわしらの天国だ」の上映会に力を入れながら、化石にとりつかれた男をテーマとした6作目の製作準備も進めています。
(12)故郷の風景や人々をまちの記録として残したい。
田んぼdeミュージカル委員会 中澤 十四三さん
「撮影中は葬式を出すな」が合言葉ですから、晩酌を控えたり、血圧に気を付けるなど、少しずつお年寄りの生きる意欲が高まっていったのを感じます。保健師の仕事をしながら、映画スタッフとして「この人、あの役に向いているかも」という目線で接することもありました。1作目から映画を見返すと、昔あった家やコスモス畑が、いまはなくなっていることに気づきます。故郷の風景や人々をまちの記録として残すためにも、映画づくりを続け、たくさんの方に見てもらいたいですね。
▲お問い合わせ 田んぼdeミュージカル委員会 電話090-9080-6063(中澤)
4 北海道150年 なるほど!知るほど!物語
北海道ならではの食の由来や知られざる歴史を紹介します。
(1)道南の瀬棚で開業した日本人初の女医、荻野吟子
1885(明治18)年、国家資格を持つ日本人初の女医となった荻野吟子。自分の病気治療の体験から女医の必要性を痛感し、女人禁制だった医学校への入学を諦めず、断髪して袴や高下駄の男装で通ったといいます。東京に産婦人科医院を開業し、男尊女卑と闘いながら女性の地位向上のため活動していましたが、北海道で理想郷の開拓を志していた夫を支えるため、1894(明治27)年、インマヌエル(現・今金町神丘)への入植を決意。しかし、想像以上の過酷な環境と飢えに苦しみ、開拓を断念せざるを得ませんでした。3年後、海岸沿いの漁村である瀬棚(現・せたな町)に移り住み、産婦人科・小児科医院を開業。女性たちに包帯の巻き方を教えるなど家庭医療を普及し、慈愛に満ちた献身的な治療や往診に努めました。瀬棚郷土館には、吟子が日常生活に使用した遺品や写真など貴重な資料が展示保存されています。
▲お問い合わせ 瀬棚郷土館 電話(0137)87-3205
(2)明治・大正時代、「札幌黄」は世界へ輸出されていた
北海道のタマネギは、1871(明治4)年、開拓使の札幌官園で試験栽培されたのが最初です。その6年後、米国から札幌農学校に着任したブルックス博士が、札幌黄の原種「イエロー・グローブ・ダンバース」を持ち込み、札幌村(現・東区)の農家に栽培指導を行いました。やがて、栽培地は篠路村や白石村(現・北区、白石区)、道内各地へと広がり、明治後期から大正にかけて、ロシアやフィリピンなど海外へ年間約2千トンも輸出されていました。1978(昭和53)年ごろから収穫が安定している他品種が出回るようになり生産量は激減しましたが、「食の世界遺産」といわれるスローフード協会の「味の箱舟」※に認定され、再び脚光を浴びています。札幌村郷土記念館では、札幌黄の歴史を学ぶことができます。
※絶滅の危機に瀕しながら、地域に根差した価値ある食材を守ることが目的。
▲札幌村郷土記念館 札幌市東区北13条東16丁目2-6 電話(011)782-2294
広報(誌)「ほっかいどう」、次号は平成31年3月下旬の発行予定です。点字版広報誌の送付を希望される場合は、発行元までご連絡ください。
発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課
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