視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」8月号
【目次】
1 特集:みんなで支えよう!子どもの未来づくり
2 こんにちは!赤れんが
3 おすすめ!地域から
4 みんなの防災ガイド
5 北海道150年 なるほど!知るほど!物語
【本文】
1 特集:みんなで支えよう!子どもの未来づくり
地域ぐるみで子育てを応援!
子どもの健やかな成長は私たちみんなの願いです。
北海道に暮らす子どもたちが健やかに成長できるように、身近な地域でできる応援をしてみませんか。
(1)安心して生み育てられる環境づくり
子どもたちの輝く笑顔は、地域の活力です。将来を担う子どもたちの成長を、地域ぐるみで応援する環境づくりが大切です。
全国的に少子化が進む中、道は平成16年、少子化対策の条例を全国に先駆けて制定しました。以降10年間にわたって対策に取り組んできた中で、本道の合計特殊出生率※は上昇傾向にありますが、平成29年は全国平均の1.43を下回る1.29と全国で2番目に低い水準で、依然として少子化に歯止めがかっていないのが現状です。
これには、核家族化のほか、仕事と家庭を両立できる環境の一層の整備など、さまざまな要因があるものと考えられます。
このため道では、平成27年度からの「北の大地☆子ども未来づくり北海道計画」に基づく取り組みとして、北海道の特性を十分に生かしながら「安心して子どもを生み育てることができる環境」「子どもが健やかに成長できる環境」という二つの環境づくりを進めています。※合計特殊出生率=一人の女性が生涯に産む子どもの数に相当するもの
(2)地域全体で子育て家庭を応援するために
人口減少問題の解決に向けて、少子化対策を進めることは重要な課題の一つです。このため道では、道民一人一人が「妊娠・出産」「子育て」などの各ライフステージに応じた切れ目のない支援を受けることができ、住み慣れた地域の中で、健やかにいきいきと暮らすことができる社会の実現を目指しています。
具体的には、市町村や企業などと連携し、乳幼児の医療費給付や妊産婦への交通費助成、保育料の無償化などの経済的支援のほか、子育てに関する情報提供や子育て世帯を応援する協賛企業の拡大、子育て支援拠点などの相談体制の整備、ひとり親家庭などへの支援などにより、地域全体で子育て家庭を応援する環境整備を進めています。
(3)地域の支援の輪を広げるために
北海道では、全国に比べて生活保護世帯やひとり親家庭の割合が高く、経済的に厳しい家庭が多い状況です。
道が平成28年に実施した子どもの生活実態調査からは、所得が低い世帯ほどさまざまな困難に直面する可能性が高く、「必要な医療受診を控える」「支援制度の情報が十分に伝わっていない」「進学に対する子ども本人の希望や保護者の期待が低い」など、家庭の経済状況が子どもの日常生活や進学希望などに影響があると考えられます。
近年、子どもの成長を地域で支え、安心して過ごせる場をつくろうと、子ども食堂をはじめとする子どもの居場所づくりが各地で進められています。
道が進める「安心して子どもを生み育てることができる環境づくり」として、地域での連携のしくみを生かした取り組みを紹介します。
(4)赤ちゃんとの外出も安心
●北海道赤ちゃんのほっとステーション
道が登録を進めている「北海道赤ちゃんのほっとステーション」は、赤ちゃんとパパ、ママなどが安心して、おむつ替えや授乳に利用できる場所です。
市町村や企業などの協力を得て登録された施設は現在、道内約300カ所で、子育て中の親子などが安心して外出できる環境づくりに役立っています。
登録施設などの詳しい情報は、ホームページをご覧ください。
(5)不妊・不育でお悩みの方へ
道では、赤ちゃんを授かりたいと治療を受けているご夫婦に対する相談支援や治療費の助成などを行っています。助成の対象となるのは、特定不妊治療と不育症に関する治療と検査で、ご夫婦の所得や年齢、居住地など、道が定める要件を満たしている場合に助成を受けられます。
助成の対象となる治療の範囲など詳しいことは、各保健所や不妊専門相談センターにご相談ください。
▲不妊専門相談センター(旭川医科大学病院産婦人科)(電話)(0166)68-2568
▲札幌市にお住まいの方は、札幌市不妊専門相談センター(電話)(011)622-4500
(6)地域や企業で子育て支援
●どさんこ・子育て特典制度
道では、子育て家庭を応援しようと「どさんこ・子育て特典制度」の普及を進めています。
この制度では、妊婦さんや小学生以下の子どもがいる世帯を対象に、市町村を通じて「どさんこ・子育て特典カード」を配布。子どもと同伴での買い物や施設利用の際にこのカードを提示することにより、協賛店舗から利用料金の割引などのサービスを受けられます。
さらに、このカードでは、全国で展開している「子育て支援パスポート事業」に参加している店舗で各種割引やサービスを受けることができます。
道外で利用する場合には、特典カードにある「全国共通ロゴマーク」のステッカーなどが掲示されている協賛店舗が対象となります。詳しくはホームページなどでご確認ください。
苫小牧市
NPO法人チャイルドサポートこあら 理事長 山本 弘子さん
家族での外出は日常の喜び。親子で楽しい時間を共有できます。
活動22年目の「こあら」は、仕事や急用などで子どもの世話ができない親御さんに代わって、会員が公共施設や各家庭で子どもを預かる保育サービスを提供しています。転勤族の多い苫小牧市にはこうした子育て支援が必要で、「子どもを預かってくれてありがとう」「預からせていただいたお子さんに元気をもらってありがとう」というお互いの感謝の絆で成り立っています。
家族での外出に使える「どさんこ・子育て特典カード」は便利ですね。普段は忙しい親御さんも、このカードを通じて家族で出かける機会が増えると、日常の小さな喜びにつながり、親子で楽しい時間を共有できると思います。
子どもの幸せを願う気持ちは皆同じ。多くの企業や商店の皆さんに協力してもらうことにより、協賛店舗がさらに増えるといいと思います。
(7)地域で見守る子どもの成長
●子どもの居場所づくり
道が実施した子どもの生活実態調査によると、平日の放課後や休日に「一人でいることがよくある」と答えた子どもが2割弱おり、ひとり親世帯でその割合が高い傾向にあります。また、「親や学校の先生と全然話さない」という回答もあり、子どもの相談相手が必要だということがわかってきました。
こうした現状を踏まえ、道では市町村に対する子どもの居場所づくりの支援制度を平成28年度に創設しました。子どもの居場所づくりが道内各地で幅広く展開され、地域に密着した息の長い活動となるよう、活動場所や食材の提供、ボランティア参加など、道民の皆さんのご支援とご協力をお願いします。
芽室町
WEWとかち 代表 若菜 順さん
行政やボランティアと連携し、地域に根づく第三の居場所づくりを。
ことし1月、芽室町中央公民館に開設された「風の子めむろ」は、小中学生と高校生に無料で遊びや学習支援、食事を提供する町の子どもの居場所づくり事業で、町の委託により私たちが運営を担っています。
毎週火曜に集まってくる子どもたちにとって、家でも学校でもない第三の居場所は心のよりどころ。保護者の皆さんも、わが子の意外な面を発見したり、接し方に気が付いたりしやすく、気兼ねなく過ごせてほっとできる場になっているようです。
そうした親子の姿を温かく見守っているのが、地域のボランティアの皆さん。大人にかまってもらえるという子どもの特権を最大限に使えるのが“居場所”です。ふれあいの中で子どもの自信ややる気が育つよう、地域の連携でサポートできる場を目指しています。
(8)子どもの成長を里親家庭でサポート
●里親制度
子どもの成長には、家庭で過ごす時間や経験が大きな役割を担っていますが、さまざまな事情で自分の家族と暮らせない子どもたちがいます。そうした子どもたちを自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と理解でその成長をサポートするのが里親の役割です。
●里親を募集しています
里親になるには、子どもを迎え入れるために必要な研修を受けるなど一定要件を満たしていれば、特に資格は必要ありません。審査・登録後は、迎え入れた子どもの養育費などが里親に支給されます。里親制度の詳しい情報は、ホームページをご覧ください。
(9)進学支援などに関する制度について
子育て家庭で経済的に厳しい場合、進学時の悩みは深刻です。子どもに進学の意思があっても、保護者の教育資金不足や情報不足などを理由に高校卒業後の進学をあきらめてしまうケースもあります。
奨学金や貸付金など、子どもの進学準備に役立つ各種支援制度は多数あります。道のホームページで紹介していますので、ご活用ください。
また、子育てや生活などに関する各種相談機関や支援制度も、あわせてご覧ください。
【奨学金・貸付金の例】
●日本学生支援機構の奨学金(給付・貸与)
●ひとり親家庭を対象とした貸付金
●道内高校生・大学生に対する民間の奨学金
【各種相談・支援について】
●子育てなどの各種相談・支援制度
▲特集に関するお問い合わせ
道庁子ども子育て支援課(電話)(011)204-5235
2 こんにちは!赤れんが
(1)民泊コールセンターを開設しました
住宅宿泊事業法による民泊が6月15日から始まり、道は札幌市と共同で、民泊に関する苦情・通報を受け付けるコールセンターを開設しました。事業者へ注意をしても宿泊客が騒がしい、ゴミ出しルールが守られない、無届け・無許可の民泊の疑いがあるなどの場合は、コールセンターへご連絡ください。苦情・通報の内容に応じて、事業者への調査や指導などを行います。
●北海道・札幌市 民泊コールセンター
(電話)(011)211-2388 受付時間 9~21時(年中無休)
▲道庁観光局 (電話)(011)206-6597
(2)旧優生保護法に関する相談センターを設置
旧優生保護法のもとで優生手術を受けた方やご家族からの相談に関する専用フリーダイヤルを設置しています。
ご本人に関する公文書の有無の調査や開示請求申請のサポート、旧制度についての各種相談などに対応しています。
また、メールや郵送などによる相談も受け付けています。面談での相談をご希望の方は、事前に電話でご予約ください。
電話 フリーダイヤル0120-031-711
受付時間 8時45分〜17時30分(土日祝日除く)
FAX (011)232-4240
メール hofuku.kodomo1@pref.hokkaido.lg.jp
郵送
〒060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目
北海道保健福祉部子ども未来推進局子ども子育て支援課
▲道庁子ども子育て支援課(電話)(011)206-6343
(3)「道民の森」へ遊びに行こう
当別町・月形町にまたがる「道民の森」では、森林学習センターやコテージなどの宿泊施設、キャンプ場、木工芸館などの施設が整備され、森林散策やバーベキュー、木工・陶芸・クラフトづくりなどを楽しむことができます。
木工作や「夏休み自由研究支援プログラム」などの各種イベントも多数開催しておりますので、ぜひ、お越しください。
詳しくはホームページをご覧になるか、電話でお問い合わせください。
▲指定管理者:(一財)北海道森林整備公社 道民の森管理事務所(電話)(0133)22-3911
3 おすすめ!地域から
総合振興局・振興局の話題をお届けします。
(1)石狩振興局
石狩の魅力と北海道150年をブックカバーで発信
石狩地域に暮らす若者に、ふるさとへの愛着を持ってもらおうと、「石狩地域の魅力」と「北海道命名150年」が伝わるブックカバーのデザインを募集する「北海道150年記念・イシカリ150ブックカバープロジェクト」を実施。最優秀賞作品を文庫のブックカバーとして、書店で配布中です。若者の思いがこもった作品を、ぜひ手に取ってご覧ください。
入賞作品とブックカバー配布協力書店は、石狩振興局のホームページに掲載しています。
▲地域政策課(電話)(011)204-5815
(2)根室振興局
根室エリアはいま、フットパスが熱い!
フットパスとは、イギリス発祥の「歩くことを楽しむための道」のこと。根室エリアにはシーサイドや酪農地帯、鉄道廃線跡など、この地域ならではの自然や歴史などを楽しめるフットパスがあります。
「フットパス・ロングトレイル広域化検討会」によるフットパスの整備や普及活動のほか、昨年は旧標津線全通80周年記念イベントを開催。本年10月には国指定史跡「旧奥行臼駅逓所」の改修お披露目に合わせたフットパスのイベントを開催予定など、さらなる盛り上がりをみせています。
▲商工労働観光課(電話)(0153)23-6830
(3)十勝総合振興局
新得から北海道のそばを全国へアピール!
北海道150年を記念して、毎年人気を博している「しんとく新そば祭り」の規模を拡大。北海道のそばの魅力を全国へ発信するため、「北海道そば祭り」を9月29日(土)・30日(日)に開催します。
地元のそばはもちろん、全道各地のそばが味わえる手打ちそば屋台や、そばを使ったスイーツなどが味わえるそば茶屋が出店するほか、ステージイベントなども行う予定です。
採れたての新そばの味を堪能しに、ぜひ足を運んでみてください。
▲新得町産業課(電話)(0156)64-0522
4 みんなの防災ガイド
台風や夏の登山にご注意を!
(1)台風・大雨の季節!早めに避難を!!
北海道では、一昨年のように1週間で三つの台風が上陸するなど、昔と比べて明らかに雨の降り方が変わったと感じる機会が多くなっています。
「まさか」の災害から命と暮らしを守るため、身近なことから防災に取り組んでいきましょう。
●ハザードマップ(防災マップ)で避難場所などを確認する
●非常持ち出し品や備蓄品を用意する
●暗くなる前に早めに避難する など
道庁危機対策課 大山 浩明(気象予報士・防災士)
(2)山岳遭難多発!登山届とホイッスルを!!
雄大な景色が魅力の北海道の山々では、近年、道迷いなどでの遭難が増え続けています。「自分は大丈夫」という油断は、大きな事故につながりかねません。次のことを守り、安全に山を楽しみましょう。
●登山届(登山計画書)を提出する
●ホイッスルや携帯電話を持っていく
●常にラジオなどで天候を確認する
●夏でも防寒着などを持っていく など
北海道山岳連盟 理事長 明田 通世さん
▲道庁危機対策課 (電話)(011)204-5008
5 北海道150年 なるほど!知るほど!物語
北海道ならではの食の由来や知られざる歴史を紹介します。
大正時代から走る、国内唯一の石炭鉄道/釧路市
かつて北海道の発展を担った石炭産業。国内で坑内掘りを続けている炭鉱は、釧路の海底炭鉱のみです。1920(大正9)年に創業した太平洋炭礦は、最盛期には日本有数の採炭量を誇りました。2002(平成14)年の閉山後、優れた採炭技術を後世に残すため、海外への技術指導などを目的に、釧路コールマインが採炭業務を再開。その石炭を専用に運んでいるのが、1925(大正14)年に開通した臨港線(港湾地区を走る鉄道)で、いまでは国内唯一の石炭鉄道です。
海面下約200mから採掘した石炭は、貨車24両(積載量720トン)に積み込まれ、港近くの貯炭場まで約4km運ばれています。その雄姿を春採湖の散策路から間近に見ることができます。
▲太平洋石炭販売輸送(株)釧路本社(電話)(0154)41-9155
広報(誌)「ほっかいどう」、次号は平成30年10月下旬の発行予定です。点字版広報誌の送付を希望される場合は、発行元までご連絡ください。
発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課
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