元気な道内企業
チャレンジを続ける企業は、北海道の活力です!
道内には、独自のアイデアや技術力を生かした新たなチャレンジで、国や道の表彰を受賞した企業があります。今回は「日本ものづくり大賞優秀賞」を受賞したシンセメック株式会社と、「北海道新技術・新製品開発賞奨励賞」を受賞した株式会社トリパスをご紹介。今後順次、北海道庁広報Twitterで道内企業をご紹介していきます。
蓄積した技術力でカボチャ乱切り装置を開発。
シンセメック株式会社(石狩市) 代表取締役会長
松本 英二(まつもと えいじ)さん
●どのような会社ですか?
1950年に創業した当社は、長年の精密機械部品加工で培った技術に、機械設計や電気制御をプラスし、さまざまな産業分野の省力化機器や計測機器、ロボット組み込み機器などを考案・設計しています。お客さまの思いを形にするため、自社一貫生産体制で、世界に1台しかない装置を作っています。
●新たなチャレンジのきっかけは?
受注生産を多く手がける一方、自社開発で約15年前から改良を重ねてきた製品が「カボチャ乱切り装置」です。カボチャの楕円形状を生かしたカットを実現するため、独自の円形刃物を開発。従来の手作業を自動機械化することで、1時間あたりカボチャ約250個を、材料ロスもほとんどなくカットすることができます。
硬いカボチャを安全に処理できる装置により、食品加工現場の問題を解決しました。国内外からの引き合いもあり、「こんな機械を待っていた」という声に手応えを感じています。
●経営者として今後の展望は?
当社の経営理念の一つは「変わらないことは最大のリスク」、つまり、変わり続けることでしか発展はないと考えています。新しい技術と価値を創造するために、今後もチャレンジを続けます。
(写真)2013年日本ものづくり大賞優秀賞を受賞した「カボチャ乱切り装置」
北海道発のメタルブランドで付加価値の高いものづくりを。
株式会社トリパス(札幌市) 代表取締役社長
杉本 光崇(すぎもと みつたか)さん
●どのような会社ですか?
私たちは、1946年の創業当初から一貫して金属製品を手がけてきました。当社の金属製品は、車両部品、機械部品、建築・土木資材などの幅広い分野で使用されています。
●新事業にチャレンジしたきっかけは?
そうした従来の受注生産だけではなく、より主体的なものづくりを目指すクリエイティブな事業展開が必要だと感じ、北海道発のメタルブランドを2019年に立ち上げました。第1弾で開発したアウトドアブランドのたき火台「GURU GURU FIRE」は、当初は道内2店舗での販売でしたが、独自性とデザイン性の高さでSNSを通じて評判となり、全国で販売するようになりました。現在は台湾や香港にも販路が広がっています。
●経営者として今後の展望は?
自社ブランドのコンセプトは「タノシメタル」。それを持っているだけでワクワクするような製品力が重要です。現在は第2弾として、ガーデニングブランドの開発を進めています。そうした付加価値の高いものづくりを支えるのは人の力。ここで働く社員が楽しんでものづくりができるように、会社も時代に合わせてアップデートしていかなくてはならないと思います。
(写真)2020年北海道新技術・新製品開発賞ものづくり部門奨励賞を受賞した「GURU GURU FIRE」
【問い合わせ先】道庁産業振興課 電話011-204-5323