知事定例記者会見(令和6年8月27日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年8月27日(火)14:30~15:43
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/21名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 停滞前線による大雨について
  2. 米国訪問について
  3. 秋のヒグマ注意特別期間について

記者からの質問

  1. 米国訪問について(1)
  2. 米国訪問について(2)
  3. 米国訪問について(3)
  4. 道警ヤジ排除訴訟問題について(1)
  5. 道内の米不足について
  6. 道警ヤジ排除訴訟問題について(2)
  7. PFASに関する対応について
  8. GX金融・資産運用特区について
  9. 自民党総裁選について
  10. 道議会議員の質問について
  11. 政治資金パーティについて
  12. 報道発表について
  13. 堀井衆議院議員の報道について

知事からの話題

停滞前線による大雨について

 まず私から、停滞前線による大雨の部分であります。
 本日、北海道付近に前線が停滞して、大気の状態が非常に不安定になっています。このため、厚真町で降り始めてからの雨量が100ミリを超えるという状況など、道南方面を中心に大雨になっています。この雨によって、厚真町では床下浸水が16件発生しています。また、高速道路は、夕張~占冠間で通行止め、JRでは特急などが運休となっているという報告も受けているところであります。
 道内の雨でありますけれども、一旦小康状態となっているところが多い状況でありますけれども、気象台によりますと、夜にかけて雷を伴って非常に激しい雨の降る恐れがある見込みであります。道としても警戒に万全を期しているところであります。道民の皆さまにおかれましては、お住まいの地域の気象情報や交通情報に十分注意いただいて、大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水、氾濫に警戒いただくようにお願いいたします。

米国訪問について

 二点目でございます。アメリカ訪問についてです。8月19日から23日までの日程で、ANIC(エイニック、一般社団法人北海道新産業創造機構)の藤井理事長や、道日米協会の岩田会長、北大の寳金総長、鈴木道経産局長など、道内の産学官を代表する方々と米国ニューヨーク州を訪問いたしました。半導体エコシステムの先進地との連携協力関係の構築や、GX金融・資産運用特区を契機とした道内への投資拡大、ホタテなどの道産食材の輸出拡大に向けたプロモーションを実施いたしました。なお、半導体の用務には、ラピダス社の小池社長も同行いただきました。
 初日のヨークタウンハイツでは、IBM社の研究開発部門の本拠地でありますワトソン研究所におきまして、最先端の量子コンピュータやデモサーバーなどを視察いたしました。
今後、AIが進展して、データ通信量の急増が見込まれるという状況の中で、ラピダス社とともに進める低電力と高性能を両立する次世代半導体プロジェクトの意義などについて、ダリオ・ギル・シニアバイスプレジデントなどIBM社幹部からお話を伺うことができました。
 翌日、ニューヨーク州の半導体エコシステムの中核であるオールバニー・ナノテク・コンプレックスでは、EUV露光装置等の研究設備や、IBM社とラピダス社の技術者による共同研究の様子の視察をはじめ、今後千歳市での赴任を予定している方も含めた、ラピダス社の若手技術者と懇談させていただきました。さらに、ニューヨーク州経済開発公社のホープ・ナイト・プレジデント、ムケシュ・カレ・IBMリサーチ・バイスプレジデント、デービッド・アンダーソン・ニューヨーク・クリエイツ・プレジデントなどと意見交換を行ったところでございます。またこの機会に、ニューヨーク州経済開発公社、ニューヨーク・クリエイツとの3者でMOU(覚書)を締結いたしました。こちらは、日本の地方自治体がMOUを締結するというのは初めてのことになります。
 次に、レンセラー工科大学では、寳金北大総長とともに、シュミット学長と意見交換し、さらに北大とレンセラー工科大学が半導体関連の人材育成に関するLOI(意向表明書
)を締結し、私も立ち会ったところです。今回のオールバニー市訪問を通じて、半導体の製造、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の実現に向けて、現地との連携協力の枠組みを構築することができたと考えています。
 最終日のニューヨーク市内においては、在ニューヨーク日本国総領事館の森大使閣下と面談し、ニューヨーク市の概況についてのお話を伺いました。両地域における今後の交流拡大に向けた協力を確認したわけであります。このほか、北海道人会ゆかりの会やジャパン・ソサエティーといった、ニューヨーク市における北海道の応援団の皆さんから、北海道へのDX、GXといった投資促進をはじめ、北海道の価値をニューヨークの方々に浸透させていくため、現地の視点ならではのさまざまなアドバイスをいただいたところでございます。ニューヨーク市政府においては、カマラ市長室国際担当副長官兼首席補佐官ら市政府高官と意見交換を実施しました。フェイス・トゥー・フェイスでの関係の構築、市側からは、日本における新たなパートナーとして、北海道への高い関心が示されたところでございます。
 また、ジェトロ(日米貿易振興機構)主催の「Hokkaido Premium Night」では、現地のシェフなどレストラン関係者12名、流通業者8名、さらに多くのフォロワーを持つフードブロガーなど道産食品のニューヨークでの消費拡大に影響力を持つ約30名の方々に対し、道産のホタテや和牛を中心としたメニューを、ワインや日本酒などとともに味わっていただき、ホタテをはじめとした北海道の食材の魅力につきまして、私からプレゼンテーションを実施させていただきました。参加者の皆さまからは、道産食材の品質や美味しさへの高い評価、「今後は北海道産の導入を検討したい」といった声が寄せられました。参加者の皆さまによる取引の拡大やさらなる情報発信などによって新規販路の開拓など期待されるところでございます。また、これをキックオフといたしまして、来週からは、今回のイベントにも参加いただきました店舗も含め、ニューヨーク市内のレストラン3店舗で道産ホタテのフェアが開催されます。合計350食以上のホタテ料理が無料で提供される予定でございます。Premium Nightを契機とした一連の取り組みを通じて、道産食材のファンを獲得し、今後の輸出拡大にもつなげていければと考えています。
 私としては、今回の訪問を契機に構築いたしました関係を強固なものとしながら、半導体エコシステムの先進地であるニューヨーク州や米国最大の都市でありますニューヨーク市の知見、活力を北海道に呼び込むとともに、北海道の価値を生かしたWin-Winの関係をつくり上げて、両地域の発展を促進していきたいと考えています。

秋のヒグマ注意特別期間について

 最後でございます。今年度になってから、道内では既に3件の人身被害が発生しております。秋のヒグマ注意特別期間についてでございますが、道警に寄せられた目撃通報件数につきましても、7月末時点において、過去5年間で最多となった昨年の2千件に匹敵する件数である1716件、これは目撃通報件数でありますが、そういう状況になっておりますほか、現在、道内3カ所において、ヒグマ注意報が発出されています。こういったことなど、依然として人里周辺での出没が相次いでいる状況にあります。道では、こうした人とヒグマのあつれきの高まりを踏まえて、ヒグマ管理計画の充実に向けた見直しを検討しています。先週21日に開催させていただきましたヒグマ保護管理検討会では、個体数管理を行うための「捕獲目標」や「達成時期」についての議論を行いました。また、国においては、4月にクマ類を指定管理鳥獣に指定するとともに、指定管理鳥獣対策事業交付金の対象としたところであります。検討会の中でもこうした国の交付金も活用して、個体数のモニタリングの強化、ゾーニング管理の推進などに取り組むべきであるといったご意見をいただきました。道としては今後、こうしたご意見も踏まえ、検討を進めていきます。ヒグマ対策の充実強化に取り組んでまいります。
 これから秋の行楽期を迎えるわけであります。秋は特に、キノコ狩りなどで野山に入る機会が増えるという一方で、冬眠に向けてヒグマが餌を求めて活発に活動するということがあるため、ヒグマとの不意の遭遇による人身事故が発生をしているという状況があります。このため、道では、ヒグマによる事故防止に向けた取り組みといたしまして、9月1日日曜日から10月31日木曜日までの期間を、「秋のヒグマ注意特別期間」と定めまして、道民の皆さまに対し、ホームページやSNSなどを通じて、注意の呼び掛けを行うことといたしました。道民の皆さまにおかれましては、野山ではヒグマに遭遇する恐れがあるということから、複数で離れずに行動する、鈴や笛など音を出しながら歩く、食べ物やゴミは必ず持ち帰るなど、ヒグマに出遭わないための基本的なルールを守っていただくほか、人里周辺で出没が相次いでいることもございますので、こういった点も忘れずに、これまで以上に、十分にご注意いただければと思います。報道の皆さまにも、ヒグマによる事故防止の注意喚起についてご協力いただいているところでございますが、今後ともご協力をよろしくお願い申し上げます。
 私からは以上です。

記者からの質問

(毎日新聞)
 米国訪問についてなのですけれども、半導体の分野のところで、今回の視察で知事が一番印象に残ったことですとか、北海道に取り入れたいと感じたところがあれば教えてください。

(知事)
 (ワトソン)研究所において、微細な半導体を活用したデモサーバーを直接見ました。非常に静かな状況で、熱の排出も抑制されている中で、これは表裏一体なのですけれどファンが回って熱を抑制していくわけですけれども、それが増えると音がうるさくなるわけです。そういった状況を実際に目の当たりにしながら、今後の2ナノをはじめとする次世代半導体が、いかにそのエネルギー効率を上げて、今後、急激に増加するAI需要などに対応していくにあって必要であるかということを、肌で感じることができたと思っていますし、またその分野で、まさに研究している研究者の方から直接お話をお伺いしながら、その詳細を申し上げることはなかなか難しいのですけれども、今、IBMで取り組んでいる今後の研究の方向性などのお話もお伺いしながら、われわれが実現しようとしている量産、また研究、人材育成、わが国において北海道がその役割を果たしていく、このことの重要性をより強く感じました。
 また、当日、アメリカでは大統領選挙に向けた民主党の党大会で、オバマ元大統領が演説するとか、そういう民主党の日程が非常に難しい状況の中で、ニューヨーク州の幹部、またニューヨーク市の幹部の皆さまにも、しっかりと出席いただいた中で、特に3者でのMOUを締結することができたのは、今後の取り組みを進めるにあたって非常に重要な一歩になったと思っているところです。先ほど、冒頭申し上げたように、半導体のみならず今後のGX金融・資産運用特区を踏まえた中でのニューヨーク市のほうの話ですけれども、意見交換もできましたので、これは今後につなげていきたいと思っています。
 それとホタテの関係も、私も現地の方々に直接お話をお伺いしました。(対)アメリカでは実際に輸出量が2倍になっていますけれども、北海道産のホタテというものに対して非常に高い期待があるなというのは、数字でも表れていますけれども感じましたし、実際食べていただいた中で大変感動を覚えていただけたということも実感できました。9月に入ってまた先ほど申し上げたようなプロモーションが続いていきますので、ジェトロなどの関係機関とも連携して、しっかり輸出拡大をはじめとした取り組み、これは重要な要請がありますので、取り組んでいければと思っています。

(毎日新聞)
 複合拠点のことで確認させてもらいたいのですけれども、道内で今、企業進出とかが少しずつ進んできて、あと教育機関ですとか、いろいろなところで連携とかも図られて、そういったそのエコシステムにつながるような動きとかいろいろあると思うのですけれども、一方で今回視察されたそのニューヨークというのが、州政府が入居施設みたいなものを造って、運営主体としてニューヨーク・クリエイツをつくってという、ちょっとやり方が違うと思うのですけれども、両者違うところで、北海道としてここらへんは参考になるかなとか、そういったもので、もし今後、取り入れようかなと思うものがあれば教えてください。

(知事)
 必要な機能というのは多分重なっていると思うのです。最先端の半導体を作っていこうという意味での研究であったりとか、研究するためには高度な機器とかも必要ですし、その環境整備のためには多額の予算が必要です。この必要な中身というのは、日本もアメリカでの展開も同じであったと思うのですけれども、またニューヨーク州とか、そういった自治体の枠組みとか、あとは進出企業の状況、例えばニューヨーク州の場合、IBMがかなり中心になってやっています。また、ニューヨーク・クリエイツに対して参画したのは日本の企業も結構多いのですよね。日本の企業も入った中で、研究に参画していますけれども、そういう意味で日本には同様の、残念ながら半導体が今、日本はシェアが非常に小さくなって、海外で日本の企業がそういった活動に対して支援したりとか、そういう活動をしているわけですけれども、やはり私はそれは北海道で最先端の半導体を作っていくので、研究も人材育成もやはりしっかり北海道が中心となって取り組んでいくべきではないかということで、ラピダス社さんもそういう思いがあるのですよね。なので、目標という意味でそれほど大きな違いは多分ないのですけれども、その自治体のあり方とか、やり方の面ではそのとおり当てはまるかというと、そこは課題があるのだろうと思っています。ただ、やはり相当な知見とノウハウを20年にわたって積み重ねてきているのがニューヨーク州なので、施設も見せていただいたのですけれども、20年の間で、どんどん改築などもしながら、すごいスピードで半導体分野をはじめとして変わっているのですよね。20年前に同じことが予想できたかというと、皆さん分からなかったと思うのです。ですからそういう意味では、これからいろいろなことを、そういった経験したことも教えていただきながら、いわゆる手戻りしないようにとか、こういう点は注意しなければいけないとか、そういった点というのはわれわれとしてはすごく得ることがあるのではないかと思いました。そこを抽象的な関係性ではなくてMOUという形で署名できたというのは、お互いすごくやりやすいのかなと思っています。

(朝日新聞)
 先ほど知事の発言の中で、Win-Winの関係をつくりたい、そういうものをおっしゃっていましたけれども、北海道にとってのWinと、向こう側にとって北海道側から、提供できるWinを分かりやすく教えてください。

(知事)
 これはラピダスとIBMの関係がまさに共同で開発してる関係性がまずあります。ですので、アメリカそしてIBMが、ある意味では活動を中心的に行っているニューヨーク州と、北海道というのは、そういった意味では、ラピダスを通して、今までになかったような関係がもう既に生まれていると思っていまして、さらに今、130名を超える技術者の方が、ニューヨーク・クリエイツの中で研究を行っているのですけれども、この方々が、私が聞いた話では11月から順次、北海道に来られる状況があるということですので、いよいよ、研究からこちらに来られるというフェーズにも、年内になってくるということがあります。そういった意味では、ニューヨーク州と北海道で相互に人の動きが出てくる、新規で、研究職の方々だけではなくて、今後はIBMの方々につきましても北海道にお越しになられるような状況もできてくるのではないかと思われますので、相互に受け入れる側と送り出す側というそれぞれの関係性があるので、そこはお互い、どちらからやればいいということでもないので、今回、MOUも締結しましたけれども、そういった具体な動きがこれから出てくる前にそういう枠組みができたというのは良かったと思っています。

(朝日新聞)
 人的なやり取りでお互いにWin-Winの関係を築いていきたい、いくということですね。

(知事)
 そうですね、先ほど質問にあったような、今後、将来を見据えた、そういった先進地であるニューヨーク州に学ぶべきことももちろんありますし、直近でいうと、もう既に人が来られるという話もあるので、そういったところに対する支援というのはある意味、現地であるニューヨーク州とわれわれ、また活動している本拠地であるニューヨーク・クリエイツという施設主体、この3者でそこが確認できるというのは大切なことかと思っています。

(朝日新聞)
 今回、現地に行かなければこれは得られなかったなと、行って良かったと思う部分、資料とかオンラインとかいろいろありますけれども、現地に行かねばこれは得られなかったというものがもしあれば、あらためて教えてください。

(知事)
 先ほどデモサーバーの話もしたのですけれども、やはりニューヨーク・クリエイツはたしか3千人ぐらいの研究者の方がいらっしゃるのですけれども、まさに世界のトップで日々、技術というのは変化していくと思うのですが、そういった最新の状況について直接研究なさっている方からお話をお伺いすることができるというのは、これはそもそも、ワトソン研究所は自治体の方を入れたことがなくて、われわれが初めてで、かなりセキュリティレベルが高いのですよね。要はどうしても技術開発の進捗情報というのは、企業のシークレット情報というか、そういうところがあるということで、そこはしっかり直接見る以外の手法というのは多分ないのだろうなと思っていますし、先ほどのデモサーバーについてもわれわれが見るという本当に直前で、その状況が整ったというぐらい最新の状況でしたので、おそらく世界の中でもわれわれが一番最初に見たのではないかと思っています。それはやはり、見るのと聞くのとでは違うなと、また、現地に行って直接疑問点を聞けるという点は良かったと思いますし、あとMOUについても電話やオンラインでも打ち合わせは十分にこれまでも重ねてきたのですけれども、どうしても最終的にはトップ同士で、決定権限のある方々とお話しして、これは外交とかも多分そう思いますけれども、やっていくと。そして本当にギリギリまで調整していたので、マスコミの方へのリリースが直前になってしまったのですけれども、訪問するということがなければ、ここまで状況を整理することが多分難しかったのではないかなと思っています。ですので、そういう意味では、オンラインですとかいろいろな方法はありますけれども、今回、直接お会いする中でしかできなかったという点も、多いのかなと思っています。

(日本経済新聞)
 半導体関連で伺わせてください。MOUに関連して具体的な想定している取り組みだとかがあればお聞かせください。先ほどのIBMの人材はこっちに来るとかそういったところも含まれるのでしょうか。

(知事)
 まず、このメリットは大きいと考えているのですけれども、ニューヨーク州というのが先ほどから繰り返しになってしまって恐縮なのですけれども、やはり世界有数の半導体エコシステムを構築した先進地ということです。そしてニューヨーク・クリエイツが、まさに拠点として、今、研究者の方々も日本から行っています。ですから、協力関係、協力強化ができたというのは大きいと思っています。今後、(MOU)締結によって何をしていくのですかという話については、ラピダス社のプロジェクトの成功に向けた効果的な支援は当然やっていきましょうということですし、半導体エコシステム構築および地域経済の活性化に向けた州政府の半導体政策の知見、ノウハウを獲得していく。これはわれわれの立場としてぜひそれをやっていきたいということ。それと、まずは130名の方々が(北海道に)お帰りになるということがあるのですけれど、将来におけるIBMなどの海外の技術者の方を道内に受け入れていくことなどが期待できると考えています。まずはラピダス社の技術者が千歳市に着任していくという予定があります。私も直接お話をお伺いしましたけれども、北海道出身の方も結構おりまして、ラピダスの話が出て、自分の仕事を辞めて、ニューヨークに家族と行くと決めて、取り組んでいこうということで、かなりの覚悟を持って日々研鑽を積まれている方のお話もお伺いしました。そういう方々がいよいよ北海道に家も借りて住んで、活躍するという状況がありますから、みんなでしっかりサポートしていかなければいけないと思っています。そしてこれから必要情報の提供などについても、まだまだ多くの方がいますので、求められるだけではなくて、こちらからもいろいろな情報を提供していくなどしながら、このMOUを有効に機能させていけるように取り組んでいければと思っています。

(日本経済新聞)
 先ほど期待される中に、エコシステムを作っていく中でのニューヨーク州の半導体政策についてのノウハウを獲得というのがあったかと思うのですが、こちらは何か道の職員の方がニューヨークに行ったりだとか、そういったことをされるというイメージなのですか。具体的にどのようなイメージをされていますか。

(知事)
 ニューヨーク州については、今回、GX金融・資産運用特区の関係については関係づくりをしながら、さらなるどういう活動展開ができるのかというのを検討していきますし、半導体関係でも、今回のMOUを結んでそれで終わりということではなくて、どういう形でそれを双方にとってWin-Winな形で有効に機能させていくかについては、直接全部行かなくても、今までもオンラインやさまざまな形で打ち合わせさせていただいてきましたので、そこはわれわれの思いをお話しするだけではなくて、向こうのこういうことをできないのかということもお聞きしながら、それをやっていく話なのかなと思っています。今の時点で道の職員がニューヨークに住んで暮らしてということを想定してるわけではありません。

(日本経済新聞)
 最後に、北海道として半導体の複合拠点というのを目指されているのかと思うのですけれども、先ほどの質問にもありましたけれど、同じように北海道でそのままやるということはできないにしても、ある程度お手本だったり参考にするということは考えられているのですか。

(知事)
 必要な機能というのはどうしても重なってくるのだと思うのですよね。なので、どういう形でそれが日本に合うのかということで、今の研究という意味では、LSTC(技術研究組合最先端半導体技術センター)ということで、ラピダスの会長もやっている東理事長が先頭になって、国立の半導体研究を行っている大学とのネットワークを形成して、それぞれの研究室とかとつないだ中での2ナノの半導体に関する研究は国の支援もいただきながらやっているのですけれど、それはそれぞれの大学をつないでいるという形です。そういう形でも一定の機能はするのだと思うのですけれども、ニューヨーク・クリエイツの場合は、みんなが集まる、企業が入る、そういった研究機能を持った施設が形成されていますので、そういったものが日本にとってなじむのかどうかというのは、ある意味国としても考えていかなければいけない話なのだろうとも思っていますし、2ナノの半導体を作ってそれで終わりなのかといったら、微細化はさらに進んでいきますので、そう考えたら継続的に研究していくために、どういう形がいいのかと。私はやはり東京都にそういう研究の拠点をつくるのではなくて、ラピダスで製造を行っていくわけですので、北海道に研究の拠点を置いていくことが、やはり合理的だし、必要なのではないかと思っています。今回、北大もレンセラー工科大学との新たな意向表明をされましたけれども、北大も台湾も含めていろいろなところと、そういう人材育成に関する取り組みもされています。そういったさまざまな動き自体はもうスピードや状況の違いはあれども動き始めているので、どう最終的なゴールを描きながら進めていくかというときに、先進地の知見やノウハウというのは重要かなと思っています。

(HBC)
 道警のヤジ排除訴訟についてお伺いいたします。先日、最高裁が双方の上告を退けて道に賠償を命じた二審の判決が確定しました。判決の確定を受けての受け止めをお願いいたします。

(知事)
 本件につきましては、警察官の職務執行を管理し、事実関係を把握している道警察において、第一審から一貫して方針を判断して対応してきたものです。今後の対応につきましても、道警察において適切に進められていくものと考えています。また、警察庁長官においても、今回の決定も踏まえて、「警察官の行為が一部違法とされたことは、警察庁としても真摯に受け止めなければならない」という発言をされています。判決の確定を受けまして、私も伊藤道警本部長とお話しさせていただきました。伊藤本部長は、道警察の受け止めとして、「このたびの司法判断を真摯に受け止め、法令に基づく適正な職務執行に努めてまいります」と述べられました。私からも、「適切な職務執行に努めていただきたい」ということを道警本部長にお伝えしたところでございます。今後の対応につきましては、道警察において、報道機関の皆さまからのさまざまなご質問なども含めて、道民の皆さまに対しても丁寧に説明していきたいということであります。適切に進めていかれるものと考えています。

(HBC)
 知事のほうから道警本部長に適切に対応していってほしいというふうにお話されたということだと思うのですけれども、具体的に今後どういうところを求めていくというのは、具体的に何かあれば教えていただけますでしょうか。

(知事)
 今回、判決がございました。先ほどお話しさせていただきましたが、道警察としても、例えば表現の自由については、基本的人権としても保障されているわけですから、尊重されなければならない重要な権利だということが当然あるわけですので、その表現の自由について、「特定の意見を規制することはもとより考えていない」ということについてもコメントされたと報告も受けています。私も街頭演説などをする立場でもあるわけですけれども、一般論として申し上げれば、やはり、聴衆の方々にとって、演説を聞いて誰に投票するかを決める大切な場でもありますので、表現の自由をしっかりと守る、そして演説を聞ける環境づくり、この両方を尊重することが大切ではないかと考えています。

(STV)
 全国的に米不足となっていて、道内でも米が売り切れるスーパーなどが出ています。こうした状況への受け止めや、今後、新米の供給見通し含めて、道民の方に呼び掛けがあればお願いいたします。

(知事)
 今の全国の状況ですけれども、全国における在庫量につきましては、近年では低い水準にあるわけですが、米の全体需給については逼迫している状況にはないということでありますので、まずこれは皆さんにあらためてお話しさせていただきたいと思っています。そして北海道の状況ですけれども、北海道は皆さまご承知のとおり全国有数のお米の産地です。かつ、その道産米につきましても、道民の皆さまが消費していただいてるという割合が高いという状況もありまして、全国と比べると、この品薄感が少なかったという状況があって、全国より少し遅れる形で、最近ではスーパーなどにおいても品薄も見られるという状況になっています。全国の本州の状況との違いがあるのではないかと思っています。そしてその要因ですけれども、国はパン、麺類に対するお米の値頃感があるということ、そしてインバウンド需要の増加があるということ、全国的に5年産の高温等による1等米比率の低下がある、そして新米が出回る前の今頃に地震そして台風に備えて買い置きするという動き、こういうものが出ていることなどが挙げられるのではないかということで、要因としては考えられるということであります。本日ちょうど坂本農林水産大臣も、この品薄の状態についてどうなっていくのかということに関して、順次回復していく(見込み)という発言がありました。このほか、今の北海道の米の状況につきましても生育は順調に推移しています。既に収穫が始まっている地域もあるので、9月には美味しい新米が出回り始めるということであります。ですので、道民の皆さまにお願いしたいのは、まずは、必要な量をお買い求めいただくということですね。どうしても品薄報道などがあって、必要以上にお米を買われますと、そのことに拍車をかけるといいますか、そういう状況もあるので、しっかり、順次回復していきますので、必要な量を買っていただくということをお願いするとともに、今、お話ししたような、日本全体として逼迫している状況にはない、新米が来月からは出回ってくると、順調に回復していくのだということも踏まえて、冷静に対応いただければと思っています。今後、道としても状況を注視していければと考えています。

(毎日新聞)
 先ほどのヤジのところでちょっと確認させていただきたいのですけれども、これは判決が確定したことを受けて、知事が道警本部長に面会されて伝えたということでよいですか。

(知事)
 そうですね。直接、道警本部長に道庁に来てもらって、私から、適切に職務執行に努めてほしいということを、本部長に直接申し上げました。

(毎日新聞)
 ちなみに何日のことか分かりますか。

(知事)
 昨日(8月26日)です。

(北海道新聞)
 道内におけるPFASの調査について二点お伺いします。まず、この7月に1リットルあたり最大95ナノグラムを検出した安平川に関してなのですけれども、8月上旬に公表された際の追加の水質調査では原因特定には至りませんでしたが、その際、道庁として継続的に原因究明に努めるということだったのですけれども、その後、何か新しく判明したことなどがあればまず教えていただけますでしょうか。

(知事)
 現在、新たに判明したような状況はないです。

(北海道新聞)
 それからもう一点、今の安平川は、ラピダス社に供給する苫小牧工水の水源との関係で、水質調査が行われた経緯がありましたけれども、一方でラピダス社から、排水、水が流れるほうになる千歳川について、こちらにこの千歳川を水道水として利用している江別市が、ラピダスの排水開始後、水質に影響がないかということを懸念して、モニタリング調査とか、仮にPFASが検出された場合の連絡体制などについて、要望されているかと思います。江別市が道庁に対して要望されているかと思います。こうした千歳川流域をはじめ、水道利用に不安を感じるような道民も今は少なくないと思うのですけれども、これに対しての知事の考えをお聞かせください。

(知事)
 調査を実施して、流域自治体の方々からも、今、江別市の話もありましたけれども、さまざまご意見なども頂戴しています。今、具体的な内容も含めて協議を進めさせていただいているところです。調査についての継続的な実施などについても、今、お話しあった中で触れていただきましたけれども、こういった点も含めて協議を進めて、速やかにその調査の内容については決定していければと考えています。いずれにしても、流域の皆さんとしっかりコミュニケーションをとってやっていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 GX関連でお聞きします。本日午前中に、地方税制優遇、GXに絡む地方税の税制優遇の検討を、懇談会の第2回目の会合が開かれました。この場で一応、道側が示した基本的な考え方の素案というものが、ほぼ特に異議は出されなかったのですけれども、事務方としては近く道としての案をまとめて議会に示すというご説明でした。先ほど知事はスピード感を持って物事を進めていくというふうにおっしゃっていましたけれども、この税制優遇に関しては、現時点でどういったスケジュール感で、条例案を含めて、出していこうというふうに考えておられるのでしょうか。まずそこをお聞かせください。

(知事)
 今、ご質問でも触れていただきましたけれども、これは道だけではなくて札幌市と合同で有識者懇談会を開催させていただいています。これは第2回目の開催で、基本的な考え方の素案について、前回皆さまからご意見を頂戴いたしましたので、それを踏まえた修正案をお示しして、あらためてそのことに対するご意見をいただいたというところです。今後の予定ですけれども、今回また、有識者の方からご意見をいただきました。こういったことも踏まえて、詳細な内容について検討を進めていきたいと考えています。当然のことながら道議会でのご議論をいただきながら、制度の導入に向けた道の考え方につきましては、整理していきたいと考えています。今後はこういう進め方で考えています。

(朝日新聞)
 素案の中では、特に一番焦点となっているのが優遇期間と税率なのですけれども、基本的に法人住民税等7項目について一番有力といいますか、事務方としては10年間最大全額控除の案を推していると言うと言葉は悪いですけれども、これを軸に考えたいというふうなことをおっしゃっていましたけれども、知事としてもやはり、全国で最も控除の率が一番高くなるわけですけれども、この10年間最大全額控除という案を知事としても推しているという認識でいいのでしょうか。

(知事)
 詳細についてはまだ内容を確定してるわけではありませんので、素案に対して、またさまざまなご意見も頂戴しています。私も本日行ったこの中身についての、具体的な有識者の方からのご意見については、まだ詳細の報告を受けておりませんので、その点についてこの場でお答えすることは控えたいと思っています。

(HTB)
 岸田総理の退任についてお伺いします。先週、岸田総理が次の総裁選挙に出馬しないということを表明しましたけれども、それについて知事の率直なご感想と、総裁選に向けて、来月行われるわけですが、既に3名の方が出馬表明していますけれども、次の総裁、現状では総理になるということになると思うのですが、それにどんな人物がいいのか、どんな政策がいいのか、知事のお考えがあればお願いします。

(知事)
 まず、岸田総理の不出馬につきましては、これは当然のことながら、私も報道で拝見して率直に驚きました。その中で、岸田総理には、コロナ対策(5類)移行をある意味では陣頭指揮をされたわけでありますけれども、コロナ対策、また、アルプス処理水放出に伴うホタテをはじめとする本道の水産品が大変厳しい状況にある中で、私も直接総理には、さまざまな懸念事項を申し上げる中で、国としての対策を講じていただいたことがありますし、また、今日もお話ししましたけれども、GX金融・資産運用特区の関係も資産運用立国の表明とともに、総理がアメリカで発信されて、制度の枠組みが構築された内容でもありました。そういう意味では、北海道の政策に関連するそういった取り組みについてもお力添えをいただいたと考えておりまして、感謝申し上げたいと思っています。ただ、残りの任期が当然ながらまだあるわけでありまして、岸田総理もお話しされておりますけれども、残されたその任期につきましても引き続き、国民の皆さまの期待に応えるために、全力で取り組みを進めていただきたいと思っています。
 そしてこの自民党の総裁選挙においては、自民党の総裁を決めるということであるわけでありますが、首班指名にもつながるという意味では、大変重要な選挙であります。さまざまな方々が意欲を示されているということを報道で拝見しています。先ほど申し上げたように、党の総裁を決めるということではあるのですが、首班指名にもつながるわけでありますので、道民、国民の皆さまに開かれた形での政策議論を、ぜひ多くの方が意欲を示す中でも、しっかり議論を見える形で進めていただきたいと思っているところです。また、政策の具体的な中身については、私もかねてから思っているところですけれども、現在表明をされた方々はニュースなどで私も把握する限りでありますけれども、憲法や外交、また国防、そういった意味では総理、総裁としてやるべきこと、また語られるべき内容なのだと思う一方で、現在、岸田総理も、最大の課題が人口減少であるということでお話しされていることと比較した時に、現在、出馬表明をされた方々の中では、その発言のウェイトが必ずしも最重要な状況になっているのかという点については今後も注視していくべきなのかと思っています。全国知事会としては、やはり地方創生と関係した中で、東京一極集中に対して、日本全体としてどう考えるのか、国の考え方をやはり示すべきではないかという、人口減少の中での日本のあり方、こういったことをぜひ議論していただきたい。また、地方創生や、地域活性化ともイコールに近いかと思いますが地方の問題、さらには子育ての施策についても地域間格差がより顕著になる中で、国として果たすべき役割を明確にするべきではないか、こういった議論が、福井県で行われた知事会でも中心的な議論になりました。ですので、今後、この知事会としても、総裁候補にわれわれの意見をしっかり提出していきたいと考えているところでありますので、その受け止めの状況についても、国民の皆さまにお伝えしながら、どういった議論、お考えをお持ちなのかということを可視化していく、そういう役割もあるのではないかと思っています。いずれにしても、国としっかり連携しながら北海道としては取り組みを進めていくことに変わりはないわけでありますが、先ほど申し上げたような非常に重要な選挙でもあると思いますので、それぞれの政策について注視していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 道議会について伺います。弊社の調べで、当選以降、道議の1割を超える方々が、質問に立っていないという状況が分かりました。でも道議は二元代表制の一翼として、知事とともに道政を推進することが求められていると思うのですけれども、消極的な方々もいるということだと思います。まずこの点について知事のご感想を伺いたいです。

(知事)
 これは私が申し上げるまでもなく、例えば本会議等で質問するということについては、道議会にはそれぞれ会派というものがありまして、例えば議員総会などによって、その質問について決定されるということかと思います。われわれ質問いただく立場としては、どういった方々にご質問いただく場合においても、しっかり真摯にその質問に向き合っていく、このことが大事だと思っています。また、質問される方については、どうしても多くの方々が議員としていらっしゃる中で、全ての方が毎回ご質問するということも難しさがあるのだろうという点については、これは現実的にはあるのではないかと思っていますし、また、質問のみならずさまざまな形で議員の活動というのが行われているのだろうと思いますので、そういった状況の中で、道民のみなさんが、それぞれの議員の方の活動状況というのは把握されていくのだろうと思っています。

(北海道新聞)
 われわれも普段、道議会を取材していて、定例会での傍聴者数が、あまり人がおられなかったりとか、インターネット中継のアクセスも多くても1日数百件程度と聞いています。来月、第3回定例会もありますけれども、道議会、ひいては道政への、ちょっともう関心がなかなか道民の間でも高まっていないのではないかなと思うのですけれども、関心を持ってもらうためにはどのような取り組みが必要だとお考えでしょうか。

(知事)
 やはりこれは、道議会、また、道政のみならず、どうしても政治的な活動に関する皆さんの関心をどう高めていくのかということについては、まさにその政治参画、また投票率などをはじめ、これは非常に重要な課題なのだろうと思っています。やはり道民の皆さまに対してどういった道政課題があって、それぞれどのように考え行動されているのかについては、できるだけ多くの方々に触れていただけるような機会を、これは私自身もそうですし、各道議の先生をはじめ、これは国会議員などもそうだと思うのですが、既にさまざまな取り組みをしていると思っています。そんな中でもなかなかその成果が現れていないということは、真摯に受け止めながら、活動をどう展開していくことがより多くの方に政治の関心を持っていただけるのかということは不断に努力していく、この姿勢がやはり大事なのだろうと思います。またインターネット中継や、皆さんが情報に触れる、そういった形をしっかり制度として維持していくことも大事だと思っています。こういった記者会見とかも毎週定例的にやっております。道民の方の関心が強い話題もあれば、そうではない場合もあるのだと思いますけれども、関心を持って知りたいなと思ったときに、その情報にアクセスできる環境をつくって維持していくことも大事だと思っていますので、われわれも道政の情報発信については、これは本当に終わりがないと思っていますので、この記者会見についても、記者クラブの皆さまとの共催でやらせていただいておりますけれども、皆さんともさまざまなお話をしながらこれからも有効に情報の発信ができればと思っています。

(北海道新聞)
 知事の政治資金パーティーについてお尋ねいたします。今週の土曜日31日に予定されていらっしゃるかと思うのですけれども、この政治資金パーティーを巡っては、自民党安倍派の裏金問題などで全国的に注目を集めて、政党の中にはパーティそのものを否定するような動きもある中で、知事自身がこのタイミングで開催されるその狙い、意義などを教えていただければと思います。

(知事)
 政治資金パーティーをある意味では使った中での、裏金と言われるような状況が、政治の大きな信頼を失った事態となり、現在に至っているこの状況は非常に重要なことだと思っていますが、それは、政治資金収支報告書をはじめとして、入りと出をしっかりと透明性高く、当然、法令を遵守しながら行っていくことがやはり大事なわけです。そこをまさに逸脱した中で、今回逮捕者も出るなどの状況に至っていることについては、私もあってはならないことだと思っています。そのことと、今回、私の後援会が行うセミナーの実施については、そういった適切ではない状況があるということではないということについては、これは誤解を与えることになりますから、まず冒頭しっかりと申し上げたいと思います。その上で、私の後援会が主催するセミナーなどの実施につきましては、後援会のほうでご検討いただいたというものであります。そしてこのセミナーなどの開催に当たっては、やはり私の政治活動に共感していただいて、そして応援していただく、このことは大変私はありがたいと思っています。私のそういった政治活動に対して共感し応援いただけることに対して、大変感謝しています。また、今回については、私が直接お話しさせていただく機会もご用意いただけると、後援会からもお聞きしているところでありますので、ぜひ許されれば、そういった北海道の進める取り組み、また情勢などについてお話しさせていただくことができればと考えているところであります。ぜひそういった状況の中で、取り組んでおられるということについては、私のほうからも申し添えたいと思っています。

(読売新聞)
 道民の関心が高いかどうか分からないのですけれどちょっと教えてください。過日ですね、この広報紙(広報紙ほっかいどう)がポストに入っていまして、中を見ると、すごいGXの特集をされていてですね、最近、旅行命令書を毎日閲覧してるものですから、あの長谷川さんの顔が思い浮かんだわけなのですけれど、こういうGXの、これ大々的な特集で道民に伝えるものだと思うのですけれど、こういうのを発行するときは長谷川さんに事前に見てもらうものなのか、まず教えてください。

(知事)
 それはないのだと思いますけれど。私は当然見ますけれど。

(読売新聞)
 いや、なんでそんなことを聞いたのかというと、ちょっと話が変わってしまうのですが、私、新人記者の頃にですね、他社の60歳を過ぎた大先輩の記者に、憲法で一番大事な条文は何かねと問われてですね、9条かなと思ったのですけれど、ちょっと答えに窮してしまいまして。知事、新聞記者だったらですね、憲法何条が一番、あるいはどういうのが一番大事だと思いますか。

(知事)
 情報公開の重要性についての、多分そういう記者のご示唆なのではないかなというふうに推測します。

(読売新聞)
 他社の記者に言われたのは、さっきヤジの訴訟でもあったのですけれど、やはり表現の自由なのだと。21条なのですけれど。表現の自由は一項に定められていまして、集会結社および言論、出版その他一切の表現の自由を侵害してはならないと。二項に検閲の禁止ってのが書かれているのです。要するに権力側が、われわれというか新聞社だったら新聞ですし、テレビの放送もそうですけれど、報道する際に事前にそういうチェックをして、許可するとかそういうことはあってはならないというのが書かれていまして、これが非常に重要だなといつも思っていたのですが、一方で、そんな、なんていうのですかね、規制をされたことはこれまで記者生活しててなくてですね。たまに、これどういうふうに載るのですかとか、ちょっとこういうのを書いてもらったら困るのですけれどとか言われたことはありますけれど、そこまでそんな大層な規制はされたことはない。すみません長くなったのですけれど、アメリカに訪問されたときに、プレスリリース、現地の映像の提供という形でいただいたのですけれど、ここには、提供の素材については報道にあたり許可が必要となりますと書いてあるのですね。取材の許可証とか許可というのは聞いたことあるのですよ。原発の中に入るときとか音声もそうですけれど、ただその報道をするときに許可を取ってくれというのは聞いたことがなくてですね、ちょっとびっくりしたのですけれど、これはまず検閲ではないでしょうかという質問にちょっと教えてください。

(知事)
 まず、私はニューヨーク出張に関して同行できる方だけではなくて、同行できない方もいらっしゃるので、できるだけ記者の方々に記事にするかどうかは別として、情報提供させていただいて、見ていただくことが重要だろうということで、私のほうから記者クラブの方とお話しして対応してほしいということを指示しました。その中で、今の検閲にあたるかどうかと言ったら、結論的には私はあたらないと思っているのですけれども、なぜその映像とかの許可を取ってくれと(お願いすることになったのか)。これは道側ではなくて、IBMの、例えばワトソン研究所に行った時も、非常にセキュリティレベルが高くて、どうしてもその写真ややり取りなどが、いわゆる技術情報に関連するようなことにもつながりかねないということなどもあって、そもそも中に入るに当たってもかなりセキュリティレベルが高いのですよね。そういう状況の中で写真や映像についても、これを使うのですということで、IBM側に見せてほしいということでありました。ですから、その点についてはわれわれ道というよりは、当然、おそらく(リリースに)書いてあるのではないかなと思うのですが、IBMとかそちらのほうに、例えばこの写真を使いたいとか、この映像を使いたいとかというのは、やってほしいという趣旨なのですよね。だからそこはそういう趣旨なので、検閲だとかそういう話ではないということはご理解いただけたらと思います。

(読売新聞)
 趣旨は当然そうなのですけれど、報道にあたり許可が必要となりますというこの文、一文をですね、打ち込んだ人はどういう気持ちだったのかなと思うのですけれど、非常にこういうことをされるとですね、というか問題だと思いますし、これ、ラピダスとかIBMに許可を得てくださいということはよく読めばわかるのですけれども、そもそもそんなものを送ってくるなよという話ですし、それは道側で許可を取った、見せて許可を取った上でわれわれに提供すればいいだけの話で、ましてやこれ、記事の文章、ナレーション、テロップを英訳して送れと。すなわち、単に画像とか動画の使用にとどまらず、報道の中身についてもチェックするということですから、ちょっとこれを道がIBMとかラピダスとかに何言われてるのか分かりませんけれど、それをそのまま送ってくるのはちょっとやめてもらいたいと。
 もう一個だけ教えてほしいのですけれど、この報道に当たってのお願いっていうところで、毎回ですね、積極的な報道をお願いしますと書かれていて違和感を持っているのですけれど、その積極的な報道って何なのですかね。

(知事)
 それは、記者クラブと広報広聴課とで話してもらったほうがいいのではないかな。私としては、とにかくいろいろなご意見があると思います。改めるべきは改めたほうがいいのだと思いますが、私の思いとしては、ニューヨークに同行するというのはお金もかかりますし、記事にする、しないというのはそれぞれの新聞社の考えだと思うのですけれど、ただやはり、広く、情報はちゃんと共有して、情報を提供して、記事化するかどうか、またその記事化しないとしても、こういう活動をしたのだということを記者クラブの方に提供するべきじゃないかということです。当初は何もやらないという話だったので、私はそれは、記者クラブとのこれまでの関係とか、やはりできるだけ提供して、記事化するかどうかは別として、判断いただくというのがいいのではないかということです。だからその思いが、なかなかうまく伝わらなかったというところの事務的な作業の中で、何かあったのであれば、それは記者クラブの皆さんとお話しして、お互いコミュニケーションをとってやっていくということなのかと思います。

(読売新聞)
 笑顔で回答していただきありがとうございました。
 あの、ちなみにこれ、許可を得て報道したところってあるのですか。

(広報広聴課長)
 他社さんが(新聞社が)されています。

(読売新聞)
 映像とかを使った社ってあるのですか。

(広報広聴課長)
 今のところ把握しておりません。

(読売新聞)
 やはり知事の意図としては、これをみんなに伝えたいということだったわけだと思うのですけれど、結果、こういうおどろおどろしい文言を書くとですね、誰も報道できないですよね。これもう検閲と受け取られて仕方ないと思いますので。やはりこれを受け入れるわけにはいかないということで多分あまり報道されていないのかなと思いますので、ちょっともう少し今後、こういう発信をするときに、報道にあたり許可が必要となりますというこの文をこのまま打つという神経が分からないのですけれど、ぜひこれ知事の会見で言うことじゃないかもしれませんけれど、非常に重要だと思ったので。すいません時間もらって。

(知事)
 私もそれは重要だと思います。だから(先日の記者会見における)ニューヨーク出張の話題提供の後も、記者クラブに対して説明してほしいと、どういう取材の、要は、可能性があるのかということについては、話題提供した日だったと思いますけれど、ちゃんと記者クラブに対して説明してほしいということで、多分説明したのでしょう。だからそういうしっかりやり取りをすることがまず大事だったというのと、あと今回その文書の発出の中で、そういったさまざまなご意見がある中で、そこはしっかり広報広聴課とお話ししていただいて、報道しようかなという検討をいただいた中でなかなかできなかったということであれば、それはすごく残念なことですから、そこはお互いしっかり意見交換しながらやっていくべきなのではないかなと思います。

(NHK)
 北海道内の選出である堀井学衆議院議員が、議員辞職をする意向を固めたという報道があります。これについて受け止めを伺いたいのと、あとは事実関係の確認がまだされていないかもしれませんけれども、堀井議員の問題、公職選挙法に違反している疑いがあるとして捜査を受けているということがありますので、この件に関してちょっと受け止めをお聞かせ願います。

(知事)
 まず、疑いがあるということです。そのような中で、その状況について直接ご本人からご説明するという場は多分設けられていないと思っていますし、また辞職されるということは、今、ご質問いただいて私は知ったのですけれども、やはり、国民の皆さま、道民の皆さまから選ばれて、国会議員として活動されてきたわけですから、その辞職に当たっては、やはりその有権者である国民、道民に対して、しっかり自分の出処進退に係る考えをお話しする、これが責任なのではないかなと思っています。疑いがかけられている点や、また、今回辞職に至った点についての説明をやはりしっかりするべきだと思います。

(NHK)
 この件に関して、次の衆議院選挙で立候補しないという意向については、これまでも本人が会見で説明されたりしていましたけれども、その後、新たに出てきた香典の問題であったりとかそうしたことについては、今のところ道民に対する説明とかというのは十分になされてないというふうに認識されていますか。

(知事)
 そうですね。実際そうなのではないかと思っています。次の選挙に出ませんというのは、確か道庁でお話しされたと思っていますけれども、その疑いがかけられた状態、また今回辞職されるということ、これは本人がお話しされているということなのですか。

(NHK)
 弊社の取材でということです。

(知事)
 そうなのですか。ですから、その出処進退というのは、まさに政治家というのは自らが決めるということですけれども、国民、道民の、まさに負託を受けて国会議員として活動されてきたわけですから、その有権者に対して、その出処進退、自ら辞職するということは政治家にとっても最大の決断だと思うのです。ですから、そこに至った思いというのをしっかりお話しするということは、やはり必要なのではないかと思います。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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