知事定例記者会見(令和6年7月12日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年7月12日(金)14:30~15:13
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/21名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 日高山脈襟裳十勝国立公園指定記念式典等について
  2. 赤れんが庁舎のリニューアルオープンについて
  3. 熱中症・食中毒の予防について

記者からの質問

  1. 日高山脈襟裳十勝国立公園指定記念式典等について
  2. 赤れんが庁舎のリニューアルオープンについて(1)
  3. 赤れんが庁舎のリニューアルオープンについて(2)
  4. アイヌ政策推進会議等について(1)
  5. アイヌ政策推進会議等について(2)
  6. 政策形成過程について
  7. 東京都知事選挙について
  8. アイヌ政策推進会議等について(3)
  9. 高レベル放射性廃棄物について
  10. 学校での個人情報漏洩について

知事からの話題

日高山脈襟裳十勝国立公園指定記念式典等について

 私から三点、お話しさせていただきます。
 まず一点目ですけれども、6月25日に釧路湿原国立公園以来となる37年ぶりの「日高山脈襟裳十勝国立公園」の指定が発表されました。これを記念して、7月20日土曜日になりますけれども、これは環境省の主催になりますが、記念式典が開催されます。私も出席を予定しているところであります。
 この式典につきましては、招待制となっておりまして、式典内では、新たな国立公園の紹介、そして北大名誉教授の中村太士先生による基調講演も行われるという予定になっています。
 この国立公園でありますが、特徴的な氷河地形、世界ジオパークにもなっているアポイ岳、さらには襟裳岬など、世界的にも珍しい景観が広がっております。ヒダカソウなど多様な固有種や希少種の貴重な生育地となっていることなど、わが国を代表する自然の風景地として、高く評価いただいています。この唯一無二の素晴らしい自然環境を次世代にも受け継いでいけるように、持続的な利活用を図っていくことが重要であります。多くの皆さんに訪れていただきたいと考えております。
 道としては、国立公園指定を契機といたしまして、環境省、関係市町村の皆さんと緊密に連携し、機運の醸成、プロモーション、受入環境の整備と保護に取り組み、シンポジウムや各種イベントなどを通じて、国立公園の魅力、価値を多くの方々に知っていただく取り組みをはじめとして、アポイ岳登山口の整備、登山ルールの普及、ガイド人材の育成などの来訪者の受入環境の整備などを進めてまいります。今月中にも、本庁関係部と、日高・十勝の両振興局による連携推進会議を立ち上げまして、庁内で認識を共有し、連携して保全と利活用に向けた取り組みを進めていきます。ぜひ、報道の皆さまにも、この新たな国立公園の魅力、そしてこの価値についてさまざまな形で取り上げていただけたら大変ありがたいと思っております。これが一点目です。

赤れんが庁舎のリニューアルオープンについて

 二点目でございますが、赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けての各種イベントのお知らせになります。赤れんが庁舎は、年間約70万人の方が訪れていた北海道を代表する歴史的な建造物であり、観光施設であります。
 建物の保存と展示内容の充実を図るために、現在改修を行っているところでありますけれども、令和7年7月25日金曜日に、より魅力的な施設としてリニューアルオープンを行ってまいります。前回の会見で(お話ししましたが)、オープン1年前となる今月の25日木曜日に、赤れんが庁舎の前庭において、カウントダウンボードの除幕式を実施します。
 除幕式には、赤れんが庁舎における歴史、文化、観光に関する展示、こちらにご協力をいただく団体、今後のPR活動などで連携を図る団体の方々、キュンちゃんにもご参加いただいて、1年前ですので、オープンまでのカウントダウンをスタートさせていただきます。また改修工事の様子や、リニューアル後の館内のイメージなどの動画も放映させていただく予定をしています。この25日を皮切りにいたしまして、各地域でのパネル展の開催や、子どもたちを対象としたペーパークラフト講座など、関係団体の皆さまとも連携して、PRを展開し、オープンの効果が全道で波及するように盛り上げていきたいと考えていますので、(今月)25日、1年前のこのイベントにも、報道の皆さま、ご参加いただければと思います。

熱中症・食中毒の予防について

 最後三点目でありますけれども、熱中症・食中毒の予防でございます。既に道内においては真夏日を記録する地域が出てきています。これから熱中症や食中毒への注意が特に必要な季節を迎えます。ぜひ皆さん思い返してもらいたいと思うのですが、昨年は、大変暑かったです。7月から9月にかけて44日間連続真夏日を記録ということで、大変暑かったわけであります。熱中症警戒アラートも運用開始以降、最多となる27回を昨年は記録いたしましたし、また熱中症による救急搬送は3,265件ということで、その前年が1,095件でしたから、そう考えるともう大変暑さが厳しい夏だったわけであります。今年もいよいよ夏本番を迎えるということがありますので、道民の皆さまには、この熱中症を予防するためのこまめな水分、そして塩分の補給、扇風機、エアコンの使用、そして外出時の日傘、帽子、そして日差しを避ける工夫、こういったものをしていただくようお願いいたします。また、特に暑さによる水分不足に気づきにくい高齢者の方々、そして大人に比べると体温の調節機能がまだ十分に発達していないお子さんにつきましては、熱中症のリスクが高くなりやすい、こういうことに気配りをいただくということが重要になってきます。
 北海道としては、こうした熱中症予防に関する情報につきまして、SNSなどを通じて、お知らせしております。
 市町村のホームページでも公表している冷房設備を有する指定暑熱避難施設、いわゆるクーリングシェルター、こちらについても、道のホームページにリンク集も掲載していますので、この暑さ厳しい中でそういった施設の状況なども確認して、利用するということを検討いただければと思います。
 また、国の「熱中症予防情報サイト」では、全国各地の「暑さ指数」、そして熱中症警戒アラートの発表状況、熱中症予防対策の情報についても提供していますので、こういった情報をこまめにご覧いただいて、熱中症を甘く見てはいけませんので、ご注意いただきたいと思います。
 それとともに、気温が高くなりますと、細菌による食中毒が起きやすい時期でもありますので、最高気温が28度以上と予想される場合は、道内各保健所などから、この食中毒警報を発令して、注意喚起を行わせていただいています。こちらにつきましても、今年度、6月7日の第1号発令から、昨日時点で既に85回になっています。これは昨年同時期を上回る状況になっていますので、道民の皆さまには、食事の前に手を洗うこと、これはもちろん、食中毒の予防の三原則である、調理前に手を洗って食中毒の菌を「つけない」、そして低温保管で「増やさない」、食品をしっかり加熱して「やっつける」ということで実践いただいて、食中毒の防止にご留意いただきたいと思います。
 この熱中症、そして食中毒への注意喚起については、マスコミの皆さまにもこれまでも取り上げてきていただいておりますが、いよいよそういった非常に暑い時期を迎えますので、今後とも発信にご協力いただければと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 冒頭の国立公園の関係で、連携推進会議を立ち上げるというご発言があったかと思いますけれども、基本的にこれ多分本庁と現地の振興局との意思疎通を図るというのが目的だと思いますけれども、保全利活用を進めていく中で、今回その国立公園に指定されたことで、国の予算も使えるようになっていくかと思いますけれども、道としてこの連携推進会議を立ち上げることによって、例えば今後補正予算とか、来年度の当初予算とかで、何か具体的な政策を、今回の国立公園の指定によって行っていくために、その連携推進会議を立ち上げようとしているのか、その辺の狙いや目的などをもうちょっと具体的に詳しく伺えたらと思います。

(知事)
 (目的は)二つあります。この連携推進会議というのは、振興局と本庁が連携して、ある意味非常に広範なエリアが指定されて、振興局もまたがりますので、連携をしっかりとっていくということと、今回は、この環境省においては、学識経験者とか関係自治体、関係団体、こういう皆さんが入っての総合型協議会を設置して、こういった国立公園の望ましい姿などの、ビジョン、行動計画、こういうものを策定して、まさにこの保護と利活用の取り組みを推進していくという予定がありますので、ここはまさに今ご質問いただいたような話。さらに今言ったような、道庁内におけるこの会議をある意味連動させた中で、機運醸成、プロモーション、受入環境の整備や保護、この三つを柱立てとして重点的に取り組んでいく、その中身を議論していくということになります。

(読売新聞)
 赤れんが(庁舎)に関するお話なのですが、リニューアルオープンの1年前の25日を皮切りに当日含めていろいろな盛り上げるイベントをやっていくということだと思うのですけれど、札幌市の観光地なので札幌市中心だと思うのですけれども、道内でどういうふうにこの赤れんがをリニューアルするということを伝えていきたいのかということと、あと建物に関しても、今その八角塔の屋根が取り外されて新しい銅板に張り替えて、おそらくそれをまた設置する作業などがあるのではないかなと思うのですけれども、そのあたり工事自体のスケジュールの進捗について、何か新しい動きがあればお願いします。

(知事)
 今質問にありましたけれども、まさに八角塔は今は下に降ろしていますから、それをまた上に上げていくという時に、これはどうなのだろう、マスコミの方が入れるようにしていくのかな。すごく象徴的なシーンになると思うので、いいのではないかなと思っているので、そういうことも取材は大丈夫なのですよね。

(広報広聴課長)
 担当の方お答えできればお願いします。

(財産担当局長)
 今、調整していまして、風が強いとかの時は避けなければいけないものですから。

(知事)
 工事現場の安全性の確保というのは大事だと思いますから、それはしっかりやりながらも、非常に象徴的なそういう映像とかを見ていただけると、皆さんの関心が高まると思うので、私はどういう形であれ映像を例えばマスコミの方に提供するとか、工事の安全は一番大事だと思いますが、道民の皆さんの財産ですから、それをやりながら、発信していきたいと思っています。今回は観光的な施設としての位置付けも、明確に変わってきますので、そういった今、リニューアルの内容をあらためて皆さんと共有していくということで、道内でしっかりプロモーションをやっていきたいと思っていますし、また機能が強化されますから、一般の展示会ができたりとか、飲食とかいろいろな、今までにない機能が付加されてきますので、地域の方にとっても、いろいろな発信の場面で、札幌市を中心に、そういう機会も新しく生まれてくるわけです。確かに70万人が来られているのは、札幌市にこの建物はありますから、来ているのですけれども、そこだけではなくて、要は赤れんがを見ただけではなくて、いろいろな所を回っていらっしゃる方がほとんどだと思うのです。ですから、リニューアルを契機として、北海道の魅力を、札幌市以外の地域の魅力も発信した中で、赤れんがにも来ていただいて、またアイヌ文化とか、北方領土とか、いろいろな展示もしますので、ウポポイに行ってもらったりとか、北方領土の問題も考えていただいたりとか、また北海道遺産の状況も可視化しますから、そういう全道各地にあるものに関心を持っていただいたりとか、北海道としてはそういった契機にしたいと思っているものですから、そういう観点でもこれから丁寧に全道でのいろいろな展開をし、機運を盛り上げながら、1年、進めていければと思っています。

(HTB)
 赤れんが庁舎に関してちょっと他社さんとかぶってしまうところもあるのですが、札幌市中心部では、時計台と並ぶ赤れんがというのは、シンボルになると思うのですけれどもこれが1年後オープンして、多くの観光客が訪れると思うのですが、それに対する期待感をあらためて一言いただけますでしょうか。

(知事)
 やはりこれは70万人コロナ前にはお越しいただいていた施設ですから、これがさらに魅力を増した形でリニューアルオープンとなりますので、子どもたちについては無料ですけれども、非常に学習の機会にもなる展示もさらに魅力的な内容になりますし、北海道にお越しいただいて全道のそういった先ほど言った北海道遺産をはじめ、またわれわれとしてもお伝えしたい北方領土の問題や、アイヌ文化の発信ですとか、そういったことも知っていただけますし、またその八角塔を登っていただくと、そこでしか見れないような景色も体験できるような、今までにないような体験型のメニューも実行できますので、そこに向けてしっかり情報さえ皆さんにお届けすれば、必ず多くの方がお越しいただける施設であると思っていますので、ただやはり札幌市だけで終わってしまうとそれはやはり全道には多くの魅力がありますから、そういったところに行っていただくようなきっかけにもつなげていきたいと思っていますので、この1年間限りある時間を有効に活用して、そういったPRをぜひしていきたいと思っています。

(読売新聞)
 先日ありましたアイヌ政策の国の会議があって知事も出られたと思うのですが、内容は非公開でその後、大臣のとか担当の方の会見があったのですが、あそこの場で知事としてあらためてどういうことを国のほうに言ったりしたのか、今回、今年の秋以降にアイヌの方々との意見交換をしていって、法律の見直しの検討というのを進めていくということだと思うのですけれど、そういったところでどういった姿勢といいますか、国に求めたいかというのをお願いします。

(知事)
 私はこの会議の開催前から、問題提起というかお話をしていたのですが、今回の議題にもなっていますが、アイヌ施策推進法の施行から5年が経過したので、法律の附則の中でも、この施行状況の検討を5年でしましょうという状況になっていたので、その検討の方向性というか、そういったことも今回の議題になっていました。そういう状況の中で、私としては、この5年を節目に今後、要は法律ができてどのように施策が順調にいっているのか、それともまだ課題が残っているのか、どういう状況になっているのかということを把握する必要があるということで、北海道としては、アイヌの方々に対する生活実態調査というのと、アイヌの方以外の道民に対する調査というのを検討している状況があります。(法施行から)5年経っているので、その状況の中で今どういう状況かというのを、北海道として把握するということが必要だという観点から、そういったこと(調査)が必要だということであります。一方で国においては、この5年を節目にどうやって検討していこうかということが議題になっているにも関わらず、国としては新たな意識調査を行わないということでありました。私はそれはおかしいのではないかということで、北海道としては、北海道内に対して、調査をすることはできるのですが、法律は国民に対して、国民だけではないのですがそういう意味で対象になっています。北海道以外にも、アイヌの方々はいらっしゃるわけです。またこの(会議)当日も非常に多くの方からご意見が出ましたけれども、偏見、差別、誹謗中傷に対する問題で言いますと、アイヌの方々に聞くことも大事ですが、それ以外の多くの方々の中に残念ながらそういった声が未だに後を絶えないという状況がある中で、なぜ国は調査をしないのか。このことが私としては大変疑問であったので、この会議の開催の前から、内閣官房アイヌ総合政策室に対して、この国の調査の実施についてぜひ検討いただきたいということを申し上げてきたところでありますけれども、その当日にあってもこの調査は考えていないということでありました。ですのでこれは、この推進会議の場で直接、大臣ご出席のもとで申し上げるということで対応せざるを得ないと考え、ぜひ国民の声を聞いてほしいと、なぜ国民の声を聞かないというご判断なのかということで、ぜひその点、大臣の決断でもって実施をしていくということをご提案申し上げました。大臣からはお詫びの言葉がございました。その上で、私の発言は大変重いものというご発言とともに、気持ちは全く一緒であるという認識、さらに足並みを揃えてしっかり項目立て等についても、どういった手法があるかも含め一体的な対応をさせていただきたいというお話でありました。大臣から直接、会議の場でこのご発言がありましたから、私としては、そのことは必要だと思っていましたので、大臣のご判断、これは私は妥当なものだと思っています。そうであるならば、なぜ大臣がご発言することと、アイヌ総合政策室はやらないというところで意見の違いがあるのか。これは少し理解ができないところがあります。いずれにしても、やはり私はこの法律上も5年が経過して、その状況を検討するとなっているわけですから、これは北海道だけがやればいい話では私はないと思っていますし、大臣がこういうご判断をされたというのは私は必要な判断であったのではないかと思っています。これからも必要なそういった提案は強く申し上げていく必要があると認識しました。

(北海道新聞)
 今の他社さんの質問に関連して、調査の内容に関してなのですけれども、国、政府としては、令和4年度、今から2年前に全国的な調査をやっていて、そこで差別などに関して調査項目に入っていて、調査している実績があると思うのですけれども、おそらく、知事としては、今回このタイミングで行い、なおかつ、その調査項目とかも今後さらに精査していくのだと思いますけれども、さらにこの法律を見直す上での重要な資料となるようなもの、そういう趣旨での、今回この2年前とは異なる調査なのだというそういう認識でよろしいでしょうか。

(知事)
 そうですね。その2年前のお話も内閣官房でしていまして、今ご質問にあったような令和4年度に行った調査があるので、そういうものも活用しながら、新たなものはやらないという言い方だったのですが、私が申し上げていたのは、法律上5年を経過したら、アイヌの交付金もあり、また理解促進もそうですし、ウポポイもできました。いろいろな状況が、法律ができて、この5年間で推移しています。残念ながら偏見、差別や誹謗中傷に関する問題というのは、当日も大変多くの方々から問題点として改善がなされていないという指摘が相次ぎました。ですから、そういったことももちろん重要ですし、また、令和4年にやったものを否定するわけではなくて、そこでいただいた声というのも大切だと思います。ただ、やはり5年を節目に国として、それはわれわれもそうですけれども、どこまで政策として推進が図られていたのかということについては、国もわれわれも含めて真摯にそこは受け止めた上で、何が足りないのか、また何がうまくいったのか、そういったことをしっかり把握しながら、みんなで議論をして進めていくことが必要ではないかという視点で、私は繰り返しこれは申し上げてきました。ですから、国は既存のものをやっているので新しいものをやらないという主張なのですが、でも、例えばそれも2年前なのですね。ですから、5年を節目にやると言っているわけですから、その5年という期間のうちの、確かに3年は経過しているのかもしれませんけれども、やはりそれは、その調査自体は大事なことだと思いますけれども、2年前にやったものも、しっかりその節目で聞いて、それをみんなで受け止めてやっていくということを、やらないというのは、私はそれはおかしいのではないかということで申し上げたということです。

(北海道新聞)
 話題変わりまして、知事の職員への対応に関してお尋ねいたします。私、日ごろの取材の中で、知事が職員の方とさまざまな打ち合わせなどをされる中で、「聞いていない」というように職員に対して指摘される場面というのが結構あるというふうに伺っています。トップとして、その庁内のあらゆることを把握しておくということは非常に大事なことなのかなとは思うのですけれども、職員からすると、面会時間、知事お忙しいですから、限られている中で、どこまで事前に説明できるのかというような点からすると難しい面もあるのかなと思います。例えば苦情審査委員、こういった方々から活動報告を、われわれ記者が入っている中で報告を受けられた際に、職員から事前に説明がなかったことについて公の場でもあったのですが、不快感をあらわにされていたということも聞いています。人材教育に関する専門家の方とかは、こういったその聞いていないというような指摘については、報告が上がりやすい仕組みづくりというのが必要なのではないかと、そっちの方が大事なのではないかという指摘をされているのですけれども、トップの意向に沿った情報をあげられない方というのは若干問題かなと思いつつ、やはり部下にとって士気低下につながるというのは好ましくないと思うので、その辺の知事のご見解をちょっとお聞かせいただければと思います。

(知事)
 今、苦情審査委員の話がありました。ですから、その点を例に挙げてお話ししますと、道民の皆さまからの苦情を審査いただいておりまして、道の対応が不十分な点について再三にわたってご指摘いただいている中で、なかなか改善が図られないことについて、苦情審査委員の方からは、直接、私もその対応の問題点についてお話しいただきました。私は道庁のトップとして、そのことをしっかり理解しておくべきことでしたので、それは私の責任でもあるとともに、やはりしっかり庁内で共有すべき案件だったと思います。なぜならば、それは道民の皆さんが苦情を申し立て、しかもそれは、知事が審査委員から直接それ(報告)をお受けする中で、その状況を把握した中で、さらには、本来であれば直ちに改善が図られるべき内容について図られないことについて、本当に委員の方が非常に懸念を持って、直接伝えられました。ですからこれは、確かに私自身、もっと早く情報を共有すべきでしたので、そのことを同席している責任者に申し上げた上で、ご報告いただいた方に対して速やかに新たな対応をお返ししました。ですから、大事なことは、私は道民目線で仕事をしていくことだと思っています。
 道庁の職員は本当に頑張ってくれています。日々、本当に道民のために力を尽くしてくれていると思っております。ところが、やはり一方でどうしても忙しいということもあるとは当然思うのですが、例えば、こういった今日の記者会見、私は記者の方々のその後ろに、道民の方がいっぱいいらっしゃると思っています。ですからそういう意味では、この記者会見の場で、本来お話しすべきような内容だったのではないか、例えばそういうことが十分に共有がなされていない中で、皆さんにお話しすることができないことになれば、それは皆さんもその情報が分からなければ、問題点を指摘したり、また改善を記事化したり、そういうこともできません。ですから、やはり私は、そういった重要事項については、都合の悪いことほどしっかり早く報告してほしい、そして、しかるべきタイミングでしっかり記者の方や、道民の皆さまに対して説明していく。また、誤った内容であれば、それをみんなで知恵を出して改善していく、これが私は大事だと思っています。ですから、専門家の方のご指摘については、これは私も重要な視点だと思いますが、私も、自治体の実務の経験も12年ぐらいですけれどもありますし、市長で8年やって、知事で今6年目ですから、行政がどうやって仕事を進めているかも分かった上で、時にはそういう意味では職員にとっては耳の痛いようなことも、道民を代表して、言わなければいけません。ですから、職員の方にとっては、大変ちょっと耳が痛いなということもあるのだと思います。ただその場合は、なぜそういった改善が必要かも併せて、私は説明しています。なぜ私が今こういったお話をしているのかについても、その方が理解いただかないとなかなかうまく仕事ができませんので、そういったところは丁寧に時間をかけて、私はこう思っていると、あなたはどう思うかということをしっかりお話ししながらやっていくということが大事かなと思います。
 多くの部長とか副知事もいますから、そういうもとで、しっかり道民の皆さんの期待に応える仕事をしていただくのが、非常に重要ですけれども、知事として、そういう必要な対応というのをやっていかなければいけないと考えています。

(時事通信)
 私からは、都知事選について二点お伺いします。小池さんが3選したことの所感と、少子化や東京一極集中など課題が山積する中で期待することをお聞かせください。二点目ですが、今回石丸さんが下馬評以上に票を伸ばしたと思うのですが、ネット上のキャンペーンであったり、街頭演説で注目を集めた一方で、石丸さんの落選後のインタビューに臨む姿勢が、それまでSNSなどを通して見えていた部分と大きな落差があって、驚かれた有権者も多かったと思います。そうした石丸さんの選挙戦と政治姿勢について感想があればお聞かせください。

(知事)
 まず、東京都知事選挙は、これは当然のことですけれども、私はもともと東京都の職員ではありますが、今は都民ではないわけであって、都民の皆さんが、さまざまな候補が掲げる政策や思い、こういうものを真剣に見た上で、投票率も上がったみたいですから、最近全国ではやはり投票率は下がっていましたので、投票率が上がった。ですから、多くの方が関心を持った中で、投票行為が行われて、その結果が小池知事の3選という結果だったのだろうと思っています。また、石丸さんについては私は面識もないこともございますし、今お話のあったような内容については正確に承知もしていないので、コメントすることは難しいと思っています。

(北海道新聞)
 話題が戻ってしまうのですけれども、アイヌ政策推進会議について関連で伺います。知事のご発言の中でも、出席者の方からもあったということですけれど、偏見、差別が依然として多いという状況があって、知事もそのことについてはご認識されているのかと思うのですけれども、そうであればアイヌ新法5年で見直しも含めて検討するというような中で、調査しなくてもですね、調査があってもなくても偏見とか差別があるという状況はあるわけですから、アイヌ新法に差別禁止に関してより効果的なものを盛り込む必要があるのではないかと思うのですけれども、このあたりについてお考えをお聞かせください。

(知事)
 それは、これから(会議の)議事録が多分公開されていくと思うのですが、多くの方が発言されていました。この点は私も推進会議開催の都度発言してきまして、法務省の対応が新たに設けられたりとか、一定の対応が取られてきていますが、ただ、なおそういった状況が改善に至っていないということについて、さまざまな委員からご発言がありました。私のほうからもその点についてもお話しさせていただきました。有効な対策を講じていく必要性について、私からも発言させていただいたところであります。やはりこのタイミングで、まず国民の皆さまに対する認識の状況についても確認しながら、この法施行5年という状況の中で、皆さん、アイヌ団体をはじめとしていろいろな方が入っていますから、そういう方々の意見も丁寧に聞きながら、説明会も国はやっていくというお話もありますから、法律が出来た時も説明会がありましたから、そういうところでもできれば、より多くの声を拾っていただいて、有効な対策につなげていっていただきたいと思っています。
 ただやはり私は、そういった偏見、差別、誹謗中傷の話もそうですけれども、その実態がどうなっているかということを、ぜひ把握していただくことが、まずそういった対策をどう講じていくかということを議論する上で有効なので、何かそれを大臣がやるということでご発言いただいて、私は大変ほっとしたのですけれども、その数時間前までは、やらないと言っていたわけですから、それを聞いた、同席した委員から大変残念であるということで、私以外の委員からお話もあったわけです。それも受けて、大臣はその場で決断をされたのだと思いますが、ですからこういったことは、できればないようにしていただきたいですし、そういう姿勢でこれから見直しに向けた検討をしていただきたいと思っています。

(北海道建設新聞)
 核のゴミの最終処分場選定について、二点質問があります。一点目が寿都町と神恵内村の文献調査報告書、夏にもまとまる見通しですけれど、反対の意向に変わりないのかという点で、もう一点が、その報告書に鈴木知事の反対という考えが明記されることに対しての所感を教えていただけますか。

(知事)
 まず一つ目は一貫して申し上げていますけれども、その考えに変わりはないわけであります。その上で、その報告書については、これまでも、この会見の場でも申し上げてきました。道の条例制定の趣旨を踏まえて、現時点で反対の意見を述べる考えについては、繰り返しこの会見の場でも申し上げてきた、そういったことが、盛り込まれるのかどうかということについて申し上げてきた中で、盛り込む方針であるということについては聞いています。ただこれは、まだ決まっていないのです。報告書の案は、引き続き国の特定放射性廃棄物小委員会において、この中でもまた意見が出ていますので、それがどうなっていくのかという点については、私は注視していきたいと思っていますし、いずれにしても、私が反対の意見を述べているということもそうなのですけれども、地域のさまざまな意見に関する記載などについても、この会見の場でも申し上げましたけれども、どういった形で報告書案に盛り込んでいただけるのかということについては、ぜひそれを盛り込んでいただきたいと考えていますので、この内容を注視していきたいと思っています。

(STV)
 最近、札幌市立あいの里東中学校ですとか、札幌市立中島中学校で生徒の情報漏えいが立て続けに起きていて、同じ日には道立の高校のほうでも生徒の情報がトイレ前に放置されているという、生徒の個人情報がですね、管理が甘くなっているのではないかというような印象を持つ出来事が立て続けに起きているのですけれども、そのあたりの情報管理のあり方ですね、知事は何か思うことがありましたらお願いいたします。

(知事)
 これは、個人情報の中でも、生徒のそういった情報が流出するということはあってはならないことです。それぞれ札幌市教委、また道教委において、今回の件をしっかりと検証の上、再発防止を徹底し、このようなことが起きぬよう、徹底していただくことが重要だと思っています。保護者の方々などからも、大変心配する声が出ているとお聞きしているところでありますので、道のそういった情報の段階においては、例えば、そういったSNSなどもそうなのでしょうが、今、現実的に情報流出の確認は、報告を受けておりませんが、いずれにしても二度とこのようなことがないよう、それぞれの教育機関において徹底していただくことを知事として求めていきたいと考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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