知事定例記者会見
- 日時/令和6年5月24日(金)14:31~15:10
- 場所/記者会見室
- 記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 非常備蓄品など「家庭での備え」について
記者からの質問
- 日高山脈襟裳十勝国立公園の指定について
- 地方自治法改正案について(1)
- サウナを活用した観光振興について
- 地方自治法改正案について(2)
- 金融・資産運用特区について(1)
- 札幌聾学校の児童による訴訟提起について
- ヒグマ対策について(1)
- 令和4年度(2022年度)財政的援助団体等監査結果について
- 金融・資産運用特区について(2)
- ヒグマ対策について(2)
- 知床地域の携帯電話エリア化について
知事からの話題
非常備蓄品など「家庭での備え」について
私から一点お話しさせていただきます。
今年1月1日に発生した能登半島地震の教訓を踏まえて、道では地域防災計画の点検などを行っておりますほか、今週21日火曜日には災害対策本部指揮室運営訓練を実施し、防災対策の充実強化に取り組んでいるところであります。
能登半島地震では断水の長期化などによって、被災された方々が不自由な生活を余儀なくされ、また道路の寸断により、必要な物資が被災地や避難所に届かないという状況が発生し、こうした状況への日頃からの備えの必要性があらためて認識されたところであります。
災害はいつ起きるか分かりません。道では、避難時に持ち出す非常持出品に加え、自宅や避難所での生活を支える非常備蓄品を確認できるチェックリストを整理しております。あらためて道民の皆さまにお知らせしたいと思います。本日発行の広報紙6月号、こちらに「備えて安心、防災用品」と題しまして、特集の記事、そして危機対策課のホームページにもこのチェックリストを掲載したほか、本日から1カ月間程度、本庁舎や振興局に設置されているデジタルサイネージ、札幌市内6カ所の街頭大型ビジョンなどを活用して、非常持出品や非常備蓄品に関する広報を集中的に実施するということで、皆さんに周知していきたいと考えています。
報道の皆さまにも、道民の皆さまへの周知につきまして、ご協力よろしくお願い申し上げます。
私からは以上です。
記者からの質問
(NHK)
今週水曜日に国の中央環境審議会(自然環境部会)が、日高山脈襟裳国定公園について、国立公園に格上げするということを了承しました。早ければ、今年夏にも官報で告示されるということですけれども、新たな国立公園は道内では37年ぶりの誕生ということで、今後国内外からの観光客が来たりですとか、またその自然環境の保護という部分で、いろいろな地方自治体、各関係自治体や道との取り組みというものも一つ大事になってくるかなと思いますけれども、まずこの今回の国立公園への格上げについて知事の受け止めと、今後、道としてどのように対応していくかなどについてお考えがありましたら、お聞かせください。
(知事)
まずこの国定公園の国立公園化については、長年にわたる地元の悲願であります。そして道としても、国に対して早期の指定を要請してきたところでありますので、この度の国の審議会部会で指定が了承されたということは大変喜ばしいことであると受け止めています。この間の地元関係者の皆さまの地域をあげてのたゆまぬご協力と熱意に、深く敬意を表するところであります。今後、自然環境の保全はもとより、国主導による国内外へのプロモーションなど、この地域の知名度の向上、魅力が増進されて、観光客の誘客も見込まれるところであります。地域活性化の起爆剤となるものと、私自身も大いに期待しているところであります。道といたしましても今後、アポイ岳登山口園地など既存の道有施設の適切な維持管理や改修など、受け入れ環境の整備を進めていくとともに、今後、国において総合型協議会というものが設置されますので、こちらに参画して、関係団体と連携しながら、保全と利活用を推進していきたいと考えています。地元の市町村をはじめ関係者の皆さまとともに、北海道が誇るこの素晴らしい価値を内外に広く発信して、地域の発展につながるように努めていきたいと考えています。
(読売新聞)
二点ありまして、一点目が、地方自治法改正案の国の指示権の創設に関した話なのですが、この指示権の創設を盛り込んだ地方自治法改正案というのを今議論されていると思うのですが、これについてほかの道外の首長、例えば宮城県の村井知事とかは拡大解釈すれば国があらゆることを指示できることになりかねずとか、慎重な審議を求めたりとかいろいろな意見が出ていたりすると思うのですが、知事はコロナの時に国の動きとかも鑑みて、独自の宣言をされたりとか、知事というか都道府県の指示とかそういうところについてはお考えがあると思うのですが、それも踏まえてこの指示権について、今どう思われているかお聞かせください。
(知事)
これは全国知事会でも非常に議論になりましたし、全国知事会として今お話がありました会長を先頭に、繰り返し要請してきました。今ご質問の中にもあったコロナの対策、今後も起こりうる想定外の事態に万全を期すという観点からの必要性は理解するところであるわけですけれども、やはりこの全国知事会、多くの知事とも共通する部分では、国と地方の対等な関係が損なわれる恐れもあるということから、事前に地方公共団体と十分な協議調整を行うこと、また目標達成のために必要最小限度の範囲とすることを政府に、他の知事、知事会としても繰り返し要請なども行ってきたところです。この要請も受けて、あらかじめ地方公共団体に意見等を求めるということで、今回、法案について、今申し上げたことなど適切な措置を講じるよう努めなければならないということが規定されました。また今月の21日の衆議院の総務委員会でも全国知事会会長から、必要最低限の範囲とすることなどの意見を述べるという形で機会もいただいたところです。
私としては、やはりまず、今申し上げたことをしっかり反映させていくということももちろんなのですけれども、やはり国民の皆さま、道民の皆さまに対して、どのような場合に運用されるのかなどについて、丁寧な説明はセットだと思っています。要は、今後起こり得るかもしれないという中で想定外の事態に万全を期すと、どうしてもそういった想定外の事態が起きた時というのは、非常に多くの皆さんが不安の中にあるわけですから、そういう意味では、実際にコロナの時もそうでしたが、行動変容していただくのは国民であり、道民の皆さんだったわけで、そういった国民、道民に対してどのような場合に運用されるか、こういったことなどを丁寧に説明を行っていただく、これが今後の更なる議論になってくると思いますし、必要だと思っています。また国の補充的な指示が地方自治の本旨に反し安易に行使されないことが確実に担保される、このことが大事だと思っていますので、運用においてはその点を考えていただく必要があると考えています。
(読売新聞)
もう一点全く別の案件なのですが、屋外サウナについての質問で、自然が豊かな北海道では屋外でサウナを、テントサウナとかを楽しむということが今流行しているのですが、道のほうで、道立保健所管内だと思うのですけれど、昨年の秋までにそれをやりやすくするために水着とかを着て、風紀が保たれたという条件であっての上なのですけれど、男女別の施設を必要としないとか、あと外からの目隠し用の柵を設置しなくてもいいというような大幅な規制の緩和をされたと思うのですが、これはほかの屋外サウナが有名な山梨県とか長野県に聞くと、特に柵の設置を外したというのは、かなり大幅な規制緩和と受け止められていて、業界からも歓迎する声が上がっていると思うのですが、こうした規制緩和に乗り出した道としてのお考えと、あとそういった屋外サウナが有名な山梨県とか長野県ではそれぞれ観光の部署とかにそういう専門ではないのですけれど、サウナの専門の人をつけて、業界団体との交流とかをしていると思うのですが、そういった振興に取り組むようなお考えがあるかどうかこの二点を教えてください。
(知事)
サウナについては、全国的なブームがあるわけですけれども、北海道内においても数多くのさまざまな企画がなされていて、さまざまな形態のサウナがニーズとしてあるという状況の中で、以前もこの会見の場でお話しさせていただきましたけれども、一方で保健所ごとにさまざまな対応があったりとか、また申し出てから一定の時間がかかって、なかなか難しさがあるというような課題も指摘されていた中で、今お話しいただきましたけれども、そういったサウナ室を男女別に設けることとか、この目隠し用の柵などの設置を必須としないという形で、北海道全体で運用のあり方について共有して進めました。この中で主催者の方々からは、屋外で楽しむそういったサウナのイベントを考えた時には、やはりこの保健所の許可までに要する時間が短縮されましたということで好意的な声などもいただいています。そういう意味では希望する内容のイベントを実施することができたということが効果としてあったのではないかと思っています。非常にサウナブームの中で多くの方々が、北海道のそういった自然豊かな中で、さまざま、サウナの取り組み、イベントなどを今後も検討されていく中で、道としては、こういった取り組みが道内の観光、さらには地域の活性化につながっていくことがやはり大切だと思っています。
昨年も、複数のサウナを周遊する旅行商品の造成に対して、地域の支援を行ったところであります。今後もこのサウナをはじめとする北海道の魅力を実感できる、観光資源を活用した地域の取り組みを支援していきたいと思いますし、こうしたイベント利用にあって、多くの方に評価いただいた、そういうこともありますので、こうした取り組みについての発信を今後もしていけたらと思っています。
(読売新聞)
ちなみに山梨県の長崎知事はご自身が多分サウナ好きであったりとか、長野県の阿部知事とかはサウナ愛好家団体と会談する機会とか設けたらしいですけれど、鈴木知事自身は何かそういうふうに自身がトップに立って何かをするというお考えはありますか。
(知事)
私はサウナ(の視察)、あれどこだったかな。
(広報広聴課長)
当麻町です。
(知事)
当麻町の視察をした時にスーツのままサウナに入りましたからね。なかなかスーツのままサウナに入るという機会もないなと思って。入りながら皆さんと汗だくになりながら少しお話をしましたけれども。いろいろな機会に私自身がいろいろなアクティビティというか、地域資源を体験するということは大事だと思いますし、私も温泉、サウナは好きです。なかなかそういった時間を十分に取ることができないという個人的課題もありますが、ただそういった地域イベントとか、いろいろな形で取り組まれてる方のご意見を聞いたり、自身が体験するということが大事かと思っています。非常にサウナに詳しいというので教えていただければ。
(読売新聞)
ぜひ今度。
(時事通信社)
私も地方自治法の改正案についてお伺いしたいのですが、先ほど地方自治の本旨に反しないようにしてとおっしゃいましたが、実際今回の件で、地方分権の流れに逆行しているのではないかというような意見が首長のほうから実際に出ていたり、あとコロナ禍の北海道では地方の動きが国に先行していろいろとやったというようなことも踏まえますと、国の権限を強めるというよりもむしろ地方の権限を強めて、現場の判断で柔軟に、いろいろできるようにやったほうがいいのではないかという考え方もあると思うのですが、その点はいかがでしょう。
(知事)
コロナの時に私も感じましたけれども、なかなか国の対応が定まらない中で、当時は緊急事態宣言を北海道に出しました。ただ、本来からすれば、やはりしっかりとした枠組みを国として整理した中で、そういった感染症対策なども実行すべきであったということは間違いないと思っています。ですからそうした想定外の事態に万全を期すという視点がやはり必要であったと思っていますし、そういう趣旨から、整理することに対する理解はあります。ただ、先ほど申し上げたような懸念もありますので、やはり十分に、地方公共団体、住民に最も近い中で仕事をしている立場にある皆さんとしっかり協議調整をしていくこと、そして、目標の達成のために必要最小限に行うことをしっかりと形にしていく必要があると思っていますし、今議論がさまざま行われていますけれども、例えば都道府県知事も積極的に知事会として言っていますし、各首長の方も発言されています。また、国においてもいろいろなことを話しているのですけれども、やはり中心は国民であり、北海道であると道民の皆さんに当然なるわけですから、そうしたところに対して、どういった場合に運用されるかなどについてしっかりと理解いただかないと、そういった想定外の事態に直面した時に、どういう形をとったとしても、なかなかうまくいかないという状況があると思うので、この点については今後の議論も推移を見ながら丁寧な説明を、より求めていかなければならないと思っています。確かに住民代表で知事や首長がいますけれども、実際に緊急のそういった事態に対応する時に、多くの方がその運用についての理解がないと動かないと思いますので、この点は重要なことなのかなと思っています。
(日本経済新聞)
金融・資産運用特区について伺います。先日、岸田首相が候補地の首長と会う予定を明かし、また6月上旬にパッケージを公表すると述べられていました。それを受けて、知事も候補地の首長にあたるかと思うのですけれども、首相に面会するとなった場合にどのようなことを特に要望したいかというところをお聞かせください。
(知事)
この点については、総理の意見交換で、総理ご自身がそういった予定についてお話になられたということは承知していますが、日程も含め詳細については調整中という状況です。ですので、調整が整い次第、また皆さんにも当然お知らせさせていただきたいと思っています。そうした機会が得られたならば、やはり提案の意義、そして規制緩和の必要性といったものなどについて、札幌市とともに丁寧に説明したいと思っていますし、しっかりと特区の指定をいただけるようにということで、総理に対してしっかり訴えていきたいと考えています。ぜひそういう機会をいただければと思っています。
(日本経済新聞)
首相に要望するとなった時は、やはりGXみたいな観点も強く要望されるうちに入るのですか。岸田首相に伝える際にはそこも含まれるということですか。
(知事)
そうですね。今回、北海道は特にGXに特化した形について提案させていただいています。ですから、北海道ならではのそういった提案の強み、そしてその必要性について総理にしっかり訴えたいと思っていますので、ぜひそういう機会がいただけたらと思っています。
(HTB)
大きく二点お伺いします。一つは、道立札幌聾学校を巡る訴訟について伺います。日本手話で授業を受けられず教育を受ける権利を侵害されたとして、生徒が裁判を起こしていましたが、札幌地裁は今日、原告の訴えを棄却しました。この判決への知事の受け止めがあればお願いします。
(知事)
これはまさに訴訟の段階においても、この場でお話ししましたが、今後とも道内全ての特別支援学校において学習指導要領に基づく適切な教育を提供していただきたいと思います。本日判決が出されたということ自体は承知しているのですが、まだ詳細な説明は受けていないところでありますが、そのように考えております。
(HTB)
この点に関連して、判決はまだ詳細に(説明を受けていない)ということだったのですけれど、日本手話で授業を受けたいという声が上がったのは事実であります。今後その聾学校の教育について知事お考えがあれば。
(知事)
先ほど申し上げたように、全ての特別支援学校において適切な教育を提供していただきたいと考えています。教育長を先頭に、適切に対応いただきたいと考えます。
(HTB)
もう一点、全然違う話なのですが、クマ対策についてお伺いします。弊社の取材で、猟友会の奈井江部会のほうが、町が依頼するクマの捕獲に関して、報酬が割に合わないということで拒否をするという事案がありました。この件に関して財政力の違いもあって市町村ごとに報酬が違う現状があります。クマ対策としては道として今、力を入れているところですけれども、例えばその報酬の基準をつくるですとか、報酬に対して、春期管理捕獲は(補助を)されていると思うのですけれども、それ以外も含めた報酬の補助を行うような、何か考えがありますでしょうか。
(知事)
これは、全体をあらためて皆さんとも共有したいと思っているのですけれども、この捕獲対応については、通常、市町村が道から捕獲許可を受けて実施していまして、その出動に当たっての報酬額などについては、市町村の実情に応じて、国の設定単価である1頭当たり8千円、これに上乗せをするなどして、それぞれ設定されているという状況があります。そして北海道では、今春から人里周辺への出没抑制等を目的とした春期管理捕獲の強化のために市町村へ財政支援を行っています。このほか、農林水産業に係る被害を防止するための国の交付金があります。これを活用して、市町村等で構成する協議会が実施する有害捕獲、侵入防止柵の設置などの被害防止対策に対して支援しているところでありますが、市町村においては、そうした中で一部財政負担が生じているという状況にあります。こうした今お話ししたような状況を受けて、北海道としては国に対して、やはりこうした重要性、そして労働力、こうしたものを考慮したときに、捕獲従事者の確保に向けては、市町村の負担が軽減されなければならない、市町村の負担が軽減されるように必要な予算を確保いただきたいということとともに、地方交付税措置の充実、そしてさらには、ヒグマへの対応は緊急的な対応が求められ、危険を伴うものであるので、出動に当たっての適正な単価の設定などについて、地域の実情についてもお伝えしながら、市町村ともしっかり連携し、国に対して要望していきたいと考えています。今回指定管理鳥獣の指定の件もそうだったのですけれども、今回、クマを追加していただくという形にはなりましたが、日常的にそうした課題に向き合っている地域とそうではない地域との間には、やはり少し温度差もあると思っています。設定単価などについても、やはり今、重要性や労働力を考えた時に適正な単価の設定についてはしっかり要望していきたいと思いますし、つい先日も私も(環境)大臣などにも要望させていただいたところです。北海道の実情を東京にいらっしゃる方々にもしっかり理解していただく、このことが重要だと思います。
(北海道新聞)
先日20日の道監査委員会の財政援助団体に関する報告についてお尋ねします。2022年度に道が補助金などの財政援助をした148団体のうち、計11団体、合わせて1億14万円を過大受給していたことが分かりました。このうち9団体は新型コロナウイルス対策の医療提供体制確保などの補助金を受給した医療法人などで、それを合わせると9960万円、コロナ禍の混乱というのもあったと思いますけれども、これだけ多額の過大受給が生まれたことについて知事はどうお考えになっているか、まず教えてください。
(知事)
これは先週の17日になりますが、監査委員のほうから今のご質問にありました報告を受けたところであります。今後、指摘のあったこの補助事業者に対しましては、補助金の返還を求めていきます。それとともに、関係団体における補助金事務の執行については、より一層適切な指導に努めていきたいと考えています。
また、監査報告書において、新型コロナウイルス感染症に関連する補助事業などにおいて、過大に補助金を受領している案件が散見され、関係団体における事務の適正な指導を求める旨の意見が付せられました。このことを踏まえて、私から担当部に対しては、全体を把握した上で対応を検討するように指示したところであります。現在、担当部において、その内容について検討しているところでありまして、しっかりと対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
関連で、今の全体を把握した上でということだったのですけれども、つまるところその、今回の対象148団体以外にも、コロナ関連のこの補助金を受給していた法人というのがあるという中で、そうした全ての団体への、いわゆる再調査が必要だというお考えなのかあらためて教えてください。
(知事)
その再調査の実施の有無についてもそうなのですが、どういった範囲において実行していくかなどについて、まず全体を把握した上で対応を検討するように指示をしたところであります。その点についてはできるだけ早く、どういった対応を行っていくかについて検討していきたいと考えています。
(北海道新聞)
関連で最後一点だけ。できるだけ早くとのことだったのですけれど、この監査自体は2022年度、2年前のものということで、だいぶ時間が経ってしまっているという状況もある中で、いつぐらいを目途にというお考えがあれば最後に教えてください。
(知事)
今の時点で何日ということで申し上げることはできないのですけれども、
速やかにそういった検討を今しているところでありますので、その内容について決定次第、共有したいと思います。
(朝日新聞)
先ほど他社さんがお聞きになられました金融・資産運用特区の関係で一点教えてください。知事としては、4都市の中の一つとして、仮に4都市が全て認められる場合というのは、これは裏返せば絞り込まれるのではなくて、4都市での競争状態が生まれると考えることもできると思います。先ほど知事からGXの観点についても少しお話がありましたが、明らかに4都市中、発展という意味では、金融機関とか含めてなかなか厳しい立場にあると思いますが、知事ご自身は、この4都市の中での競争、どのように勝ち抜いていくべきか、お考えをお聞かせください。
(知事)
東京都、大阪府、福岡県については、そういう意味では国家戦略特区、この状況の中でさまざまな取り組みも進めている中で、北海道・札幌市については、今回、国家戦略特区を活用した金融・資産運用特区の提案というのは、そういう意味では、遅れをとっているというか、新規という形です。ですから、東京都、大阪府、福岡県はそういう意味では、ブラッシュアップしていくという形なのかと思うのですが、本当の意味での新規というのは北海道・札幌市の提案になるのだろうと思っています。さらに、北海道の場合はGXに特化した形で、他にはない再エネポテンシャルも含めた中での規制緩和やさまざまな取り組みについて、札幌市との共同提案という中で全道域に対象を拡大した提案をしています。そういう意味では、私はそういった北海道の優位性があると思っていますし、今さまざまな取り組みが行われる中で、国としても、この北海道の特区提案というのは、重要な位置付けだと認識していただきたいと思っています。そういった東京都、大阪府、福岡県と競うということより、私は日本のためには北海道が今こういう取り組みをする必要がある、またその世界の中で、どういう地理的優位性があるかということもお話した中で、北海道に国内外からの投資を呼び込んでいくという視点なので、どこかそういった地域競争というよりは、もう少し広い視点での提案にはなっていると思っています。広く日本という意味では、それは当然、首都の東京都や大阪府、福岡県、どこの地域も非常に重要な役割をそれぞれ持っているのだと思いますので、その中で、北海道が必要な役割、またそのポテンシャルを生かした取り組みを進めていく、そういう考えの基でやっていければと思っています。
(朝日新聞)
一点だけ、集めたお金をGXとは言いながら、具体的に何に使うかというところがまだ見えていないというのが多分現状だと、特に北海道・札幌市の場合あると思うのですが、その辺りというのは十分なメニューというものがすぐに近い将来、出てくると考えてよろしいのでしょうか。
(知事)
今さまざま、8つの重点分野を挙げていますけれども、その中ではさまざま民間企業を中心とした中で検討が表明されていたりだとか、本当にここ数年でさまざまな動きがある意味では、対外的にも共有できるような状況にもなっているのも、これは事実だと思っています。そういった意味では、数年前の状況と比べると、いろいろ民間事業者の方の動きだとか、あとは海底送電直流ケーブルの話も、私はずっと前から言っていますけれども、これが具体的に2030年度に200万キロワットという国会での議論なども行われていたり、あと通信の分野でも、そういった北極海ケーブルについても民間を中心に議論が行われていたりだとか、そういう意味では数年前と比較すると、いろいろその民間中心の動きの中で、動きが出てきているというのも、またこれ事実だと思います。また、洋上風力をはじめとするそういった動きも具体的に区域指定が行われていたりとか、そうしたことを考えた時に、今後10年間で官民合わせて150兆円の官民投資を生み出していくという国の方針の中で、北海道が果たす役割というのもより具体的に皆さんと議論できるという状況にはなっていると思いますので、ぜひこの国家戦略特区、金融・資産運用特区を認定いただくことで、さらにそういった案件を呼び込んでいくという形につなげていくことが大事だと思っています。そういう意味では、今回総理がお時間いただけるのかどうか最終的に決まっていくわけですけれども、そうしたところでもしっかりお話ししていければなと思います。
(STV)
昨日、環境省のほうがクマ駆除に関して、市街地での猟銃の使用許可を一部緩和するという方向で検討会に示したと思うのですけれども、その辺の猟銃の住宅街での使用緩和について、知事の受け止めをまずお願いいたします。
(知事)
昨日も、今質問にあった「鳥獣保護管理法第38条の改正に関する対応方針(案)」について示された中で(環境省において)議論が行われました。国においては、夏頃に対応方針をまとめて、この鳥獣保護管理法の改正を視野に、引き続き検討が行われるということであります。この検討会には、国から(参加)の要請があり、私も伊藤大臣ともお話しして、地域のそういう実情、市街地の対応も含めて課題があるというお話をした中で、こういう検討の場をつくるので、道からもぜひ参画してほしいということで、大臣ともお話しした中で、道からも職員が委員として出席させていただいています。
出席する中では、やはり住民の皆さまの安全確保を最優先ということで、迅速な対応が可能となるように基準を明確にしていただいた上で、一定の条件下での銃猟を認めるということ、そして、市町村、捕獲従事者に新たな責務を課す、そういう場合には理解が得られるように慎重に検討していただきたいということなどを発言させていただいています。いずれにしても、われわれ道として参画していますので、先ほども少し触れましたけれども、今、出没が増えた中で現場が大変課題を抱えている、そういう現場の実態を踏まえた意見をしっかりと述べて、反映をいただくべく発言していければと考えます。
(STV)
それに関連してなのですけれども、その一方で、住宅街での発砲というのはこれまで極めて危険だという観点からほぼ一律に規制されてきたという側面もあると思うのですが、この辺の今後の課題ですとか、危険性に関して何かお考えがあれば、お願いいたします。
(知事)
当然ですね、そういった市街地、または今まで規制がある中での厳格な運用、これは安全、先ほど申し上げましたけれども、住民の皆さまの安全確保が最優先ということについてないがしろにするわけにはいかない、ということがあると思っています。
ただ一方で、クマが出没する中で人身被害が生じている事故、そういったリスクが高まっている状況の中で、適切に対応できないことによって、万が一にも人命を失う、そういう状況にするわけにはいかないわけですから、難しい課題ではありますけれども、この点、従前から議論が必要ではないかということはあったわけです。全国でも出没が多く確認され、そういった危険が高まる中で、こういった改正に関する議論が行われるということ自体は私は前向きに受け止めたいと思います。ただ先ほどから繰り返し申し上げているとおり、住民の皆さまの安全の確保最優先、この点についてはしっかりと最も大切にしながら、議論していく必要があると思いますので、これは皆さんの関心事項でもあると思うので、ぜひ国においてもそういった議論過程について可視化しながら、多くの関係者と理解を得ながら進めていくことが大切だと思います。道としてはその上で必要な役割を果たしていきたいと思います。
(毎日新聞)
知床の携帯電話基地局に関する質問です。先日、斜里町の山内町長が毎日新聞の取材に対して、自然保護団体などから意見書が来ているということで、道や羅臼町とともに、国に懸念を払拭するための申し入れをしたいというご発言がありました。現時点で何か町長から知事に対して、こういうお話が来ているのかどうかという点と、申し入れをすることに対する何か知事のご見解などありましたらご教示いただけると幸いです。
(知事)
以前も申し上げましたけれども、地元の意向を尊重する、これはすごく大切なことだと思っています。斜里町のほうから、(オホーツク総合)振興局長に対して、21日にお電話があったということでありまして、内容については国に要望することを検討するということであったということです。その要望についての具体的な内容ということは、まだ伺っていないということであります。いずれにしても、地元の意向を尊重していく、これは私としてはやはり大事なことだと、地元の状況というのは地元の方が一番分かっているわけですから、そこを尊重していただきたいと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)