知事定例記者会見(令和6年1月24日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年1月24日(水)14:30~15:19
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/18名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

冒頭発言

  1. 暴風雪について

知事からの話題

  1. 第78回国民スポーツ大会冬季大会の開催について
  2. 「ほっかいどう応援セミナー」の開催について
  3. ハーフライフル銃の規制強化に対する国への要請について

記者からの質問

  1. ハーフライフル銃の規制強化に対する国への要請について(1)
  2. ハーフライフル銃の規制強化に対する国への要請について(2)
  3. 金融・資産運用特区について(1)
  4. 金融・資産運用特区について(2)
  5. 観光振興を目的とした新税について
  6. 道産水産物の輸出等について
  7. 令和6年能登半島地震における被災地支援等について
  8. 新型コロナウイルス感染症について
  9. 北海道・札幌市行政懇談会について

冒頭発言

暴風雪について

 話題に入ります前にですね、暴風雪などの大荒れの天気について、道民の皆さまや道内にお越しの皆さまにご注意いただきたい点について、私からお話しさせていただきます。
 道内は発達した低気圧の影響で、22日月曜日から道北や道南を中心に大荒れの天気となっております。暴風雪や積雪の多くなっている地域があります。気象台によりますと、強い冬型の気圧配置の影響で、道内では、これから明日木曜日にかけまして、日本海側やオホーツク海側で暴風雪となる恐れがあります。猛吹雪や吹きだまりによる交通障害に警戒が必要な状況であります。
 道では、一昨日22日に、本庁と振興局のほか、気象台や開発局、JR、北電などの防災関係機関と雪害対策の会議を開催させていただきました。今回の暴風雪への対応を確認したところでございます。道民の皆さまの安全、安心を確保するため、引き続き、市町村や関係機関の皆さまと連携して、対応に万全を期してまいります。
 道民の皆さまや道内にお越しの皆さまにおかれましては、気象情報や交通情報をこまめにご確認いただき、車両の立ち往生に備えてスコップやけん引ロープを用意するなど、雪による交通障害に十分ご注意いただきますとともに、除雪作業中の事故、屋根からの落雪にもご注意いただくなど、身の安全を確保する行動を取っていただきますよう、お願い申し上げます。

知事からの話題

第78回国民スポーツ大会冬季大会の開催について

 それでは、話題に入らせていただきます。私から三点お話しさせていただきます。
 今、隣にですね、「とまチョップ」が来てくれたところでありますけれども、1月27日土曜日から「新たな光へ!とまこまい国スポ2024」がいよいよ開催されます。苫小牧市で行われる競技会の大会マスコットが、こちらの「とまチョップ」であります。今日は苫小牧市から駆けつけてくれました。
 今大会でありますけれども、「国民体育大会」から「国民スポーツ大会」ということで、名称が変わる記念すべき初めての大会となりますので、先ほど申し上げた「国スポ」と言って、聞いたことないなと思う方がいるかもしれませんけれども、「国民体育大会」から名称が変わって、これからそういった呼び方になります。
 競技は、スケート競技会が1月28日日曜日から1月31日水曜日までの4日間、アイスホッケー競技会が1月30日火曜日から2月3日土曜日までの5日間、いずれも苫小牧市で開催されます。27日には苫小牧市で開始式が開催されますので、私も出席させていただいて、ご挨拶させていただければと思っております。北海道では5年ぶりの冬季大会となります。
 全国44都道府県から、監督、選手および役員を合わせますと、総数で1734名の方が参加いたします。そのうち、北海道につきましては、選手73名、監督、役員で24名と合計97名となりまして、都道府県別では最大の規模が北海道という状況であります。全国から集まる選手の皆さまにはですね、ふるさとの代表として、誇りを胸に、これまで磨いてこられた技と力を存分に発揮いただきたいと思いますし、本大会を契機に、アスリートとして大きく飛躍されますことを期待しております。さらに、多くの方がご来道いただきますので、冬の北海道の美しい自然や、旬の味覚、アイヌ文化をはじめとする歴史、文化などの多彩な魅力に触れていただければ嬉しく思います。
 報道機関の皆さまには、今お話し申し上げましたけれども、選手の皆さんの熱い戦いを道内外多くの方が関心を持っていただいていますので、ぜひ取り上げていただいて、大会を盛り上げることに力を貸していただければというふうに思います。
 これが一点目でございます。

「ほっかいどう応援セミナー」の開催について

 二点目が「ほっかいどう応援セミナー」についてであります。
 1月31日水曜日に札幌市、2月14日水曜日に大阪府において、「ほっかいどう応援セミナー」を開催いたしますので、お知らせさせていただきます。ほっかいどう応援団会議を立ち上げてから5年目を迎えました。ご参画いただきました企業、団体の皆さまも大幅に増加しております。企業版ふるさと納税によります支援など、具体的な官民連携の取組事例も出てきているところであります。応援の輪が着実に広がっているところでございます。
 本セミナーは、道内外の企業等の皆さまに、市町村長や地域おこし協力隊の方々が、地域の魅力や応援を求める取り組みについてPRを行う場として実施させていただいているものであります。昨年11月に東京都でも開催させていただきました。大阪府につきましては、「北海道企業立地セミナー」との同時開催という形で行わせていただきます。お手元に資料を配付させていただいたところでありますけれども、札幌市、大阪府ともに、道内各地の市町村が参加いただきまして、それぞれ支援を求めるプロジェクトについて、道内外の企業の皆さまにご説明いただきます。それとともに、地域おこし協力隊の方々からも、地域での精力的な活動などについてのPRを行う予定であります。さらに、北海道に縁のある企業にもご講演いただくということにしています。北海道の優位性や今後の発展への期待、官民連携の取り組みなどについてお話しいただくこととしています。
 市町村と参加企業の皆さまに、少しでも有意義な交流をしていただくために、今回は、市町村長などによりますプレゼンのときに、会場の皆さまにもご参加いただけるように、リアルタイム投稿ツールを活用して、双方向型のセッションを行いたいというふうに考えています。また、道産のワインですとか、日本酒をはじめ、参加市町村の銘菓などの試飲、試食も、コロナでいろいろ難しかったのですけれども、今回、行ってみたいなというふうに考えています。
 地域で活躍する市町村の皆さま、そして地域おこし協力隊の方々が、新たな連携の創出に向けて、活発に交流を行うイベントという形になりますので、ぜひ報道の皆さまにもご理解、ご協力いただければと思います。

ハーフライフル銃の規制強化に対する国への要請について

 最後三点目でございます。ハーフライフル銃の規制強化に関する件であります。
 本日、国に要請を行いましたので、それをお知らせさせていただきます。本件につきましては、先週19日の記者会見の場におきましてご質問いただきましたが、長野県での事故を受けて(規制強化の)議論ということで理解する一方で、エゾシカやヒグマ対策の強化を行っている北海道においては、捕獲数や捕獲の担い手確保の減少につながるということなど、大きな影響が生じる恐れがあることから、法改正の影響につきまして、関係団体の方々からもご意見をお伺いいたしました。こうしたご意見を踏まえまして、本日の午前中になりますけれども、環境生活部長が、皆さまにお配りさせていただきました要請文、こちらになりますが、警察庁や環境省などの関係省庁に対しまして、要請を行わせていただきました。法改正の検討に当たっては、本道の農林水産業被害対策、そして人的被害対策の鳥獣対策に影響が生じないように配慮いただくということとともに、鳥獣対策以外の、例えば、ヒグマの市街地出没時の対応、そしてライフラインの送電線の保守点検や、JR列車衝突事故対応といったことなど、公的事業に従事する狩猟者の方が安全に活動できるようにということで、配慮を求めたものであります。その結果と言いますか、コメントをいただいたのですけれども、警察庁からは、地域の関係団体のご意見もお聞きしながら、鳥獣対策などに支障のないよう適切に対応したいということでございました。警察庁以外の環境省および農林水産省につきましても、要請の内容について理解いただいたというふうに考えているところでございます。
 道といたしましては、引き続き、この法改正により、北海道の鳥獣対策に影響が生じないように、国の動きを注視して協議など行っていきたいというふうに考えています。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 最後のハーフライフル銃の関係でお伺いします。ちょっとあらためての質問になってしまうかもしれませんが、先ほどレクもしていただいたのですけれども、道としてですね、知事として、今日の申し入れの中で、警察庁からは鳥獣対策に影響が生じないように対応するというコメントが来たというお話もありましたが、まずこの申し入れの結果、国からのこういったコメントに対するいわゆる評価をどのように考えていらっしゃるかというのと、あらためてなのですけれど、改正がどのように進むかは今後の話だと思いますが、道として、どういうあり方が一番最善のあり方だというふうに、現時点、もし考えているかというのがあれば、ハーフライフル銃が使える状況というのが担保される状況というのは望ましいのか、その辺、具体的に何か考えがありましたらお聞かせください。

(知事)
 今回ですね、緊急で要請させていただいて、先ほど申し上げたような影響が生じないようにということで、(警察庁から)コメントがありました。まずこれは、そのコメントにあるように、しっかりご対応いただきたいというふうに思います。影響が生じるような内容であれば、われわれとしては非常に懸念のある内容ということでありますので、今後、国がどう対応していくのかについて、しっかり注視していく必要があると思っています。また、関係団体の声を、特に影響の大きい北海道の関係の皆さまの声を直接伺うという形がない中で、今回、そういう動きでもありましたので、われわれは関係団体の声をお伺いした上で、今回、要請させていただきましたけれども、法改正の影響を受ける当事者団体に、担当の警察庁をはじめとして皆さまが、やはりしっかり意見を聞いていただくことも重要だと思います。その点も今日、申し上げたところでありまして、その点についても検討いただけるものというふうに考えています。いずれにしても、今回、農林水産大臣もコメントを求められる中でですね、今のこの10年の取り扱いの通知(免許取得後1年目からライフル銃を所持できる旨の特例措置の通達)があるので、そこで対応できる部分もあるという趣旨の発言もされているのですが、対応できないところもあるのですよね。ですので今、そういう問題点も具体的に投げかけているので、その点をご対応いただくことが、われわれとしては大事だと思っていますから、その点も踏まえた配慮がどう具体化されるのか、ここを注視していきたいというふうに思っています。
 まずは今回、通常国会が始まる前にですね、緊急の要請という形でさせていただきましたので、今後もしっかりと協議などしていきたいというふうに思います。

(朝日新聞)
 今の関連で一点だけ知事のご見解をお聞かせください。国のほうも声を聞きながら適切に対応していくという答えがあったということでしたけれども、これまでいろいろな関係団体のほうから、かなり反対の声がいきなり上がってきた印象なのですが、国の進め方、ここまでこの規制の進め方について、知事としては、その声の聞き方も踏まえて、どのようにお考えになっているかお聞かせください。

(知事)
 これは、影響を受ける団体に対して、確かに狩猟関係で言えばですね、全国団体への意見は聞いているのですけれども、北海道が特に影響を受けるわけですから、そういった団体に対する意見を聞く必要性ということについて言えばですね、今日お話しした中では、その必要性について認識いただけたということではありますが、そういった動きが表に出て行く前に、お話を聞いていただくということがあったほうがですね、団体の方々とのコミュニケーションとしては、より良かったのかなというふうには思います。
 われわれも報道等が出て、警察庁等にも事実確認なども繰り返し求めてきたのですけれども、あちらからの回答が若干時間がかかったりだとか、いろいろそういった手続き面で、もう少し工夫ができた点があったのではないかというふうには思っています。そういったことも含めて本日、率直にお話しさせていただきましたので、過ぎてしまったことでありますが、今からでもお話を聞いていただけるとありがたいというふうに思います。

(北海道新聞)
 GX(グリーン・トランスフォーメーション)についてお伺いします。札幌市の秋元市長と土屋副知事が昨日、資産運用特区選定の提案書を金融庁に提出したと思います。道としては、札幌市だけでなく全道へのGX産業の展開だったり、経済効果の波及というのが重要になってくるのかなと思いますが、特区を通じて、そういった効果をどのように実現していくのか、知事のお考えをお伺いします。

(知事)
 札幌市では、世界中からGXに関する資金、人材、情報が集まるアジア、世界の金融センターとなるべく、これまで、道を含めた産学官金で検討してきた「Team Sapporo-Hokkaido」の取り組みをさらに進めるために、今ご質問のあった、昨日23日に、GX金融・資産運用特区の国への提案をしたところであります。道としては、集めた投資を全道各地でのGX関連事業につなげていくということが重要という考えの下で、「Team Sapporo-Hokkaido」の取り組みを進めてきたところです。こうしたことから、道としては、札幌市の提案のうち、GXに関わる部分、具体的に申し上げますと、水素の利活用や洋上風力発電の導入促進に向けた国に対する規制緩和などの提案について、全道域に拡大する変更提案を検討したいというふうに考えています。変更提案の検討に当たっては、市町村や関係団体などの皆さまのご意見をお伺いするため、速やかに意見照会をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。この意見照会によりいただいたご意見や、道議会でのご議論を踏まえて、札幌市とも連携しながら具体的な内容を検討していきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連して、今回の国への提案書には、札幌市に進出する企業への減税、税制優遇が取り組みとして盛り込まれていたと思います。札幌市や道は今後、追加の提案も検討しているというふうには聞いていますけれども、道は、例えばGX事業を展開する企業への法人税などについて減税を検討する考えがあるのかどうか、知事のお考えをお伺いします。

(知事)
 まず、今お話ししたとおりですね、GXに関わる部分として今、具体的に例を挙げましたけれども、そういった点について全道域で拡大する変更提案を検討したいと思っています。当然、全道域でやる場合については、市町村、関係団体の皆さまにご意見を伺うということが必要でありますから、まずはその意見照会を速やかにやりたいと思っています。税制優遇についてはですね、札幌市が提案しています。札幌市の提案を踏まえて、道としてもどのようなことができるかについては、今後、検討していきたいというふうに思っています。

(日本経済新聞)
 先ほどの他社さんの質問にも関連するところから伺いたいのですけれど、GX特区の申請について、今、知事からですね、規制緩和に関して全道域での追加の提案というのも検討されるというふうにおっしゃっていましたが、これに向けた意見照会の時期、いつ頃から、179の市町村全体でやるか、もしくはある程度エリアを区切ってやられるのか、また最終的に全道域に広げるという追加の提案をいつごろされるイメージなのか、現時点でのお考えを伺ってもよろしいでしょうか。

(知事)
 まずですね、意見照会については、これは速やかに行いたいと思っています。速やかにというのは、もう本当に週内とかですね、それぐらいのスタートで行っていければというふうに思っています。広く「Team Sapporo-Hokkaido」の取り組みについて、そもそもどういった取り組みなのか、十分その取り組みを理解しているという地域から、いろいろな地域がやはりあるというふうに思いますので、そこは丁寧に説明しながらですね、この意見はお伺いしていきたいというふうに思っています。その上で、全体のスケジュール感が見えてくるかなというふうに思っています。まずは、こういった検討をしたいという状況の中でですね、全道で展開する場合については、皆さんの意見を聞くことが大事だと思いますから、そこをしっかりやっていきたいなというふうに思います。

(日本経済新聞)
 そうすると、意見照会自体は179全ての自治体を対象に行われるということですか。

(知事)
 基本的には179(市町村で)、しっかりやっていきたいと思っています。先ほど申し上げたように、この取り組みに関する理解などについても、いろいろな状況があるというふうには思っていますから、そういったことも含めてですね、丁寧に対応したいというふうに思います。

(日本経済新聞)
 もう二つ話題があるのですけれども、明日開催される予定の宿泊税、観光振興に向けた新税の懇談会に関連してお伺いいたします。これまでもですね、道としてたたき台を提示されて、道内の自治体および事業者さんとも議論を重ねてこられたところかと思うのですが、明日の懇談会の細かな内容というよりは、知事のお考えをお伺いしたいのですけれども、今回ですね、道としては、広域自治体として観光振興税を徴収すると。一方で市町村にも徴税権があって、札幌市さんなり富良野市さんなり、現状で宿泊税を独自に導入されると検討している自治体さんもあると。そうした中で、その使途等も含めてですね、あらためて北海道が徴収する宿泊税というのは、どのようなものに使われるべきで、それはどれくらいの規模感であるべきであると、現時点で知事がお考えになっているのか、今の知事のお考えを伺ってもよろしいでしょうか。

(知事)
 その点についてもですね、明日開催の懇談会で、まさにこれまでいただいてきたご意見などを踏まえた検討状況について説明する中で、われわれとしてお示しさせていただいた中で、ご議論いただきたいというふうに考えております。この場で明日のことを申し上げることは控えたいと思います。

(日本経済新聞)
 最後に一点なのですけれども、本日、函館税関のほうで、北海道からの輸出のデータが出てきます。それで昨年1年間の、12月までの輸出額が揃うわけですが、既に発表になっている11月までの輸出額を見ても、特にホタテの部分ですね、魚介類の輸出額がかなり落ち込んでいる状況が続いております。あらためて、この半年ほど中国への魚介類輸出ができなかった状況、知事がどのように受け止めているのか。また、現時点で、道としても次の食の輸出戦略の策定をされているところでありますけれども、今後こうした状況を打開していくために、道としてどのような施策を考えられているのか、あらためて知事のお考えをお願いします。

(知事)
 これは今日の発表はまだですね。

(総合政策部広報広聴課長)
 まだ手元に届いていないです。

(知事)
 これから出てくるというふうに思いますけれども、いずれにせよですね、昨年12月末に発表された統計によりますと、昨年1月から11月までの道内港からの水産物・水産加工品の輸出額については、前年同期を24パーセント下回る583億円という状況でありまして、特に、今ご質問のあったホタテガイについては、前年同期を30パーセント下回る407億円という状況となっています。
 国は、総額1007億円からなる、水産業を守る政策パッケージを措置したところでありまして、中国以外への輸出拡大に向けて、ベトナム、メキシコなどで加工施設の視察、商談会といったものを開催してきております。昨年1月から11月までの道内港からの水産物・水産加工品の輸出額については、アメリカ向けが約2倍、また東南アジア向けも増加傾向という状況はあります。道としても、本日お集まりの記者クラブの皆さまにも本当にご協力いただいて、国内での消費拡大は重要だということで取り組んでまいりました。これまでのさまざまな対策もございまして、総務省の家計調査によるホタテガイの消費の数字で言いますと、10月と11月では、同時期と比較して1.6倍という状況になっていますので、国内消費においても着実に成果が上がってきているというふうに思います。いずれにしてもですね、引き続き関係団体と連携して、この中国の対応というのは変わっていないわけでありますので、道内水産物の国内消費、そして輸出の拡大、こういったものに取り組んでいきたいというふうに考えています。

(HBC)
 震災関連についてお伺いします。まず道営住宅への被災者の移住について、申し込みや問い合わせがこれまであったのかどうかというのを、まずお聞きしたいというのと、あと最近、航空大学校のですね、キャンパス避難のお話もありましたけれども、このあたり道内避難に関する進捗状況について、まず教えてください。

(知事)
 道営住宅につきましては、この会見の場でもお話しさせていただきましたが、45戸、さらには道内の127市町村で1118戸の確保という状況であります。道営住宅につきましては、問い合わせが数件ありました。ただ現実的に、まだ受け入れという状況にはなっていないところであります。今後も、こういった被災者の皆さまの声に寄り添いながら対応していきたいと思っています。なお、これはあらためてですけれども、(道営住宅については)家賃、敷金と同様に、入居者が駐車場を使用される場合の使用料につきましても無償とさせていただくこととしています。生活に必要な家具、家電についても、入居者の負担とならないよう準備する方向で考えておりますので、もし、この会見などをご覧いただいて、検討等されるという方がいらっしゃいましたらですね、北海道にご親戚が結構いらっしゃってですね、検討につながるケースが想定されると思いますので、ぜひ、お問い合わせいただければというふうに思っています。
 そして、日本航空学園からの協力依頼につきましては、千歳市と道に対して、石川キャンパスでは授業の継続が難しく、当面、大学校の生徒を新千歳空港キャンパスで受け入れて授業を継続したいので、必要となる宿舎の確保についてご協力いただきたいということで、千歳市と道に対してご依頼をいただいております。その後、被災地から転居予定の教職員とその家族用の住宅が必要となる見込みであるということで、学園からお話がございまして、担当部局において千歳市内の道営住宅の確保について調整を行っています。学園に対しては随時、状況を確認させていただいているのですけれども、教員も被災しており、個別の意向確認に時間がかかっていることから、今、住宅の必要戸数の精査に時間を要していますということで、どれぐらいの規模で具体的にご希望されるかの確定に時間がかかっていますということで、ご連絡をいただいているところであります。いずれにしても、千歳市と協議しながらですね、必要な住宅の確保については、今まさに取り組んでいるところでありますので、また連絡を取り合いながら、対応していきたいというふうに思います。

(HBC)
 続きまして、ちょうど今、冬の時期ということでですね、厳冬期の震災についてノウハウのある道としてですね、被災地に寒さや雪に関する物的支援とかですね、技術支援を行うご予定があるのかどうかお聞かせください。

(知事)
 これは、1月5日に被災地支援本部を立ち上げさせていただいて、道の医師や保健師などで構成するDHEAT(ディーヒート、災害時健康危機管理支援チーム)の派遣を行って以降、災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)、そして道の職員派遣ということで、これまで延べ270名を超える皆さんが現地に派遣され、活動を行っているところであります。私も馳知事とお話しさせていただきましたけれども、やはり北海道の場合は積雪寒冷で、さまざまなことを想定した中で、日夜意識しながら皆さん活動を行っていることから、大変助かっているということでございました。このほか、先ほど申し上げたような道営住宅の提供や、道職員の皆さんが義援金約670万円を取りまとめたということでありますので、明日、日本赤十字社北海道支部を訪問して目録を手渡すこととなっています。さまざまな支援に今、取り組んでいるところであります。
 また、先ほどお話しした学園とは別にですね、一昨日22日になりますけれども、石川県教育委員会のほうから、文部科学省を通じまして、2次避難している輪島市などの中学生に関して、避難先における夜間の生活指導への対応のほか、生徒の学習指導等に係る業務に対応する教職員を、ぜひ派遣してほしいという要請がございました。このことを受けまして現在、道教委のほうで派遣候補者の調整を進めているところでございます。
 そして、物的支援につきましては、札幌市による寝袋の提供をはじめとして、道内の市町村や民間企業などから食料や生活日用品などといったさまざまな支援が、現在行われているところでございますので、道としては、北海道全体の状況も確認しながら、全国知事会とも連携して、被災地が望む対応に努めていきたいというふうに考えています。引き続き、ニーズを踏まえた対応を行っていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 新型コロナウイルスの関係でお尋ねします。道内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されてから、今月28日、今度の日曜日で4年を迎えます。この関連で三点お尋ねするのですが、一つ目は、あらためてこの4年間の振り返り。二つ目が、直近の感染状況について。最後が、今後雪まつりなどですね、冬のイベントが予定されている、かつ、インフルエンザのB型も例年2月から3月にかけて流行するということも想定される中で、道民に呼び掛けたいこと。以上、三つについて教えてください。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、1月28日が、感染確認から4年ということでございます。一つの節目という日にちを間もなく迎えるという状況であります。昨年11月9日に私も出席した、内閣感染症危機管理統括庁主催の国と各都道府県との情報伝達訓練に呼応して、本日の午前中になりますけれども、北海道独自に情報伝達訓練として、感染症危機管理対応訓練を実施しました。この実施にあってですね、やはりこの1月28日というのが一つの節目なので、日程上、28日にピタリとやるということは、関係者も広範にわたるのでなかなか難しかったので、本日の午前中という形になりましたが、そういう中で、訓練も実施させていただきました。今後、本日の情報伝達訓練の内容の振り返りはもちろんやるのですけれども、本年、国が策定予定の政府行動計画の動向等も踏まえて、より実践的な訓練の実施につなげていきたいというふうに考えています。道としては、引き続き国、市町村、医療機関、関係団体との連携を密にしつつ、コロナ4年ということでありますけれど、新たな感染症危機への備えに向けて、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
 4年前を振り返るとですね、北海道は全国に先行して感染が拡大いたしました。知見も情報もなく、前例もないという状況の中で、その時々、専門家、医療機関、市町村、本当に多くの関係者の皆さまにご協力いただいて、さまざまな感染対策、保健医療提供体制の充実、こういうものに取り組んできました。こうした一連の取り組み内容を振り返ってですね、新たな感染症危機への備えに生かしていくため、有識者の方々からご意見を伺いながら、感染対策への対応や保健医療提供体制の確保、経済雇用への支援などの3分野29項目について検証を重ねて、昨年末に、今後の対応の方向性を取りまとめさせていただきました。道では、改正感染症法に基づいて、こうした対応の方向性も踏まえながら、次期感染症予防計画を今年度内に策定することにしています。この計画の下に、平時から市町村や医療機関などの皆さまとともに、十分連携を図りつつ、入院病床や発熱外来等の提供に係る準備や、研修、訓練といった人材育成を進めることなど、今後もですね、道民の皆さまの命、健康、暮らしを守ることができるように、感染症危機管理対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 そして、今の感染状況、道内の状況は、1月8日から1月14日までの定点当たりの報告数が10.53となっておりまして、昨年第51週、12月18日から12月24日以降、10人台と横ばいで推移しています。年末にかけてはですね、イベントなどもありまして、北海道は日本の中でも定点当たりの感染がかなり高い状況だったのですけれども、(北海道は)横ばいで、逆にほかのところは伸びてきているので、その順位が今、少し変わってきているという状況です。現在、オミクロン株の変異株のJN.1(ジェイエヌ ワン)が国内でも広がりを見せているということがあります。WHO(世界保健機関)では、注目すべき変異株に指定している中で、公衆衛生上のリスクにつながる兆候はなく、他の変異株と比べて重症度に差がないという評価であります。国立感染症研究所においては、今後もこのJN.1が上昇傾向と推定しているという状況がありますので、道としては引き続き、この変異株の動向に注視していく必要があると考えています。
 先ほど質問にありましたけれども、雪まつりをはじめとしてですね、冬の観光シーズンを迎えています。雪まつりもそうなのですが、道内各地でさまざまなイベントが予定されています。道民の皆さま、そして来道される皆さまには、これはコロナだけではなくて、さまざまな感染症をはじめとした体調の変化ですね、どうしても寒いですから、空気も乾燥して、風邪などもひきやすい状況もあります。手洗いや手指消毒、換気、マスクの効果的な場面における着用ですとか、ワクチン接種の検討などの基本的な感染予防対策につきまして留意願う、そういった時期でもございます。ぜひ皆さまにおかれましては、体調不良といったものを感じた場合については無理をしないことなど、体調の管理には十分ご注意いただければというふうに考えています。

(北海道新聞)
 (1月)22日に開かれた道と札幌市の道市懇について伺います。当日、取材させていただいたのですけれども、知事と札幌市長という北海道の主要自治体を担う政治家のトップ二人、また、副知事、副市長三人ずつが顔を揃えて行うトップ会談としては、例えば新しい合意ですとか問題提起も含めて、あまり具体的な、目新しい打ち出しがなかったのかなというふうに認識しました。知事は先週の記者会見でもですね、できれば1年に1度は道市懇を開きたいという趣旨の発言をされています。1972年度から続く枠組みではありますけれども、仮に開催自体ですとか顔合わせということが目的になってしまうと、形骸化という指摘も免れないと思うのですけれども、知事にとってこの道市懇というのは、そもそもどのような位置付けで、どのような目的があるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 やはりですね、北海道の中で、札幌市は人口の4割が集積する都市であります。そういった札幌市とですね、今、時代の変化のスピードも非常に速い状況の中で、それぞれ、当然のことながら、札幌市としても政策をさまざま展開していますし、道としても展開していきます。例えば、道としては総合計画を作ったりだとか、札幌市も市のまちづくりに関する各種計画を作ったり、国も開発局で計画を作ったりだとかですね、その内容を見ても、やはり時代の変化に非常に呼応したような内容にもなっています。そういう状況の中で、やはりしっかり顔を合わせた中で、道の副知事もそうですし、札幌市の副市長もそうですし、それぞれ市長と知事、また、副知事と副市長とか、それぞれ担務がありますから、そういう意味でのやり取りは日常的にしているのですけれども、やはり年に1回、道市懇という形で行った中で、大きな方向性を共有してですね、またテーマを決めて、事務レベルで今まで積み重ねてきた内容について、まさに市と道のトップ同士が具体的な意見交換をしながら、今後検討していく内容についても、その意見交換の中で具体化していったりだとか、そういうことは、私は必要だなというふうに思っています。年に1回はやりたいなということで思っていまして、それは秋元市長も同じだと思っています。ただ、双方にですね、いろいろ議会日程だとか、要はタイミングもありますので、その中で今回は1年を超えてですね、若干時間が空いての開催にはなりましたけれども、これからも非常に重要な場面として、有効に活用できればなというふうに思っています。

(北海道新聞)
 関連なのですけれども、北海道では、行政面積のうち1パーセント程度に札幌市の面積がとどまっていて、ここに一極集中が進んで、現在、既に道内人口の割合の38パーセント、2050年の推計では46パーセントにも達するという推計があります。著しい人口減少が進む広大な北海道の自治を考える上でですね、広域自治体である道庁と、ほぼ同等ともされる権限を有する政令指定都市、札幌市のあり方というのは、全国の都道府県の中でも特にですね、将来を見据えて、双方で議論していく論点が多岐にわたるのかなというふうに私は考えるのですけれども、知事は夕張市長という基礎自治体のトップであった経験も踏まえてですね、道と札幌市の、例えば行政機構ですとか行政機能の役割分担、人事交流、また年間に1万人ぐらいとされている人口の札幌流入などについて、こうあってほしいなとか、このようなことを札幌市は他市町村のためにやってほしいなですとか、何かこう思っていらっしゃることとか提案したいということ、何かお考えがあれば教えていただきたいのですけれど。

(知事)
 まさに道市懇の中でもですね、そういった趣旨で私も発言させていただいています。例えばこどもまんなか社会の実現にあっても、例えば出生率の改善にあっても、どうしても札幌市の取り組みというのが、全道に与える影響は大きいのですよね。人口規模の小さい市町村で、実はこれはよく言われるのですけれども、国がそういったことをやる前に、われわれ市町村はとっくにやっているのだと。要は、人口規模が小さい市町村だと子どもの数も少ないので、そういう危機意識がだいぶ前から当然あって、例えば医療費の助成などについても、高校まで医療費助成しているところは、北海道の場合はもう大多数がやっているのですよね。あとは、保育料の第2子以降の無償化などにあっても、東京都がやるぞと言ったときに、東京都がやるのだとなったのですけれども、道としては、第2子以降の無償化については、所得の一定の条件はあれど、これは早い段階でやっていて、取り組んでいることでもありました。そういう状況の中で今回、札幌市は、例えば医療費の助成にあっては、来年度から、確か中学生まで拡大すると。その次にはここまでやっていくということで打ち出すという状況で、ある意味では、他の地域と同じぐらいの状況になっていくということなんだと思うのですけれど、インパクトとしては、やはり4割近い人口がいますので、そういう意味では大きいわけですよね。ですので、例えば子育てにあってもですね、札幌市が今後取り組んでいくということが、北海道全体に与える影響がやはり大きいので、しっかり連携して取り組んでいくことは重要です。
 それともう一つ、札幌市として、これまでも取り組んでいただいてきたことなのですけれど、(さっぽろ)オータム(フェスト)とかもそうなのですけれど、やはり札幌市に多くの方がいますので、市町村からすると、地域の特産品とかもそうなのですけれど、やはりいろいろ札幌市の方々にPRしたいのですよね。そういう場所づくりとか、札幌市が札幌市だけのためではなくて、札幌市以外の市町村のために機能を発揮するということを、札幌市としても意識しながら、例えば道とも連携してですね、そういった機能を担っていこうだとか、そういったことも今の秋元市長も含めて考えてくれていますので、そういったことは今後もぜひ一緒になってやっていきたいと思います。
 さらに人口減少を考えると、札幌市も非常に魅力的な都市で、多くの方が全国から札幌市に来ていただいているのですけれど、今まで札幌市がダム機能ということで果たしてきた機能がですね、過去と比べて、なかなか十分でないような状況もあって、一足飛びに本州に行ってしまうという状況もある中で、札幌市そのもののさらなる魅力を一緒になって磨き上げていくことや、ほかの市町村がみんな札幌市に行ってしまうということがよくあるのですけれども、札幌市出身で、本州で働いている方がやはり戻ってきてくれたりだとか、やはり道外から積極的に人を呼び込んでいくことによって、札幌市に戻ってくるだけではなくて、北海道に戻ってきてくれて、逆に札幌市に住んでいる方がまた市町村に(戻ってきてくれて)、働く場とか活躍の場がということも、やはり札幌市と一緒になってやっていかないと、なかなかそこは難しいというところもあるので、いろいろ意見交換の中でですね、話が出ましたので、引き続き検討することについても、道市懇は良いきっかけになったかなと思っていますので、しっかりやっていければなと思っています。

(北海道新聞)
 今ので最後にしたかったのですけれども、伺いたかったのは、行政の機能とか自治のあり方みたいなものが、やはりずっと北海道と札幌市、二重行政の解消とかということが議論になったりですとか、知事がなられた直後の道市懇ではそういうことが議題になったりしたということがあったと思うのですけれど、そういった北海道庁と札幌市の自治だったり、行政のあり方みたいなものを、何かちょっとダイナミックにとまでは言わないですけれど、こういうところをもっと変えたいなとか、このようなところがちょっと弊害になっているかなとか、札幌市にこのようなことを提案してみたいなとか、そういう観点での質問だったのですけれど、何か、なければ全然いいのですけれども。

(知事)
 例えば大阪府がやっている大阪都構想とか、そういう話ですか。それは極端な話だと思いますよ。市民の皆さんが市長とか議会(議員)を選んで、札幌市としてやっているわけですから。そこをしっかり知事として、広域自治体として連携して、しっかりコミュニケーションをとって、最大のパフォーマンスを発揮していくというのが大事なのではないですかね。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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