知事定例記者会見
- 日時/令和6年1月11日(木)14:31~15:34
- 場所/記者会見室
- 記者数/22名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 年頭に当たって
- 令和6年能登半島地震における被災地支援について
- 羽田空港における航空機衝突事故について
- お米・牛乳子育て応援事業について
記者からの質問
- お米・牛乳子育て応援事業について(1)
- 羽田空港における航空機衝突事故について(1)
- 令和6年能登半島地震における被災地支援等について(1)
- お米・牛乳子育て応援事業について(2)
- 令和6年能登半島地震における被災地支援等について(2)
- 羽田空港における航空機衝突事故について(2)
- 羽田空港における航空機衝突事故について(3)
- 北海道百年記念広場に設置する新たなモニュメントについて
- 高レベル放射性廃棄物について
- 並行在来線について
- 道内における政労使の会議について
- 道の防災対策について
知事からの話題
年頭に当たって
年が明けて最初の定例記者会見であります。記者クラブの皆さん、今年もよろしくお願いいたします。
年始から、能登半島地震、そして羽田空港での航空機衝突事故、大きな災害や事故が続きました。お亡くなりになられた方々に、哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対しまして、心からお見舞い申し上げます。
被災地支援につきましては、この後ご説明させていただきますが、このたびの災害や事故を踏まえ、道としてはこの1年、道民の皆さまの命と健康を守る取り組みを最優先としながら、危機管理の重要性を職員全体で共有して、その対応に万全を期してまいる考えでございます。また、長期化する物価高騰の影響などによって、道民の皆さまの暮らしや事業者の方々の経営環境は、引き続き厳しい状況に置かれております。先の定例会で議決いただいた補正予算を活用するなどして、切れ目ない対策に努めてまいります。
これまで進めてきた歩みを一層加速していくため、取り組みを進めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
令和6年能登半島地震における被災地支援について
このたびの地震により、甚大な被害を受けた被災地に必要な支援を行うため、1月5日に「令和6年能登半島地震における被災地支援本部」を設置し、同日、第1回目の本部員会議を開催したところであります。道はこれまで、胆振東部地震など大きな災害が発生した場合に、他県などから多大なご支援をいただいてまいりました。そうした温かいご支援があればこそ、今日の北海道があると考えます。道としてできる支援を最大限行っていくとの姿勢で対応してまいります。
昨日時点の被害状況等でありますが、死者は206名、安否不明者の方が52名となっておりますほか、多数の住家被害が発生し、また多くの方々が避難所で身を寄せられております。
道の支援状況について、ご説明させていただきます。まず、人的支援につきましては、国や全国知事会を通じた要請に対応することとして、派遣を実施、または準備を行っているところであります。現在派遣中のものといたしましては、道の医師や保健師などで構成するDHEAT(ディーヒート、災害時健康危機管理支援チーム)を1チーム、また、総務省の応急対策職員派遣制度などに基づきまして、輪島市の避難所支援業務などのために、道の一般職員23名を派遣し、さらに、被災者への医療支援のため、災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)18チームを派遣中であります。これらの派遣につきましては、派遣者を交代させるなどしながら、当分の間、支援を行っていく考えであります。これらに加えまして、今後、災害派遣精神医療チームDPAT(ディーパット)や、建築物の応急危険度判定業務等の技術職員の派遣につきまして、関係部において準備を行っているところでございます。
次に、資金支援についてでありますが、現在、日本赤十字社および中央共同募金会において、義援金等の受け付けが実施されているところであります。また、道の対応といたしましては、職員を対象に、一昨日の1月9日から19日までの間、義援金を募る取り組みを開始しております。集まった義援金は後日、日本赤十字社を通じ、被災県へ贈呈させていただく考えであります。また、道議会としても、全議員からの拠出により、総額200万円を贈呈予定であると承知しているところでございます。
このほか、昨日から石川県をはじめ、ふるさと納税による支援ページを開設している県、富山県、福井県に対する支援への協力を呼び掛けるため、私のメッセージを発出し、各県とも相談の上で、ホームページのリンクを設定させていただいたところでございます。報道の皆さまにも、広く周知いただければと思います。
次に、その他の物的支援などについてでありますが、石川県では個人からの支援物資の受け入れを行っておりません。企業、団体からのまとまった規模の支援物資についてのみ受け付けをしているところでございますので、この点、県からも情報を発信しているというところでございますが、道民の皆さまにおかれましても、ご留意いただければと思います。なお、申し出は電話のほか、電子申請でも受け付けているところでございます。詳しくは特設ページをご覧いただければと思います。
被災者の受け入れにつきましては、道内13市に道営住宅45戸を確保し、明日12日から入居受け付けを開始することとしております。道および指定管理者のホームページに掲載いたします。なお、道内の市町村営住宅の受け入れ窓口につきましても、道のホームページにおきまして、併せて周知いたします。
また、学校法人日本航空学園から、被災された石川キャンパスの学生の皆さんの千歳キャンパスへの受け入れに関し、協力依頼が来ているところでございます。現在、内容につきまして確認を行っているところでございます。内容が判明次第、あらためて皆さまにはお知らせさせていただきます。
今後とも、国や全国知事会などと緊密に連携をとり、また、市町村と情報共有を図りながら、被災地への支援に当たってまいります。皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
羽田空港における航空機衝突事故について
次に、羽田空港における航空機衝突事故につきまして申し上げます。
まず、事故で亡くなられました海上保安庁の隊員の方々、皆さまは能登半島地震の支援任務に当たられたということであります。謹んで哀悼の意を表しますとともに、このたび事故に遭われた皆さまにも心からお見舞い申し上げます。
このたびの事故は、旅客機のほうでは、乗務員による迅速な避難誘導もあって、一人の犠牲者も出さずに済んだわけでありますが、一歩間違えますと重大な事態となる可能性があったものであります。もし、そのような事態になれば、新千歳を出発した旅客機の事故でもありますことから、道民の航空便への信頼を大きく損ないかねず、同時に、コロナ禍が明けてようやく回復しつつあった観光需要の高まりにも、極めて大きな影響を及ぼすことも考えられたところでございまして、私も大変な危機感を持っているところであります。
道としては、事故発生直後、国、航空会社、HAP(北海道エアポート)などから情報収集しつつ、当日の夜、羽田の閉鎖に伴う欠航便が発生したため、HAPに対し、他の公共交通への誘導についての検討を要請し、そのほか、(1月)3日以降も、羽田のC滑走路閉鎖により、多くの欠航、遅延の発生が見込まれたことから、航空各社に対し、適切な情報提供等により、利用客負担をできる限り軽減するよう要請を行ったところであります。また、3連休前の5日には、道と北海道観光振興機構の連名で、国に対し再発防止策の策定など、航空便の利用に係る安全、安心の確保はもとより、情報提供や代替交通の確保など、欠航、遅延への適切な対応を要請したところでございます。
こうした中、今週9日には、国土交通省が、現時点で把握している情報を基に、安全、安心確保のための緊急対策を取りまとめたほか、外部の有識者を含めた検討委員会を設置する旨明らかにいたしました。検討委員会の詳細につきましては、まだ明らかになっていないというところでありますが、緊急対策の項目のうち、管制官による監視体制の強化につきまして、国土交通省は取り急ぎ、国土交通省が管制を行う主要7空港におきまして、既存の人員の役割分担を調整することで、監視担当者を配置する考えというふうにお伺いしているところであります。ここで、私は問題認識として持ちましたのは、防衛省が管制を行う新千歳は、対象に含まれていないという点であります。この新千歳につきましては今回、対象に含まれていない、7空港に含まれていないわけでありますが、例えば、令和5年4月から11月までの利用状況を見ますと、例えばですね、羽田空港は5400万人、成田は2200万人ということで、これはわが国を代表する空港として利用があるわけでありますが、新千歳空港につきましては1500万人でありまして、関空(関西国際空港)や福岡の1600万人に迫る状況でありますし、その他の空港を上回っているという状況にあります。新千歳は、民間航空機だけではなく、隣の千歳飛行場における自衛隊(機)の離発着も併せて防衛省が管制を行っております。航空便の利用に係る安全、安心の確保のためには、新千歳におきましても、国土交通省が管制を担う主要空港と同様の水準で、監視体制の強化が図られるべきものであるというふうに考えております。さらに申し上げれば、今回ですね、新千歳空港から離陸した航空機が、羽田空港着陸でこういった事故に遭っている中で、北海道の中で懸念の声も非常にあるわけでありまして、私はそのように考えています。道としては、国に対して適切な対応をいただくように求めています。国土交通省と防衛省で管制が違うことによって、そういう事態が起きているのかもしれませんが、利用実態ということで空港を見ますと、多くのご利用があるわけですから、ぜひ、国に対しては適切な対応を求めたいと思います。
加えて、一人の犠牲者もなく旅客機から避難することができましたこのたびの事例を教訓として、航空各社において、引き続き安全教育、訓練を徹底していただくよう、お願い申し上げますとともに、航空各社とも連携して、迅速で適切な避難に必要な留意点などを、道民の皆さまに向けて周知するなど、航空便の利用に係る安全、安心の確保に向けて、道としても必要な対策を連携して行っていきたいと考えています。
お米・牛乳子育て応援事業について
話題としては最後であります。お米・牛乳子育て応援事業についてであります。
道では、食料品などの物価高騰の影響を受けている子育て世帯の負担軽減や、道産品の消費拡大を図るため、お米券等を支給する「北海道お米・牛乳子育て応援事業」の第2弾につきまして、1月26日午前9時から申請受付を開始いたします。4月30日まで受け付けを行います。
対象につきましては、平成17年、2005年4月2日から令和6年、2024年4月1日までに生まれた児童がいる道内全ての世帯になります。支給品につきましては、お米および牛乳と引き換えできる商品券や、電子クーポン、道産のななつぼし10キロの現物、こちらが選択できるということになっておりますので、子育て世帯の皆さまのご希望に合わせて、こちらの中から選んでいただければと思います。こちらにお米10キロと、(商品)券の見本があると思いますけれども、スマートフォンでも手軽にご申請いただけるように、専用のホームページから申請いただけますほか、郵送でも申請を受け付けます。なお、これがポイントなのですけれども、第1弾の支給品を受給していて、前回の申請時からお住まいが変わらない世帯には、1月25日までにダイレクトメールをお届けする予定であります。家族構成に変更がなければ、そちらのお手元に届きましたダイレクトメールに沿って、手続きがスムーズに行える簡易申請がご利用いただけますので、こちらをご利用いただければと思いますが、25日に(ダイレクトメールが)来るのですけれども、25日にはまだこの申請はできません。26日の9時から申請(受付)になりますので、その前日までに、ダイレクトメールを皆さんにお届けするということになっていますので、その内容につきましても、ダイレクトメールに書いてありますので、ご覧いただければわかるとは思うのですけれども、届いてすぐに何も読まずに申請しようという場合ですね、そのページがないものですから、翌日の9時からご申請という点はご留意いただければというふうに思います。
第1弾でも、報道の皆さまに周知にご協力いただいて、大変多くの方にご利用いただきましたので、引き続き皆さまにはご協力いただければと思います。
私からは以上です。
記者からの質問
(HTB)
今、知事がお話しされました子育て支援事業について、第2弾ということなのですけれども、あらためてこの事業を行う意義と期待される効果についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
(知事)
これは先ほども申し上げましたけれども、電気料金ですとか、また食料費等の物価高騰が進むという状況の中で、18歳以下の子どもがいる子育て世帯の皆さまに対しまして、お米、牛乳が購入できる商品券、電子クーポン、また現物としてのお米をお届けして、食料品などの物価高騰の影響を受けております子育て世帯の皆さまの負担軽減を図っていくということともに、北海道産のお米、そして牛乳の消費拡大といったものを図っていくことによって、道内の農業者の皆さまの支援にもつなげていきたいということから、実施させていただくというものです。
(毎日新聞)
新千歳空港の件で確認させていただきたいのですけれども、これは今後、道から政府と防衛省に対して、主要7空港と同様の対応を求めるという要望をするということでいいでしょうか。
(知事)
これはもう既にですね、事務レベルでありますけれども、7空港が示されたときに、なぜ新千歳が入っていないのだということで、既に事務レベルでありますが、新千歳はなぜ入っていないのですかということは申し入れをしています。国のほうも多分、国土交通省所管のところ(空港)をまずはピックアップしてとのことなのかもしれませんが、これは省庁は確かに違うかもしれませんが、実態としてその利用状況を見ても、やはり新千歳は、私は同様の対応が必要ではないかと思っていますので、まず今こちらから投げかけていますけれども、ぜひ検討していただきたい、適切に対応いただきたいというふうに思っています。
(毎日新聞)
それは政府に対してということでしょうか、防衛省に対して。
(知事)
国土交通省に対して、まず申し入れました。
(HBC)
被災地支援の件でお伺いします。被災者の受け入れの件なのですけれども、明日から入居の受け付けを、道および指定管理者のホームページで始めるということなのですが、この流れに関してなのですけれども、これを被災者の方が直接ホームページに応募してくるものなのか、それともある程度、自治体間でやり取りをして、何人受け入れてくださいというような要請があって、(受け入れ)されるのか、ちょっとフローを教えていただければと思います。
(知事)
そこはいろいろなパターンがあると思うのですが、被災者の方が、例えば、北海道に関係者がいるだとか、そういう状況の中でアプローチされる場合もあるでしょうし、今、国としても全国の提供可能な(住居の)状況の調査をやっています。これは北海道だけではなくて、各県が公営住宅の提供が可能ですよということを調査しているので、全国のそういった状況というのを可視化するということを国全体でやるのですが、われわれ北海道としては、市町村も今、検討していただいているので、市町村の状況も含めた網羅的な情報をまず登載しながら、もうとにかく被災地ファーストで、そこからどういった形のオーダーがあるのかということに、最大限寄り添いながら対応していきたいと思います。いろいろな形態があると思います。まとまった話もあるのかもしれませんし、個別の話もあるかもしれませんし、ただ、とにかく事情を丁寧にお伺いして、必要な対応をしていくという姿勢の下、やっていきたいと思います。多分、国の状況とかも、追って綺麗にまとまっていくと思うのです。まずは、われわれとして提供可能ですよとか、窓口はここですよとか、そういうものを可視化しないと、どこに聞いていいかわかりませんよという状況にもあると思うので、まずはそれをやりたいなというふうに思っています。
(HBC)
関連してもう一つなのですけれども、今回の地震と津波に関して、日本海側で地震が起きてからすぐに津波が来るという、日本海側ならではの津波の特徴だと思うのですけれども、道のほうでも日本海溝・千島海溝付近の地震に関しての対策、津波のシミュレーション動画とかを作って準備していらっしゃると思うのですが、今回、日本海側で起きたということを踏まえて、今後こういった日本海側で起きる津波、地震への対策といいますか、例えば動画を作ったりですとか、こういったことを検討されているか教えてください。
(知事)
まず、日本海溝・千島海溝沿いの対応については、各自治体とともに、必要な予算の確保について要望し、国のほうとしても、(補助の)かさ上げなどについて対応いただく中で、計画の策定の支援を国と連携しながら、各自治体に協力する形で行っています。そういった計画をしっかりと実行していくことによって被害を軽減していく、この取り組みをしっかりしていかなければならないというふうに思っています。
また、(日本海沿岸について)昨年の9月には、道防災会議のワーキンググループにおいて、今お話のあったような被害想定の策定に向けた議論を開始したところであります。今後、日本海特有の地域特性を踏まえた検討も進むというふうに考えています。いずれにしても、道民の皆さまの命と暮らしを守るために、国、そして市町村、関係機関と密接に連携、協力をして、地震、そして津波対策に取り組んでいかなければならないと考えています。
そして、道民の皆さまにおかれましても、これは、災害はいつ起こるかわからないという状況の中で、繰り返し皆さんにお話ししているところですけれども、正しい知識に基づいて、迅速かつ的確な避難、そして状況に応じた適切な行動を取っていただくということが重要になってきます。そして、日頃からの備えも極めて重要であります。道としては、ホームページなどで、例えば避難時に持ち出す非常持ち出し品を、それぞれご家庭で整理をしていただくことや、最低でも3日分の飲料水や食料を備蓄することなど、道民の皆さまに取り組んでいただきたいことにつきまして、例示させていただいていますので、ぜひ、ご家族などでもあらためて、こういった内容についてもご確認いただくなど、災害は、いつ発生するかわからないという状況がございますので、災害への備えを、われわれ行政もしっかりと万全を期してまいりたいと考えておりますが、道民の皆さまお一人お一人におきましても、再度確認していただくということが重要だというふうに思います。
(朝日新聞)
お米と牛乳の件なのですけれども、今回、前回の第1回と同じ事業者に、随意契約の契約の更新というか延長という形で、同じ業者を使ったその理由というのを、知事のほうでどのように判断されたのかというのがまず一点と、関連してなのですが、先ほど事務方のご説明を受けた限りですと、事業費に対する随意契約の相手に支払う事務費の割合が、前回よりもやや数ポイントは少なくとも上がっていて、道民に真水(実際に支援される額)で配る分が減っているのですが、その辺りどのようになっているのかお考えをお聞かせください。
(知事)
まず、契約に関してはですね、例えば、新たな委託先を公募して選定するということが考えられたのではないかという話だと思うのですが、その場合、公募などの契約手続きに、当然ですけれども相当の時間を要するということや、前回事業のノウハウなどを活用することによってスムーズに、またスピーディーに支給することができるといったことなど、申請者の利便性の向上を図っていくと。そして事務費の低減にも資するということなどを総合的に勘案した中で、この契約ということを行っています。
それと、事務費でございますけれども、事務費につきましては、これは若干細かいですけれども、商品券の発送経費、また事務局やコールセンターの運営費、電子申請や電子クーポンのシステム運営費などが、この事務費という形になるわけであります。この事務費の執行にあたっては、簡易申請の導入によって、審査作業につきましては軽減されるという見込みになっています。また、このほか、事業執行の途中段階における検査を行うことによって、さらに事務費の執行額を軽減することに努めていきたいなというふうに考えています。
(朝日新聞)
ただ、事務費の占める割合自体は今回の方が増えているのですけれども、その辺りはどうしてなのでしょうか。
(知事)
これは以前の記者会見でも、別の記者の方だったかもしれませんが、お答えさせていただいたのですけれども、当然、人が作業を行っていくときに、標準的に何人ぐらい必要かという状況の中で、一定の人件費の単価というものは決まってくるわけで、そうなってくると、どうしても極めて普通ではない人件費を設定するということは、なかなかこれは難しいわけでありますが、いろいろな努力をしながら、全体の事務費は削減に努めるわけでありますが、最低限必要な人数などを考えながら、事務費というのはどうしても計上しなければいけないところがありますので、事業費全体と事務費が、確かに割合で考えるとそういう(増えている)状況もあるのですが、まず予算として考える上では、一定の妥当性があると思っています。その上で、先ほど申し上げたように、執行段階で事務費をより削減することができないかということを、しっかりやっていくということが大事かなというふうに思います。
(北海道新聞)
地震についてお尋ねします。まず支援の部分で、先ほどありましたような道営住宅の提供準備というところなどありますけれども、これはおそらく、国や全国知事会を通じた要請に応じたものではなくて、道からのできるだけプッシュ型に近い形で、積極的に行うものだと思うのですけれども、このほかに今後、どちらかというとプッシュ型という形で被災地を支援するものを、今、検討状況など、どうなっているか教えてください。
(知事)
先ほど申し上げたところで、まだ詳細はお話ができる段階ではないのですが、具体的に北海道に、学生の皆さんをぜひ受け入れてほしいというようなお話も来ています。ですから、これは詳細を確認した上で、またマスコミの皆さまにもお話ししていきたいと思いますが、かなり被災状況が厳しい中で、学生たちは授業などが再開するというのが迫る中で、どういう対応が可能なのかということが出てきますので、これは北海道として対応を検討しなければならない話になっていくのかなというふうに思います。
また、全国知事会、総務省、国の関係などから、派遣の準備などのお話はあるのですけれども、私も馳(石川県)知事とお話しさせていただいて、まず第1陣が、医師や保健師など5名ですね、行くということに対する感謝のご連絡と併せてですね、今回、随時派遣しています23名の一般職員などについても、(馳)知事のほうからも、できるだけ早く入れるのであれば入っていただきたいというお話があって、それをむしろ総務省にわれわれから、(被災地が)そういうご意向なので、被災地の意向なのでできるだけ早く入るということが適切ではないかということを、われわれとしては申し上げた中で、今、輪島市とかですね、かなり厳しい状況になっていますので、入っている状況もあるものですから、国としては1700の自治体からいろいろな情報が来ていて、なかなか交通整理も大変な状況になっているのかなというふうには感じています。ですので、被災地のご意見が最も優先されるべきことだというふうに思いますので、そういう視点の下で、もうわれわれ現地に入っているので、そこで聞いたお話なども含めてですね、国とももちろん共有しながらですけれど、しっかり対応していきたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
もう一つ、今の地震の支援というよりは、今おっしゃったような北海道だけではなくていろいろなところからの支援復旧の動きがある中で、知事がおっしゃったように、これは北海道の道民の安心、安全を守ることにもつなげなければいけないということだと思うのですけれども、その視点で、道の今後の防災に生かすというその視点で、今回の能登半島の地震について、知事はどのように見ていらっしゃるか教えてください。あと、今回の地震を受けて、なかなか難しいとは思うのですけれども、すぐに新年度予算案、ないし早めの予算措置の中で、能登半島(地震)を受けた何か防災対策の強化、お金の予算を付けるというお考えが今の時点であるかどうか教えてください。
(知事)
まずですね、今回発生した能登半島の地震があるわけですが、同様の震度7を観測した胆振東部の地震、そして北海道の場合は全国初のブラックアウトということで、甚大な被害が生じました。北海道として、かつて経験したことのないこういった地震を教訓とするために、災害検証委員会を設置して、令和元年5月に検証報告書を取りまとめました。その中で、停電により物資の調達が困難であったこと、そしてSNS上での流言飛語の拡散、外国人への周知の不徹底といったことなど、情報発信が不十分であること、そして暖房器具や発電機などの備蓄の不足、こういった課題があるとされました。また、積雪寒冷という厳しい環境や大規模な地震が発生した場合を想定しての自助、共助、公助の取り組み、防災減災対策の必要性、こういったものが明らかになりました。道として、これらの課題に対して、正確でわかりやすい情報の発信ですとか、実践的な防災訓練、防災教育の充実、また市町村、道もですけれども、積雪寒冷という中での備えですね、発電機だとか、さまざまな対応をしてきました。現在、道から、先ほど申し上げたように、現地に職員を派遣しています。馳知事ともお話ししましたけれども、やはり胆振東部地震でそういったことがありました。被災者の支援に当たって、胆振東部で経験をした、そういった経験者も派遣者の中には多くおりますし、当時の経験や知見を生かしてですね、前面に立って今、対応していただいています。胆振東部が冬場だったらということで指摘されたわけですけれども、例えばドクターだとか保健師だとか、さまざまな専門職種においても、そういった事態を想定した中で、いろいろな訓練など、北海道では胆振(東部地震)以降やってきた中で、今、そういった派遣で活躍いただいているということがありますので、さらに今回、現地で支援を行いながら、しっかり北海道として、必要なことがあるのかどうかについても併せてですね、われわれは学ばなければならないというふうに思います。
(北海道新聞)
何か今時点で予算措置なり、能登半島地震を受けて何かアクションを起こす、早めにアクションを起こすというところは何かありますでしょうか。
(知事)
来年度予算の編成にあっては、そういった災害対策のみならず、今後、予算については調整していきたいというふうに考えています。
(毎日新聞)
新千歳の監視体制の強化についてですけれども、国のほうに求めたということですが、主要7空港と同様ですね、これについて、HAPですとか自衛隊と、そういったすり合わせ、協議した上で求めたのか、それとも道独自の考えとしてされたのか、理由も併せて教えてください。
(知事)
実務的な調整がどうなっているのか。
(総合政策部航空港湾局長)
まずは国交省に対して行っています。要請を行ったところです。
(毎日新聞)
HAPとか自衛隊、防衛省とですね、そういったところは協議した上で、体制強化を求められたのですか。
(総合政策部航空港湾局長)
事実関係の確認は行っていますけれども、道として単独でやったということで、ご承知おきください。
(北海道新聞)
今の関連なのですけれども、その申し入れをしたのはいつになるのでしょうか。何日に申し入れを、国交省に対して申し入れを事務レベルでしたというのは、いつだったのか。
(総合政策部航空港湾局長)
9日、(国土交通省の)緊急対策が出た直後ですね。
(北海道新聞)
もうその日のうちにということなのですね。この申し入れが、国交省が受け入れるかどうかの見通しは、どのようにお考えでしょうか。
(知事)
それはまず、どういう経緯で、多分、想像としては、やはり国交省が所管しているところを、かなり緊急的にいろいろな対策をまとめて、まずは緊急でやらなければいけないことということで、検証は引き続きやります、ということでやっているのだと思うので、もしかしたらそういう中で、利用実態だとかを精査して、ほかの省庁どうなっているの、防衛省はどうなっているの、そういうところまで各省庁の調整の上で、やっているかもしれないけれど、やっていない可能性もあるではないですか。ですから、まずはその対応を示した国交省に対して、やはり道民の皆さんが新千歳空港を非常に多く利用していますし、また来られる方もご利用されていますから、われわれは問題提起をさせていただいていますので、まずこの回答を待ちたいと思いますけれど、私は、先ほどから申し上げているとおり、同じような強化が必要な点があるのではないかというふうには思っているので、そこは関係者ともよくよく、引き続き協議したいなというふうに思います。見通しはまだわからないです。
(北海道新聞)
北海道百年記念塔の跡地に設置しますモニュメントのデザインについて、お伺いしたいと思います。道は昨日、新潟県在住の建築家でつくるグループが提案した「みんなの地層とみんなの自然」を、このデザインに選んだと発表しました。知事のこの作品に対する評価をお聞かせください。
(知事)
これは、昨年の8月に実施した道民の皆さまへの意見募集において、児童、生徒の皆さんなど、若い世代の方々を含めて、最も支持を得るということとともに、塔の下の地層から居場所が形成されるというストーリーによる継承、そして権威的ではなく自然環境を楽しむ場づくりとなっているデザイン性などが評価されて、有識者懇談会の最終審査において選定されたというところであります。このたびのモニュメントのデザインの選考にあたっては、道内外問わず、幅広い世代の方々、年代の方々からデザイン案を応募いただいたということに、私としては感謝しております。
また、さまざまな考えによる提案をいただいた中で、丁寧な審査を行っていただいた有識者懇談会の構成員の皆さまにも、感謝申し上げたいというふうに思います。
(北海道新聞)
知事は実際、この作品をご覧になって、どのように感じたというか。
(知事)
今申し上げたように、いろいろな世代の方々から声をいただいたということ、また、これは私が、これがいいとかあれがいいとかということではなくて、有識者懇談会でしっかり、皆さんの声も踏まえて、選んでいただいたものでありますので、その選んだポイントについてもお伺いしました。ですので感謝しているところであります。
(北海道新聞)
お話のあった道民投票について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、実際に昨年8月に道民の意見を募って、地元の小中高から寄せられた票が1944票、その一方で、その他の道民から寄せられた票というのは474票にとどまるような結果になったと思います。結果的に今回、最も票数を集めた作品に決まりましたけれども、多くの道民のですね、意見を反映して作品を選ぶことができたというふうにお考えでしょうか。
(知事)
一定の児童、生徒の皆さん、若い世代の方々がそういった形で参画していただいたことは、大変ありがたいなというふうに思っています。これからですね、長く愛されるエリア、また、今後活用していただける児童、生徒の皆さんが多く参加していただけたことは、私は率直にありがたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
児童、生徒以外の票が500票以下にとどまってしまったということについては、どうでしょうか。
(知事)
それは、さまざまなご意見はあるのだと思いますけれども、400名以上の方がですね、お忙しい中、参加いただけたことは感謝申し上げたいと思います。
(北海道新聞)
最後にですね、昨年、道が示しているこの記念塔の設置スケジュールによると、今年中にモニュメントを設置する予定になっていると思いますけれども、作品の選定が当初よりも7カ月遅れているような状況だと思います。予定どおり本年中に設置できるというような見通しを今、持っていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
今回、デザインについてはですね、先ほど申し上げたように決定したところでありますけれども、昨年の3月に策定した「(野幌)森林公園エリアの活用」に基づいてですね、設置に向けた取り組みについては進めてまいりたいと考えています。
(北海道新聞)
ということは一応、本年中に設置するということを目指して、これから対応していくということでいいでしょうか。
(知事)
具体のスケジュールはどうなのですか。
(環境生活部文化局長)
このたび、モニュメントにつきましてはデザインを決定したというところでございますので、専門家の方々への確認の方法などを含めまして、今後、精査してまいります。
(北海道新聞)
ですから、去年示しているスケジュールどおりに、予定どおり設置できる見通しなのかというふうに聞いているのですけれども。
(環境生活部文化局長)
そちらも含めて、今後、精査してまいります。
(朝日新聞)
高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた文献調査を巡っての話を、いくつか質問したいなと思っています。北海道は昨年末にNUMO(原子力発電環境整備機構)に対して、報告書について道内や全国で説明会を開催するように要請しました。まずお伺いしたいのは、その点についてNUMOから何らかの返事とか見通しなどについて回答があったのでしょうか。
(知事)
これはですね、先月28日なので、本当にもう年末の年末に、国のほうで(省令改正が)示されたので、直ちにNUMOに行こうということで対応しました。マスコミの方にもオープンでやらせていただいたのですけれども、NUMOの理事長からは「要請を踏まえた説明の進め方につきましては、道にも相談させていただきたい」という旨のご発言がございました。道としては、今後のNUMOの相談において、説明会の開催予定などをしっかりと確認したいというふうに思います。そして道民の皆さま、事業者の方々に丁寧に説明が行われるように、適切に対応していきたいというふうに思います。
(朝日新聞)
知事はこれまで、最終処分場について受け入れ難いとしている条例を理由に、概要調査に移行することに反対の姿勢をとっていらっしゃっていました。年末の会見では、現時点で反対の考えは変わらない旨をおっしゃっていましたが、同時にまた、市町村、そして道民の皆さまの声も踏まえた中で判断していくとおっしゃっていました。この国論を二分する大事な話であるにもかかわらず、反対としつつも、説明会を開いて意見を踏まえるという言い回し、言いぶりが若干わかりにくいという声が挙がっています。知事の意見表明は、文献調査報告書の説明会が終わって、NUMOが概要調査の実施計画を経産大臣に提出した後で行われる予定ですけれども、説明会で出た意見を参考にして最終的な態度を決めるということなのか、その時点で概要調査に移行することに賛成することもあり得るのか、その点についてお伺いしたいと思います。
(知事)
これは何度も申し上げていますけれども、私の考えに変わりはないわけでありますが、当然のことですけれども、あらゆる判断を行うにあって、道民の皆さまですとか、市町村の意見を踏まえた中で適切に対応することは、これは当然のことだというふうに思いますので、そういった中で申し上げているということです。
(朝日新聞)
ということは、反対という意見は変えないけれども、多分、いろいろな意見をお持ちの方がいらっしゃるということで、そういう意見については耳を傾けるというスタンスでという解釈でよろしいですか。
(知事)
当然、道民の皆さまのさまざまな意見など、そういったものを踏まえた中で適切に対応するということは、これはどのようなときも必要なことであるというふうに思います。
(朝日新聞)
要するに、反対という方針が変わる可能性があるのかというところが、この最終処分場の選定を巡っては、長い時間かかっている話でもありますし、大きな予算も必要でありますし、多大な労力がかかっている話でもあるので、最終的な知事のご意見というのが、もし反対ということであれば、この話はその時点でストップ、休止してしまうので、説明会を開いた結果、変わるのであれば、説明、意見を聞くということも大きな意義があると思うのですけれども、知事の考えがもし変わらないのであれば、説明会を開く大義名分というのはないような気もするのですが、その点はいかがですか。
(知事)
説明会はしてもらわないと困りますよ、(当初)1カ月以内でしたか、という状況の中で。
(朝日新聞)
1カ月以上です。
(知事)
1カ月以上にしてもらったのです。われわれが、1カ月ということでなっていたから、北海道は広いし、全国でもやるべきだということを申し上げたわけですから、これはやるべきだと思います。
(朝日新聞)
説明会をやるべきだけれど、それと知事の意見表明とは別だということなのでしょうか。意見が出たのを踏まえて、知事の判断が変わるということもあり得るということですか。
(知事)
私が申し上げているのは、現時点で反対の意見を申し上げる考えで変わりはないと申し上げています。現時点の考え方はどういうことなのだということで、こういう場面でも聞かれていますけれども、今、文献調査から概要調査に移行するという状況が決まっていないですよね。今、文献調査の段階ですよね。文献調査から概要調査に移行する場合は、現時点では反対の意見を申し上げる。現時点というのは、そういった状況の中で申し上げているということですので、そして、私の考えに変わりはないということも繰り返し申し上げています。それ以上でもそれ以下でもないということです。
(朝日新聞)
概要調査に移行するのであれば、その段階では反対の意見を表明されるという。
(知事)
私は繰り返し申し上げています。
(朝日新聞)
話題が変わるのですけれども、昨年12月に、並行在来線の渡島ブロック協議会が函館市でありました。バス転換の可能性を探るために、函館バスと北海道が協議に入るということで、沿線自治体の了解を得ているわけですけれども、バス転換の可能性ですね。同じ時期に後志ブロックのほうでも廃線、バス転換になる見通しなので、北海道新幹線札幌延伸が実現すればですね、288キロの長大路線のほとんどが同時期にバス転換を迎えるという状況になります。2024年問題を迎えていますけれども、バス会社の人手不足が指摘される中で、もしバス転換ができなくなった場合のリスクシナリオというのですかね、そういった場合の対策についても、ある程度考える必要があるのではないかなと思いますが、その点についていかがでしょうか。
(知事)
これは、大事なのは、函館-長万部間における地域交通の確保策については、さまざまな種類の列車が運行されるといった複雑な線区の特徴を考慮しつつ、関係者の方々と一層連携を図りながら、しっかりと協議、検討していくということが重要だというふうに考えています。今ご質問の中にもありましたけれども、ブロック会議の中では、道南地域における基幹的なバス路線の運行を担っている函館バスとの協議を加速することについて、協議会として確認を行いましたので、まずはそこをしっかりとやっていくということが大事だと思います。その上で今、さまざま質問の中にもございましたが、この複雑な線区の特徴を考慮しつつ、しっかり協議、検討を行っていきたいと思います。
(朝日新聞)
最後に、協議会では八雲町長から、インバウンドが戻りつつあるという状況の中で、函館-長万部間、もし貨物専用線として残すのであれば、観光列車を走らせてほしいという要望もありました。こういったことについて、北海道として検討する余地のお考えはあるのかということについて確認させてください。
(知事)
今ご質問のあったようなお話もありましたということで、事務方から報告を受けました。インバウンドが増加傾向であると、鉄路存続は観光の面から意義があると、新幹線開業効果による観光需要等を踏まえた協議、検討をお願いしたいといった、そういった発言もあったということであります。先ほど申し上げたように、線区の特徴、地域の実情などを考慮した、さまざまな検討を進める一方で、貨物鉄道の維持に向けては、国と道が共同事務局を務めている「鉄道物流のあり方に関する有識者検討会議」において検討を進めています。地域交通のあり方、鉄道貨物輸送の維持確保の双方において、それぞれの課題が多岐にわたっています。このことから、今後も沿線自治体と一体となって協議、検討を深めていく、このことが重要だというふうに考えています。
(北海道新聞)
政労使会議の関係でお聞きします。道内の行政機関ですとか、労働団体、経済界のトップらがですね、賃上げの実現に向けた協議をする場で、北海道版政労使会議、これが近く開かれる見通しだということで、これは物価高を受けたものだと思うのですけれども、久しぶりの開催となるようなのですけれども、知事として、この場に対する期待感ですとか、認識などをちょっと教えてください。
(知事)
これはですね、北海道労働局が主催しまして、道内の労使団体、北海道、札幌市、(北海道)経済産業局が参画して、平成27年に設置されて、毎年開催されているものになります。国においては、昨年の11月に、総理大臣と経団連(日本経済団体連合会)や連合(日本労働組合総連合会)など、労使団体の代表による意見交換が行われましたが、賃金引き上げの流れを地方や中小企業に波及させることが重要であるということから、この賃上げをテーマに準備が進められているというところです。道では、賃上げに向けて、伴走型の経営相談、専門家派遣による生産性と収益性の向上に向けた支援といったものなどによって、経営者の賃上げに向けた意欲向上、賃上げしやすい環境の整備に取り組んでいるところです。
(朝日新聞)
能登半島地震に関係する道内の関係で、ちょっとお尋ねしたいのが三点ばかりあるのですが、できるだけ簡潔に申し上げます。まず一つ目なのですけれども、やはり今回の地震の際に、発災後72時間という重要な時間の区切りがある中で、能登半島では幹線道路の寸断等でですね、救助であったりとか物資輸送であったり、安否確認などでさまざまな問題が生じました。知事は今現在ですね、北海道において同様の問題が生じる可能性があるのか、またそれに対する対策とはどう考えているのか、まず一点目教えてください。
(知事)
同様な災害ということで定義した場合、なかなかそれは難しさがあるなというふうに思うわけですが、先ほども申し上げましたけれども、胆振東部(地震)が発生した中で、われわれはこの検証委員会の中での報告を受けた中でですね、さまざまな課題として整理をされたものがあります。災害の備えに万全というか、これで終わりということはないわけでありまして、さらに今回の災害を踏まえた対応というのが、これは北海道だけではないと思うのですけれど、全国でしっかり受け止めて、関係者は対策に生かしていかなければならないというふうには思っています。
ただ交通関係でいいますと、これは災害のみならずというところですが、例えば、高規格幹線道路などの整備率が北海道は低いという状況や、防災減災、国土強靱化のためのさまざまな事業を実施しているわけでありますが、そういったインフラをやはりしっかりと更新していく、整えていくことの重要性は、例えば、先ほどご質問にあったとおりですね、道路がなかなか厳しい中で孤立化するなどの状況を見ても、そこは重要な課題であろうというふうに思います。高規格幹線道路、高速道路をはじめとする非常に重要な(幹線道路は)、比較的ですね、地震などでも、救急搬送だとか、この物資輸送だとか、甚大な被害が起きにくいところでもあるので、北海道の場合、そういったところへの整備促進というのは重要な観点であるというふうに思っています。われわれ「命の道」と謳いながらですね、本州での整備率との大きな違いについて言及してきましたけれども、こういった点についても、あらためて、やはりしっかりみんなで訴えていく必要性があるというふうに思います。
(朝日新聞)
二点目、関連するのですけれども、高齢化という問題も今回、被災地ではかなり大きなポイントとなっていると思います。道内におきましても、その高齢化において災害時の住民による共助の仕組みが十分作動するのかどうか、知事は、道内の、ある種、特に過疎地域における高齢化と災害について、何かお考えがあれば簡単で結構ですので教えてください。
(知事)
やはり過疎地域がですね、北海道は非常に多い状況です。そういった地域は、漏れなく高齢化率が高い状況になっています。高齢者の方々の中には、自主避難といったものがなかなか難しい状況の中で、避難行動における要支援者として、ほかからのサポートが必要な方々もいらっしゃいます。令和3年には、災害対策基本法が改正された中で、そういった要支援者の方の個別避難計画を策定して、市町村がしっかりと把握をした中で対応していこうという努力義務がある中でですね、道内においても、そういった議論が進んでいるところであります。
市町村においては、さまざまなこうした取り組みや、配慮が必要な方々が迅速に避難できるように、防災体制の強化を図っていますので、この点は、本道の広域分散の居住形態や、過疎地域が多く、また高齢者の方の割合はそういった地域が一番高いことを考えますと、そういった社会的インフラの整備とともにですね、ソフト事業としても、そういった体制の強化の点は、今後とも重要な点であるというふうに思っています。
(朝日新聞)
最後にですけれども、結局、今のお話と重複するところですけれど、過疎地域の基礎自治体の防災力というのが、さまざまな理由で高齢化も含めて課題であるというのは、今、知事がおっしゃったとおりだと思うのですけれども、そういった自治体に対して、道としてしていること、しなくてはいけないこと、それをするために、例えば国に何を求めるとかですね、そういった基礎自治体の防災力を高めるための取り組みについて、知事のお考えがあれば教えてください。
(知事)
まず一つは、広域自治体としてですね、14振興局の中で、管内の市町村と連携した中で、例えば防災の備蓄に関する可視化と共有化だとか、また、災害時に活躍される消防や防災組織といったところの装備品などの充実については、国の所管の中で充実強化を図っていただきながら、ただですね、どうしても単体での活動には限界がありますので、北海道は、非常に広い行政面積でありまして、振興局という単位で全体が同時に被災することが、そういう場合もありますけれども、相互で補完できることもありますので、その中で果たすべき広域自治体としての役割や振興局の意味というのは、これは大きいというふうにも思っています。これまでも、そういった観点で取り組みを進めてきておりますけれども、さまざまな災害、これはいろいろなパターンがありますので、そういった中で、今ある力をどう最大化するかという話と、それぞれの力をどう強化していくのかという話と、市町村と広域自治体、国、それぞれがその役割を最大限果たしていく、こういう観点の中で、北海道は非常に特徴的な、非常に広い行政面積がありますので、そこをどうリスクとして捉えて対応していくのかについては、これはまさに終わりのない話ですので、しっかり防災会議などでも、議論を継続していきたいというふうに思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)