知事定例記者会見
- 日時/令和5年12月14日(木)16:31~17:19
- 場所/記者会見室
- 記者数/18名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和5年第4回北海道議会定例会の閉会に当たって
- 価格高騰等経済対策について
- 羽田産直館の開業記念オープニングイベントについて
記者からの質問
- お米・牛乳子育て応援事業について(1)
- お米・牛乳子育て応援事業について(2)
- どさんこプラザ等における道産食品の消費喚起について
- 政党の政治資金に係る問題について(1)
- 観光振興を目的とした新税について(1)
- 観光振興を目的とした新税について(2)
- 国の酪農・畜産対策について
- 政党の政治資金に係る問題について(2)
- ラピダス社誘致について
- 江差高等看護学院について
知事からの話題
令和5年第4回北海道議会定例会の閉会に当たって
私から三点お話しさせていただきます。
まず一点目であります。11月28日から始まった第4回定例会が、本日終了いたしました。このたびの議会では、道政上の重要課題について、議員の皆さまと活発な議論をさせていただいて、物価高騰や人手不足への対応、道立学校の暑さ対策などに要する経費、このほか公共事業費など、総額約1900億円の一般会計補正予算案や、11件の条例案について議決いただきました。これを受けて、先ほど経済対策推進本部(会議)におきまして、迅速な事業の執行を指示したところであります。今議会での議論を踏まえて、引き続き道民の皆さまの暮らしの安全・安心を守るとともに、本道経済の活性化に向けて、しっかり取り組んでまいります。
価格高騰等経済対策について
二点目でございます。今お話しした価格高騰等経済対策についてご説明いたします。道では、本年5月に「価格高騰等経済対策」を策定して、各般の施策に取り組んできました。国では、本年11月2日に「デフレ完全脱却のための総合経済対策」が決定されました。この趣旨を踏まえまして、道といたしましても対策を改定いたしました。国から追加措置された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した追加関連予算として、先ほど申し上げましたけれども、第4回定例道議会で議決いただきました補正予算額は約145億2千万円であります。既決予算も含めた対策規模の総額につきましては、約725億6千万円となります。こちらをご紹介したいと思いますが、予算計上の主なものについて、こちら(モニター)でご紹介します。
まず、暮らしへの支援ということで、物価高騰の影響を受け、より一層生活が苦しくなっている子育て世帯に対して、商品券、お米セットなど約5千円分を支給するというものです。こちらにつきましては、来年1月下旬に申請受付が開始できるようにということで、準備を速やかに進めていきたいと思っています。来月下旬ですね、1月下旬に申請開始ということを目指して準備を進めていきます。また、国の支援の対象とならないLPガスの利用者に対する支援を延長して、1契約当たり最大2千円の支援ということです。
次に、中小企業のエネルギー高騰対策への支援ですけれども、こちらは省エネ設備、デジタル技術の導入経費の4分の3または2分の1を補助するというものです。1企業当たり、最大で、省エネ設備については100万円、デジタル技術の導入については200万円ということで支援するという中身です。また、特別高圧電力を利用する中小企業に対して、国が実施する高圧電力を契約する事業者への支援と同等の支援を来年5月まで継続するというものです。
次に、事業継続に向けた支援ですけれども、とにかく人手不足の問題があります。人手不足対策として、宿泊、飲食サービス、製造、建設といった業種への就労者に対する奨励金10万円と、移動費を合わせて最大20万円、採用する道内への企業への支援金10万円を支給し、さらに離職期間1年以上の者を雇用した道内企業につきましては、さらに10万円を加算するということで、最大20万円。ですから、就労者は最大20万円、道内企業は最大20万円。それぞれだと、(支援を合わせると)最大40万円ということで、人手不足対策を行うものです。また、食材料費の高騰の影響を価格転嫁できない医療機関、介護・障害福祉施設といったところに対する支援ですけれども、こちらについては、医療機関については1床当たり9600円、介護・障害福祉施設等のうち入所施設については1人当たり6400円、通所施設については1人当たり2200円を支援するというものになります。
次に、地域交通、運送業の関係です。この支援については、物価高騰等の影響を受ける中で、地域を支えていただいている交通、運送事業者の皆さまに対し、車両整備に要する経費を計上したものです。地域公共交通事業者に対して、(モニターに)書いてありますけれども、1台当たり、バスについては2万2千円、タクシーは1万2千円、また、運送事業者に対しては、1台当たり、トラックが1万5千円、トレーラーは5千円ということで、それぞれ支給するものになります。
そして最後に、農業者の皆さまに対する支援であります。こちらは、自給飼料の生産拡大等に取り組む酪農家を対象に、搾乳牛1頭当たり5千円の支給、また施設園芸農業者を対象に、省エネ、そして暑熱の対策として機器、資材の導入経費の2分の1の支援を行うものであります。
これらの施策をはじめ、本日議決いただいた追加対策につきましては、速やかに実施することといたしまして、先ほどの繰り返しでありますけれども、経済対策推進本部会議の場で、各本部員に対して迅速な執行を指示しました。道民の皆さまの暮らしの安心と経済の活性化につなげていきたいと考えています。なお、各事業の詳細が決まり次第、順次マスコミの皆さまにもお知らせしていきたいと考えていますので、周知につきましても、お力添えいただければというふうに思います。
羽田産直館の開業記念オープニングイベントについて
最後三点目です。
三点目ですけれども、明日15日金曜日の話なのですけれども、国内外のゲートウェイである羽田空港第1ターミナルにおきまして、日本空港ビルデング株式会社が設置する羽田産直館のオープニングイベントに参加いたします。この羽田産直館でありますけれども、一昨年、どさんこプラザ羽田空港店が開店したことをきっかけに、日本空港ビルデングが羽田空港という立地を生かして、全国各地域との交流創出と魅力発信に貢献する場として設置するという店舗です。道産食品をはじめ、全国の特色ある特産品の販売のほか、自治体が期間限定で物産展などの地域イベントを実施できる地域連携PRコーナーといったものが常設されるというものになります。こちらのオープン日が明日12月15日なのですけれども、12月15日から1月8日までは、「北海道フェアin羽田空港」ということで、これから順次、全国のいろいろな地域がやっていくのですけれども、第一弾、オープンイベントを北海道がやらせていただけるということです。「北海道フェアin羽田空港」ということで、日本空港ビルデングと連携して開催します。オープニングイベントにつきましては、私と8市町村の首長の皆さん、市長は代理だと思いますけれども、首長の皆さんが参加して、テープカットのセレモニーですとか、道産のワイン、日本酒をワンコインで味わえるスタンディングバー、また、道内観光情報や、ふるさと納税は年末に非常に寄付が多いですので、ふるさと納税等の紹介、そしてご当地キャラが参加するステージのイベント、こういったものなどを行います。また併せて、道産水産物を応援する「食べて応援!北海道」の趣旨にもご理解いただいて、キャンペーンを展開します。北海道のホタテを特におすすめしていきたいと考えていまして、明日については、私も首長の皆さんと共に参加して、ホタテについては、羽田空港で試食提供をさせていただく予定です。
それに加えて、羽田空港を含む国内11店舗のどさんこプラザで連携企画を開催します。この開業に合わせて、いつもご利用いただいているどさんこプラザ、ご愛顧いただいている感謝と、来年もぜひよろしくということで、ホタテをはじめとした北海道の食の応援をいただきたいという思いを込めて、各店で3千円以上お買い上げの方に、先着それぞれ100名ということで、ホタテのカレーを皆さんにプレゼントして、ぜひ応援していただきたいというキャンペーンもスタートしますので、ぜひ最寄りのどさんこプラザにお立ち寄りいただくということでPRしていきたいと思います。詳細は道のホームページに掲載しております。
羽田産直館の機能も活用して、道産食品の販路拡大、観光のプロモーション、ふるさと納税のPR、市町村との連携、そういった中で北海道の魅力発信の強化につなげていきたいと考えています。ぜひ取材いただけたらと思います。
私から以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
本日の議会でですね、追加した物価高対策事業についてお伺いしたいと思います。お米と牛乳券の事業なのですけれども、予算発表時に、予算の29億5千万円のうち、事務経費に予算全体の3割相当の9億円以上がかかるとの説明がありました。前回と同じスキームでの事業実施であるにもかかわらず、前回と同じ割合の事務費がかかる理由と、知事は事務経費が全体の予算の3割を占めていることについてどのようにお考えか、お聞かせください。
(知事)
今ご質問ありましたけれども、事業費が約29億5千万円に対して、事務費が約6億7千万円ということであります。そして、前回の事業については、事業費が44億5千万円に対して、事務費が8億5千万円ということでした。まずこういった状況です。そして、この事務費の部分の低減に対する取り組みについては、今回はですね、前回支給済みの世帯の方、前回ご希望して申し込みいただいた皆さまに対して、申請サイトのアドレスをメールなどによって個別に通知する、いわゆるプッシュ型で、前回お申し込みいただいた方に個別に通知すると。その上で、過去の申請内容を基に簡易申請できる仕組みということで、審査に係る事務費を低減していこうということでやっていきます。事業総体にかかる(事務費の)割合というのは約2割ということで、そういう状況なのですけれども、額全体としては、対象が減少しているというのもあるのですけれども、少なくなっています。それと日々のさまざまな打ち合わせですとか、中間検査等を通じて、執行段階におきましては、人員配置の効率化をさらに図っていくことなど、事務費がやはり結構大きいので、これを一層低減していくということに努めていきたいというふうに考えています。
(北海道新聞)
事務経費、今6億7千万円とありましたけれど、おそらくお米券とか牛乳券の発行手数料を含めると9億円近くになると思うのですよね。全体の3割を事務経費が占めるということについては、知事は妥当だというふうにお考えなのでしょうか。
(知事)
予算の積算に当たって事務費の大宗を占めるのが人件費というか、人件費が結構中心となってくるのですけれども、当然、人員配置の効率化というのを執行段階でやっていきますけれども、必要な人数について、ある程度の予算を確保した上で提案していかなければいけないというのがあるので、ある程度この事務費というのはどうしてもかかってきます。ただ、やり方として、さらに低減できることをしっかりやっていかなければいけませんので、先ほど言ったような審査にかかる部分を圧縮することで、事務費を圧縮できます。それと、先ほど言ったようなさらなる効率化を図る中で、事務費について低減が図られるように、ぜひやっていきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
関連して、今回(支給)対象を前回と同じ子育て世帯にした理由について、議会の答弁の中で、特に子育て世帯が影響を受けているという発言もありました。ただですね、育ち盛りの子どもを育てる家庭は、やはり子どもの人数によって家計の負担というのは大きく異なってくると思います。北海道と同様の事業をやっている大阪府ではですね、1人当たり5千円を支給しているのですけれども、今回、道として、世帯ごとに支給する理由と、子ども1人当たりに支給するというような考えはなかったのでしょうか。
(知事)
前回、このお米券・牛乳券の給付ということで、さまざまな取り組みをさせていただいて、(対象の)87パーセント強の皆さんにご申請をいただくことができました。今回、まずできるだけ早くお届けしていく、これは大事なポイントだと思っています。住所が変わったりですとか、いろいろな状況が変わったりすることを確認しなければいけないので、申請行為自体は必要なのですけれども、今回についてはプッシュ型で、前回お申し込みいただいた方については、こちら側からお知らせして、申し込みをしていただくということで、事務の圧縮ももちろんなのですが、できるだけ早く皆さんにお届けする、これをしっかりやっていきたいと思っています。また新たな枠組みで、システム開発ですとかいろいろなことをやるとなれば、それだけでかなりの時間がかかってきますので、前回の反省点も踏まえて、できるだけ早くお届けする観点から考えると、今のやり方というのがベストではないかなと思っています。さらに改善が加えられることについては、今後、予算の議決をいただいたので、執行段階で工夫を凝らしながらやっていきたいなというふうに思っています。
今、国のほうでも、さまざま子育て世帯、または低所得者に対する支援があるのですけれども、例えば減税の関係もそうなのですけれども、国のほうは支給までかなり時間もかかるので、まずはできるだけ早くお届けするという観点で、取り組みを進めていきたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
今のご説明だと、スピードというか早く支給するために、1人当たりに支給するのではなくて、前回と同じような、世帯ごとに支給するというお考えに至ったということでしょうか。
(知事)
予算全体の考え方も当然あります。今回、かなり事業単体でお金がかかっていますけれども、先ほど申し上げたような対策で、さまざまな皆さんが本当に物価高騰で困っていらっしゃいます。そういった状況の中で、限られた財源をどう効果的に皆さんにお届けするかということもやっぱり大事ですので、そういった総合的判断も含めて、今回、予算提案させていただいて議決をいただきました。ですので、できるだけ早く、今日の(経済対策推進本部)会議で申し上げましたけれども、お手元に届ける、これが大事だと思いますので、しっかりやっていきたいというふうに思います。
(NHK)
今お話にあったですね、お米券と牛乳の商品券の配布についてですけれども、先ほど冒頭の発言の中でも、申請の時期についても言及されていましたけれども、あらためてその申請の時期ですとか、あるいはその申請の仕方、あと手元に実際いつ頃届くのかとかですね、そういっためどとかがあれば教えていただければと思います。
(知事)
まずは、議決いただいたばかりなので、これからさらに工夫を凝らしながら、先ほど申し上げたように、効率を上げてやっていきたいと思っていますけれども、めどとしては、来月1月下旬に、皆さんにご申請いただけるような状況に向けて、スピード感を持って対応していきたいと思っています。
今回については、先ほど申し上げたように、前回申し込みいただいた方に、どうしても申請はしていただかなければいけないのですけれども、ゼロから(申請)というのも煩雑ですし、皆さんも、前回申し込んだよねというのがあると思うので、そこはこちらがプッシュ型で皆さんにお知らせをして、かつ、その申請についても、また同じことを入力するのですかという話もあるので、これを簡潔にできるように工夫をしたいというふうに思っています。まず申請いただく方の負担も減らす、審査の負担も減らす、事務費も圧縮していく、こういう考えの下で、今お困りになっている子育て世帯に、できるだけ早くお届けしていくということでやっていきたいと思っています。また、スピード感を持って内容を詰めて、状況が決まった際に、前回もマスコミの皆さんにかなりアナウンスいただいて、87パーセントの方に申し込みいただいたので、皆さんとも速やかに情報共有して、できるだけ多くの方に申請いただけるようにやっていきたいと思っています。
(読売新聞)
別の話題で、羽田産直館の関係なのですが、羽田空港のどさんこプラザでも道産食品の「食べて応援!(北海道)」というキャンペーンをやっていると思うのですが、羽田空港に限らず、ほかのどさんこプラザ等も踏まえて、道産食品の消費喚起を、産直館の開業とどう連動させていくか、もう少し具体的なビジョンというか、狙いを教えていただければと思います。
(知事)
今、どさんこプラザにおきましても、「食べて応援!北海道」のキャンペーンをスタートするに当たって、アンテナショップでの取り組みの重要性ということで、各店舗のご協力をいただいて、POP(ポップ)というか(広告を)掲示していただいて、皆さんに協力いただいて連携してきました。今回は、羽田空港という、まさに国内外の皆さまが多く訪れる、わが国における玄関といえるところで、新たな施設がオープンする第一弾として、これを行っていくということは、発信として非常に効果的だというふうに思っています。そして同時に、羽田空港のどさんこプラザもあります。ここから移動して、羽田空港のどさんこプラザにアクセスいただくいうことも、当然のことですけれどありますし、また先ほど申し上げたように、11カ所のところ(どさんこプラザ)で同時展開していきますので、このネットワークを生かして、まず情報発信としては、この羽田空港の第一弾でやって、皆さんにぜひ取り上げていただきたいなと思うのですが、最寄りの、お近くのどさんこプラザでもやっていますよということで、皆さんに最寄りのところにも行っていただく、こういうネットワークを生かした展開をやっていきたいと思っています。
そして、特にホタテとかはですね、年末は需要が結構高いのですよ。年末年始に向けて、結構皆さんにお買い求めいただけるということがあるので、ふるさと納税も年末に集中するのですけれども、これ(キャンペーン)を切れ目なく、年末年始もやっていきますので、これをぜひ生かしていきたいなというふうに思っています。
(毎日新聞)
自民党の派閥の裏金疑惑に関連して、ちょっと伺いたいのですけれども、西村経産大臣と自民党の萩生田政調会長が辞表を提出されましたけれども、二人はラピダスですとか、データセンターですとか、北海道の重要施策をかなり強く後押しされていた印象があるのですけれども、この二人がお辞めになった影響について、どのように考えていらっしゃるのかということと、あと後任の方に望まれるようなことがあれば教えてください。
(知事)
まずは、この問題についてですね、「政治とカネ」の問題という言葉で、さまざまこれまでも繰り返し、国民の不信感が高まるこういう状況を繰り返してきたというところがあると思っています。まずは徹底して、速やかに事実関係を明らかにしていただきたいというふうに思いますし、また、国民の皆さまに対してしっかりと説明していただく、そして国会議員としての職責があるわけですから、そこをしっかり果たしていただきたいというふうに強く願っているところです。
また、先ほど各閣僚や党幹部のお話もありましたけれども、今、極めて大変な状況です。先ほど経済対策のお話もしましたけれども、税もそうですし、来年度予算もそうですし、都道府県、市町村にとっても極めて重要な時期です。12月、またこれから来年に向かっていく状況でありますので、国民の不信感が高まるこういう状況の中で、決して立ち止まることはあってはならない、そういう状況です。ですので、しっかりと経済対策をはじめとする政策に影響が出ないようにしていただく、これが極めて重要なことだと思いますので、いかなる方が、どの立場にあろうが、今の重要なこの状況を十二分に認識いただいた上で、しっかりと影響が出ないよう、取り組んでいただきたいと思います。
(毎日新聞)
ちょっと話が変わって、宿泊税の(宿泊者)アンケートなのですけれども、一応、これは道税のアンケートということでですね、負担できる、負担可能な税額についても、担当の方に伺うと、基本的には道税分について聞いているというふうに聞いたのですけれども、なかなか道外からいらっしゃった方ですとか、あと海外からのお客さまもいる中でですね、道税分と札幌市分が別々にあるとか、そういうことをちょっと、どれだけ理解して回答してくださるかなと考えたときに、総額について回答される方も相当いらっしゃると思うのですけれども、このアンケートを回収した後のですね、分析をどのように受け止めるのかというのを、ちょっと聞かせてください。
(知事)
道税について、今ご質問がありましたけれども、(宿泊者)アンケートということでやらせていただきました。これは、多くの市町村では、この(観光振興を目的とした)新税の導入の検討をしていないということや、導入を検討している市町村におきましても、具体的な税率を公表しているといったところは少ない状況の中で、アンケートを実施するということがあるわけでありますので、ご質問にもありましたけれども、道の検討している新税に関する意向把握ということで実施させていただきました。今後、市町村との調整などにも、このアンケートの集計、その状況をですね、役立てていきたいというふうに考えています。
(毎日新聞)
ある程度、総額で回答している可能性というのも加味しながら分析するということはありうるのでしょうか。
(知事)
まず、今まだ集計なども行っていないわけでありますが、この前提条件としては、道の検討している内容について、その(宿泊者の意向)把握のためのアンケートではあります。市町村もこれからさらに具体的な検討をされていくというところがあるかと思いますので、そういった部分での調整などには役立てたいというふうに思っています。
(北海道新聞)
今の宿泊税に関してお伺いしたいと思います。知事は一昨日の知事総括質疑で、年明け以降の有識者懇談会で、宿泊税の具体的な使途を示すというお考えを述べていたと思います。この懇談会の開催というのは、具体的に何月頃を想定していらっしゃるのかということと、具体的な使途を示すというのは、例えば事業ごとにかかる年間予算の内訳などを示していくというようなことでお話しされたのか、二点お伺いしたいと思います。
(知事)
(有識者)懇談会の日程につきましては、今後の検討状況を踏まえて、委員の皆さまとも当然ですけれども調整を行った上で、日程を固めていくということになります。現在については、市町村との調整、また宿泊事業者の皆さまとの意見交換を丁寧に進めているという状況でありますので、今、具体的に何月何日にありますということは固まっていないところです。また、使途の部分については、議会でも議論になりましたけれども、たたき台においては、観光の高付加価値化、観光サービス・インフラの充実強化、そして危機対応力の強化、こういった三つの方向性をお示ししています。そして、現在実施している市町村との調整や宿泊事業者の皆さまとの意見交換におきましては、道の広域自治体としての役割として、広大な北海道における旅行者の移動の利便性の確保や、観光関連産業における人手不足への対応、そして不測の事態における旅行者の安全・安心の確保、こういったことなどに期待する多くの声を、ご意見としてはいただいているところです。ですので、こうしたご意見も踏まえまして、納税をしていただく方々にもご理解を得られるものとなるように、使途の具体的なイメージについて検討を進めていきたいと考えています。
(日本農業新聞)
政府が昨日、正式に決めた畜産酪農対策のことでお伺いします。加工原料乳生産者補給金の引き上げですとか、畜産経営安定法の運用の見直しとか、こういったものが盛り込まれまして、道内の生産者が繰り返し政府に求めてきた課題だと思うのですけれども、この決定について知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
今ご質問のありました、このたび決定した加工原料乳生産者補給金の単価、そして交付対象数量などの引き上げにつきましては、本道の酪農、畜産の厳しい経営環境に一定の配慮がなされたものであり、生産者の経営の安定につながるというふうに受け止めています。また、国は、畜安法(畜産経営の安定に関する法律)改正後の生乳流通を巡る状況の変化、そして現場の声といったものを踏まえて、需給の安定に向けてさらに議論を行うこととしております。その動向についても、道としては注視していきたいと思います。
道としては、関係機関や団体と一体となって、今後とも酪農経営を支援するための国の緊急対策や道独自の施策などを効果的に活用しながら、酪農家の方々が将来にわたって意欲を持って営農を続けられるように取り組んでいきたいと考えています。
(北海道新聞)
今の他社さんから質問のあった、西村大臣、萩生田政調会長についてなのですけれども、今ですね、知事もいかなる方がどのような立場でも十分な対応をというふうにおっしゃいましたけれども、とりわけこの二人については、コロナ対応ですとか、ラピダス、また道内水産物の支援も含めてですね、経済政策でさまざま連携して、政権中枢としてのこのパイプを知事も作ってきたと思うのですけれども、とりわけこの二人の交代がですね、道としての政策推進ですとか、道政運営の影響もあるというふうに見ていらっしゃるかをお願いします。
(知事)
まず、政府としても影響ないように、当然、これはしなければならないことだというふうに思いますし、それを求めていかなければならないと思いますし、また道政にあっても、そのように対応していかなければいけないと思っていますが、ただ、西村経産大臣もですね、大臣としてのポストも違いましたが、さまざまコロナ対策や、また経産大臣としての取り組みでやり取りをしてきました。ALPS処理水の関係で、中国の輸入停止措置といったものがあった際にも、直接、連絡申し上げた中で対応いただいたりだとか、そういった取り組みをしてまいりましたし、また、萩生田政調会長においても、文部科学大臣、また経済産業大臣、さらに政調会長という状況の中で、さまざま連携してきたところもありますので、そこは、立場も変わられるということだというふうに思っていますが、お二人ともですね、経済政策、また、党の政策決定者としてやられてこられた。政調会長はまだ慰留されているというか、そういう話だと思うのですが、また立場が変わられてもですね、北海道が非常にポテンシャルがあるということで、さまざま支援をいただいてきた側面はありますから、そういった意味では、引き続きですね、北海道の応援はいただきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
別の話で、先月ですね、道がラピダスへの誘致活動を決めた意思決定過程に関する打ち合わせ記録を作っていなくて、作成中であるというふうに明らかになりました。その後、原課に取材したところですね、今年1月から2月に知事も交えた複数の打ち合わせがあったとのことで、またこれは、録音もメモもなかった中でですね、約10カ月も前のことを記憶ベースで関係者に聞き取って、最近、作成を終えたということなのですけれども、まず、知事はこういう経過で作った10カ月も前の記録のこの公文書というのが、意思決定過程を検証できるものとして、信頼性が担保されているというふうにお考えなのか、お願いいたします。
(知事)
これは、私からですね、こういった必要性についても指示いたしまして、この会見の場でもご質問などもいただいてまいりましたけれども、まずはやはり、当然しっかり作っていなければいけないものでありますので、しっかり再発防止を含めてですね、これはやっていかなければいけないということです。その上で、今ご質問のあった点については、私から作成を指示しまして、時間が経ってしまっているということは率直にあるわけですけれども、作成済みになっています。作成に当たってですね、しっかり当時の皆さんに確認しながら、作成したということであります。今後もしっかりですね、そういった重要な打ち合わせなどの記録といったものはしっかり残していく、これがとても大切なことですので、ここは徹底していきたいと思っています。
(北海道新聞)
関連なのですけれども、この記録の内容なのですけれども、原課への取材ですとか、また、開示請求をした共産党議員の方から入手した打ち合わせ記録を拝見しますと、知事がトップセールスを決めた部分、この打ち合わせについては、A4(サイズ)1枚の資料を添付した上でですね、資料に基づき知事へ説明し、修正なく了解を得て実施を決定したとだけ書かれていまして、事前の経済部長、副知事への説明についても同様の記述があるだけでした。経済効果のメリットの一方でですね、建設分野をはじめとする人材の集中ですとか、電力、水、インフラ確保など、さまざまな指摘がされる重大案件でもあることを踏まえると、ちょっと誘致決定の検討としては淡白な記録に見えるのですけれども、知事、この打ち合わせでですね、了解したという趣旨だけの発言、やり取りだったのか、それとも、メリット、デメリットを含めて、多角的に議論して決定したというふうに理解していいのか、その点について教えてください。
(知事)
ラピダス社の誘致についてはですね、半導体の製造、そして新たな雇用の創出、関連産業のさらなる進出、こういったことなど、幅広い効果が見込まれるということから、トップセールスの実施を決定したということがあります。これは当然のことなのですけれども、誘致の時点では、立地の場所が特定されていないということのほか、具体的な事業計画の進め方などについては、当然のことながら明らかになっていないという状況があります。そして、道としては、同社への度重なる情報収集といったものを踏まえて、トップセールスで何をアピールすることが重要なのかなということで、そのアピールする内容については、北海道全体をアピールするということとして、この恵まれた水資源ですとか、豊富な再生可能エネルギーだとか、本道の優位性をアピールして、私自身直接ですね、プレゼンを行ったということです。
(北海道新聞)
その決定した打ち合わせではですね、知事は了解しましたと、このままいきますというふうに、下から上がってきたものをそのまま了解して、この打ち合わせは終わったということでいいのですか。
(知事)
アピールしたい内容については、さまざま情報収集していました。それはラピダスとしても、こういう考えの下で、例えばグリーン化の話とか、話が出ていましたから、そういう状況の中で、道として、どうアピールすることが、ラピダスとして、北海道に進出を検討するというところにつながるかという視点で、そこは作成ということをやってくれていましたから、その部分で、若干の、何というのですか、誤字というか、プレゼンの資料の画像というか、そういうのをもうちょっと分かりやすくしてほしいとか、そういうのはありますけれど、基本的な方向性としては了承しました。
(北海道新聞)
伺っていたのが、そのプレゼンの内容の話ではなくて、ラピダスを誘致するということを決めた、トップセールスを決めた打ち合わせのことを伺っていたので、私の質問が悪かったかもしれないのですけれども、ちなみにですね、この打ち合わせ記録を拝見しますと、あとラピダスの交渉記録ですとかも拝見しますと、黒塗りが多くて、全てを確認することというのはできないのですけれども、少なくともトップセールスをやる、ラピダスを誘致するというふうに決めた1月の打ち合わせまでですね、知事への報告ですとか、知事からの何かしら指示といった記載を確認することができなかったのですけれども、知事はトップセールスというのを決める打ち合わせまでに、道の誘致の取り組みに何かしら関わったりとかしてたのですか。
(知事)
これはラピダスに限った話ではないのですけれど、半導体関連産業の誘致ということで、それよりはるか前に私は指示も出していますし、要はTSMC(台湾積体電路製造)だとか、熊本県への進出だとか、いろいろな動きが当時あったのですよ。北海道はなかなかそういったものが集積していないですよね。そういった状況がある一方で、北海道自身、北海道においては、さまざまな可能性があるのではないかということで、さまざま経済部を中心にですね、私からその可能性などについての指示というものをやってきましたので、企業誘致というのは、ラピダスだけではないですけれど、いろいろな動きが日々、それは私が把握していない中でもありますので、そこはいろいろ情報を共有しながら、ただ、決定や重要な打ち合わせというものは、当然(記録を)残していかなければいけませんので、今回はそれがなかったわけですから、今後しっかり残していかなければならないというふうに思っています。
(北海道新聞)
わかりました。今年の10月に、先ほども話にでました自民党の萩生田光一政調会長がですね、札幌市内での講演で、ラピダス進出に関して、「半導体工場は熱を持つから、できるだけ寒冷地が良い。ならば北海道がいいということで、鈴木知事とも相談し、道として誘致を宣言していただいて、ラピダスが北海道の千歳市に来るということになった。」と発言されているのですけれども、知事はこの誘致活動をする前に、萩生田氏とですね、やり取りされたのですか。
(知事)
萩生田先生はですね、先ほど言ったように文部科学大臣もやられて、経済産業大臣もやられて、その後、自民党の政策責任者ということでやられていました。ですから、さまざまな意見交換というか、北海道に対してですね、かなり思いを持ってくれているのですよね。選挙区が八王子市なのですけれど、苫小牧市が姉妹都市になっていて、毎年来ていたのですね、ずっと。ですので、北海道に対してはかなり関心を持っていただいていたので、いろいろな意味で情報交換だとか、北海道のポテンシャルというのですか、そういったところについては、いろいろなお話がありました。ただ、政治家同士の話で、いろいろな話がありますから、それを全てここで言うのはどうなのかなと思いますが、いずれにしても、ラピダスの本道への立地といった意味では、さまざまお力添えいただいたということです。
(北海道新聞)
最後に、打ち合わせ記録の話とは別なのですけれども、先ほど知事のお話ですと、まだラピダスの計画というのが、誘致するかしないかを決めるときというのは、明らかになっていなかった部分もあると、立地も含めて。そうなると、ですから人材とか経済が道央圏に集中してしまうのではないかとか、電力や水の確保とかのインフラ整備どうなっていくのかとか、環境への影響ですとか、これのデメリットみたいものも含めて、多角的な議論をして、誘致に至ったということではないということなのでしょうか。
(知事)
それは、企業誘致にあってはですね、例えば電力の話とかもそうですけれども、当然ですけれども、会社ですから、電力の確保とかというのは電力事業者と話をしたりだとか、例えば、北海道のポテンシャルについてお話ししましたけれども、どうやって水を調達していくかとかというのは、当然、(会社が)経営上考えていかなければいけない話です。私達がプレゼンした内容というのは、北海道全体のポテンシャルを中心にアピールさせていただきましたけれども、その具体的な立地の場所とか、当然のことながら、北海道にも決まっていないわけですから、どこに(工場を)建てるということもわからないわけですよね。そういう状況の中で、アピールさせていただいたということです。実際、進出に当たっては、当然、立地場所が特定されますから、特定されたら、その拠点形成に向けて課題を洗い出したりだとか、推進本部を作ってやっていったりだとか、そういう順番になっいてくのではないでしょうか。
(北海道新聞)
道立江差高等看護学院の男子学生が2019年に自殺して、ご遺族側と示談交渉を進めている件について教えてください。先日の道議会で知事は、賠償については代理人弁護士の見解や遺族側との協議経過を踏まえ、最終的には私が判断すると答弁されました。ご遺族側との交渉が進んでいない状況でのこのご発言、あらためて意図を教えてください。
(知事)
これは今、遺族側の代理人弁護士、そして道の代理人弁護士を通じて協議を行っています。そして、この双方による協議が引き続き必要だというふうに今の時点で考えています。そして、ご遺族側のご意向も伺いながら、協議経過を踏まえて、私が最終的には判断していくということを議会で申し上げたところです。道としては、引き続き丁寧かつ誠実に、誠意を持って対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
今後について、今、少し伺いましたけれど、あらためて伺います。遺族側弁護士は、北海道新聞の直近の取材にですね、パワハラと自死の因果関係を認めない前提では交渉は難しいというふうに述べています。交渉が難航すれば裁判に進展することも想定されますが、今後、示談交渉をどのように進める方針か改めて教えてください。
(知事)
御社もさまざまお声を聞いているということですが、われわれもですね、ご遺族側のご意向も伺いながら、判断はしていきたいというふうに考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)