知事定例記者会見
- 日時/令和5年11月24日(金)15:12~16:01
- 場所/記者会見室
- 記者数/16名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- ベトナム・シンガポール訪問について
記者からの質問
- ソフトバンク株式会社宮川社長との面談について(1)
- 大麻グミ等による健康被害事例の発生について
- 道立高校の暑さ対策について
- ソフトバンク株式会社宮川社長との面談について(2)
- 石狩湾新港の洋上風力について
- スクラムトークについて
- ソフトバンク株式会社宮川社長との面談について(3)
- 次世代半導体について(1)
- 次世代半導体について(2)
- 次世代半導体について(3)
知事からの話題
ベトナム・シンガポール訪問について
私から一点お話しさせていただきます。
今月16日木曜日から20日月曜日までの日程で、ベトナムおよびシンガポールを訪問してまいりました。概要をご紹介させていただきます。詳細につきましては、お手元に資料を配付させていただいておりますので、そちらもご覧いただければと思います。
まず、ベトナム訪問についてでありますが、日越外交関係樹立50周年と、そしてクアンニン省創立60周年という節目の本年、道内をはじめ多くの関係者のご尽力によりまして、「北海道フェスティバルinハロン」が開催され、新千歳空港から初めてチャーター便も運航されました。私も搭乗させていただきましたが、このチャーター便などを利用しまして参加した400人以上の関係者と、ベトナムで北海道をPRしてまいりました。私自身、「クアンニン・日本投資促進カンファレンス」で基調講演を行ったほか、北海道関係ブースでは生産団体の方々と一緒に、本道の食や観光のPRを行いましたが、現地の方々の評価も高く、手応えを感じることができました。
また、昨年に引き続き、チュオン・ティ・マイ共産党書記局常務や、グエン・ティ・キム・ガン元労働傷病兵社会相をはじめとするベトナム政府要人の方々との面談では、今後の人材交流の覚書締結に向けて、両地域の人材交流のさらなる関係強化について協力していくことを要請し、マイ常務からは、人材交流のほか、さまざまな分野での協力を進めていきたいという旨のご発言がありました。今回の訪問を機にですね、スピード感を持って対応していきたいと思います。
併せて、今回、ベトナムでは初めてスマイルアンバサダーにご就任いただきましたトン・ヌー・キー・ロアンさんに、北海道で働く魅力について、今後SNSなどで情報発信いただくというご協力を得ますとともに、私自身も現地の人材送り出し機関を訪問して、これから日本へ実習生として来られる皆さまに対して、直接、北海道の魅力についてもPRさせていただきました。
その後、19日日曜日にはシンガポールを訪問し、東洋一の百貨店といわれるシンガポール髙島屋での「大北海道展」に参加いたしました。11月9日から始まったこの「大北海道展」には、北海道から47の事業者が出店しておりましたが、開幕から20万人以上の方々が来場し、当日もラーメンや海産物を求めて想像以上に多くのお客さまで賑わっておりました。ステージでは、私も餅つきイベントや、牛乳やホタテの試食のPRを行いまして、シンガポールの方々に直接、本道の食のおいしさをPRすることができたところであります。
さらに、現地の高級中華料理店の「四川飯店」において、「北海道食とワインの夕べ」を開催いたしました。脇屋友詞シェフと陳建太郎シェフの協力の下で、ASEAN地域の富裕層に道産ワインのほか、ホタテやナマコを使った料理を提供し、高い評価をいただいたところでございます。また、シンガポールに2店舗展開しているどさんこプラザにおきましては、昨年度の売り上げが過去最高を更新するなど、北海道ブランドが浸透しつつあるわけでありますが、そのうち、ミレニアウォーク店で事業者の方々を激励いたしましたほか、在シンガポール日本国特命全権大使およびシンガポール道産子会会長との面談を行って、道産食品の販路拡大や観光情報の発信、投資誘致等の取り組みについてさらなる関係強化をお願いして、快諾していただいたところであります。
今般、髙島屋の「大北海道展」にはたくさんのお客さまが来場して、北海道ブランドに高い評価をいただくことができました。将来的に常設のどさんこプラザが髙島屋内にできると良いと強く感じましたが、まずは今回の取り組みを契機として髙島屋と連携しながら、定期的に北海道フェアを開催するとともに、既存のどさんこプラザを拠点とし、シンガポールも含め、ASEAN諸国での道産食品の販路拡大につなげてまいりたいと考えています。
今回のベトナム、シンガポールの訪問を大きな弾みとして、引き続き、ベトナムとの経済・人材交流をはじめとする各分野での交流とともに、ASEAN地域における北海道ブランドのさらなる浸透を進め、本道経済の成長につなげていきたいと考えています。
私から以上です。
記者からの質問
(読売新聞)
ソフトバンクの宮川社長との先ほどの面談についてなのですが、苫小牧市でデータセンターを予定されているソフトバンクさんとの面談で、社長は北海道に潜在力であったりとかそういうものを感じているというようなお話だったと思うのですが、そういったお話を受けての知事の受け止め、「(北海道)データセンターパーク」の話も含めた上での受け止めと、あとお話の中で、トップ同士で今後、連携の協定についてもというお話があったと思うのですが、それについてどのようなことを今後されていくのか、お話しできる範囲で伺えればと思います。
(知事)
まず、面談では、ソフトバンク社が11月7日に発表した、苫小牧市での再生可能エネルギーを100パーセント利用した日本最大級のデータセンターの建設について、歓迎の言葉を述べるとともに、道としても、着実な建設と今後の拡張に向けて最大限サポートしていくという旨、申し上げたところです。また、宮川社長からは、今後、協力して本データセンターを活用しながら、北海道へのデジタル関連産業の集積や生成AIの開発、AIサービスの提供などを通じて、道内のあらゆる社会・企業活動のDX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を進めていくといったことでも、考えといいますか、一致したところであります。また今後、こうした協力を具体化していくということで、包括連携協定の締結に向けて協議していきましょうということで、お互い合意したところであります。内容については今後、協議して詰めていきたいというふうに思っています。北海道でのこのデジタルインフラ整備と、デジタル産業の集積を力強く進めて、本道経済と地域の活性化を実現していきたいというふうに考えています。
(NHK)
二点伺います。まず一点目なのですけれども、大麻グミについてですが、今月、札幌市内でも20代の男性二人が搬送されたという事案がありました。(北海道)厚生局麻薬取締部も、札幌市中心部の店舗に立ち入り検査して、販売中止を求めるなどの動きもありました。この件についての立ち入り検査については、道の職員も立ち会っているというような話もありますけれども、道民の命を守るという知事の立場としてですね、この大麻グミについて道民に対する注意喚起があれば、それを伺いたいというのと、立ち会っているということも含めてですね、道として何かしらこの件について、例えば対応などを検討していることがもしありましたら、教えていただければと思います。
(知事)
まず、道民の皆さまにおかれましては、今般のいわゆる大麻グミのような法の規制対象となっていないものについて、安易に購入したりだとか、食べたりしないということについては、今こういう状況もございますので、ご注意いただきたいということを、道民の皆さまには申し上げたいというふうに思います。
今般の大麻グミなどを食べたその後に、体調不良を訴えた2名の方が、札幌市内の医療機関へ救急搬送されました。薬物による急性中毒と診断され、「北海道急性中毒患者届出条例」に基づいた届出があったことによりまして、事案を把握いたしました。今回の健康被害がグミによるものかどうかは不明でありますが、現在、全国各地でHHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)が含まれる大麻グミの摂取による健康被害が発生していることは、憂慮するべき事態であると認識しています。規制対象となっていないものであってもですね、違法薬物と疑われるような商品については、先ほど申し上げたように、安易に購入したり摂取するといったことがないように、乱用防止に向けた対応が必要であるというふうに考えています。道としては、ホームページやSNSによる注意喚起を行っております。22日付けでHHCHが規制対象となったことから、北海道厚生局、道警と連携して、実態把握に努めていくということとともに、薬物乱用防止対策に取り組んでまいります。
(NHK)
二点目、ちょっと話が変わりますが、道教委が先日決めました夏休み、冬休みの延長に絡んでの話になります。50日から56日ということで延長されたわけですけれども、いわゆる夏休み、冬休みの延長がソフト面という意味での対策であるとするならば、ハード面での対策という意味では、エアコンの設置というものも今後、必要になってくるかと思います。来週にはですね、道議会がまた、4定(第4回定例会)が開かれると思いますけれども、現時点で、例えば4定道議会の中で、エアコンの設置、具体的に追加提案の中で含めていく考えなど、もしありましたら今の検討状況も含めてお聞かせ願えればと思います。
(知事)
まず、空調などのハード、そしてソフト面の対応、両面講じながらですね、暑さ対策を進めていく必要があるというふうに考えています。こうした中で、道立の学校の長期休業期間の取り扱いに関して、総日数を50日から56日に変更する規則改正が行われたところであります。今後、道内各市町村でも同様の措置などが検討されるものと考えておりますが、各地域の実情等を十分考慮した上で、子どもたちの生命と健康を第一に据えて検討していただきたいと思います。
長期休業期間の取り扱いは、教育関係だけではなくてですね、道民の皆さまにとっても影響が大きいと考えられます。また、子どもと親が過ごす時間が増えるというメリットも考えられるわけでありますので、現在、経済団体に対しては、仮に夏休みが増えたとしても休めませんと、親が休めませんということだと、なかなか子どもと一緒に過ごすということが、結果として難しいという状況もありますので、休みを取りやすい職場環境づくりについて、経済団体に対してはご説明と併せてお話しさせていただいています。また、福祉・保健の関係などで言いますと、関係団体はさまざまあるのですが、子どもの居場所の点について言うと、夏休みが延びますので、そうしますと、夏休み期間中における子どもの居場所について、例えばその期間を延長しなければいけないだとか、そういうことなども出てきますので、この点についても今、説明と要請など関係機関等へ働き掛けと、またそういった対応を行っているところであります。
ハード面などについては、市町村もさまざま今、検討しています。その中で非常にポイントとなっていたのが、(空調設備の整備に活用できる交付金が)1校当たりの(補助対象)下限額が400万円ということで縛り(条件)がありまして、先月、市長会、町村会とともにですね、国に要請した中で、そういった縛りについての改善を求める声が、市長や町長からございました。今回、この下限額の取り扱いについては、文部科学省から追加の説明があったところであります。例えばですけれども、2年間の工事で1年目に200万円、2年目に200万円というような場合にも、工事期間全体で400万円を超えるという場合については補助対象となるということを明確にする文書が示されました。このことによって、例えば保健室などに優先的に設置を行うという場合は、400万円を下回ってしまうということがありましたので、複数年であれば、そういった対応が明確に対象となるということが文書で示されましたので、このことを受けて今、道内各市町村に対しても、その旨をお知らせしていければというふうに考えております。予算などについては今後、議会の議論なども踏まえて検討していくことになります。
(北海道新聞)
二点お願いします。まず一点目、ソフトバンクの社長との面会の中で、知事は、われわれとしても、さまざま今後サポートしていきたいというふうにおっしゃったと思うのですが、このサポートというのは財政的なサポートも含めてなのか、どういったお考えなのか教えていただけますでしょうか。
(知事)
先ほど申し上げましたけれども、まずは今、(ソフトバンク社は)国の補助を獲得されて(事業を)行っていきますので、そういった中では、道の補助を国の補助と重ねて対象とすることができないという状況があるのですが、今後の(データセンターの)拡張だとか、そういったことも今後は検討されていくのであろうというところがあると思いますし、また手続きの関係がさまざま出てまいりますので、そういったところでフォローをしていくなど、道としてサポートをしていく必要のあることがございます。これは現に、ソフトバンク社とさまざまお話をさせていただいています。そこはしっかりとサポートをしていきたいというふうに考えています。
(北海道新聞)
もう一点、別件で、石狩湾新港沖での洋上風力についてお伺いします。港湾区域に設置される発電施設に関する固定資産税の配分を巡って、小樽市と石狩市の協議が難航しているということを北海道新聞で報じました。この件についての知事の受け止めと、道の対応方針をお伺いいたします。
(知事)
まず、11月21日付けでですね、北海道新聞において記事が掲載されたところであります。ここでですね、「境界は地方自治法に基づき当事者の自治体が協議して決めるが、合意できない場合は知事が裁定できる」との記載が記事の中であったところでございますが、正しくは「境界は地方自治法に基づき、関係自治体の議決により決定される」ということでありますので、一部誤解を招くような記載がございましたので、この点について、あらためてこの場で正しい説明をさせていただきたいと思います。この点につきましては、記事を書かれた記者の方に対しても、今お話し申し上げたことをご説明した上で、(記者の方から)不正確なものであったということでお話があったところでございます。ちょっとこのほかの記者の方、状況がわからないかもしれませんけれども、ちょっと事実と違う記事が出ていたということであります。
その上でですね、いずれにしても、これまで道としても、小樽市と石狩市の協議進展に向けて必要な助言を行ってきているところでありますが、今般、この両市から道に対して、検討材料の一つとして、道の意見を受けたいという意向が示されました。このことを受けてですね、今月15日に、両市に対して道の意見をお伝えさせていただいたところであります。引き続き、令和6年度から適正に課税ができるように、協議の進展に向けて必要な助言を行っていきたいというふうに考えています。
(北海道新聞)
冒頭の指摘については社内で共有させていただきたいと思っております。その上で15日に既に両市に対して道の方針は伝えているということですけれども、この内容についてはいかがでしょうか。
(知事)
事務文書の内容について、担当部局のほうで。
(総合政策部地域行政局長)
小樽市と石狩市に対します回答でございますが、現時点ではですね、石狩湾新港管理組合が管理する港湾区域内には境界が決定されていないこと、また、総務省からはですね、固定資産税の課税のためだけに地方自治法に基づく境界を定める必要はないという見解が示されていること。また両市がですね、当該組合の構成団体でありまして、組合規約により副管理者や負担金の負担割合が同数になっていること。以上二点を踏まえますとですね、組合の構成者である両市に課税権が存在し、両者協議の上でですね、固定資産の配分割合を決定すべきと、そのように回答しているところでございます。
(北海道新聞)
最後にもう一点、一般海域での洋上風力に関する法定協議会というのも、道内で本格化していく中で、今後も今回のような事例が出てくる可能性もあるのかなと思うのですが、道の広域自治体としての役割をどのように果たしていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
法定協議会について、事務局も含めてですね、構成していくのは道の役割でありますから、しっかりと協議が適切に行えるように、道としての役割をしっかり果たしていきたいというふうに考えています。
(北海道新聞)
なおみちカフェとスクラムトークと題して、知事が行っている地域訪問について伺います。道庁のホームページで公表している訪問実績によりますと、令和4年度は、なおみちカフェは126市町村で129回開催しているのに対して、スクラムトークは0回でした。令和5年度は現在まで、なおみちカフェを16市町村で17回、あとスクラムトークも5回開催しています。先日の道議会でもあったのですが、令和4年度は知事選前にかなり集中的に回っているのではないかという指摘もされていました。この指摘に関して知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
これはですね、コロナの状況などもありまして、地域への訪問がなかなかかなわない状況がありまして、179の市町村を、なかなか訪問することがかなわないという状況がありました。ですので、この4年間の任期の中でですね、各地域からは訪問してほしいといった施設など、さまざまお声はいただきながらも、そういった状況に十分対応できないという期間がありましたので、どうしてもそういったばらつきが出てしまったという状況がございました。今、コロナも5類に移行する中で、外出の自粛等といった対応がない中で、できるだけ計画的に訪問させていただきたいと思っていますし、あと前回も回る中では、1市町村にかかる時間が短いというご指摘もいただきまして、その点については全くそのとおりであるということで、双方協議しながらではありますが、できるだけ時間をとりながらですね、訪問させていただいているというところであります。
(北海道新聞)
今、1市町村の時間が短かったという反省からかもしれませんが、令和5年度のスクラムトークで、前回、江別市、新篠津村、当別町で行われたやつをちょっと私、見させていただいたのですけれども、そこでスクラムトークを行った際はですね、市町村長とともに地域おこし協力隊の方を招いてお話しされていたかと思います。今年度行われた5回のスクラムトーク全てですね、地域おこし協力隊の方が同席されていて、基本的に、新篠津村で行われたときもそうなのですけれど、知事は地域おこし協力隊の方にいろいろお話を聞いていた時間が長かったかなと思います。地域おこし協力隊以外のテーマについて取り上げる、今後いろいろな課題について取り上げるようなお考えはありますでしょうか。
(知事)
地域おこし協力隊についてはですね、まさに今、より効果的な支援につなげていくために、重点的に地域おこし(協力隊)の皆さまからさまざまお話をお伺いしているという状況があります。意見交換の中では、地域おこし協力隊の方もそうですし、各管内の首長の皆さまもそうですし、いろいろな形でご発言いただくことは当然あるのですけれども、テーマは限定せずにですね、さまざまなお話もいただきながら、そこはせっかく地域にお伺いするわけですから、進めていきたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
あともう一点、同じ関連なのですけれども、先日の当別町と新篠津村と江別市を訪れた際にですね、当別町のロイズタウン駅を視察された際に、当別町長がですね、北海道医療大学の移転に関して、知事に報告する場面があったと思います。時間にしてわずか1分ぐらいでですね、スクラムトークで北海道医療大の移転とか、そういうもうちょっとしっかり地域課題について扱うということは、計画はなかったのでしょうか。
(知事)
当然、今まさに町政における重要な課題ですから、そこはしっかり話をする必要があるというふうに思います。ただ一方で、町村ともお話ししながら、どういったところを地域訪問の中で対象とするかということについては、まさに地域の方がぜひここに訪問してほしいというお話もいただきながらやっています。また、その大学の問題についてもですね、確かに短い時間の中で、マスコミの方がいらっしゃる中ではお話ししましたけれど、町長とはずっと一緒ですから、そういう中で、いろいろなお話についてはですね、意見交換しております。なかなか全てをマスコミの方にお話しできるような状況にはないですが、やはり町として非常に残念な思いとかですね、今なかなか厳しい状況にある中で、町長としてさまざまな思いをお持ちでしたので、直接お話をお伺いできたのは良かったかなと思いますし、また、振興局の対応についての感謝の言葉も町長からありまして、それは今後とも、しっかり振興局も含めてですね、対応していくということでやり取りをさせていただいたので、そこはまさに市町村としっかりお話ししながら、どういったところでお話しするかというのは引き続きですね、やっていきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
最後、確認なのですけれども、今あったように地域おこし協力隊をテーマに選んでいるのは道のほうだと思うのですけれども、今後、スクラムトークを実施していく中でですね、各市町村から特定の話題について取り上げていただきたいということがあった場合は、スクラムトークの中で、例えば大学の移転は一例ですけれど、そういったことも扱う可能性もあるという理解で良かったでしょうか。
(知事)
そうですね。今、地域おこし協力隊における効果的な支援ということで重点的にやっていますけれども、さまざま地域における優先すべき道政上の課題や、また地域においてさまざまお話ししたいこともありますので、今もさまざまお会いしている時間の中でですね、当然、各首長や地域おこし(協力隊)の方も、地域おこし(協力隊)としてのお話ももちろんなのですけれど、そこに住んで、暮らして、働いている中で、もっとこうしてほしいなとか、道としてももっとこういう政策をしてほしいよということは、結構、何て言うのでしょうか、地域おこし協力隊だからこそ出てくる言葉もあるし、ほかの皆さんと同じようにお困りのこともありますので、そこはさまざまそういった声をお伺いしながら、道政に生かしていくという視点が大事なのかなというふうに思っています。いずれしても、できるだけご発言などをしていただく、その時間ですよね、これをできるだけ設けながらやっていくということが大事かなというふうに思っています。
(朝日新聞)
先ほどのソフトバンクの件なのですけれども、誘致に成功されたということで非常に良い面会であったと思うのですけれども、宮川社長がおっしゃっていた中で数点気になったというか、知事がどのようにお考えなのかちょっとお伺いしたい、確認したい点がありまして、まず、宮川社長は冷涼な気候とかの北海道のメリットを認めつつもですね、デメリットというか不利な点としては、結局、東京都や大阪府などデータニーズがあるところから離れていて、通信の遅延があると、この点をおっしゃっていたので、それがゆえに、機械学習の学習モデルづくりなどの用途ということで、いったんそのデータを北海道に持ってきて、それで、電算機での学習ということを北海道でやるという、ある種、工場というのですかね、ファクトリーみたいなイメージのことをおっしゃっていた点があります。
それともう一点は、最新型のパワフルなマシンを導入するということで、水冷式になるということでどういった方式を使うかわかりませんが、一定以上の、またラピダスではありませんが、工業用水等が必要になってくると思います。
この辺りのこの二点ですね、知事は今、現段階でどのようなふうに受け止めてですね、施策に生かしていこうとお考えなのか、お伺いします。
(知事)
データセンター誘致にあって、かねてから指摘されてきた課題です。一つ、今ご指摘のあった8割が東京都と大阪府に集積している理由は、やはりそういった企業に隣接して、集積がされたということです。一方で、日本全体のリスクを考えたときに、東京都や大阪府に8割が集中してしまっているので、一つはそういったバックアップ機能や、日本全体で考えたときの最適化が図れなかったので、ここはやはり九州や北海道にいわゆる代替、補完という機能を持たせることが、日本全体のデータセンターのあり方として適切であるというのが、政府が今年出した考え方です。ですから、そういった位置付けが明確になったというのは一つ、われわれにとってプラスの話です。
データの遅延についても、まずは、今、道内に立地しているところも同様に、ソフトバンクさんが今日お話しになったような形の対応をしている事例もあるのですが、このデータ遅延についても併せて、宮川社長もそこはやっぱり技術的、科学的に解決していかなければいけない課題であり、一定のめどが付いてきたということもお話しされていたというところがあろうかというふうに思います。
また、一つ、これもお話しされていましたが、いわゆる海外との近接性ということで、こちらについて言うと、むしろ北海道が近いのですね。ですから、そういったところも今、国のほうでは、「国際海底ケーブル多ルート化支援」ということで、今回の補正予算案には総務省から100億円盛り込まれています。おそらく、こういったさまざまなピースが整ってきた中で、この立地の判断ということが行われているものというふうに受け止めていますので、われわれとしては、そういった一つ一つのビジョンというかピースを実際に形にしていく、このことが今後より非常に重要になっていくというふうに思っています。
また、冷却方法などについては、まだ私のほうで技術的な詳細な説明などは受けておりません。ただ、当然ソフトバンク社としても、宮川社長一人が決定しているわけではなくて、さまざまな経営のメリット、デメリットも踏まえて、高度な経営判断の下で進出決定をしていますので、当然、グリーン化のエネルギー調達や、また、環境配慮型で、当然社会において、事業活動をしなければいけないということが大前提の取り組みでありますので、この点は、ちょっと私まだ詳細を聞いていないのですけれども、しっかりそこは把握した上で、適切な対応を求めたいと思います。
(朝日新聞)
今のおっしゃった点で、結局、海底ケーブルを苫小牧市に揚げてとかという話でしたっけ、基幹線が北海道に来るというのはすごく、国際基幹線が来るというのは非常にメリットだと思うのですけれども、北海道としてですね、そういった国策であったりとか民間の動きというのをですね、具体的にどういった形でのサポート、行政サービスとして最大限配慮するというのは当然あると思うのですが、それ以外に何か知事がお考えの北海道づくりのビジョンの中でですね、あらためてかもしれませんが、どう位置付けていきたいとお考えでしょうか。
(知事)
この点はですね、私はもう3年以上前になりますけれども、やはりデータ使用量が爆発的に増えてきて、またAIなどのいわゆる社会実装が進む中で、さらにそういったデータ需要やデータセンター、また、それに対するグリーンエネルギーの需要というのは増えていくという中で、北海道が今まで主張していた優位性というのが、より顕著に皆さんに理解いただけると。ただ、やはりネックになっていたのが、送電線だったり、通信ケーブルだったり、また、政府として広く全てのところに対して同じ補助メニューを出していくというスタイルだと、なかなか北海道、九州に(立地)ということが今までジャッジできなかったということがあるので、そこは多分、われわれも繰り返しこれを訴えてきた中で、国が動いてくれた一つのことだと思います。いわゆる地域から声を出して、国に動いていただくというのは重要なことだと思っています。
また、北海道としても、今申し上げたような動きプラス、今回のソフトバンクが日本最大級のデータセンターを作っていくということで、道央圏で大型データセンター群の形成を促進していくということと、まさに先ほどお話のあった国際通信ケーブルの陸揚げ、こういうものを目指しながら、道央圏をハブとしながらも、この「(北海道)データセンターパーク構想」を現実にしていきたいと思いますし、また、データセンターで言えば、美唄市とか北見市でも、道央圏以外の中規模なデータセンターという動きもありますので、道央圏が確かにハブにはなるのですけれども、こういったネットワーク構築も促進して効果的に全道で展開していく、このポイントが大事なのではないかというふうに思っています。
いずれにせよ、この日本最大級のデータセンターというのは、一つの大きなポイントになってくると思うので、この立地を起点として、北海道におけるデジタル関連産業の集積ですとか、道内のGX、DXといったものは積極的に進めていきたいというふうに思います。
(北海道新聞)
ラピダス関連でお伺いしたいと思います。今週、道経連(北海道経済連合会)などでつくる北海道新産業創造機構が、ラピダスが建設する工場2棟でですね、次世代半導体を生産する場合の道内の経済波及効果について、今後14年間で18兆8千億円に上り、道内総生産を12兆2千億円押し上げるとの推計を示しました。試算に対する知事の受け止めをお伺いしたいと思います。
(知事)
これはですね、記者会見されたANIC(エイニック)、北海道新産業創造機構が算定した経済波及効果の総額が、今お話のあった本年度から2036年度、令和18年度の14年間で、IIM-1(イームワン)が稼働した場合は10.1兆円、IIM-1とIIM-2(イームツー)の両方が稼働した場合は18.8兆円ということで、記者会見で発表されたということであります。ラピダス社が進める次世代半導体の量産化に向けては、総額5兆円規模の投資が見込まれる中で、あくまでこちらは仮定の前提条件や想定値に基づいた試算であるというものの、一つの指標、規模感として、過去最大の投資を道民の皆さまにイメージしていただくためにシミュレーションしたということで、ご発言もありました。そのように承知しています。
道としてですけれども、今回の試算でありますが、前提条件などの詳細は把握していないわけでありますが、ラピダス社の立地は、本道経済に大きな効果をもたらすことが、あらためて認識することができたと受け止めています。なお、ANICは今後、前提条件が大きく変わって見直しの必要性があれば、シミュレーションして見直す考えですということで、ご発言もあったということであります。いずれにせよ、ラピダス社の立地の効果を全道に波及させていくためには、まずはこのプロジェクトを成功させるということが何より重要であります。道としては、同社が目指す2025年のパイロットラインの稼働、そして2027年の量産開始、こういうスケジュールの達成に向けて、国、そして千歳市などと連携して、引き続きスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。
(北海道新聞)
関連して、今、知事からも同じご発言があったと思うのですけれども、創造機構の藤井理事長は、経済波及効果というのは、どうしても道央圏を中心にならざるを得ないだとか、道央圏に人材が集中するとの懸念に対してもですね、全てがバラ色ではなく陰と陽、明と暗があるというようなご発言をされていました。知事はかねてから、今おっしゃったように、全道への波及効果を目指すとおっしゃっていますけれども、あらためてこうした懸念に対してどのように取り組んでいくのか、対処していくのか、お考えをお伺いできればと思います。
(知事)
全道への波及についてはですね、さまざまな声がございます。ラピダス社の次世代半導体の製造拠点については、工場整備が本格化して、建設工事はもとより、建設機械、資材等の調達、運搬、宿泊、食事、工事現場管理業務などの地元業者の活用をはじめとして、半導体製造装置や素材といった関連産業の進出、さらには雇用創出などの効果が期待されるところであります。このほか、再エネを活用したデータセンターとデジタル関連企業、デジタル人材の集積を図る、先ほど申し上げたような「北海道データセンターパーク」の推進、農林水産業や観光をはじめとする地域の産業のスマート化、ドローン、自動運転などの新技術の社会実装、こういったものなどを通じて、デジタルの好循環の効果を全道各地に展開して、道内経済の活性化、そして道民、企業が実感できるメリットにつなげていきたいと考えています。今申し上げたような考えの下で、現在、「北海道半導体関連産業振興ビジョン」の検討を進めておりますので、こういったビジョンの検討をはじめですね、全道への波及についても皆さんにお示ししていきたいと思います。
(北海道新聞)
今おっしゃった対策みたいなものを実現できれば、14年間で18兆8千億円、最大値の試算だと思うのですけれども、こういったものを全道に分散できるというふうに見込んでいらっしゃるということなのでしょうか。
(知事)
全道の波及については、今申し上げたように、まさにデジタルの好循環の効果を全道各地に展開して、道内経済の活性化、そして道民、企業が実感できるメリット、こういったものにつなげていきたいというふうに考えていますので、こういった考え方の下、今申し上げたような全道への波及についての振興ビジョンの検討を進めさせていただいているところであります。また、ビジョンの策定の中でですね、そういった波及についても道民の皆さまにご説明していきたいと思います。
(毎日新聞)
ラピダスの関係でちょっと伺いたいのですけれども、半導体の製造、研究、人材育成の複合拠点についてなのですけれども、先日11月9日の産業振興ビジョンの有識者懇話会の中でもですね、今のところ具体的な内容というのが出ていないと思うのですけれども、12月に出される素案ですとか、あとビジョンの最終的な形の中で、何らかの具体案というのが出されるのでしょうか。
(知事)
今ご質問がありました複合拠点については、ラピダス社の立地を契機として、半導体の製造、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の実現を目指しています。今月の9日開催の有識者懇話会に提示いたしましたビジョン骨子案では、道内の半導体関連産業と公設や民間の研究開発拠点、さらには大学や高専等の教育機関が一体となった複合拠点の概念をお示しさせていただいたところであります。この複合拠点については、半導体の製造のみならず、例えば産学官による共同研究や、半導体人材の育成・確保に関する取り組みなどを、関係する主体が連携して進めていく機能を充実させていくことを想定しています。そういった意味では、必ずしも具体的な施設整備を伴うものではございません。こういった骨子案でもお示ししたところでありますが、今後さらに議論していきたいと思います。
(北海道新聞)
ラピダス関連なのですけれど、今月の道議会決算特別委員会で、ラピダス誘致に関する道庁での意思決定過程を記した公文書が存在していないと、道側が明らかにしたことについて伺います。道の公文書管理規則では、本庁等の意思決定に至る過程、事務および事業の実績を合理的に跡付け、また検証できるよう、事案が軽微な場合を除いて公文書を作成しなければならないとありますけれども、なぜ今回、存在しないというようなことが起きたのかを教えてください。
(知事)
今ご指摘、ご質問のあった決算特別委員会での質疑でありますけれども、ラピダス社へのトップセールス実施の決定に当たっての打ち合わせ記録の作成ということで、質疑がございました。当時、トップセールスのプレゼンの実施案などについて、担当部が取りまとめた文書により説明がなされ、私としては、その場で了承をし、トップセールスの実施を決定したというところであります。しかしながら、この部ではですね、その文書をもって決定の記録として考えていたという状況でありまして、その打ち合わせの記録の作成の認識が十分でなかったということは、ご指摘がありました。ですので、これを踏まえて、今後の記録の作成につきましては、道の公文書に関する規則等に基づき適切に対応するように、私から指示をしたところでございます。
(北海道新聞)
確認なのですけれども、今おっしゃったのは、2月のラピダス本社にですね、トップセールスを知事がされたときの打ち合わせ記録のことだと思うのですけれども、ラピダスに関しては昨年11月に設立されて、国家プロジェクトに採択されて、そうなるとその11月以降ですね、道庁内部では、複数回にわたって、誘致のメリットって何なのかですとか、水や電力の供給、人材集中などの課題はどうなのかなどについて話し合う打ち合わせの機会がですね、複数回あったのかなと思うのですけれども、まずそういう理解でいいのかということと、また併せて、そうした複数回の打ち合わせについても、公文書として記録は残っていないという理解でいいのでしょうか。
(知事)
そこの事実関係はどうですか。
(経済部産業振興課長)
そういった記録は文書として保管してございます。
(北海道新聞)
そうしたら、関連ですけれども、決算特別委員会でですね、トップセールスの道の意思決定過程に関する打ち合わせ記録については、道の規則に基づいて作成するよう、私からあらためて指示したところというふうに、知事総括で述べていらっしゃるのですけれども、そこの部分はあらためて作り直しますということをおっしゃっているということですか。
(知事)
はい、それがなかったんです。要はトップセールスをやるという実施案、プレゼンの実施案が文書であります。それは私も説明を受けました。やろうということで、やりました。ただ、その打ち合わせ記録というのはないということなので、それはないと駄目だということで、私から指示しました。
(北海道新聞)
関連で、この公文書の作成を巡ってではですね、道では、2018年に道の審議会や懇談会などに関する未作成の文書が計500件以上にのぼったということが、これは高橋道政ですけれども、あったほかですね、鈴木道政になってからも、2020年にコロナ対応に関する道の幹部会合の記録がなかったことなどから、道議会、有識者会議の指摘を受けて再作成したというケースもあったというふうに聞いているのですけれども、公文書は道民の共有財産であってですね、後世の人たちが意思決定の適否を正しく検証したり、評価するために不可欠なものですけれども、道でこうした公文書に関する不備というか、取り扱いを巡る問題が続いてしまうというのは、何か意識的なものがあるのか、どういうふうに考えていますでしょうか。
(知事)
これは、今ご質問のあったとおりでありまして、やはり公文書の管理に関する規則があるわけです。また文書管理規程等の関係の規定があるわけですから、それに基づいて適切に対応していかなければいけません。こういった事態がございましたので、その適切な作成について、あらためて職員に周知をしたところでございます。職員にはですね、しっかりと各種の規定に基づいて適切に対応していかなければならないと考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)