知事定例記者会見
- 日時/令和5年7月28日(金)14:41~15:29
- 場所/記者会見室
- 記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 北方領土返還要求運動強調月間(8月)の取組について
- 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録2周年について
- 「北海道ゼロチャレ!家計簿」について
- 「北海道動物愛護センター」の愛称募集について
記者からの質問
- 「北海道ゼロチャレ!家計簿」について (1)
- 「北海道ゼロチャレ!家計簿」について (2)
- 新型コロナウイルス感染症について
- 持続的な鉄道網の確立に向けた知事と沿線首長との意見交換会について(1)
- JR函館線 函館-長万部間に係る情報連絡会について
- 蘭越町における蒸気噴出等への対応について
- ビッグモーター社の保険金不正請求問題について
- 持続的な鉄道網の確立に向けた知事と沿線首長との意見交換会について(2)
- ALPS処理水の海洋放出について
- 持続的な鉄道網の確立に向けた知事と沿線首長との意見交換会について(3)
知事からの話題
北方領土返還要求運動強調月間(8月)の取組について
私から冒頭四点お話しさせていただきます。
まず一点目でございます。北方領土返還要求運動強調月間についてのお話であります。
昭和20年8月に旧ソ連軍が北方四島の占拠を開始したことから、毎年8月を北方領土返還要求運動の強調月間とし、全国で返還要求運動を積極的に展開することにしています。日露関係は依然として厳しい状況が続いているわけでありますが、こうした情勢にあるからこそ、北方領土問題の解決に向けた国民世論の喚起が何より重要であると考えています。道では、市町村や関係団体などと連携して、幅広い啓発活動を集中的に行っていきます。主な行事といたしましては、8月25日に「北方領土返還要求 北海道・東北国民大会」を開催いたします。25日の当日、国民大会の開催に先立ち、道庁から大通公園まで領土返還をアピールする街頭行進を行います。加えて、新たな取り組みとしては、メタバース(仮想空間)を利用した北方領土の語り部の講話を実施いたします。このほか、返還要求運動に取り組む北方領土サポーターと根室管内の高校生がJR札幌駅で啓発を行います。このほか、皆さまにお配りしたお手持ちの資料のとおり、期間中、領土問題の解決に向けまして、さまざまな取り組みを通じて積極的に発信をしていきます。
また、8月28日から9月30日まで実施されます洋上慰霊についてでありますが、私もぜひ、元島民の皆さまと共に参加して、哀悼の意を捧げたいと考えています。現在、そのスケジュールについては調整を進めているところです。
道民の皆さまに北方領土返還要求運動にご理解とご協力をいただくために、報道機関の皆さまにおかれましても、毎年、この期間中の行事等についてさまざまご取材いただいていますが、引き続き積極的な取り扱いをお願いいたします。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録2周年について
二点目でございます。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、北海道初のユネスコの世界文化遺産となりまして、昨日27日で2周年を迎えました。登録の実現に向けまして、一丸となって取り組んだ皆さまと喜びを共にしたこの思い、2年前ですね、思い出して非常に感慨深いものがあります。
今年は、登録2周年を記念いたしまして、10月1日までの期間、北海道博物館において「北の縄文世界と国宝展」を開催しております。私も昨日、観覧してまいりましたが、見どころである道内外の国宝8件、28点のほかに、国の指定重要文化財38点を含む約480点が展示されています。北海道では過去最大の規模で開催されているものになります。また、今回初めて、縄文世界文化遺産を構成する17の遺跡の出土品が一堂に展示されているということで、これは初のことですから、(観覧するには)またとない機会であります。1万年に及ぶ歴史を感じられる内容になっています。一度では学び尽くせない(内容で)、私も15分ぐらいしかいられなかったので、また行きたいなと思っているのですが、ぜひ皆さんも、貴重な機会なので、何度も足を運んでいただけたら嬉しいなと思っていますし、魅力あふれる展示会になっていますので、ぜひ多くの皆さんに足を運んでいただければなと思います。
さらに来月20日でございます。ホテルエミシア札幌におきまして、芸能界きっての縄文通である俳優の井浦新氏をお招きいたしまして、シンポジウムを開催いたします。講演やトークセッションが行われる予定になっています。また、明日29日から8月3日までの6日間、紀伊國屋書店札幌本店におきまして、パネルや土器などの展示会を開催いたしますほか、世界文化遺産の構成資産が所在する振興局におきまして、パネル展、遺跡見学ツアー、高校生PRキャラバンなど、取り組んでおります。
今後も、縄文遺跡群の価値と魅力を効果的に発信いたしまして、縄文文化が地域の誇りとなり、一層輝きを増していくように、「自然とともに暮らした縄文1万年の物語」を、道民の皆さまにしっかりとお伝えすべく、取り組みを進めていきます。
登録2周年を迎えた「北海道・北東北の縄文遺跡群」に、ぜひ多くの皆さまに足を運んでいただければと思います。引き続き、皆さまにもご協力をお願いいたします。
「北海道ゼロチャレ!家計簿」について
次に三点目です。「北海道ゼロチャレ!家計簿」についてです。
北海道は冬期間の暖房などの影響で、1人当たりの温室効果ガス排出量が全国平均の約1.3倍と、高い状況にあります。家庭からのCO2排出量が、北海道全体の23%を占めているという状況にあります。このため、各家庭での排出量の削減に向けて、家庭のCO2排出量を可視化できるアプリ「北海道ゼロチャレ!家計簿」を、本日から公開を始めさせていただきました。
このアプリは、毎月の電気、ガス、ガソリンなどの使用量と料金を入力していただきますと、排出量の前年や同月比の増減、類似世帯との比較や、市町村別の削減状況などがわかるものになっています。また、道や市町村において、脱炭素施策の効果の把握や、新たな対策の基礎データとして活用できると考えています。簡単な入力で排出量を把握できることから、多くの皆さんにご利用していただいて、排出量の削減に取り組んでいただきたいと考えています。
このため、まず道職員の皆さん、そして脱炭素先行地域に選定されております札幌市などの5市町の職員の皆さんに、ご協力いただくことになっています。これとともに、市町村や企業の皆さまを通じて周知して、参加者の拡大を図っていく「北海道ゼロチャレ!家計簿」サポーター制度を設けました。多くの企業、団体などの皆さんにご参加いただいて、この取り組みの輪を広げていきたいと考えています。報道各社の皆さまにも、ご参加と道民の皆さまへの呼び掛けについて、ご協力いただければと思います。
「北海道動物愛護センター」の愛称募集について
最後四点目です。
北海道では、行き場のない犬や猫を、新しい飼い主の元につないでいく動物愛護管理センターについて、北海道が唯一なかったのですけれども、令和6年度までに道内4カ所で順次開設することとしています。本年4月から、道央地区と道東地区において、犬猫の引き取りや譲渡などの業務を開始しています。また、今年度中に、道内全体のセンター運営の総合調整を担う基幹センターといたしまして、酪農学園大学のご協力を得まして、大学の敷地内に道直営の施設を整備することとしています。
この基幹センターの整備を契機にいたしまして、動物との触れ合いの場として、道民の皆さまに愛着を持ってご利用していただけるように、「北海道動物愛護センター」の愛称を募集することといたしました。募集期間は8月1日火曜日から31日木曜日までであります。専用のウェブサイト、または郵送で受け付けさせていただきます。愛称については、外部委員で構成する選考会議を経て、10月までに決定して、発表したいと思っています。愛称を考案していただいた方につきましては、後日、表彰式を行わせていただきます。表彰状と副賞を贈呈させていただくことを考えていますので、ぜひ皆さんに応募いただきたいと思います。また、愛称を募集するのですけれども、今後、この愛称にふさわしいシンボルマークを作ろうということも予定していますので、これはあらためて、またお知らせします。
このたびの基幹センターの整備や愛称募集を契機として、道民の皆さまにセンターについてまず知っていただくとともに、動物愛護の意識の向上を図りながら、人と動物が共生する社会の実現を目指していきたいと考えていますので、道民の皆さま、多くの皆さんですね、積極的に応募いただければと思います。報道の皆さまにもご協力いただければと思います。
私からは以上です。
記者からの質問
(読売新聞)
「ゼロチャレ!家計簿」の関係なのですが、先ほど担当課からレクいただいたところではあるのですが、あらためて知事にもお聞きしたいのですが、こちらの、先ほど言った効果とか、政策とかに役立てていきたいとか、そもそも北海道全体でゼロカーボンを目指していくためには、できるだけ多くのご家庭の方にご協力いただく必要があると思うのですが、そのために考えていること、例えば、何かしらそういう(CO2を)減らした人たちにポイントを付けるとか、インセンティブを付けるとか、どういうふうに呼び掛けていくのか、一般家庭の普及の方法について、知事のほうで考えていることがあれば教えてください。
(知事)
まず、各ご家庭の状況が、なかなか把握できていない状況が今あるわけですね。ゼロカーボン(シティ)を宣言していただいているのは、(道内)179市町村ある中で、134市町村が宣言していただいています。そういった状況の中で、いろいろ政策の効果だとか状況を把握する上で、それぞれの市町村が、いろいろなものを導入していくということも、それは一つの方法なのですけれども、みんなで使えるこのアプリをですね、これは国の予算で作っていただいているわけですけれども、国と一緒になって作っていますので、これをご活用いただいて、まず、全ての市民の方とか、道民の方にこれをご利用いただくということは、いきなりそういうことにならないわけですけれど、道庁の場合だったら、道の職員だとか、札幌市役所でいったら札幌市の職員の皆さまとか、そういうところにご協力いただいて、脱炭素施策の効果の把握だとか、今後どうしていこうかなということにも、まず活用できると思っています。まず、みんな一緒にやっていきましょうということで、(脱炭素)先行地域とか市町村からもそういうお話になっているので、まずこれをしっかりやっていきたいなと思っています。
その上で、道民の皆さんにもぜひ、自分のご家庭がどうなっているのか把握していただきたいと思いますので、ぜひ皆さんにもご利用いただきたいと思っています。その上で、さらに利用拡大していくだとか、継続していくと考えると、みんなちょっと楽しみながらやっていくという要素が、やはり必要だと思うのですよね。「えこ之助」という(省エネ対策をPRする)キャラクターがいるのですけれど、その「えこ之助」が、いろいろ(画面に)入力とかすると出てきて、ちょっと楽しいなというのがあるのですけれど、ただやはりポイントとか、今ご質問にありましたけれども、そういうものがあると、余計参加する人が増えるのではないかということなども、事業者との連携なども含めて検討しながら、このアプリ自体はもうできたので、これをカスタマイズしていく。市町村ごとにもいろいろな声が出てくると思いますし、そういうことも踏まえながら、活用していければなと思っています。
「ゼロカーボン北海道」を北海道がやっていますよということもあって、環境省のほうでこのアプリを作ってもらって、北海道がライセンスを使わせてもらっているという状況なので、うまく使えそうだなということであれば、全国的にこれをまた加工して使っていくということも、環境省としては、そういうことを見据えた取り組みだということでありますので、いろいろ試行錯誤しながらでありますけれども、やっていければなと思っています。
(読売新聞)
ちなみにご参考でお聞きしたいのですが、家庭でできるだけ(CO2)排出を減らしていくということで、何か知事がご自身でやられてきたこととか、やられていることとかありますか。
(知事)
そうですね、私はほとんど家にいないですからね。そういう意味では、相当な節電効果になっているのかもしれませんけれども、やはり小さな積み重ねというのは、各ご家庭でやっていらっしゃると思うのですよ。不要な電気を消したりだとか、今、暑くなっていますから、どうしてもクーラーとかで涼しくしたいということで、寒いというくらい、ちょっとなにか羽織らなければなというぐらい部屋を冷やしてしまうとか、それはかえって体調にも悪いですし、適切な温度ですね。一方で今、節電、節電という中で、特に本州などでは、高齢者の方が、なかなか暑さの実感がない中で、クーラーを止めて熱中症になって緊急搬送されるような事態もありますので、適切なありようを、皆さんにしていただかなければならないと思っているのですが、そういった取り組みを電気料金として個別に家計簿で控えている方はいらっしゃると思うのですけれども、いろいろな取り組みが数値として可視化されて、継続的にモニタリングできるというものを、こちらで今回提供するので、ぜひ、今取り組んでいるものを可視化するという意味でも、使っていただけたら嬉しいなと思っています。そして自分の取り組みと、市町村全体の取り組みも見られるようになっているので、まだまだ参加者は少ないですけれども、そういうのも見ながら、できれば楽しみながら参加してくれたら嬉しいなと思います。
(北海道新聞)
「北海道ゼロチャレ!家計簿」についてお尋ねしたいと思います。今のお話の中で、これから参加者の方を増やしていきたい、取り組んでいきたいとお話がありましたけれども、具体的に、今後1年間だとかですね、どれぐらいの方に、何万人の方に参加していただきたいとかいう、目標みたいなものがございましたら教えていただきたいと思います。
(知事)
まず、先ほど申し上げたように、多くの方にご利用いただきたいというのは、当然あるのですけれども、まずは今、政策を実行して、また検討している市町村の皆さんと協力して、まずは職員の皆さんにもご協力いただきながら、政策効果把握などの基礎データとして活用する。これは、みんなでやっていきましょうねということで、協力いただける市町村が今、増えていますから、これは何カ所ぐらいですか、今。
(地球温暖化対策担当局長)
41カ所です。
(知事)
41カ所(の市町村が)出てきているということなので、例えばゼロカーボンシティ宣言をしているのが134(市町村)ですから、そういうところにもご協力いただきながら、職員の皆さんにもご協力いただきながらやっていく。当然、それでも一定の基礎データにはなると思うのですけれども、それとは別に、やはり先ほど言ったように、皆さんも自分たちでやっている取り組みがどうなっているのかなということを可視化する上でも有効なツールだと思うので、そこは広く皆さんにご利用いただければなと思っています。まずは、脱炭素先行地域でいうと大都市札幌市も入っているので、札幌市役所も結構な数いるのですけれども、役所で言うと道庁がやはり結構な職員数いますし、また道庁の場合は振興局もありますから、14振興局にも協力いただきながら、まずはそこをやった上で、道民の皆さんの反応なども見ながら、どれくらい導入いただけるかなということも検討していくべきと思っています。
(北海道新聞)
ちなみに知事ご自身は、ご家庭でこのアプリをご利用するお考え、予定はありますか。
(知事)
これはマスコミの皆さんに事前にお知らせしていたわけではなかったのでしたか。今日リリースする前に、私はもう既にアプリを入れたのですけれども、LPガスとかいろいろ項目があるのですけれど、私の場合、入力する項目がすごい少ないのですが、インストールして、ちょっとやってみようかなというふうに思っています。
(北海道新聞)
私がお伺いしたいのはコロナのことでございまして、昨日発表がありまして、1定点当たりの患者数が8.9人でした。4週連続の増加となっています。これから夏休みが本格化しまして、人の移動が増えることに伴い、さらにお盆期間中は医療機関が休みになることがあります。医療逼迫も懸念されると思うのですが、道として、夏休み中の感染拡大を防ぐために、何か道民に注意を呼び掛けるなど行う対策などはございますでしょうか。
(知事)
今ご質問にありましたけれども、全国的には、5類移行後、増加傾向であります。北海道においても、第29週、7月17日から23日の定点当たりの報告数で、今ご質問のあった8.92人となっていまして、前週と比べると0.31増加という状況です。全国的なトレンドと比較すると、そこよりはやや緩やかな増加の状況ということであります。
このコロナのことだけではなくて、道内においては、ヘルパンギーナ、RSウイルス(感染症)といった、いわゆる小児の夏風邪の流行が続いてます。これは感染症全般に言えることでありますけれども、ぜひ道民の皆さまには、手洗いなどの手指消毒や換気などの基本的な感染防止対策に取り組んでいただきたいと思います。
また、自身が体調不良を感じているときは、無理をしないでいただいて、体調の管理には十分に気をつけていただきたいと思っています。道としては引き続き、地域の医療機関の実情や集団感染の状況などにも注意しつつ、道民の皆さまに対しては的確な呼びかけを行っていくなど、感染の拡大防止に向けたさまざまな取り組みについて、進めていきたいと考えています。
(日本経済新聞)
本日午前中にありました、JRの黄色線区沿線の自治体の首長さんとの会議に関連してお伺いしたいと思います。今日ですね、各自治体の方々が、それぞれの路線の実情と要望をですね、あったかと思うのですけれども、知事の受け止めとして、今後、黄色線区問題にどのように道として関わっていくとか、特に、国からの監督命令では数値指標も踏まえて、抜本的な改善方策というふうなものも盛り込まれていますが、道として、8区間全ての存続を求めていくのか、要望を求めていくときにどういうふうにしていくのかですね、知事の現在のお考えを伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
今日は、マスコミの皆さまにもフルオープンでご覧いただきましたけれども、黄線区の沿線首長の皆さまから、それぞれお話をお伺いいたしました。広大な北海道において、本道の鉄道は道民の暮らしに欠くことができないものであります。また、観光、物流など、地域においてさまざまな活用がなされております。あらためてですね、各路線ごとに、それぞれ異なる役割を担っていると感じました。また、各線区の特徴を踏まえ、利用促進に熱心に取り組んでいただいていることなど、直接お伺いいたしました。それぞれの線区の可能性についても再認識いたしました。
今年度実施される総括的な検証について、アクションプランに掲げる線区別収支や輸送密度といった、今ご質問にもありましたけれども、単なる数値指標の達成状況のみで評価されることなく、本日、皆さんからご意見があったように、まずは、長期に及んだコロナ禍の影響によって、利用促進などの取り組みが十分実施できていないという状況の中で、われわれ地域関係者が、可能な限り取り組みを行ってきたということや、今年度、各線区において実施している実証事業の取り組み状況も、これは既にやっているものと、これからやるものなどもあるのですけれども、こういうものを踏まえていただく必要があると考えています。また同時に、コロナ禍の影響については、これも首長の方からもご意見があったわけですけれども、監督命令発出時に想定されていなかった事情であります。国やJRに対しては、こうした事情を十分に考慮していただくように伝えていかなければならないことも、本日ご出席いただいた皆さまからも寄せられた思いであり、私もそう考えています。
私としては、今回の意見交換を踏まえて、あらためて持続的な鉄道網の確立に向けては、JRの徹底した経営努力を前提として、国の実効ある支援とともに、地域としても可能な限りの協力、支援が必要であるという認識の下で、地域の関係者による利用促進等の取り組みを継続していく必要があると考えています。沿線地域とさらに連携を密にしながら、利用促進の取り組みを着実に進めつつ、令和6年度以降の国による支援継続に向けて、しっかり協議に向かっていきたいと思っています。
(日本経済新聞)
今、知事もおっしゃっていた、北海道の、道民の暮らしに欠くことができないというのは、すなわちこの8区間、八つある黄色線区は全て存続されるべきであるというふうに、そういうふうにお考えであると理解していいのでしょうか。
(知事)
(路線ごとに)それぞれ異なる役割を担っていること、そして鉄道全般において言えることですが、道民の暮らしに欠くことができないものであること、また、観光や物流など、地域においてさまざまな活用がなされているという認識の下で、意見交換においても、さらにその再認識をしたところです。そういう考えの下で協議していくということになります。
(日本経済新聞)
最終的にこれを存続要望していくということになればですね、国からの実効的な支援と地域の協力とおっしゃっていましたが、地域としての協力というのは、国とともに、例えば、北海道が路線を維持するためのある程度、費用分担をするというようなお考えはあるのか、いやそうではなく、基本的には国がお金を全て出していくべきだというふうにお考えなのか、費用負担の考えはいかがでしょうか。
(知事)
今、利用促進にあって、道は、沿線自治体の皆さまにもご協力いただきながら、地域としてできる限りの協力、支援が必要との認識の下で、取り組みを進めているところであります。そういった取り組みの状況も踏まえながら、今回の協議に向き合っていきたいと思います。その後の取り扱いについては、まさに今後の議論になってくるだろうというふうには考えています。
(朝日新聞)
並行在来線の函館線のですね、函館-長万部間について、先日、実務者による4者協議の会合があって、今後の存続、存廃については、年内に発足する有識者会議に委ねるということになりました。この有識者会議の議論に、知事として期待するものはどのようなものがありますでしょうか。
(知事)
これは先日の会見などでも、記者の方からご質問いただいた件でありますけれども、まずは、前回のご質問に答えるような話にもなってしまうのですが、農業団体の皆さまなどから、議論の内容について明らかにすべきではないかという声、これはマスコミの皆さんからも同じ声をいただいておりました。私としては、そういった検討状況を皆さまに適宜お知らせすることが必要だということで、私が言うだけではなくて、これは4者(協議)ですから、(ほかの3者の)皆さんが一定程度、理解していただかなければいけないということなのですけれども、(7月)26日の会議終了後に、取りまとめ結果については、報道機関の皆さまに資料という形で配付させていただいて、内容についてのご説明をさせていただいたところです。また、この資料について、これは報道の皆さんにお配りして、記事も書いていただいたのですが、一般の方がご覧いただける状況になっていないので、ホームページに掲載をしてほしいということで、国にもお願いをして、この後、この会見の後ですかね、道民の皆さまにお知らせいただけるということであります。ぜひ、そういった議論が行われているということは、北海道だけではなくて、皆さんに知っていただければと思います。
内容についてですが、国、道、JR貨物、JR北海道の4者の実務者レベルにおける情報連絡会において、確認した論点整理において貨物鉄道機能を確保する方向性が妥当ではないかという点については、この4者に異論がなかったという状況であります。異論はなかったものの、その場合、解決すべき課題が多岐にわたるため、最終的な結論を得るためには、課題の解決について、一定のめどを立てる必要があるという報告を受けました。
道としては、今回の取りまとめた論点を踏まえて、さまざまな関係者からのご意見をお伺いするとともに、有識者を入れた検討会議において議論をいただくなど、引き続き、国などとしっかりと連携を図りながら、この課題の解決に向けて、検討を進めていきたいと考えています。
(朝日新聞)
その場合、第3セクターとして将来存続させるというのも一つの選択肢、有力な選択肢だと思うのですが、北海道は負担するお考えは、先ほどのちょっとローカル線で負担の話ばかりしていて恐縮なのですけれど、負担についてのお考えを、改めてお聞きしたいのですが。
(知事)
ちょっと繰り返しで申し訳ないのですけれど、4者の実務者レベルでその(論点)整理を行っていこうということで、今申し上げたように、今回、貨物鉄道機能を確保する方向性が妥当だということについては、まずこれは異論ありませんでした。ですので、これを4者で共有した上で、ただ今ご質問のあったような解決しなければいけない、さまざまな課題がありますので、費用負担ですとか、例えば、線路の保有主体はどうするのだとか、そういった課題については、引き続き関係者、そして有識者(による議論)ですね。今までは、実務者レベルだけでやってきましたけれども、有識者などの意見も伺いながら、検討を進めていきたいと考えています。
(NHK)
蘭越町の水蒸気の噴出からですね、明日で1カ月になるのですけれども、会社側が来月水蒸気を止めたいと、ある一定程度のめどは発表していますが、今のところまだ1ヶ月たっても止まっていない状況です。あらためて知事のこの件に関する受け止めをお願いいたします。
(知事)
まもなく1カ月経過ということがあるわけですけれども、6月29日、蒸気の噴出が発生いたしました。道では、噴出の翌日30日になりますけれども、可燃性天然ガスの濃度測定などを行うことや、その結果を報告するように(事業者に)指導いたしました。7月4日になりまして、河川からのヒ素の検出を受けて、翌5日に噴出物の流入防止対策の状況を報告するように指導いたしました。また7月8日には、本庁から(道職員が)現地に赴いて、この汚染水を敷地外に流出させないよう指導を行いました。
こうした指導を受けて、事業者では、ヒ素を含む水の流出対策として、7月17日にはパイプラインの敷設により敷地外への流出を抑制したところであります。現在、水蒸気噴出の抜本的解決として、この噴出抑制策を8月の下旬をめどにやっていくということでありましたが、できるだけ前倒しをしてほしいと(事業者に)要請する中で、8月中旬への前倒しを目指すべく準備を進めているところです。
また、7月23日までに19名の方が健康被害を訴えています。現在、そうした情報が公表されていますけれども、これは繰り返し、私はこの場で申し上げていますが、初動の段階においては、事業者はこの情報の共有について対応の誤りがあったと考えています。
そうした中、私から、関係者で情報共有する連絡会議を設置してほしいということを要請し、現在まで2回開催いただいています。直近の開催にあっては、今週25日に開催されたところです。第2回の会議においては、引き続き蒸気の噴出抑制について、先ほど申し上げた8月中旬に前倒しを目指すべく準備を進めていることの報告、ヒ素を含む水の流出防止策として、パイプラインの増設やピット、ため池のかさ上げといった、今後の汚水量増加も想定した設備の拡充を進めることなどの報告がありました。この間、道をはじめとする関係機関から行政、専門家の意見などを踏まえつつ、着実に対策は進められていると受け止めています。
なお、今後は風評被害防止に向けたPRなどが重要ということになりますので、次回以降、この会議の議題としていくことも、25日には確認されました。また、この記者会見の場で、この会議のやりとりをマスコミの方が把握できないという状況が(質問でも)ございましたので、25日については、前回行われた内容についても、皆さんと共有したと報告を受けておりますし、また、25日に開催された内容についても共有すると報告を受けています。マスコミの皆さまをはじめ関心を持っている方に、今後もしっかり情報提供をしていただきたいと思います。
道としては、必要な助言を今後とも行い、連絡会議にも参画をして、関係機関と連携して、早急にこの問題の解決に向けて取り組んでいきたいと考えています。
(NHK)
繰り返しにはなるのですけれども、風評被害の件について、今、農家さんの中で実際にですね、出荷を停止せざるを得ない状況になっている方もいらっしゃるという話を聞いています。蘭越町のほうでそういった実態は調査しているとは思うのですけれども、今後、道が行っていく対策だったりとか取り組み、もう少し具体的にお伺いできればと。
(知事)
道のほうでも、(後志総合)振興局におきまして、正しい理解(促進)を図るための情報発信を始めているところであります。そういったお声は強いです。25日においても、その点については宿題で、実はその前から町からも、この会議において話があったものでありますので、25日にそこ(風評被害防止)は具体的なものが示されない状況もありましたので、これは毎回火曜日にやろうとなっていますので、次の火曜日にぜひ提示をいただきたいということになっています。道としても当然、必要なことを今後もしっかり情報発信して、蘭越町に寄り添った対応をしていきたいと思います。
(NHK)
最後に全国的にちょっと問題になっているビッグモーターの件なのですけれども、保険金の不正請求問題だったりとか、今注目されていて、北海道札幌市でも今日、国交省が全国的に立ち入り調査していると思うのですけれども、道内でもこうした検査が行われることになったことへの受け止め、あと、街路樹、札幌市が今具体的にやりとりしてはいるのですけれども、そういった事案がですね、北海道でもあることに対する知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
ビッグモーター社の保険金不正請求問題に関して、国土交通省が本日、道路運送車両法に基づく抜き打ちの緊急の立ち入り検査を行うということで、同社34店舗に一斉での開始ということで、報道がなされたところであります。道内においても、この立ち入り検査が行われています。
また、同社の店舗前の街路樹や植え込みが枯れていることについて、全国の地方整備局や自治体において調査をするということになりました。この点については、国道や市道に該当があるという報告なども受けています。道が所管する点について早急に確認するように言ったのですけれども、そういった該当店舗がないということでありました。該当がないということを確認したところであります。
本件については、監督官庁である国土交通省の検査等の状況をしっかり注視していく必要があるというふうに思っています。道民の皆さまも、今回の報道などで、ご自身の車両の修理などの疑問点などがあればですね、市町村の相談窓口にご相談をいただくなどの適切な対応をお願いできたらと思っています。今後も、国土交通省における検査等の状況について、注視していく必要があると考えています。
(毎日新聞)
午前中の鉄道網の会議の関連で、コロナ禍について十分に国とJRのほうに配慮していただきたいというところなのですけれども、これは総括的検証を今年度中に行う上で、十分コロナ禍を考慮した上で出すべきというふうにお考えなのか、それとも、総括的検証自体を来年度とか再来年度とか、観光とかの回復状況を見た上で出すべきとお考えなのか、どちらになるのでしょうか。
(知事)
総括的な検証自体は(今年度中に)行うスケジュールになっているわけですから、ここは行うのだろうというふうに思っていますが、その上で、やはりこれ(コロナ禍)は監督命令発出時に想定されていなかったわけですから、この事情を、やはり国やJRに対しては、十分に考慮していただくということを、われわれがしっかり伝えた上で、これをやっていただかなければならない。基本的には、国とJR北海道の間で行われてしまいますので、私たち北海道、そして沿線自治体としては、これは十分に考慮するようにということを、われわれが一体的にお話ししていかないと、十分な考慮になるかどうかということもありますので、今回、意見交換させていただく中でも、一致した声だと思っていますので、しっかりその懸念をお伝えしたいと思います。
(毎日新聞)
総括的検証の扱いがどうなるかについてはちょっとあれなのですが、なんというか、総括的検証自体は出てくるとは思うのですけれども、そこはコロナ禍に影響があるものだというのを十分配慮してほしいということを、国とJR北海道に伝えるということですか。
(知事)
この監督命令発出は、JR北海道に対して国がやっていますので、それ(総括的検証)を上げていく(まとめていく)わけですよね。ですから、われわれ沿線自治体としても、さまざまな努力をしてきました。また、コロナの影響は誰が見てもあるではないですか。ですから、そういったものを十分考慮するようにということを、やはりみんな一致して、今回、意見も出たわけですから、これは国もJRも、しっかりそれを踏まえなければいけないと私は思っていますし、それをしっかり知事としても言っていくということです。
(HTB)
福島第一原発のALPS処理水に関することでお伺いします。IAEA(国際原子力機関)が安全性を確認した中で、中国などが輸入に関して規制を強化する動きがあるのですけれども、それに対して道内からも懸念の声が上がっています。知事としてのその動きの受け止めと対応についてお伺いします。
(知事)
これは以前の会見でもご質問が出ました。そして、懸念の声が実際あるのですよということも、この場で申し上げたところです。また直近の数字が出てきたので、皆さんと共有させていただきたいと思うのですけれども、本日、財務省のほうから6月までの貿易統計が公表されました。それによりますと、道産水産物の輸出実績は、中国に対するものでありますけれども、(1月~6月の前年同期比で)数量については92.9パーセント、金額は114.3パーセントであります。前回、皆さまにお話ししたのは、5月が、(1月~5月の前年同期比で)数量は92.5パーセント、金額は113.8パーセントでした。ですので、数量、金額ともに、5月までと比べますと、ほぼ同じというか、若干増えているという状況であります。ですので、6月までの状況、本日公表されたもので見ると、大きな(減少)傾向は見られない状況があります。このような状況の中で、ALPS処理水の海洋放出計画に関して、水産関係者の方々から、中国による輸入水産物の検査強化により、時間がかかっているということ。特に活水産物、生の水産物の輸出を見合わせることなどの懸念の声が寄せられています。道としては、7月以降の輸出状況についてもしっかり把握して、国や水産関係者から情報収集をやっていきます。今もやっていますし、これからもやっていくのですけれども、それと、全国知事会。これは北海道だけではなくて、水産物を輸出している他県などとも連携して、国への要請、必要な対応をしていきたいと考えています。
(北海道新聞)
先ほどから出ています、午前中にありました意見交換会の関係だったのですけれども、知事から先ほどからおっしゃっていますし、意見交換会でもありましたけれども、総括的検証ですとかそういったことをやるときには、コロナ禍の影響をしっかりと考慮してもらうように、国とJR(北海道)に求めていくということだったのですけれども、総括的な検証をしてですね、抜本的な改善方策を示すというのが本年度中のスケジュール感で、今、知事はそれは行われるだろうというふうにおっしゃったのですけれども、かなり、つまりイレギュラーな状況でですね、事業の総括的な検証を行って、今後の将来的な枠組みを決めるとですね、抜本的な改善方策というのが、果たして示されて意味があるのかなというのをちょっと疑問に思っていまして。かつ、スケジュール的にもですね、本年度、あと半年ちょっとしかないわけですけれども、先ほど知事、やりとりの中でもおっしゃっていますけれど、負担の議論についても、先ほどお答えしなかったように、現実問題、負担の議論も深まっていないわけで、本年度中というスケジュール感で本当に妥当なのかどうか、これを遅らせるような形で働き掛ける考えというのはないのかというのを確認させてください。
(知事)
まずは総括的検証を行うということで、これまでわれわれとしても、さまざま取り組みをしてきたところもありますので、そこを国としてどう分析されるのか。JRとしても、国とこれから(検証を)やっていくわけですから、その中で、われわれとしては、先ほどから申し上げていますけれど、やはりコロナの影響というのはあるものですから、そこは十分に考慮すべきだということをはじめとして、さまざま言いたいことがありますので、そういったものをまずは伝えていく。その上で、この検証自体は監督命令があるわけですから、JR北海道と国において行われるということなのだと思っていますので、そこはまずわれわれとして言うべきことをしっかり言っていく。その上で、国としてそれをどう受け止めるのか。JRとの検証にあっても、われわれの声をどう受け止めていただけるのかということを、まずしっかりやっていく。これが大事だと思います。その結果としてまた、若干時間が要るよねとか、そういう話はさまざまあるのでしょうが、いきなり何か予定を変えていくとか、そういうことではないのではないかなと思っています。これは国にも聞いてもらえればいいのではないかなと思いますけれど。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)