知事定例記者会見(令和5年5月17日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年5月17日(水)17:30~18:16
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/20名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和5年第1回北海道議会臨時会補正予算について

記者からの質問

  1. 価格高騰等経済対策について
  2. 江差高等看護学院について(1)
  3. 新型コロナウイルス感染症について
  4. 北電の電気料金値上げについて
  5. JR北海道の路線維持について
  6. ヒグマ対策について
  7. 江差高等看護学院について(2)
  8. 農畜産物の価格転嫁について
  9. 函館駅への新幹線乗り入れについて
  10. 次世代半導体について
  11. 副知事人事について
  12. 道議会との関係について

知事からの話題

令和5年第1回北海道議会臨時会補正予算について

 私から一点お話しさせていただきます。
 5月11日から始まった令和5年第1回臨時会が本日、終了いたしました。このたびの議会は、議長、副議長の選出や各委員会の委員の選任などが行われました。道議会の新しい体制が定まるとともに、私から提案させていただいた人事案件などについても、ご同意いただいたところであります。新たな体制の下で、さまざまな道政上の課題に関して、引き続き、議員の皆さまと真摯な議論を積み重ねてまいりたいと考えています。
 議会でも議決いただいたわけですけれども、「価格高騰等経済対策」についてご説明させていただきたいと思います。道では昨年度、「コロナ禍における価格高騰等緊急経済対策」に取り組んできたわけでありますが、コロナは5月に(感染症法上の)2類相当から5類に移行するということで、節目を迎えたわけでありますが、依然としてエネルギーや食料品などの価格高騰が長期化しております。道民の皆さまの生活や、事業者の方々の経営環境は今後も厳しさが続くことが懸念されます。国では本年3月に、「物価高克服に向けた追加策」が決定されたところであります。その趣旨を踏まえながら、道民の皆さまの生活や、本道経済への影響緩和に向けて、今年度、新たに「価格高騰等経済対策」を策定いたしました。本日の臨時会で議決いただいた補正予算額は233億円であります。今年度に事業を実施する既決予算も含めた対策の規模の総額でありますが、総額は538億7000万円となります。
 その主な事業についてご紹介させていただきます。まず、暮らしへの支援についてであります。物価高騰の影響を受け、より一層生活が苦しくなっている低所得者世帯や子育て世帯への支援に要する経費を計上いたしました。低所得者世帯への支援といたしましては、住民税均等割のみの課税世帯を対象に、1世帯当たり1万2000円を支給いたします。
また、道立高校や特別支援学校、私立の幼稚園や小学校、特別支援学校、政令市と中核市を除く保育所などを対象に、給食の原材料費などを支援いたします。
 次にエネルギー価格への支援についてであります。国の支援の対象とならないLPガスや特別高圧電力の利用者への支援に要する経費を計上いたしました。LPガスは、販売事業者を通じ、利用者に対して1契約当たり2000円を支援いたします。特別高圧電力は、中小企業等に対して、キロワットアワー(1時間あたりの消費電力)当たり、本年1月分から8月分は3.5円、9月分は1.8円を支援いたします。
 次に酪農、畜産業への支援についてであります。飼料価格等の高騰の影響を受けている酪農、畜産業への支援に要する経費を計上しております。価格安定制度に加入している畜産農業者などを対象に、配合飼料1トン当たり600円を支給いたします。また、酪農家を対象に、経産牛の種付け料として1頭につき6800円を補助いたします。今回は、生産者の皆さまの声を踏まえ、これまで設けていた経産牛の生後要件を不要とし、対象を拡大いたしました。
 次に水産業、林業への支援についてであります。燃油価格等の高騰の影響を受けている漁業者や林業、木材産業事業者への支援に要する経費を計上いたしました。国の漁業経営セーフティーネット構築事業における漁業者の積立金相当額を支援することとし、燃油1キロリットル当たり1000円から8500円を支給いたします。また、省エネ機械等を導入する林業、木材産業事業者を対象に、経費の2分の1を補助いたします。
 次に中小企業への支援についてであります。省エネや人手不足などの課題に対応する経費を計上いたしました。省力化や省エネ設備を導入する宿泊事業者を対象に、500万円を上限とする経費の4分の3を補助いたします。また人手不足対策として、宿泊、飲食サービス、製造、建設などの業種への就労者に対して、奨励金10万円と航空運賃などの移動費として最大10万円、採用する道内企業に対して支援金10万円を支給いたします。
今年の冬場に実施した同様の事業においては、想定を上回る申請をいただきました。夏場にも事業を実施してまいります。
 最後に、地域交通、運送業への支援についてであります。物価高騰などの影響を受ける中、地域を支える交通、運送事業者の車両維持に要する経費を計上いたしました。地域公共交通事業者に対し、1台当たり、バスは4万円、タクシーは2万5000円、フェリーは600万円から1750万円を支給いたします。また運送事業者に対し、1台当たり、トラックは2万7000円、トレーラーは1万1000円を支給いたします。
 主な事業は以上でありますが、これらの施策をはじめ、本日議決いただきました追加策を速やかに実施し、道民の皆さまの暮らしの安心と本道経済の活性化につなげてまいります。
 私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 価格高騰対策についてなのですが、かなり幅広い分野での対策になっていると思うのですが、あらためて今回の対策のポイントと、多くの人に申請してもらう、利用してもらうために、どのように道として働き掛けていくのかというのと、関連して、同じく暮らしの支援とか酪農の支援につながるということで、先日始まったお米券、牛乳券の話なのですが、先ほど(北海道経済対策推進本部で)の話で、今9万世帯ほどの申し込みがあったということみたいなのですけれど、対象とするのは39万世帯ということで、もう少し周知というか、利用してもらうための周知が必要なのではないかと思うのですけれど、子育て世代、たぶん20代近くから幅広いと思うのですが、どのように周知、今後進めていくのかという知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 今回の経済対策についての考え方でありますけれども、昨年度、「コロナ禍における価格高騰等緊急経済対策」ということで取り組んできたわけでありますが、コロナの扱いについては、(感染症法上の)2類相当から5類へ移行するということで、節目を迎えたわけであります。一方で、依然としてエネルギーや食料品などの価格高騰は長期化しているところです。道民の皆さまの生活、事業者の方々の経営環境が厳しい(状況が)、今後も続くことの懸念がある中で、国における「物価高克服に向けた追加策」が決定され、その趣旨を踏まえた中で、道民の皆さまの生活、本道経済への影響緩和に向けた、新たな「価格高騰等経済対策」を策定いたしました。
 先ほどお話があった中で重複するかなと思うのですけれども、今後、迅速に、この内容についてお伝えし、しっかり周知を図りながら、皆さんに(その効果を)実感していただくために取り組みを進めていかなければなりません。先ほどの(北海道経済対策推進本部)会議においても、そのことについてはあらためて指示したところであります。
 今、先行して実施している「お米・牛乳子育て応援事業」については、質問にありましたけれども、5月16日現在の数字ですが、総申請受付数については約9万7000件となっています。内訳については、これは3種類あるのですけれども、商品券が47パーセント、電子クーポンが35パーセント、そしてお米の現物支給のセットが18パーセントということであります。この三つのタイプに分けて、皆さんに選択していただこうということでお示しした中で、皆さんに、この三つそれぞれをご選択いただいているのかなと思っています。
 マスコミの皆さまにもご協力いただいて、当初、道民の皆さまに呼び掛けましたが、10日の受付開始初日に(専用サイトへの)アクセスが集中しました。そのことによって、専用サイトにつながりにくいという状況が発生いたしまして、マスコミの皆さまにもご協力いただいて、そういう状況にあるということを道民の皆さんにお伝えしたのですけれども、その後、二度にわたるサーバーの増強を行いまして、現在につきましては、そういったトラブルはなく、安心して申請いただける状況にもなっていますので、そのこともあらためて、マスコミの皆さまや道民の皆さまにお知らせしたいと思います。
 今お話ししたように、既に対象の2割を超え、申請受付は9万7000件を超えていますけれども、今、35パーセントの方が電子クーポンを選んでいただいていますが、電子クーポンについては早ければ今週末に支給できるという予定としています。
 そして今後の発信については、引き続き、SNSと新聞広告などによる情報発信、そして保育所をはじめとした子育てに関連する施設、小中学校、高校を通じた対象の世帯への周知など、多くの皆さんにご申請いただけるように、さまざまな形で引き続き積極的に周知を行って、申請につなげていきたいと考えています。引き続き、報道の皆さまにもご協力いただければと思います。

(北海道新聞)
 私からは質問を大きく分けて二つございまして、一つが江差(高等看護学院)のパワハラ自殺問題で、もう一つがコロナの公表についてでございます。
 一つ目が、江差のパワハラ自殺問題についてなのですが、先日15日に道の局長が遺族に謝罪いたしまして、遺族の会見がございました。こちらを受けて知事の受け止めを聞かせてください。あと、知事がご遺族に実際、対面して、会って謝罪するご意向はあるのかも併せてお聞かせください。

(知事)
 まず、江差の件についてお話しさせていただきます。このたびの調査では、亡くなられた学生に対するハラスメントが複数確認されました。また、学生をふるい落とすような学院の教育方針、そして監督責任を有する道にも問題があるとされました。道として、この結果を大変重く受け止めているところであります。
 今後に向けてでありますが、ご遺族のご意向を踏まえまして、関係教員によります謝罪を行うことを考えております。また、ハラスメントに伴う法的な責任について検討するなど、引き続きご遺族に誠意を持って対応していきたいと考えています。なお、私の謝罪を含めた、受け止めというか内容については、ご遺族にその内容についてお伝えさせていただいたところであることも申し添えたいと思います。
 そして、学校教育法に基づく学校関係者評価会議の場を活用いたしまして、外部の視点からの評価もいただき、不断の見直しを行いながら、道立高看の適正な運営に取り組んでいきたいと考えています。そして、これらの取り組みと併せまして、関係教員の懲戒処分も検討いたします。

(北海道新聞)
 知事、謝罪を伝えたとのことですが、いつ伝えたのでしょうか。

(知事)
 第三者調査委員会終了後に、謝罪も含めました私のコメントについてお出ししています。これはマスコミの皆さまにもお配りさせていただいております。また、定例の記者会見におきましても、ご質問をいただいた中で、ご遺族に対するお詫びを申し上げたところでありますが、これらについては、ご遺族の方にしっかりお伝えさせていただいているところであります。

(北海道新聞)
 知事の謝罪のコメントというのは、紙か何かでご遺族に渡っているということなのですか。

(知事)
 内容も含めて、ご遺族にお伝えしております。

(北海道新聞)
 紙でということですか。

(知事)
 紙もお渡ししていますし、この会見でお話ししている内容などについても共有させていただいております。ご遺族のご意向を踏まえて、今後も誠意を持って対応していきたいと思います。

(北海道新聞)
 確認なのですが、知事が実際にご遺族と対面して謝るということは、今のところは考えていないということでしょうか。

(知事)
 ご遺族のご意向も踏まえた中で、今後も誠意を持って対応していきたいと思います。

(北海道新聞)
 二点目がコロナの感染者の公表についてなのですけれど、毎日の公表が終了になりまして、19日から指定医療機関から報告を受けた一週間分が公表されます。今、道と国に取材している中で、インフルであるような警報と注意報は出さないということだったのですが、感染拡大した場合に、警報、注意報などを道独自として出すお考えがあるかお聞ききしたいです。それで、他府県なのですけれども、福島県なのですが、こちら15日にですね、(福島県)知事が会見いたしまして、感染拡大が見られる場合は、独自の警報や注意報を出すというような報道がございます。道としては、独自の警報、注意報を出す考えがあるかお聞かせください。

(知事)
 まず、定点把握に移行した後においても、発生動向に応じて、外来ですとか、入院などの地域の医療提供体制の状況については、丁寧に確認していくということをまず基本として考えていますし、ゲノム解析による変異株の状況を監視していくことなども、市町村や関係団体とも連携を図りながら対応していきたいと考えています。
 そして国のほうは、5月19日に、定点(医療機関)の一週間分の内容を発信すると承知していますけれども、今、国との調整も道として行っていますけれども、道としても最初の公表に向けて今、準備を進めています。
 そういった状況の中で、他県において一部、ご質問のあったような内容が検討されていることも承知しております。そしてさらに、国のほうも、移行後に国民に向けてどのような注意喚起を行うのかということについて、現在、国も検討しているという状況であります。季節性インフルエンザの取り扱いと同様に、全国統一的な考えの下で、私自身は、対策を行っていくべきではないかと(思っています)。各都道府県がいろいろ独自なことをやるという考え方もあるのだと思いますが、感染症法上の整理をして、2類相当から5類になったわけですから、全国統一的な定点把握の方法も採用しているわけですから、どういった形になったときに注意喚起を行うのかということは、全国統一的な考えの下で行われるべきだと私は思っています。
 ですので、本日現在において、道独自に何か注意喚起を、一定の指標に到達したときに行うということは考えてはおりません。繰り返しになりますけれども、ただ一方で、足元の状況は絶えず確認しながら、必要に応じて、その状況を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

(NHK)
 北電の電力の値上げについて伺います。政府が、北電が国に申請した電気料金の値上げを了承しまして、平均で20パーセント余りの値上げ、来月から値上げということで決まりましたけれども、これについて知事の受け止めをお願いします。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、国の査定方針が決定したことを受けて、昨日、北電が国からの修正指示を反映させた変更申請を行っています。今後認可されれば値上げが決定するという状況にあります。
 さまざまな物価高騰が続く中で、電気料金の値上げは道民の皆さまの暮らしと地域の経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。北電に対しては、あらゆる分野で聖域なく経営効率化に取り組み、値上げによる影響をできる限り少なくすることとともに、燃料調達コストが下がった場合には、迅速に料金に反映していただくことを申し入れてまいりました。経済産業省や消費者庁でも、こうした観点から厳しく審査されたと受け止めています。
 このたびの国の審査を経て、当初の申請からは値上げ率が低減されたと承知しているわけでありますが、道としては、北電において引き続き、経営の合理化、そして効率化についての最大限の努力、そして道民の皆さまや事業者の方々に丁寧で分かりやすい説明を行っていただきたいと考えています。
 道としても、エネルギー価格高騰の影響の緩和に向けた新たな経済対策に取り組むことといたしました。引き続き、必要な対策を国に求めるとともに、道民の皆さまや事業者の方々の負担が少しでも軽減されるように、道としても取り組んでいきたいと考えています。

(日本経済新聞)
 本日、JR(北海道)の綿貫社長は記者会見をしておりまして、それに関連して一点お伺いいたします。JR北海道からは、単独では維持ができない黄色線区と呼ばれる8区間について、沿線自治体とも連携して利用促進事業に取り組むというような発表がございました。今回の利用促進事業では、道の補助金も活用するようですけれども、あらためて、この黄色線区、今年度中に総括的な検証をして、抜本的な事業の見直しをするということでありましたけれども、道としてあらためて、例えば存続を求めていくのか、例えば存続に向けて知事として何か鉄道の維持もしくは交通サービス維持に向けて現状で考えられていることや、JR北海道に対する要望等があれば伺いたいのですけれども、いかがでしょうか。

(知事)
 道として、鉄道の利用促進に関する取り組みなどの路線の維持、活性化に向けた取り組みについては、これまでも沿線自治体をはじめ、JR北海道、皆さまとともに取り組みを進めてまいりました。
 令和6年度以降のJR北海道に対する国の支援継続に向けて、今ご質問にありましたけれども、今年度行われる総括的な検証においては、JRが地域とともに策定したアクションプランで設定された線区別収支などの基本指標の目標達成が重視されると、私どもは認識しております。今後もJRをはじめ、地域の皆さまとの連携をより一層深めていきながら、着実に成果を積み重ねていく考えであります。 
 道としては、こうした取り組みのさらなる強化を図ることに加えて、鉄道の利用拡大を図る実証事業などに対する国の支援策と連携いたしまして、線区ごとの取り組みに対する支援を行って、本道の経済、暮らしを支える鉄道ネットワークが有するさまざまな役割、価値などの評価分析についても、われわれは行っていきたいと考えていますので、実施することとしております。その重要性について、国に訴えながら、持続的な鉄道網の確立に向けて取り組んでいく考えであります。

(毎日新聞)
 ヒグマの関連で質問したいのですけれども、まず一点目が、朱鞠内湖の近くで男性が、釣り人の方が行方不明になって、クマに襲われた可能性が高いのではないかという状況になっていること、室蘭市の市街地での目撃が相次いでいることについて、知事がどのように受け止めていらっしゃるか。二点目が、市街地で偶発的な事故を防ぐために、道として、今後どのような対策を重視していきたいか。三点目が、2021年度に、クマの駆除の数と、人身被害が最多になっていたと思うのですけれども、クマの個体数が、例えばですけれども、ちょっと人間と共生していく上で多すぎるですとか、現状でも、何か対策を講じていけば、まだまだ共生していけるですとか、その辺の肌感覚、知事がどのように受け止めていらっしゃるかというのを聞かせてください。

(知事)
 ヒグマに襲われたことが原因で亡くなったと思われる事故が発生したところであります。まず、この事故が起きたこと、誠に残念であります。心より哀悼の意を表するとともに、遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。
 道では、ヒグマの動きが活発となります、この4月、5月の2カ月間を「春のヒグマ注意特別期間」といたしまして、注意喚起を実施してきたところでありますが、このたび、(ヒグマが)原因ではないかと疑われる事例が発生しています。今回の事故の発生を踏まえて、出没地での看板の設置や広報を用いた注意の呼び掛けなど、関係事業者や関係機関、道民の皆さまに対して、あらためて注意喚起を行っていきたいと考えています。
 そして、釣りや山菜採りなどは、ヒグマに出会う可能性が高い状況があります。野山に入られる際には、複数人で行動して音を出す、目撃情報があるところには入らない、クマスプレーの携帯などといった基本的なルールを、道民の皆さまや道内旅行をされる方々お一人お一人に守っていただくように、あらためてお願い申し上げます。
 そして、このヒグマ対策につきましては、令和4年3月に改定いたしました「ヒグマ管理計画」に基づいて、問題個体の排除をしつつ、移動経路の下草の刈り払いや、誘因物を放置しないといった対策を進めていくことに加えて、ヒグマの生息数が増加していることに対応するために、人里に出没する個体に対して人への警戒心を植え付けることを狙いとして、今年、この春からなのですけれども、「人里への出没を抑制するための春期管理捕獲」を行っています。今年に入りまして、新たな取り組みで20頭を既に捕獲しているところであります。現在も捕獲については続いております。この最終的な数字を取りまとめた後に、その成果については、あらためてマスコミの皆さまにもお知らせさせていただきたいと思っています。
 こういった新たな取り組みなども行っているところであります。今後とも関係機関の皆さまと協力し、市街地への出没対策はもとより、適切な保護管理対策も着実に進めていきたいと考えています。

(毎日新聞)
 ヒグマの生息数について、個体数をある程度制限していくべきなのか、まだまだ大丈夫なのかというところについては、どのようにお考えですか。

(知事)
 先ほど申し上げたように、問題個体については排除していかなければいけないと考えています。また一方で、ヒグマが人里に入ってくることを誘因している構造について改善することによって、人里に入ってくることを防いでいく取り組みもしていかなければなりません。さらには、今回新たに、出没を抑制するための捕獲を行うことで、クマの人に対する警戒心を植え付けていくといった取り組みなど、それぞれの取り組みをすることによって、適切な保護管理対策とともに、出没対策を両立していくことが重要だと思います。

(毎日新聞)
 あと、江差高看のことで、ちょっと一点確認させていただきたいのですけれども、ハラスメントに関して、法的な責任を検討していくという部分なのですけれども、これは道が損害賠償請求に応じる意向があるということでよろしいでしょうか。

(知事)
 さまざまな法的な責任などについては、(道の顧問)弁護士の方ともご相談しながら対応していくことになると考えています。

(日本農業新聞)
 農畜産物の価格転嫁についてお聞きします。「食料・農業・農村基本法」見直しの議論が大詰めを迎える中、農畜産物の価格転嫁の仕組みを求める声が出ています。道内でも酪農をはじめ、多くの主要品目で生産コスト高騰の影響が大きくなっています。道としての受け止めを教えてください。

(知事)
 本道の農業は、カロリーベースにおきまして、全国の4分の1の食料を生産しております。今後とも全国の消費者の皆さまに、安全・安心な農作物を安定的に供給していくためには、再生産が可能となるように、生産コストの上昇が適切に価格に反映されることが重要であります。
 このため北海道として、本年3月に、「食料・農業・農村基本法」の見直しに向けて、国に対して、農業者が再生産可能な所得を確保できる価格形成の仕組みづくりや、農産物の価格転嫁に対する国民の理解の醸成について、政策提案を行ったところであります。
 道としては、今後とも、地産地消などの食育の推進を通じて、道産農産物の需要拡大と適正な価格形成に向けて、消費者の皆さまの理解の醸成に取り組んでいきたいと考えています。

(朝日新聞)
 昨日、函館市の大泉市長が訪問されて、新幹線の函館乗り入れの話も少し出たかに聞いていますけれども、今後、技術的にも予算的にも実現するためにはかなりハードルが高いと思うのですが、北海道としてはどのようにサポートというか、連携していくお考えなのでしょうか。

(知事)
 大泉市長からは、具体的にそういったお話はございませんでした。新幹線の札幌延伸が今後進んでいく、そういう一般的なお話としての話題はありましたけれども。そういった中で、函館市における活性化ですね。函館市内の活性化に向けて取り組みを進めていきたいのだというお話はあったところであります。大泉市長においても、今後、(市)議会なども含めて(議論されるの)だと思うのですが、まずは調査を行っていきたいというお話かと思いますので、まずはそこを注視していきたいと考えています。

(朝日新聞)
 道としては、何らかのサポートをするお考えは基本的にあるということでよろしいのでしょうか。

(知事)
 これは当然のことですけれども、179市町村の首長の皆さまから、さまざまご相談などがあれば、広域自治体として必要な支援は行っているところであります。調査をこれからするという状況ではありますが、今後、函館市のほうから何かお話があれば、そこは必要な支援などについても検討するということになるのではないかと思いますが、今、まずは調査する前段階にあるというお話でありますので、そこはどのような動きになるのか注視していきたいと思います。

(朝日新聞)
 半導体のラピダスについてですけれども、1000人規模の雇用を生むとも言われていますが、今後、人材育成というのが多分、成功の鍵を握ると思うのですが、例えば北海道大学とかですね、あと高等専門学校とか、そういったところで具体的な半導体人材の養成コースを持ってもらうようなことを要請するとかですね、どういった連携を図っていくお考えなのか、現段階のお考えをお聞かせください。

(知事)
 来月にも国の北海道経済産業局において、人材に関する新たな枠組みを作っていくといった話もありますし、また今、北海道だけではなくて、九州をはじめ、日本全体で半導体の製造などを今後も担っていかれる中で、日本全体での人材育成のプラットフォームというか枠組みがありますので、そういったところなどとも連携しながら、本道の強みであります、大学、また高専なども含めて、われわれとしては強みとして、ラピダスの誘致にあってもPRしてきたところでありますので、そこはしっかり連携のあり方というのは、今後、国なども含めて一緒になって検討していきたいと思っています。

(読売新聞)
 副知事人事についてお伺いいたします。本日の臨時議会で副知事人事について議会からも同意が得られたと思います。二人が留任して一人が新任するという今回の人事なのですけれども、鈴木知事2期目に向かって一番最初の特別職人事だったと思います。この人事の狙いなどについてお伺いできますでしょうか。

(知事)
 私自身の2期目に、道民の皆さまの生命・健康・暮らしを守り抜く、またエネルギー・デジタル・食をはじめとした北海道のポテンシャルを最大限発揮しながら、北海道の未来を創っていくために必要な体制として、浦本副知事、土屋副知事を再任し、濱坂(総合政策)部長を新たに(副知事に)選任させていただいたところであります。本日、議会にご理解いただいたところでございます。
 特別職の選任に当たっては、当然のことでありますけれども、私として進めていきたい政策の方向性の中で、適材適所を基本に、これまでも登用してきたところであります。新たに副知事になる濱坂部長については、道の政策推進に関する重要ポストを、これまでも担ってきた経験もあるわけであります。こういったことなども考慮した中で、副知事として適任であると判断したところであります。
 3名それぞれ手腕を発揮し、道の行政を取り巻くさまざまな課題がありますので、しっかり連携しながら取り組みを進めていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 道議会で正副議長が選任され、新たな議会の体制が決まりました。会見の冒頭、知事は、道政上の課題について真摯な議論を積み重ねるとおっしゃいましたけれども、この道議会の論議を巡ってはですね、道と議員による事前の答弁調整を背景に、丁々発止のやりとりが限られているようなこともあって、道民の関心低下が長く指摘されています。知事は2期目に、道議会とどのように向き合い、またどのように道民の関心を高めるような議論を実現なさっていく考えでしょうか。

(知事)
 道議会と道庁は車の両輪であります。議会においては、真摯で活発な議論を道民は期待をしているところであります。今後も、緊張感を持った建設的な議論が道議会の場で行われるように、私自身、努めていきたいというふうに考えています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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