知事定例記者会見(令和5年4月28日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年4月28日(金)15:30~16:10
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/17名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 大型連休における注意喚起について
  3. 自動車税種別割の納期内納税について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 函館駅への新幹線乗り入れについて
  3. 三菱UFJ銀行との包括連携協定の再締結について
  4. 北海道電力の社長交代について
  5. 高レベル放射性廃棄物の最終処分について
  6. 函館-長万部間の貨物鉄道輸送について
  7. 技能実習制度について
  8. てん菜の作付け見込みについて
  9. 函館市長選挙について
  10. 千島歯舞諸島居住者連盟を「望ましくない団体」とするロシア最高検察庁の発表について
  11. お米・牛乳子育て応援事業について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から三点お話しさせていただきます。
 まず一点目ですけれども、新型コロナウイルス感染症についてであります。昨日、国は予定どおり5月8日から新型コロナウイルス感染症を5類感染症とすることを、正式に決定いたしました。今回の決定に当たっては、国内で割合が増加しているXBB系統などについて、重症度の上昇を示す知見は確認されていないこと、そして、全国の感染状況は、足元で増加しているものの、その水準は昨年夏の感染拡大前を下回り、病床使用率も低い水準にあること、こうしたことを踏まえ判断されたところであります。
 また、この決定を踏まえまして、昨日、政府(の新型コロナウイルス感染症)対策本部が開催され、(新型コロナウイルス感染症対策の)基本的対処方針の廃止が決定されました。そして本日、政府対策本部の廃止についても閣議決定されました。5月8日には、新型コロナウイルス感染症への対応は、これまでで最も大きな節目を迎えることとなります。療養のあり方や医療費の取り扱い、基本的な感染対策など、さまざまなことが変化していきます。
 そうした変化が生じる一方で、新型コロナウイルスはなくなるわけではありません。道としては、道民の皆さまや地域の医療機関に混乱が生じることなく、移行を円滑に進めていくことが何より重要との考え方に立ち、新たに立ち上げます感染症対策連絡本部の下、外来、入院などを幅広い医療機関にご対応いただけるよう、丁寧に働き掛けを行ってまいります。また、新たな感染症危機に備え、柔軟かつ機動的に対応していくなど、市町村とも十分に連携しながら、対応に万全を期してまいります。
 北海道では、令和2年1月28日に初めての感染確認があってから、他の地域に先行して感染が拡大し、知見も経験も積み重なっていない中で、全国初となります、独自の緊急事態宣言をはじめとするさまざまな対応を行ってまいりました。その後、特措法や国の基本的対処方針の枠組みが整えられ、北海道が先行して取り組んできた対策が全国共通の対策となっていきました。こうした対策は3年3カ月の長きにわたることとなりましたが、私としては、道民の皆さまの命と健康を守ることを第一に、多くの方々のご理解とご協力をいただきながら取り組んできたところであります。道民の皆さまや事業者の方々には、基本的な感染対策など、これまで、道のさまざまな取り組みに対するご理解とご協力をいただいてまいりました。このことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
 とりわけ、医療関係者の皆さまには、患者の方々への対応やワクチン接種など、まさにコロナとの戦いの最前線で日々ご尽力いただいてまいりました。深く感謝申し上げます。今後も医療などの現場では、マスクや手袋の着用など感染対策に取り組んでいただくこととなります。こうした対応を医療関係者が続けていくことについて、道民の皆さまには、ぜひご理解いただくようお願いいたします。その上で、医療機関などを訪れる際には、マスク着用など、感染対策にご協力いただきますようお願いいたします。
 全道の感染状況につきましては、病床使用率や重症病床使用率は低い水準にあるわけでありますが、本日の新規感染者数は人口10万人当たり103.4人となっています。こうした中、明日から大型連休が始まります。旅行や帰省といった移動が活発となり、人との接触機会が増える時期となります。この連休を安心して楽しんでいただき、また、できるだけ落ち着いた感染状況の下、円滑に5類へ移行していくためにも、手洗いなどの手指衛生や十分な換気といった基本的な感染対策に取り組んでいただきますよう、道民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

大型連休における注意喚起について

 二点目でございます。
 明日から大型連休を迎えるわけであります。旅行やイベントなど、楽しみにしておられる皆さまが多いと思うわけであります。皆さまには、この期間中、事故などに遭わず、安全に過ごしていただきたいと思います。
 今週23日には、知床遊覧船事故被害者追悼式に参列し、知床はもとより、道内各地を訪れる方々に安心していただけるよう、全力で取り組んでいくという思いをあらためて強くしたところであります。知床では、関係者が観光船の安全対策に取り組んでおりますが、地域のレジャー施設や観光事業者の皆さまにおかれましては、お客さまが思いがけない事故に巻き込まれることのないよう、安全基準の順守や利用者への安全対策の徹底を、あらためてお願いいたします。
 また、こうした管理が行われていない場所でのレジャーにも気を付けていただきたいと思います。特にこの時期は、山菜採りで野山に入る機会が増え、夢中になりすぎて方向を見失う遭難事故も、例年多く発生しています。遭難事故を未然に防ぐため、単独行動を避け、天候の急変に備えて、携帯電話などの通信機器や非常食を携帯し、行き先を必ず家族や知人に知らせるなど、お出かけ前の準備をしっかりと行っていただくようお願いいたします。
 加えて、冬眠から目覚めたヒグマが活発に活動している時期でもあります。不意の遭遇による人身事故が発生しやすいことから、ヒグマの出没情報のある場所には近づかない、食べ物やごみは必ず持ち帰る、笛や鈴の音で人の存在をヒグマに知らせるなど、ヒグマに出会わないための基本的なルールを守っていただくようお願いいたします。
 また、車を利用する機会も多くなると思いますが、スケジュールには余裕を持ち、安全運転を心掛けていただくとともに、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務とされておりますので、安全の確保のため、自転車に乗る際はヘルメットの着用に努めていただくようお願いいたします。
 なお、道では、5月11日木曜日から20日土曜日までの10日間、「春の全国交通安全運動」として、道内各地での広報・啓発に取り組みます。初日の11日には、道庁赤れんが庁舎前庭で「道民の集い」を実施いたします。
 報道の皆さまには、道民の皆さまの安全、安心の確保に向けて、大型連休における交通安全などの注意喚起について、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。

自動車税種別割の納期内納税について

 それでは三点目でございます。
 道では、自動車の所有者の方が納める自動車税種別割の納税通知書を、5月8日月曜日に発送させていただきます。納期限でありますけれども、5月31日水曜日までとなっております。銀行、郵便局をはじめ、コンビニエンスストアなどで納税することができます。
 今年度から、納税通知書に初めてQRコードを印字させていただきました。これによりまして、これまで、スマホで納税できる決済アプリは10種類だったわけでありますが、新たに「d払い」などが追加され、22種類まで拡大いたしました。また、パソコンやタブレットをご利用される方や、スマホをお持ちでもスマホ決済アプリをお持ちでないという方については、「地方税お支払いサイト」にアクセスしていただければ、クレジットカードのほか、インターネットバンキングでの納税もできるようになりました。詳しいご利用方法につきましては、道税のホームページに掲載させていただいておりますので、そちらもご覧いただければと思います。
 金融機関などの窓口に足を運ばずに、ご自宅やオフィスなどから納税することができますので、ぜひ、多くの道民の皆さまにご利用いただき、納期内の納税を皆さまにはお願いいたします。報道の皆さまには、こうした納税方法の拡大、納期内納税につきまして、積極的に取り上げていただきますようお願い申し上げます。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 あらためてゴールデンウィーク中の感染対策なのですけれども、過去には、昨年ですとゴールデンウィーク明けの週に、700人から1300人ほど感染者が増えたりですね、一昨年に関しては、まん延防止(等重点措置)を経て緊急事態宣言も出ています。今年は、ゴールデンウィーク明けに(感染症法上の)5類移行が重なっている状況でございます。あらためて知事として、感染対策、どのようなことを道民に求めていきますでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げましたとおり、手指衛生をはじめとして、換気なども含めて、基本的な対策について、引き続き皆さまにはご理解、ご協力をいただいた上で、5月8日の(5類)移行を、感染が今、足元では増加傾向にありますけれども、できるだけ(感染状況が)落ち着いた中で移行するためにも、ご協力いただければと思っています。今ご質問にありましたとおり、例年、ゴールデンウィーク、大型連休におきましては、やはり接触の機会なども増えますので、そういった(感染が拡大する)経験をこれまでしてきた中で、皆さまには、基本的な対策について、引き続きのご協力をお願い申し上げたいと思います。

(NHK)
 函館市長選の関係で伺います。今回、初当選された大泉さんが、北海道新幹線のJR函館駅への乗り入れについて公約に掲げられていましたけれども、今後調査を行うといった話も出ていますが、これについて知事としての受け止めと、今後、道として、どのように関わっていくのか、お考えなどありましたら伺いたいです。よろしくお願いします。

(知事)
 まず、函館市の新市長にご就任されました大泉新市長に、お祝い申し上げたいと思います。その上で、ミニ新幹線方式での函館駅への乗り入れのお話でありますけれども、これは、昨日の市長の会見におきまして、(市の)担当部局と話をしている段階で確定的なことは申し上げられないということで、その調査の実施の部分についても、お話があったというふうに報告を受けているところであります。ご就任をされて、市役所内で今後、検討したり、指示を出されていくという状況なのかなと思っておりますので、その状況について動きがあれば、道としてもどのような対応になるのかということを考えていく段階ではないかと思っています。

(日本経済新聞)
 三点ほど伺います。まず一点目について、先日、三菱UFJ銀行さんと包括連携協定を結ばれまして、その際、三菱UFJさんからいただいた5億円の寄附を使って、基金の第1号として充てられるというふうにおっしゃっていましたけれども、今後この基金を使って具体的にどういったところに、脱炭素を進めていく上で、その基金を充てていきたいとお考えなのか、またこの基金、このくらいの金額まで増やしたいとか、そういう目先の目標値等があれば伺いたいのですけれども、いかがでしょうか。

(知事)
 5億円の寄附の表明をいただきました。大変、心強く思っているところであります。この5億円については、企業版ふるさと納税という形でご寄附いただけるということでございます。この金額については、北海道としては過去最高額にもなります。非常にありがたい申し出であります。
 そして、この活用にあっては、私としては「ゼロカーボン北海道」の推進に向けて、中長期的な視点で、脱炭素に資する地域づくりや、人材の育成などの取り組みに対応いたします新たな基金を設置したいと考えておりまして、現在、その規模などについては検討を進めているという段階でありますが、今回、表明のありました企業版ふるさと納税の5億円の寄附については、その基金に充当して、効果的に活用させていただきたいと考えています。

(日本経済新聞)
 二点目です。昨日、北海道電力が新しい社長として斎藤氏が就任する人事を発表されました。北海道電力を巡っては、原発の再稼働問題ですとか、また足元のエネルギー価格の高騰による電気料金の上昇で、道民の生活にも関わる問題が山積している状況ではございますが、あらためて知事から、今回の人事に対する受け止めと、新体制となる北海道電力に対して期待する点もしくは要望したい点があれば伺いたいです。

(知事)
 役員人事については、これは当然のことですけれども、会社において今後、株主総会などを経て決定されるものでありますので、その役員人事の個々についてコメントをするということは控えたいと思いますが、いずれにしても、電力は暮らしと経済の基盤であります。エネルギー価格の高騰が続いています。そういう中で、北海道電力においては、電力の安価で安定的な供給に努めていくことで、道民の皆さまに応えていただきたいと思います。

(日本経済新聞)
 最後に三点目です。本日、政府が高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関する基本方針を閣議決定しました。政府一丸となって、政府の責任で取り組んでいくということで、現在、文献調査が進んでいる寿都町、神恵内村以外にも、政府が主導して自治体を訪問していくこと等が想定されているようですけれども、あらためて、寿都町、神恵内村の立地する北海道の知事として、今回の閣議決定に対する受け止めを伺えないでしょうか。

(知事)
 閣議決定前の案として出ていた内容と変更はないと思っています。寿都町、神恵内村が全国で唯一、文献調査をやっている状況で、私としては、全国の問題であるこの課題について、北海道だけの問題と捉えられかねないことへの懸念について、繰り返し申し上げてきました。また、最終処分場における問題については、国が前面に立って、しっかり対応すべきことであるというお話もしてまいりましたので、そういった意味では、政府としての当然の対応ではないかというふうに思います。

(朝日新聞)
 北海道新幹線の札幌延伸で並行在来線となる函館線の函館-長万部間についてお尋ねしたいのですけれど、今現在、国と北海道とJR2社によって4者協議が開かれていますけれども、議論の進捗状況について、まずお伺いしたいのですが。

(知事)
 こちらについては、昨年からになりますが、国、道、JR貨物、JR北海道の実務者レベルにおきまして、鋭意、意見交換を行わせていただいて、北海道と本州の間の鉄道貨物輸送の維持に向けた課題の整理などを進めているところでございます。これらの課題が整理されれば、経済団体の方々などからも求められておりますが、関係者へのヒアリングや意見交換を行っていくことが必要であるというふうに考えておりますが、どのような形で進めていくのかについては、現時点におきまして決まっているというものではございません。
 道としては、引き続き関係者と一層の連携を図りながら、課題の整理、そして今後の進め方について議論をしていきたいと考えています。

(朝日新聞)
 今後、やがて上下分離方式などのスキームとか、維持コストの負担などの議論が必要になってくると思いますけれども、国がかつてお金を出して並行在来線を維持したケースはないということなので、北海道としては国に対して負担を求めるのか、あるいは道としてどの程度主体的に取り組んで行かれるのか、負担という意味でですね、それについてお考えをお聞かせください。

(知事)
 これは繰り返し申し上げていますけれども、この鉄道貨物輸送は、本道の農産品や道外からの生活必需品の輸送を担うなど、北海道のみならず、わが国全体の産業、経済や暮らしを支える不可欠な輸送モードであるということで、繰り返し申し上げてきた中で、この実務者4者が今、協議しているという状況にあります。その中で、先ほど申し上げたような進め方、課題などについて、私としては議論を進めさせていただきたいと考えています。

(朝日新聞)
 では具体的なコストの負担については、これからの課題ということでしょうかね。

(知事)
 さまざまな課題について議論しているという状況であります。今後も、また状況が整い次第、さまざま関係する団体などの皆さまへの説明など、ある意味でオープンな議論に移行していくという状況があるわけでありますが、今の時点におきましては、関係者間で今後の進め方や課題について議論しているということを申し上げたいと思います。

(朝日新聞)
 別のテーマでよろしいでしょうか。知事もメンバーを務めていらっしゃる「外国人技能実習制度のあり方に関する有識者懇談会」が本日、報告書を出しました。実習制度の廃止と特定技能の拡充という方針を打ち出したということで、道内でも、農業や生産加工業というのは実際、(技能)実習生に支えられているということで、こうした産業の人手不足への懸念に拍車がかかる恐れがあるのではないかと、まずこの点についてお伺いできますか。

(知事)
 この有識者会議ですけれども、昨年の11月に設置されました。設置以降、技能実習制度などのあり方に関する議論が進められてきたわけでありますが、私は都道府県の中では唯一、構成員として参加させていただいております。これまで道内の実情を踏まえた提案を行ってまいりました。
 有識者会議での議論に当たっては、まず、この制度の利用者であります実習生の方々、そして関係団体の方々の声をしっかりと聞くべきであるということを、私から提案させていただいて、ヒアリングが実施されることとなりました。また、地方の深刻な人手不足に対応するために、外国人材を安定的に確保する議論が必要であるとの提案を行いまして、この度の中間報告に、この点については反映されたところでございます。
 今後、秋の最終報告に向けても、さらに議論を進めていくという状況がありますので、私としては、より良い就労環境の整備につながる制度となるように、引き続き、地域の実情を踏まえた提案を積極的に行いながら、ご質問にあったような点などについても、対応できる制度になるように努めていきたいと思います。

(朝日新聞)
 実習制度が廃止になって、新しい制度を作るということのようですけれども、その中で、転籍の制限を緩和するということが盛り込まれる見通しです。この制度設計について、北海道としては、例えば賃金の問題とか、気候の問題ですね。やはり本州の都市部のほうが、賃金も高いし、また暖かいということで、実習生は行きたいというお気持ちを持っていらっしゃる方も少なくないようですけれども、北海道として、人材確保のため、この転籍の制限を緩和すると、都市部への人材の流出を招きかねないわけですけれども、この点について、何らかの方策を考えているのかということと、これに通じるのですけれど、特定技能2号に、道内に多い農業や飲食料品製造業が加わったということで、さらに、その転籍が自由になる可能性が高くなってきて、この労働力の流出ということについて、どのような対策を考えていらっしゃるのかについて、お伺いできますでしょうか。

(知事)
 まだ制度を議論している段階ではありますが、今ご質問にあったような懸念も、やはり北海道としては一部、実情としてあることから、日本人を雇用した場合と同様に、技能習得には一定の期間、つまり転籍の制限が必要であるということを、私は構成員として主張いたしました。その中で、中間報告の中での記載は、「人材育成そのものを制度趣旨とすることに由来する転籍制限は残す」という表現になっています。
 ですので、今後そういったものがさらに議論されて、最終報告にどのような形で議論が進んでいくのか、この点なども、構成員としてしっかり注視していきたいと思っています。いずれにしても、われわれとしては、こういった地域の実情を踏まえた中で、より良い中身になるように、積極的に発信していきたいと思います。

(朝日新聞)
 やはり3年ぐらいは転籍の自由を制限するといったようなのは、具体的に考えられることなのでしょうか。

(知事)
 年限などについて、具体的に申し上げたわけではありませんが、やはり一定の制限が必要であるということで、私のほうからは発言させていただきました。各構成員が具体的にどういう発言をしたかということについての議事録は、まだ公表されていないと思います。ただ、構成員本人が自分が発言した中身を発言することに差し支えないということですので、今、発言させていただきました。

(日本農業新聞)
 生産者団体による作付意向調査で、今年度のてん菜の作付が前年度から大幅に減る見込みだということが分かりました。国が徐々に減らす方針を示してはいますが、急激な減少を危惧する声もあります。それを道としてどのように受け止めて、今後の畑作振興をどのように進めていくのか、お願いします。

(知事)
 農業団体が取りまとめた作付意向調査によりますと、今ご質問にございました、本年のてん菜の作付面積が5万2千ヘクタールと、昨年と比べますと3千ヘクタールという大幅な減少が見込まれています。農業者の皆さまが、今後のてん菜生産に不安を抱きつつも、国の「てん菜作付を段階的に減らし、令和8年には5万ヘクタールとする」といった方針を受け止めながら、対応いただいているという認識です。
 道としては、てん菜は、本道の畑作農業に欠かすことのできない輪作作物であるということがございますので、関係機関、団体と連携して、農業者の皆さまの声をお伺いしながら、国の事業を活用した省力化、低コスト生産を推進しつつ、豆類、馬鈴しょなど需要の高い作物の増産を進めることで、輪作体系を維持し、本道の畑作農業が持続的に発展していけるように取り組んでいく必要があると考えています。

(北海道新聞)
 先ほども話題になりました、函館市長選で初当選した大泉潤新市長の誕生について伺います。俳優の大泉洋さんの兄であることからも、全道的、全国的な注目を集める選挙戦となり、圧倒的な得票率で現職を破りました。この受け止めを伺いたいのと、道内第3の都市、函館市のトップ交代となるわけですけれども、新市長との連携についてどう考えているか教えてください。

(知事)
 選挙結果については、私が言うまでもないことですけれども、有権者の皆さまがご判断された結果であります。函館市は非常に魅力的な地域であります。函館の発展に向けて、ご活躍されることを期待しておりますし、函館の発展は、本道の活性化にもやはり非常に重要なところがありますので、新市長とも連携して取り組んでいきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連で、大泉市長は立憲民主党の支持を受けて、自民、公明が推した工藤前市長を破る形となりました。鈴木知事は自民、公明推薦の知事ですけれども、今、連携について言及されましたけれども、特にこの連携のハードルというのがないかどうかの確認だけさせてください。

(知事)
 道内には179市町村があります。私は知事として、地域と共に考え、行動する道庁を目指して、皆さんに公約としてのお話をして、取り組みを進めていこうという考えであります。首長というのは、確かに政党の推薦ですとか支持ですとか、そういったものは当然あるわけですけれども、市長であれば、市民のため、また地域のため仕事をする、このことに変わりはないというふうに思いますので、必要な連携については当然、今まで通りしっかりやっていきたいというふうに思います。

(北海道新聞)
 先日、ロシアの最高検察庁が千島歯舞諸島居住者連盟を、ロシア法に基づく「望ましくない団体」に指定しました。元島民らが早期再開を求めている北方領土墓参にも影響が及ぶ可能性があります。ロシア側の今回の対応をどのように知事、見ていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 千島連盟の皆さまについては、長年にわたって政府の外交交渉を支えるための運動に取り組まれてきております。国も、ロシア側の主張は一方的であり、全く当たらないとしているところです。
 今後の事業への影響について、予断を持ってお答えすることは難しいわけでありますが、昨年来、ロシア側の度重なるこうした一方的な発表、これは受け入れられるものではありません。元島民や関係者の皆さまの切実な思いを損なうものであります。
 道では今回の発表を受けまして、国に対し、元島民の方々の思いに寄り添い、四島交流等事業の再開に向けて引き続き取り組んでいただくように、千島連盟と共に、連名で申し入れを行ったところでございます。
 四島交流等事業の再開については、国が、今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つとして、相互の大使館を通じて外交上のやりとりを行っているというところです。道としても引き続き、四島交流等事業の一日も早い再開に向けまして、国、関係機関と協力して取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 関連して、今後、北方墓参の実施が困難になった場合、昨年同様に、昨年、千島連盟と洋上慰霊を実施していると思うのですが、その実施についてはどのように考えていらっしゃいますか。

(知事)
 確かに、(昨年においては、)洋上慰霊という形を取らざるを得ない状況があったわけでありますが、この四島交流等事業の再開については、今、国においても、日ロ関係の中でも最優先事項の一つとして、先ほど申し上げたとおり、相互の大使館を通じて外交上のやりとりを行っているというところでありますので、道としても、各団体、関係機関の皆さまとも協力しながら、まずは一日も早い再開に向け、今は取り組むべき時期であるというふうに考えています。

(北海道新聞)
 ちょっと別の話題でお伺いしたいのですが、5月10日から申請を受け付ける「北海道お米・牛乳子育て応援事業」についてお伺いしたいと思います。子育て世帯からは歓迎の声が上がる一方で、今回の対象となっていない高齢者などからは、物価高で生活が厳しいのは子育て世帯だけではないという声が聞こえています。あらためて今回、子育て世帯に対象を絞った理由を教えていただけますでしょうか。

(知事)
 子育て世帯については、他の状況と比較しても、大きな影響を受けているという状況がある中で、また、酪農なども大変な状況下にある中での取り組みとして、お米や牛乳が購入できる商品券や電子クーポン、また、お米をお届けするといった形で、食料品などの物価高騰の影響を受けている子育て世帯の負担軽減を図っていこうという事業趣旨であります。そして、今申し上げたように、道内の農業者の皆さまの支援にもつながるということを狙ったものであります。
 さまざまなご意見がございます。今、追加的な対策などについても検討しているところでございますので、そういったことも踏まえながら、皆さまの生活を支えるべく、取り組みは検討していきたいと思います。

(北海道新聞)
 確認なのですけれども、子育て世帯に絞った理由としては、子育て世帯が特に物価高の影響を受けているから、ということでよろしいでしょうか。

(知事)
 そうですね。以前も説明させていただいたとおりであります。

(北海道新聞)
 関連して、今回、同様の事業を行っている東京都などは、所得制限を設けていらっしゃいます。今回、知事は所得制限を設けていないと思うのですが、18歳以下の子育て世帯を一律支給とした理由を教えていただけますでしょうか。

(知事)
 子育て世帯全てにお配りするという形で、この事業を設計させていただきました。所得制限を設けるという考え方もあるのだと思いますけれども、事務処理上のさまざまな対応や、また一律お配りすることによる事業効果といったものも、さまざま比較検討、協議をしながら、今回については、(子育て世帯の)全世帯にお配りしようという判断に至ったものです。

(北海道新聞)
 もう一点、今回この事業というのが一過性のもので終わってしまうのではないか、継続的な支援をすべきではないかという声も上がっています。先ほど別の政策をまたお考えになるという話でしたけれども、継続的にこういった子育て世帯の支援を行うお考えがありますでしょうか。

(知事)
 子育て世帯に対するさまざまな取り組みについては、子ども応援社会の実現に向けて、当然やっていかなければいけないと思います。今回については、緊急的な対応として、対応、実行していきたいと考えています。
 ですので、そういった今すぐに対応しなければならない対応と、また今後、継続的に取り組んでいかなければならない支援メニューなど、総合的に検討しながら、子育て世帯、また子ども子育て環境のさらなる支援につながる取り組みについて、検討していきたいと思います。

(北海道新聞)
 もう一点、関連して最後に、今回、事務経費だとか、商品券の発行手数料に12億円かかるということで、全体事業費が44億円で、3割以上に当たると思うのですけれども、これについてはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 市町村の皆さまに、この事務処理を手伝っていただくなどといったことをやりますと、かなり自治体負担なども出ます。どういった形が、広域自治体として皆さんに最もご負担をかけないのかという中で、コールセンター、また一括の配付といった効率性も議論した中で、今回こういった形での配付のあり方、また事務経費を計上させていただきました。
 当然のことですけれども、予算上の金額がそういう状況になっていますが、さまざま努力しながら、できるだけ事務経費を抑えていくという努力は、当然、今しているところであります。

(北海道新聞)
 今のお話だと、道の事業、なかなか市町村に負担をかけないというのは、当然のことなのかなとは思うのですけれども、そういう市町村に負担をかけないために、これだけの事務費がかかることは仕方ないというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 できるだけ早くお届けするということが、まずありますよね。いろいろな手法を選択できるようにしていく。また、全ての(子育て)世帯にお届けしていく中で、どういった形が最も有効なのかということを議論する中で、この事務的経費になっています。当然、予算は予算として計上していますけれども、いろいろな努力をしながら、より効率的、効果的に取り組んでいく努力をしたいと思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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