知事定例記者会見(令和5年3月8日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年3月8日(水)17:30~18:10
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/19名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和5年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 任期4年の振り返りについて(1)
  4. ラピダス社の千歳市への製造拠点の立地について(1)
  5. ラピダス社の千歳市への製造拠点の立地について(2)
  6. ラピダス社の千歳市への製造拠点の立地について(3)
  7. あすなろ福祉会に対する監査について
  8. 任期4年の振り返りについて(2)
  9. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  10. JR根室線について
  11. 知事選挙について

質疑終了後

  1. 次期知事選前の最後の定例会見を終えて

知事からの話題

令和5年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって

 私から二点、お話しさせていただきます。
 まずは、2月17日から始まった第1回定例会が本日、終了いたしました。このたびの議会は、私にとっては任期中最後の定例会となったわけでありますが、新型コロナウイルス感染症をはじめ、物価高騰への対応など、道政上の重要課題につきまして、議員の皆さまと活発な議論をさせていただきました。
 また、骨格予算としては過去2番目の規模となります、総額2兆8507億円の令和5年度当初予算案、そして総額308億円の補正予算案、28件の条例案につきまして議決いただきました。議会の議論を受け止めながら、速やかな予算執行に努めまして、道民の皆さまの暮らしの安心や、本道経済の活性化に向けて、切れ目なく取り組んでいきたいと考えています。

新型コロナウイルス感染症対策について

 二点目でございます。
 新型コロナウイルス感染症についてであります。道内の感染状況でありますけれども、引き続き減少傾向が続いています。本日の新規感染者数は446人となりまして、人口10万人当たりでは50.5人となりました。先週との比較では24.3パーセントの減少となっております。これはオミクロン株による感染拡大となりました昨年1月以来の水準となっています。また、病床使用率は8.2パーセントとなりまして、10パーセントを下回るという状況になっています。昨年の7月以来の低い水準となっています。重症病床使用率も0.8パーセントでありますので、こちらについても低い状況になっています。
 また、インフルエンザでありますけれども、これまで増加傾向が続いてきたインフルエンザについては、全道では減少に転じて、注意報は6保健所と5カ所減少いたしましたが、地域によっては増加が見られます。警報が出ました保健所、これは江別ですけれども、1カ所あります。引き続き注意が必要であります。詳細については、道のホームページからインフルエンザの状況をご確認いただければと思います。
 今お話ししたとおり、新規感染者数、そして病床使用率のいずれも低い水準にある中で、マスクの着用について緩和されます。既に学校の卒業式などにおいては取り扱いが変わったわけでありますが、来週13日から、広く道民の皆さまのマスクの着用の考え方が変わります。マスクの着用については、ご自身で判断いただくことが基本となります。一方で、マスクの着用が推奨される場面もあります。道としては、分かりやすい情報発信を行っていきたいと考えています。道民の皆さまに対して、お一人お一人の主体的な選択を尊重していただく、意に反してマスクの着脱を強いることがないように呼び掛けをしていきます。
 また、道庁内の取り扱いについてですけれども、国のほうでも示した考え方があるのですが、医療機関については着用が推奨されていますので、道立病院などは、職員も含めましてマスクの着用をお願いするというふうに考えているのですが、原則として勤務中の職員、そして来庁されます方々につきましては、一律の着用を求めないこととしたいと考えています。個人の判断に委ねることとしまして、近く庁内において通知したいと考えています。
 国は(感染症法上の位置づけの)5類への見直しに当たって、具体的な移行の方針を3月上旬に示すとしています。先日、全国知事会を通じまして、国の検討内容について情報提供がありました。現在の検討案でございますけれども、入院可能な医療機関の維持、拡大などに向けて、都道府県において4月中に移行計画を策定すること、そして医療費の自己負担について一定の公費支援を継続することなどが盛り込まれています。こちらについては、週内にも正式に決定される見通しであります。道としては、今後決定される方針、そしてその後に示される通知の内容といったものを確認した上で、まずは市町村や関係団体と積極的に情報共有するとともに、来週、道の(新型コロナウイルス感染症)対策本部を開催したいと考えています。来週(対策本部を)開催して対策について議論します。
 これから、今申し上げたマスクの着用をはじめとして、さまざまな面で移行が本格化するフェーズに入っていきます。今後も感染は継続していくことが見込まれます。引き続き道民の皆さまには、手洗いなどの手指衛生、また効果的な換気などの基本的な感染対策に取り組んでいただくことをお願い申し上げます。
 私から以上です。

記者からの質問

(NHK)
 マスクの着用について、ご質問させてください。先ほど、マスクの着用について、病院だとか道庁内の取り扱いをご説明いただきましたけれども、例えばそれこそ教育現場だとか、あるいは公共施設だとか、そういったところに対しては何かマスクの着用に関して、道として指示を出される予定があるかということと、道民の皆さんに対しても、ここ(配付資料)に書いてありますけれども、マスクの着用について何か伝えたいことがありましたら教えてください。

(知事)
 まず3月13日からのマスク着用の扱いについては、個人の判断に委ねることを基本ということで、これは北海道だけではなくて日本全体として、そういう取り扱いにしようということになっています。ただ、医療機関に行きますということだったり、混雑した電車、バスに乗りますという時は、マスクの着用が推奨されています。それと事業者が、従業員の方だったり利用者の方に対して、マスクの着用を求めることについては許容しますということになっていますので、まずこの点については速やかに、学校ですとか、市町村ですとか、関係する団体のほうには、もう既に通知させていただいています。ですので、基本的には、今お話ししたような取り扱いの中で対応していただくということです。
 ただ、やはり今までと取り扱いが変わりますので、分かりやすく皆さんにお知らせする必要がありますので、今お話ししたような、(マスクの着用が)推奨される病院に行く時とか、混雑した電車に乗る時とか、そういった場面を例示したリーフレットを作りまして、これを今、周知を図るツールとして使わせていただいています。ここは丁寧に、これからも対応していきたいと思っています。やはりマスクの着用は、これまで皆さまにご協力いただいてきたわけでありますので、道民の皆さま、そして事業者の方々の理解と共感を得ながら浸透させていく。これが大切だと思っています。ですからそういった視点で、われわれとしては丁寧な広報などの対応もしていきたいと思っています。
 皆さんにお願いしたいのは、お一人お一人の主体的な選択を尊重していただきたいということであります。その意に反してマスクの着脱を強いることはないようにしていただきたいと思います。マスクをする、しないの判断を尊重してほしいということであります。これは、皆さんのいろいろな考え方もありますし、原則は先ほど申し上げたような話ですけれども、思いやりのある行動を、皆さまに呼び掛けていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 関連で、一人一人主体的な選択、マスクのことなのですけれども、知事は執務中ですとか、またちょっとプライベートのことを伺うとちょっとあれかもしれないですけれども、現時点でどんなふうにされるかですとか、もしお決まりになっていたら教えていただけますか。

(知事)
 原則、マスクの着用は庁内においては求めません。ですから、私も基本的にはマスクを着用しないと。ただ、先ほど申し上げたように、高齢者の方を中心に集まるようなイベントとかの時は、(マスクを)したほうがいいですよねということはあります。また、イベントを主催する側からマスクを着けてくださいと求められる場合もありますので、しっかり主催者の意向なども確認して、対応したいと思いますけれども、13日以降については、原則、道庁内では(マスクの着用を)求めないという形になりますので、記者クラブの皆さんも、それぞれご判断いただければと思います。

(読売新聞)
 冒頭ありました議会の関係なのですが、任期中で今日が最後の(北海道議会)定例会だったと思うのですが、4年間を振り返って印象に残ったやりとりだったりとか、議会のことについて、印象的なやりとりなどがあれば教えていただければと思います。

(知事)
 やはり何よりもですね、就任1年に満たない中で、新型コロナウイルス感染症との戦いが、北海道が全国に先行する形でこの問題に直面しましたので、道議会においてもさまざまなご議論をいただきました。そういった点は非常に強く印象に残っています。また、ロシアのウクライナ侵略という暴挙がありました。こういった事態を受けて、エネルギー、物価高騰などにより、緊急で道としてもさまざまな対策を講じていかなければならない。また、北方領土の問題、四島交流等事業などの対応もありましたので、道政の歴史の中でも直面したことのない課題に、議会とともに向き合ってきたことが強く印象に残っていますし、今もなお、そういった課題に向き合っている状況、今後も向き合っていくことが続いていくわけでありますので、そこは非常に印象の強いところがあります。

(日本経済新聞)
 先ほど、(北海道次世代半導体産業立地)推進本部会議もありましたラピダスさんの進出に関連してお伺いします。先ほどの立地推進本部会議では、国や千歳市さんと連携を深めていくとか、今後、支援策を検討されていくというふうなお話も会議の内容であったと思うのですけれども、今後、道としてラピダスさんに支援していくときにあり得る選択肢といいますか、例えば補助金をラピダスさんに道として独自に出していく用意があるのかですとか、何かしらの税金等の優遇等を考えられているのか、現状で考え得る支援策のパッケージというか、選択肢というのはどういったものがあるのでしょうか。

(知事)
 その点については、事業計画などをお伺いする中で、どういった支援ができるのかということを、しっかり検討していきたいと思っています。今日、本部(会議)の第1回をやりましたけれども、まずは、道庁一丸となって実効性ある取り組みを進めていく。今、ご質問の中にあった国、千歳市と連携して取り組んでいく。関係者が連携して取り組んでいく枠組みもどういう形がいいのか、千歳市や国などとも話をして考えていきたいと思っています。それと今、熊本県庁といろいろやりとりをしているので、実際に、現地にできるだけ早く行くべきではないかということもありますし、また、ラピダス社さんと今、協議していますけれども、道の職員の出向、派遣について、この点についてもスピード感を持って検討を進めていきたいと思っています。
 まず、庁内の体制、それと関係者における体制、さらには事業計画の中身の共有を進めながら、スピード感を持ってやっていきたいと思っています。4月に「次世代半導体戦略室」を立ち上げます。ただ4月からで、今は3月なので、まずできることをしっかりやるということで、今日は指示しましたので、これを具体化していきたいと思っています。

(日本経済新聞)
 今、知事からもお話があった熊本県への視察の件ですけれども、やはり知事の目からご覧になっても、熊本県さんの場合は、TSMC(台湾積体電路製造)が既に工場の建設も始まっていますけれども、ああいった取り組みは参考になるというか、それと同じようなことを道としてもやっていきたいというふうにお考えだと理解していいのでしょうか。

(知事)
 熊本県の場合は、既にかなり(半導体関連産業の)集積が図られているような状況で、TSMCのさらなる進出の中での取り組みであります。また、いわゆる次世代半導体、2ナノメートルの半導体の量産は、世界でもどこもやっていませんので、やはり内容の違いはあるのですけれど、今、日本全体で半導体をどうしていきますかとなっていまして、熊本県以外でも、半導体、またその周辺も含めてやっています。今回、北海道に進出しますということをラピダス社に決めていただいたことによって、日本全体としても、どういう性質を地域に持たせていくのかということを、これは国が考えることでもあるのですけれども、(日本全体での)位置づけになってきますので。ただその上でも、今、戦略上、熊本県と北海道という二つの地域が選ばれて、次世代半導体も含む、経済安全保障上の重要な取り組みを担っていくという形になるので、今も(熊本)県庁とウェブとか、オンラインでいろいろやりとりはしているのですけれど、やはり現地でいろいろお話ししたほうがいいなと。向こうも議会とかの日程もあるので、向こうの受け入れの状況もお伺いしながら、実際に会って、現場を見て、お話しさせていただけたらありがたいなと思っています。

(日本経済新聞)
 先日開かれた自民党の道連大会に知事もご出席されていましたけれども、その席上で知事も一つの勝利ということで、ラピダスの誘致の件をご紹介されていたと思うのですけれども、今回の誘致が知事としては、ある意味この4年間の、1期目の道政運営の一つの成果というか、そういったものであるというふうに認識されているという、そういうことなのでしょうか。

(知事)
 ラピダス社が動き出してから、次世代半導体の製造拠点をどこに立地するのかということで、水面下も含めてですけれども、ぜひ進出してほしいというアプローチが複数あったと、ラピダス社のほうもお話しされています。北海道の優位性を私はお話ししていたのですけれども、ただ前例のないプロジェクトなので、さまざま課題もあります。そういった中で、一緒に挑戦していくパートナーとして選んでいただけたというのは、非常に大きなことだと思っています。実現に当たってさまざまな課題はありますが、ただ、小池社長が言う5兆円規模の投資が見込まれるプロジェクトが、やはり実際に形になっていくことによって、関連する企業の集積、また研究、人材育成の機能も持たせていくというお話もありますし、何よりも世界中から技術者や研究者が北海道に集う機能が形成されると、やはり北海道にとっては非常にインパクトが大きい取り組みになりますので、この実現に向けて、千歳市、また国とも連携しながら支援していきたいと思いますし、任期の中で、進出の決定をいただけたことは本当にありがたいことだなと思います。

(北海道新聞)
 今のラピダスの支援についてお尋ねしたいことがございまして、知事、先日の会見でラピダス社に対して特段の支援を行っていきたいというふうなことを述べていたと思います。仮の話になってしまうのですけれども、ラピダス社から、例えば財政的な支援の要請があった場合に、今の道の既存の制度の枠組みでですね、ちょっと上乗せした形で、特例的に補助金を上乗せするようなお考えというのが今あるかどうか、お尋ねしたいと思います。

(知事)
 先ほど言ったように、事業計画をお伺いした中で、どういった支援ができるのかをしっかり考えていきたいと思っています。今、ラピダス社自身が、国から700億の委託を受けています。また、さらに補正予算で、半導体関係の予算が計上されておりますけれども、それをラピダス社が取れるかどうかというのは別の話かもしれませんが、そういった取り組みを今後も進めていかれるのだろうと思いますので、国、千歳市、道で役割分担をしっかりしながら、でき得る支援をしっかり検討して、実現に向けて取り組んでいくことが重要だと思います。

(朝日新聞)
 今のラピダス社の関係なのですけれども、今日の(北海道次世代半導体産業立地)推進本部でも、インフラ整備とか人材の確保育成など、さまざま課題が出てくるだろうというお話がありましたけれども、今後、受け入れるに当たって、どういうことが課題になっていくのか、今の時点で、何かこんなことがあるのではないかとか、知事の中でお考えがあれば伺えればと思うのですけれども。

(知事)
 大きく考えると二つあると思うのですね。一つは、どこもやっていないことをやるということですよね。世界でどこもやってないことをやる。どこかで同じようなことをやっていて、同じことをやりますというのではなくて、世界でまだどこも量産できてないところにアプローチしていこうというところが、まずあります。それと、事業が当面目指しているスピードですよね。2025年にパイロットラインを造る。今は2023年ですから、2025年にそれを実現すると考えますと、やはり非常にスピードが速いということになります。そう考えると、乗り越えなければならない課題は多々あるのだろうということは、誰もが容易に想像できると思います。
 一方で、わが国における必要性ですよね。次世代半導体にしっかり挑戦していくということであったり、あらゆる産業を支えていく半導体を、アメリカなどとも連携して、しっかり製造していこうということ自体は、やはり日本として取り組まなければいけないことだと私は思っていまして、難しい課題はありますけれども、みんなで力を合わせてそこに取り組んでいくことは、非常に重要なことだろうと思います。これは北海道とか千歳市だけのことではなくて、日本全体にとっても非常に重要なことだと思いますので、そこはなんとか課題を乗り越えて、計画を実現していくべく支援をしていきたいと思います。

(朝日新聞)
 先ほど熊本県の例は出ましたけれども、熊本県は元々(半導体関連産業が)集積しているという話をおっしゃっていましたけれども、北海道は元々そういう製造業とか半導体製造の基盤があまりない中での(ラピダス社の)進出となるわけで、サプライチェーンとかですね、そのあたりどういった課題が出てくるのか、どう乗り越えていくのかというあたりは、どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

(知事)
 広大な産業用地があるのも、一つの優位性としてお話があったのですけれども、まさに今までにないような世界最高水準の工場の立地や研究機能、また人材育成機能という、複合的な機能を持たせた取り組みをするとなりますと、非常に大規模な用地が必要になるということがあると思います。逆に言えば、さまざまな(関連産業の)集積も、キャンバスにいろいろなものが描かれた中で描くというよりは、白地のキャンバスに、最も必要性があるだろうというものを、ゼロから創り出していくということに、この挑戦の難しさもある一方で、ラピダスの目指す将来像が北海道ではできるのではないかと思っていただけたのだと思います。われわれとしては、新産業、次世代半導体のジャンルはまさに新たな産業ですので、そこを契機としたものづくりやデジタル産業の集積といったものを、ぜひ実現していきたいと思っています。ただ、半導体に関連する企業は、(北海道にも)ありますので、当然、そういったところとも連携していくことが重要かなと思います。

(共同通信)
 あすなろ福祉会の監査の状況についてお伺いいたします。現在の状況、さらにもし監査結果の公表時期の見通しが立っていましたら、お伺いできますでしょうか。

(知事)
 まず、当事者の方や保護者の方々に対します聞き取りは、1月28日をもって終了いたしました。2月からは、こうした聞き取りを行う中で、当事者の方々と当時関係があったと、新たに把握された職員の方々などに対する聞き取りを今、鋭意進めさせていただいているところです。これはまだ終わったという状況にはありません。今後、追加で確認が必要となる事項が生じた場合には、時間はかかるのですけれども、再度、関係者に聞き取りを行うことも想定されると考えています。今の時点で、聞き取りの終了時期を、いつまでにやりますということを申し上げることはできないわけですが、スピード感を持って作業を進めるということと、あと大事なことは事実関係をやはりちゃんと(確認すること)。スピードだけ重視して、事実関係がちゃんと確認できないとなると困りますので、ここをしっかり両立しながらやっていくことで、判断していきたいと思っています。

(北海道新聞)
 先ほどの読売さんの質問は議会のことでちょっとかぶってしまうかもしれないのですけれども、本日は知事選前最後の記者会見ということもあってお伺いしたかったのが、知事は2019年に夕張市長から転身されて全国最年少で知事に就任されて、翌年はコロナ感染拡大などもあって、この1期4年間いろいろなことがあったと思うのですけれども、この4年間で進められたこと、逆にこれはもっとしたかったですとか、いろいろな思いも今あるかと思うのですけれども、あらためてご自身でこの4年をどのように振り返ったり、総括なさっているのか教えてください。

(知事)
 就任以来、活力あふれる北海道の実現に向けて「ピンチをチャンスに」と皆さんにお伝えしましたけれども、そういった視点も大切にしながら、道政運営に全力で取り組んできたところであります。先ほど申し上げたように、新型コロナウイルス感染症の対応は、本当に多くの皆さまのご理解とご協力をいただいて、道民の皆さまの命、そして暮らしをとにかく守るんだということで、職員のみんなと、最優先に力を注いできたところです。ロシアのウクライナ侵略を契機とした物価高騰などのさまざまな影響に対しても、議会での議論や、経済部を中心として緊急経済対策を機動的に編成、実行していくんだということで取り組みを進めてきました。
 公約で掲げた「ほっかいどう応援団会議」も、企業、団体、また個人の方、大変多くの皆さまにご参加いただきまして、市町村の皆さまの大変な努力もあって、ふるさと納税の企業版、個人版も、3年連続で日本一となりました。
 人口減少対策では、道、市町村、さまざまな民間の皆さまなどとも連携、協力しながら、子育て環境の整備、地域の特性を生かした産業の創出、さまざまな取り組みを皆さんと共に進める中で、2020年には25年ぶりに社会増に転じました。その後は再び社会減になったわけでありますけれども、コロナ前と比べますと、社会減の幅が抑制されているところがありますので、引き続きしっかり力を入れて取り組んでいかなければならない課題だと思っています。
 企業の進出については、先ほどラピダスのお話もございましたが、この間、コロナで皆さんの意識も変わって、2021年には首都圏からの本社機能移転(企業数)が全国3位となりました。本当に厳しい状況の中で、道にとっては大変ありがたい(方向に)、企業の皆さんの意思決定が反映したなというふうに思っています。
 皆さんにとっても悲願であった「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録がありました。また、バーチャル開催になってしまったのですが、「アドベンチャートラベル・ワールドサミット2021」ということで、コロナ禍の中ではありますけれども、国内外に、北海道の魅力を発信させていただく機会にもなったと思っています。
 しかしながら、コロナ禍、さらには物価高騰などによって、道民の皆さまの生活が大変大きく影響を受けている状況がまだありますので、引き続き、道民の皆さまの命、健康、暮らしをしっかり守っていく、そして、北海道の確かな未来をつくっていくための政策が、今後とも必要であろうと思っています。

(TVh)
 三点伺わせてください。まず、先ほど3月13日からマスクの着用は個人の判断が基本になりますということで、知事もその方向性で対応されるということを伺っているのですけれども、例えば接客されるようなお店ですとか、あと事業者とか会社さんによっては従業員に対してマスクを着けてくださいというような動きもあると伺っているのですけれども、こういったものに対してどのように受け止めていらっしゃるかというところ。
 あと昨日、JR根室線のほうの富良野-新得間のJR北海道からバス転換の提案があったというところで、事実上もう廃線に向かっていくのかなと思います。一方で、地元の人たちから8400筆を超えるような反対の署名なんかも提出されているので、この辺りどのようにお考えになっているかというところを伺えればと思います。
 あと、知事選に絡んでなのですけれども、知事、出馬表明されてから少しまた時間がたっているのですけれども、出馬表明の時に大きな柱というかを伺っているのですが、政策がなかなか、もう告示も近づいてきているのですけれども、なかなか道民に政策が示されるところが、まだ機会がないので、この辺りどのようにお考えになっているかちょっと伺えればと。

(知事)
 マスクのことは、冒頭の話題のところなのかなと思いますけれども、そのままお話ししてもよろしいですかね。基本的には先ほど申し上げたような原則がありますので、事業主のほうで、従業員の方とか利用者の方に対して、マスクの着用を求めること自体は許容される形になります。ですので、それはまさに事業活動を行う中でのお客さまの状況ですとかを踏まえて、ご判断いただくことになろうと思います。ただ、大事なポイントは、マスクの着脱を強いることはないようにということと、さまざまな事情、背景があるわけですから、そういったものに寄り添った中で、対応していただきたいと思っています。ちなみに道庁においては、窓口対応などにあっても、職員にマスクの着用を求めません。ですから窓口対応などを担う方で、マスクの着用をされているところもあるとお伺いしていますけれども、一律の着用を求めるようなことはしないということで考えています。
 それと二点目は、根室線の存続に関する署名が提出されていることなどであります。これは事務方のほうから報告を受けました。私としては、沿線の皆さまのお気持ちに今後とも寄り添いながら、将来を見据えた最適な交通体系を構築していくことに向けて、市町村の皆さまはもとより、地域の関係者の皆さまとしっかりと議論を積み重ねていくことが重要だと思っています。私も夕張市長時代に、夕張支線の廃線を受け入れたということがあります。そういったことからすると、心情を察しますに、本当に苦渋の選択であるということもあります。ですので、そういった意味からもしっかり寄り添いながら、最適な交通体系の構築に向けて、しっかりと取り組んでいくことが重要であると考えています。
 最後に公約の関係でございますけれども、まず、私はこれまで、この記者会見なども200回近くやっていますけれども、さまざまな事柄に対する考え方、また政策の方向性などについても、現職の知事として、皆さまにお話ししてきました。こういった中でも、私自身の考え方だとか、そういったものは道民の皆さまにお伝えしてきたというところもあります。その上でやはり当然、選挙の前に、皆さんにご判断いただけるべく、政策、公約というものをお示しして、皆さんにしっかり見ていただいて、ご判断いただくという、そういった対応は、しっかり当然のことながらしたいと。ですので、適切な時期に、しっかり皆さんにお示ししたいというふうに思っています。

質疑終了後

次期知事選前の最後の定例会見を終えて

 本日の記者会見が、知事選の前の最後の定例記者会見になります。私は知事に就任させていただいて以来、この会見の場におきまして、道民の皆さまに対して、道政に対してさまざま、記者の皆さまにご質問などもいただきながら、どのように道政が動いているのか、また私自身の考え方などについてもお話しさせていただきました。大変重要な場であります。毎週1回、記者会見を定例的にやらせていただきたいということで、記者クラブの皆さまと共催というか、一緒にやってきました。
 定例の会見や臨時の会見を入れると、数えていただいたら194回の会見を行いました。また、行事だとかいろいろな場面で、ぶら下がり取材というか、そういったものも皆さまから取材いただいたりしましたけれども、これはちょっと正確な数が分からないのですが、相当な数をやっているのではないかなと思っています。記者の皆さんからさまざまなご質問を、この間、いただいてまいりました。私の言葉足らずですとか、なかなか説明が十分にできないようなところもあったかもしれませんけれども、できる限り丁寧にお答えするように心がけて、この間、記者会見に向き合ってまいりました。
 感染対策においては2時間を超えるような形で、記者会見の場で記者の皆さんにご対応いただいたときもありました。もうそのときは、皆さんもちょっと疲れて、質問が終わったらぐったりしているような方も結構いましたけれども、本当に皆さんにお力添えいただきました。また、災害ですとか、緊急で皆さんにお集まりいただかなければならないようなこともありました。
 本当に皆さんには、道民の皆さんに情報発信をするというマスコミの皆さんの使命を担って、ご協力いただいたことに対して、心から皆さんに感謝申し上げたいと思います。これまで道民の皆さまとの架け橋として、お力添えをいただいたことに、選挙前の最後の定例会見ですので、あらためて皆さんに感謝申し上げたいと思います。本当に皆さん、ありがとうございました。
 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

 

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