知事定例記者会見(令和5年2月3日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年2月3日(金)17:00~17:25
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/17名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 高レベル放射性廃棄物の最終処分について
  2. 日ロ漁業交渉について
  3. 令和4年住民基本台帳人口移動報告(年報)について(1)
  4. 本の出版について
  5. 知事選挙について
  6. 令和4年住民基本台帳人口移動報告(年報)について(2)
  7. 藤丸百貨店の閉店について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から一点お話しさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症対策について説明します。道内の感染状況でありますが、人口10万人当たりでは164.6人と減少傾向が続いています。先週との比較では22パーセント減少となっています。直近のピークであった11月22日は(人口10万人当たり)1138.9人でしたので、そこと比較しますと約9割の減少になっています。病床使用率については20.2パーセントです。減少傾向が続いています。ピークの12月6日が57.9パーセントの病床使用率でしたので、こちらについても6割以上減少になっています。また、重症病床使用率については4.9パーセントという形で、低い水準で推移しています。
 インフルエンザについては、引き続き全道で流行入りしておりまして、7保健所管内で注意報が発令され、増加傾向が続いています。コロナ禍が始まった令和2年と同程度の水準となっています。その1年前と比較いたしますと、まだ低い水準にありますが、学校の臨時休業も増えてきています。今後も注意が必要な状況にあります。詳細については、道のホームページをご確認いただければと思います。
 レベル分類については、現在、レベル2として運用しているところであります。このレベルの判断に当たっては指標を基本とすることとしており、全道の病床使用率は、先ほど申し上げましたとおり、30パーセントを下回る水準にありますため、2月6日からレベル1といたします。なお、道民の皆さまにご利用いただいております無料検査事業については、これは原則レベル2(での実施)なのですけれども、2月末までの延長を既に決定しております。引き続き実施していきます。そして、即応病床についても、道南圏を除きフェーズ2としていたのですけれども、道南圏においても入院患者数が減少しておりますので、こちらも同日の6日から全道をフェーズ2とさせていただきます。今後、入院患者の状況を踏まえながら、フェーズ2からフェーズ1への引き下げに向けて、医療機関などとの調整を進めていきます。
 今週末から道内各地で冬のイベント開催が本格化いたします。明日2月4日からは、北海道を代表する冬のイベントであります「さっぽろ雪まつり」が3年ぶりの(会場)開催となります。前回の来場者数は約202万人ということであります。今年は国内外から多くの方々がお越しになる見込みであります。イベントの開催については、大声の有無にかかわらず、収容定員100パーセントでの開催が可能となったわけでありますが、場面に応じたマスクの適切な着用といった基本的な感染対策の実施が前提になります。今年の「雪まつり」開催に当たっては、来場者に向けた感染対策の呼び掛けや混雑防止のための対応、休憩所などの換気の徹底、飲食ブースは設置せず、さらにはこうした取り組みの多言語による周知など、さまざまな対策が講じられます。各地の冬のイベントにお出かけになる際には、基本的な感染防止行動を徹底していただくということと、主催者が定めるルールがありますので、これを守っていただいて、積雪や凍結によります転倒などにも十分ご注意いただきながら、お楽しみいただきたいと思います。
 現在、病床使用率や新規感染者数は減少傾向が続いているわけでありますが、インフルについては増加傾向が続いています。冬のイベント開催が本格化する中で、道民の皆さまには、冬のイベントなど接触機会が増える場面はもとよりでありますが、基本的な感染防止行動に取り組んでいただくとともに、日頃からの備えとして、解熱剤や検査キットをご用意いただくこと、オミクロン株対応ワクチンの速やかな接種についてもご検討いただくことを、引き続きお願いいたします。道のワクチン接種センターではオミクロン株対応ワクチン、ノババックスワクチンの接種を行っています。接種を希望する方はご予約いただければと思います。
 国は、5月8日から新型コロナを5類感染症に位置づけることとし、医療提供体制等の段階的移行の具体的な方針を3月上旬に示すとしています。また、マスク(着用)の取り扱いの検討に関しては、今後早期に、見直し時期も含め、その結果を示すということであります。道としても、この国の検討状況を注視してまいります。全国知事会では、こうした位置づけの見直しに対応いたしまして、ワーキングチームを設置し、課題の整理と国への提言を行います。道としても、有識者などの方々や市町村の皆さまにご意見を伺った上で、道の対策本部において課題を取りまとめました。具体的には、外来、入院の自己負担に関する制度設計、感染拡大期における入院調整機能の確保、ワクチン接種計画や国費による支援、そして新たな変異株への初動体制の確保などとなっています。特に、初動体制についてでありますが、今後、段階的に移行する中にあっても、大きく病原性が異なる変異株が現れた場合、迅速、的確な対応が必要になります。これまで3年間にわたり新型コロナに対応する中で、そうした体制の必要性が広く共有されてきたところであります。これを今後どのように確保していくのか、5類への移行とセットで検討していく必要があります。そのほか、社会経済活動や学校の活動への対応も課題としています。道として整理いたしました課題も含め、各都道府県における課題などについて、全国知事会のワーキングチームにおいて提言を取りまとめまして、近く国と協議を行う予定であります。今後とも国の動向などについて、市町村や関係団体とも積極的に情報の共有を図っていきます。
 寒さが年間で最も厳しい時期になりました。冬のイベントが本格化する時期となるわけでありますが、この冬を安心して楽しんでいただくため、道民の皆さまには引き続き、基本的な感染防止行動の徹底にご協力いただきますようお願い申し上げます。
 私から以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 原発から出る核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分について、政府が、原発立地自治体などの原発と関係の深い自治体の首長らと協議の場を新設する方針との報道がありました。これについての受け止めと、泊原発を抱える北海道の知事として、今後、仮に国側から協議の打診があった場合、この申し入れを受けるかどうかお考えを伺えればと思います。

(知事)
 (高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現に向けた)国の取り組み強化の具体的な内容ですけれども、そういった報道があったということは承知しているのですけれども、具体的な内容については明らかになっていないという状況がありますので、その具体的な内容が示された際に、必要な対応があれば行っていきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連して、報道レベルなのですけれども、今回の最終処分場に関する方針改定では、最終処分の実現に向けた取り組みを政府の責任と明記するとのことです。知事は以前から、最終処分場の選定について、国が主体的に責任を持って、理解を得ていくべきだと訴えていたと思うのですが、こうした政府の姿勢についてのお考えがもしあれば。

(知事)
 具体的な内容は今後明らかにされるわけですけれども、私も、この場(記者会見)でも何度か申し上げてきたと思うのですが、やはりこの最終処分地の選定については、全国的な課題だというふうに考えています。北海道だけの問題ですよということではないと思っていまして、そういった基本的な考えの下で、国が主体となって、例えば地盤の安定性ですとか、輸送適性などの観点から、候補といったものの絞り込みを行って、都道府県ですとか、自治体、住民の皆さまに対して説明して、理解を得るということが望ましいというふうに考えています。道だけの問題ではありませんので、全国において、最終処分場の理解促進、こういったものに努めていただきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連してもう一つですね、寿都町、神恵内村の文献調査が始まってから2年が経過してですね、ただ両自治体以外での文献調査に応募する自治体が出ていないのが現状です。NUMO(原子力発電環境整備機構)側は、10カ所ぐらいでこういった文献調査を行いたいとの意向を示しているのですが、実際、調査地探しが難航しているというようなところで、知事はこうした現状をどういうふうに見ていらっしゃるか。

(知事)
 私は、これは北海道だけの問題として捉えられる恐れがあるのではないかというふうに懸念しています。これは全国の問題だと思いますし、今の最終処分法上の立て付けからすると、全国のそういった処分を1カ所の地域が担うという枠組みで、今、文献調査は北海道内で2カ所行われているという状況ですから、これは全国の問題だということで、やはり全国の皆さんも認識していただく必要があるのではないかというふうに思っています。

(北海道新聞)
 もう一つ違うテーマでご質問させていただきたいのですけれども、北方四島の周辺海域で行う安全操業についてお尋ねしたいと思います。今年の安全操業について、ロシア側が政府間協議に応じない方針を示しておりますけれども、これについての受け止めをお伺いできればと思います。

(知事)
 この安全操業は、北方四島隣接地域の基幹漁業の一つです。道東の地域経済に大きく貢献する重要な役割を担っています。このまま協議が行われずに操業がかなわなかった場合、地域に与える影響は極めて大きいものであると考えています。こうしたロシアの対応は、到底受け入れることができないものです。
 道としては、これまでもさまざまな機会を通じて、操業機会の確保を国に求めてまいりました。引き続き、安全操業が協定の下で行われるように、国や関係機関と緊密に連携しながら取り組んでいきたいと考えています。

(読売新聞)
 人口について一点、ご質問します。先日発表された総務省の発表で、北海道の転出、転入の人口が、2022年が3476人の転出超過となりました。ここ最近、北海道で見ますと、社会増になったこともありますし、これまで企業の誘致であったりとか、関係人口の創出とか地域おこし協力隊とか、さまざまな人口に関する政策をやられてきたと思うのですけれど、今後、地域格差もあると思う中で、社会増とか自然増とかを目指す中で、道としてどういうふうに取り組むことが重要と考えるか、知事のお考えを聞かせてください。

(知事)
 このコロナの状況の中で、社会増減は非常に特徴的なトレンドを示してきたと思っています。今お話のあった、令和4年の住民基本台帳人口移動報告では、北海道においては3476人の転出超過ですから、北海道に来る人より、北海道から出ていく人のほうが、3476人多くなってしまったということなのですけれども、これは全く同じ統計ではないのですが、令和2年の社会動態では、今質問にありましたけれども、25年ぶりに(日本人の社会動態が)社会増に転じたのですね。令和2年に社会増になって、その翌年に社会減に転じたのですけれども、コロナ前と比べると社会減は抑制されているという状況にあります。
 今回発表された点において言っても、(社会減が)抑制されているという状況があります。今回の統計で非常に特徴的だなと思っていますのが、平成26年以降に今の集計方法になっているのですけれども、北海道においては転入者数が過去最大になっているのです。平成26年に今の集計(方法)になっているのですけれど、平成26年以降で見ると、転入してきた方が過去最大になっているのですね。社会減抑制傾向が継続していると思っていますので、いわゆるコロナ禍で生じた地方への関心の高まりですとか、人々の意識の変化といったものをしっかり捉えて、人の定着、転出の抑制、転入の増加、(人の)呼び込み、こういったものを、やはり市町村の皆さんとしっかり連携して取り組んでいくことが、非常に重要だなと考えています。

(北海道新聞)
 知事の著書の出版について伺います。2月中旬にですね、「逆境リーダーの挑戦 最年少市長から最年少知事へ」という本を出版されるということなのですけれども、内容ですとか、またこのタイミングでの出版の狙いなどについてありましたら教えてください。

(知事)
 知事として今回、記者会見でこうやってお話しさせていただいていますので、私の著書に関してお話しすることは控えたいというふうに思います。

(TVh)
 先日ですね、知事選を巡りまして、立憲民主党など4者がですね、池田真紀さんのほうに出馬要請されたという動きがあったのですけれども、ご本人はまだ出馬を表明されていませんけれども、今時点で知事の受け止めとしてですね、再選を目指されているということなので、一言いただければ。

(知事)
 今後、どなたが立候補されていくかということは、私は分からないわけでありますが、私としては、やはり私の思い、そして政策について、一人でも多くの方々にお訴えをしていく、そして日々丁寧に積み重ねていく、このことが、どのような方が立候補してくるか分かりませんけれども、大切だというふうに思っていますし、これまで知事として3年9カ月以上、同じ思いで取り組みを進めてきましたので、これからも、どういった方が出てくるか分かりませんが、私の思い、政策を一人でも多くの方に訴えていく、そして日々丁寧に積み重ねていく、このことを貫徹していきたいというふうに思います。

(TVh)
 先日、自民党道連のですね、選挙対策本部のほうでも高橋はるみ代表代行がですね、女性候補ということもあって、女性候補というのはなかなか手ごわいのではないかという評価もされていたのですけれど、そのあたりはどのように感じていらっしゃいますか。

(知事)
 私は人の評価をできるような情報がまだございませんので、どういった方が出られるか分からないですけれども、自分自身のことは自分自身で決められますので、とにかく私の思いや政策、これを一人でも多くの方にお訴えをしていく、そして日々丁寧に活動を積み重ねていく、このことが大事だというふうに思っております。

(北海道新聞)
 先ほどの転出超過の件で一点だけちょっと確認だったのですけれども、統計は違いますけれども、人口動態のほうに言及されて、令和2年に社会増になったというお話なのですけれども、これは普通に考えると2020年の初頭にコロナがあって、その影響を受けてですね、道外への転出が減少してこうなったというふうに理解するのが、統計の解釈としては、すっと落ちるのかなと。なぜそう申し上げるかというと、もし政策のことがあるのであれば、2020年ではなくて、その後に出てきて社会増になっているということであれば、そういう解釈で正しいような気がするのですけれども、ちょっと何かそこがすっと落ちないのですけれども、これはそういう解釈でよろしいのでしょうか。

(知事)
 私は、統計の正確な分析や精緻な分析が、今この場でできているわけではないですが、事実として、令和2年に社会増になっていること、それとその後の人口の動きを見ても、コロナ前と比較すると、人口の流出の幅が抑えられているという状況があるので、コロナ禍における意識の変化などもしっかり捉えて、できるだけ人口流出を防いでいく取り組みを市町村と一緒になってやっていくことが大切ではないかと思っています。
 それと、確かにコロナの影響というのは非常に大きいと思うのですけれども、市町村も、地方で、北海道で暮らしたいと思っていただいている本州の方々を受け入れるべく、移住、定住だとかさまざまな取り組みを、北海道内の市町村が、北海道も含めてやってきていますので、そういった成果もやはりあるのではないかと思っています。

(北海道新聞)
 つまり政策による効果で、令和2年が社会増になったというふうには、知事も言い切れないと思うし、そう言っているつもりはないという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 私は政策の効果も一定程度あると思っています。やはり移住、定住の取り組みを、市町村も道も一生懸命やっていまして、若い世代ほど地方への関心の高まりがありましたし、そういう状況の中で、道内にとどまろうというふうに思ってくださった方もいると思います。ただそれを、属性ごとに一人一人、Aさん、Bさん(の分析)とか、そういう分析はなかなかできていないところはありますが、この1年だけではなくて複数年で見ても、コロナ前と比較しても、(社会減の)抑制傾向が見て取れるので、そこは必ずしもコロナだけで、それが全て理由づけられるというほうが、私は難しいと思うので、そういう移住、定住の取り組みというのも、一定の成果があったと捉えています。

(TVh)
 1月末でですね、道内資本の百貨店として最後だった藤丸さんが閉店されたということがありまして、こちらの受け止めというところと、あと道内で札幌市と函館市だけで百貨店が残るという形になるので、北海道の経済的によろしいのか、よろしくないのかという、何か率直な知事の受け止めというのをお話しいただければ。

(知事)
 私もテレビなどで拝見しまして、122年の歴史を持つ百貨店が閉店すること、多くの方がそれを見守る姿に、地元の方々は本当に残念な思いもあると思いますし、街の中心、市街地の要となる施設でもありますので、地域経済への影響も大きいものがあると思っています。今、閉店後の営業などについて明確になっていないというところがありますけれども、基本的には藤丸の屋号ですとか建物を引き継いだ中で、再開に向けて準備を進めるということもお聞きしておりますので、道としてもさまざま情報収集もしながら、サポートしていければと思っています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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