知事定例記者会見
- 日時/令和4年8月9日(火)17:05~17:55
- 場所/記者会見室
- 記者数/16名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルス感染症対策について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
- 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)について
- 住民基本台帳に基づく人口動態について
- 洋上慰霊について
- ホクレンにおける乳価の期中改定について
知事からの話題
新型コロナウイルス感染症対策について
定例の記者会見を始めさせていただきます。
道民の皆さまに大変ご心配をおかけいたしましたけれども、私も体調が回復いたしまして、本日から職場に復帰いたしました。発熱と喉の痛みなどがございましたけれども、ワクチンの3回接種、また自宅療養の準備などもしていましたので、大きな不安なく、自宅療養の10日間を過ごすことができました。今、医療機関、保健所も大変な状況になっています。セルフケアで自宅療養していましたけれども、これまで以上に、今、自宅療養されている方も多くなっています。入院されている方々に、これまで以上にしっかりと寄り添って、この経験も生かして対策にしっかり取り組んでいきたいと考えています。引き続き、皆さまよろしくお願い申し上げます。
それでは、私から新型コロナウイルス感染症についてお話しさせていただきます。本日の新規感染者数は5546人となっています。人口10万人当たりで言いますと、846.8人となっています。先週、過去最多を3日連続で更新するといった状況が続いていたところでございますが、全国と比較いたしますと、10万人当たりの感染者数がこちら(スライド)、全国で39番目ということで、全国と比べると人口当たりの感染者の状況というのは、比較的低い水準になっています。それと病床の使用率についても34パーセントということで、増加しています。増加が続いているのですけれども、全国がそれ以上に増加していることによって、今、病床の使用率で言うと北海道は46番目です。下から2番目という状況になっていまして、全国の中でも、病床については最も低いレベルの状況ということになっています。重症の方のための重症病床使用率については5.7パーセントという状況になっていまして、この全体の表(スライド)で元々の数字が少ないので、分かりにくいですけれど、こちらも足元が増加していると。この点について注意が必要であります。
国は7月29日に、社会経済活動を維持しながら、感染拡大防止の強化に取り組む都道府県を支援するということで、「BA.5対策強化宣言」という枠組みを示しました。これは全国知事会としても、そういった枠組みの必要性についてお話してきましたので、そういった意味では一歩前進と思うわけでありますが、宣言を行う際の病床使用率の目安を示してくださいと、われわれは言っていたわけですけれども、国は目安を示しています。その一つとして昨冬のピークを超えることが掲げられています。それ以外は病床使用率50パーセント程度ということで示されているのです。病床使用率の50パーセントと昨冬のピークを超えるということが、対策強化宣言の目安と示されています。北海道においては、現在、50パーセントを超えていません。34パーセントということですから、50パーセントには該当しないのですけれども、昨冬ピークが40.1パーセントなのです。今、34パーセントなのですけれども、昨冬ピークの40.1パーセントに、今のまま病床の負荷が増えていきますと、来週中にはこれを超えてくるのではないかというのがわれわれの想定です。ですので、病床についてこうした見通しがあるという状況の中で、新規感染者数の過去最多の更新が先週続いたわけであります。また、今後、お盆の時期を迎えますので、帰省ですとか旅行ですとか、人の移動が活発になります。そういったことがありますので、今後、新規感染者数、さらには入院患者数がさらに増加する懸念がありますので、道としては、この目安に今の時点で到達していないのですけれども、先を見越して取り組みを強化し、今、集中的に取り組みを進めていく必要があると考えております。そのため、「BA.5対策強化宣言」の目安には達していないけれども、取り組みをしていくということです。こうした状況について、まず道民の皆さま、事業者の方々と認識を共有させていただきたいと。その上で、さまざまな取り組みを一体的に行っていくパッケージを展開していくことが重要であるという考えに立ちまして、「BA.5対策強化宣言」を行うことにいたしました。その上で、今申し上げたように北海道、そして道民の皆さま、事業者の方々一体となって、一体的な取り組みを進めていこうというものを「夏の感染拡大防止パッケージ」ということで取り組んでいきたいと思っています。明日から31日までを、パッケージの取り組みを集中的に行う期間とさせていただいて、今、現実になっています、かつてない感染拡大を乗り越えていくということを、皆さんとともにしていきたいと思っています。
では、その取り組みは何をやるのですかということですけれども、取り組みの柱は3本あります。まず、重症化リスクの高い高齢者の方などを確実に医療につなげていくために、保健・医療提供機能を十分に発揮させる体制をしっかりつくっていくということです。そして新規感染者数を抑制して、高齢者等への感染を防いでいくために、感染防止行動の徹底とワクチン接種の促進が二つ目です。三つ目が、現在の感染拡大において、事業活動等への影響を抑えていくため、感染防止対策と社会経済活動の両立。以上三つの取り組みを着実に実施していきます。
順番に説明したいと思うのですが、まず「保健所の対応力の強化」。保健所の対応力を強化しなければいけないということです。具体的には保健所の負担低減のために、現在、全ての保健所において、健康観察業務の民間委託を実施させていただいておりますが、今後は感染状況に応じまして、対応能力を増強する体制をとってまいります。
そして「検査・外来体制の確保」の取り組みについては、具体的には現在、発熱外来のさらなる拡充に向けて、医療機関への働き掛けを行ってございます。こうした取り組みに合わせて、今後、受診困難が生じないように、検査キットを必要な医療機関、保健所に明日10日から順次配布します。さらに、患者数の増加に伴う医療機関などの負担を軽減していくために、既に札幌市では行われているわけでありますが、札幌市の感染の実確認数も非常に大きいわけですけれども、札幌市以外でも今まで以上に感染が拡大することを見越して、道立の保健所管内において、医療の逼迫が見られる地域において、重症化リスクの低い有症状の方に対して、検査キットを配布させていただいて、医療機関を受診することなく検査結果が分かる体制を、8月中旬以降、順次構築してまいります。
さらに「医療療養体制の充実・強化」の取り組みでありますが、入院患者数の増加が見通されるという状況の中で、即応病床のさらなる確保を進めます。現在、全道の病床はフェーズ2としているところでありますが、病床使用率が増加している圏域で、さらにフェーズの引き上げを行います。具体的には、8月12日から、札幌市を含む道央圏、十勝圏をフェーズ2からフェーズ3といたしまして、即応病床216床を増加させます。なお、今回のパッケージの中にも位置付けているわけでありますが、最近、救急搬送困難事例が道内におきましても増えてきているところがございます。重症化リスクの高い方を医療につなげることができるように、道のホームページにも掲載させていただいておりますけれども、救急車を利用する際などに参考になる症状の目安をホームページに掲載させていただいていますので、ぜひこちらをご参照いただいて、救急車の適切な利用にご協力をお願いいたします。
二つ目の柱は感染防止行動の徹底とワクチン接種の促進ということになります。これは道民の皆さま、来道者の皆さまに対するお願いになります。混雑している場所などをできる限り避けて行動することなど、基本的な感染防止行動の徹底と、感染した場合への備えをお願いしていくというものであります。「BA.5対策強化宣言」を行った他県の中には、高齢者の皆さまに対して外出の自粛を求めている県もあるわけでありますが、北海道におきましては、新たな形で、一律の外出の自粛ということを求めるのではなくて、これからお盆の時期を迎えますが、混雑している場所などを避けていただくと。特に重症化リスクの高い高齢者の方々、基礎疾患があるという方々につきましては、特に慎重に行動していただきたい。そして重症化リスクの高い高齢者の方や基礎疾患のある方と会う予定がありますという方につきましても、慎重に行動していただきたいということを、道民の皆さまにお願いするものであります。基本的な感染防止行動、この点についてもより一層、この期間中、徹底していただくようお願いいたします。
また、集団感染の発生を想定した支援体制の確保をはじめとする高齢者施設、学校、保育所など、施設における感染防止対策の徹底を図ってまいります。そして帰省された方と会う高齢者の方などの皆さまには4回目の接種、夏休み期間を利用し、学生など若年層の方々に対する3回目の接種など、ワクチンの接種について積極的なご検討をお願いしてまいります。道としても、円滑な接種が進むように市町村を支援するとともに、道のワクチン接種センターで希望される方々への接種を着実に実施してまいります。
道民の皆さまには、万が一の感染に備えまして、解熱剤、そして少なくとも3日程度の食料品、必要な生活用品について、ご家族の中でご確認いただいて、あらかじめご用意いただくことをお願いいたします。道では、自宅での療養に当たりまして、支援物資が必要な方に1日でも早くお届けできるように、事業者を増やすなど、現在対応しているところでありますけれども、ご自身で確保できる方につきましては、今は、非常に感染が急激に増えていますので、ご協力をお願いしたいと思います。
最後に三つ目の柱になります。社会経済活動との両立に向けて、事業者の方々へのお願いということです。事業者の方々に対しまして、テレワークの推進や事業継続に支障を来さないようにするために、事業継続計画を再確認していただく。観光地など人が集まる場所で入場者の整理など、各事業者の感染防止対策を徹底していただくこと。そして、旅行や会食などの場面で、事業者の皆さまだけではなくて、利用者の皆さまとの協力による感染防止対策が非常に重要になりますので、利用者の皆さまにも、事業者だけではなくて、ご協力のほどお願い申し上げます。
現在、観光のハイシーズンであります道内において、「どうみん割」、「ぐるっと北海道」、「北海道認証店応援クーポン」といった事業を展開させていただいておりますが、現在の感染状況下で、社会経済活動を維持していくためには、事業者の皆さんはもちろんのことといたしまして、ご利用される皆さま双方で、感染防止の取り組みを全道で一層、普及、定着させていく必要がございます。皆さまには、基本的な感染防止行動を徹底していただいた上で、こうした事業をご利用していただいて、大変な状況にある事業者の方々を応援していただくということに、ご協力をお願い申し上げます。
最後になりますけれども、3年ぶりに行動制限のない今年の夏を迎えているわけでございます。旅行やイベントの参加など、さまざまな活動が活発になる状況の中で、医療従事者の皆さまには、この時期も昼夜を分かたず、患者の皆さまへの対応にお力添えいただいているところでございます。そのご尽力に心からあらためて感謝申し上げます。そして道民の皆さまにも、こうした状況についてあらためてご理解いただきたいと思います。医療従事者の方々のご尽力、道民の皆さまのご理解とご協力によりまして、北海道につきましては、冒頭ご説明しましたけれども、何とか皆さんのご協力をいただいて、入院患者数、重症患者数が全国の中で最も低い状況になっているところでありますけれども、今後の感染拡大も想定して、先を見越して、皆さんとともに対応していくことが重要だと思っています。入院医療が必要となる方の増加が続けば、医療全体への影響をどうしても避けることができない状況になってきます。道としては、道民の皆さまの命と健康を守ることを第一に、保健・医療提供体制を十分発揮しながら、社会経済活動との両立に向けまして、全道が一丸となって、この難局に立ち向かっていかなければならないと考えています。道民の皆さま、事業者の方々には、感染防止行動の徹底、そしてワクチンの接種促進などについて、しっかりと引き続きご理解とご協力をいただければと思います。明日から31日までになります。皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
私から以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
病床使用率の関係でお尋ねしたいのですけれども、今、知事の説明にあったように、全国的にもまだ低いレベルに道内はあるかと思うのですが、来週にも40パーセントを超えるという想定で今回宣言をされたというご説明だったと思います。来週中にも40パーセントを超えるというのは道の分析なのか、それとも専門家の見解などが含まれているのか、そこを一点確認したかったのと、このペースで上昇していくとですね、道外だと8割を超える病床使用率になっているところもあると思うのですが、北海道ではどの辺りまで上昇しそうだというふうに想定されているのか教えてください。
(知事)
病床の負荷の状況は、日々モニタリングしていまして、過去の感染の状況だとか、いろいろな面から、われわれは分析しています。そういった中で、病床の増加のスピードだとか、今後のトレンドを予測した中で、専門家の皆さまにもさまざまなご助言もいただき、今、(病床使用率が)40パーセントに到達していないけれども、現時点で先を見越して(「BA.5対策強化宣言」を)出すことが妥当ではないかというご意見を賜っているところでございます。
新規感染者数が、今、全国的に見て、一部地域では増加のスピードが減少してきていると。当然のことながら、前週比で1(倍)を下回ってくると、下がってくるということなのですけれども、感染確認の数が多い東京都とか大阪府とかでも、前週比で1(倍)ないし、1(倍)を下回るような状況も見えてきているところもありますので、そういった流れに、ぜひ道としてもつなげていきたいというのは当然あるのですが、このペースでいくと、来週(病床使用率が)40パーセントを超えてくるという状況の中で、やはり取り組みをパッケージ化して進めていくことが、今、必要だという判断です。
(北海道新聞)
今後(病床使用率が)40パーセントを超えた後、今のペースでいくと、どれぐらいまでいく懸念があるというふうに知事はお考えですか。
(知事)
そこは誰もが正確に予見することは難しいのではないかと思っていますけれども、一般論から申し上げれば、新規感染者数が減少に転じても、基本的には(新規感染者数に)遅れて入院の方が増えてくるので、新規感染者数が減ったからといって直ちに入院患者数が急激に減っていくかというと、そこはやっぱり少し時間差があります。まずは、新規感染者のピークを早い段階で迎えていくことが重要だと思っています。昨年の冬のピークが40.1パーセントでしたね。これを超えていくという状況になると、今までの中でもかなり医療への負荷が増えるという状況になりますので、病床使用率が80パーセントだとか、一部地域に見られるような状況をできるだけ回避するためにも、この取り組みについて皆さんと認識を共有し、ご理解、ご協力をいただきながら、31日まで取り組んでいく。このことで、できるだけ(新規感染者数の)ピークを早く迎え、さらにはその先の病床の負荷のピークも抑えていくという取り組みにつなげていきたいと思います。
(NHK)
他県なんかでは、高齢者への外出自粛を求めたりとかというケースもあったと思うので、今回、行動制限、強い行動制限をかけないということで、その部分をあらためてお願いします。
(知事)
先ほどご説明しましたけれども、一律に外出の自粛を求めるのではなくて、今、お盆の時期を迎えますので、帰省、旅行など、幅広い世代が交流する機会が多くなるということがありますので、リスクの高い場所(を避けること)、そして高齢者の方、基礎疾患がある方については、慎重な行動を呼び掛けること、一律に、とにかく外出をしないでくださいと言うよりは、このことが今は妥当ではないかと思っています。この時期、お盆を迎えますから、帰省ですとか、旅行ですとか、いろいろな世代が交流する機会も多いので、そういう環境になることに対して、今、高齢者の方々は、そして基礎疾患のある方々は、かなり感染防止の意識を持っていただいていると思います。ですので、そういった方と会う方についても、今、感染のリスクが高い時期になっていますので、そこをとにかく徹底して皆さんに行動していただく。今、このことを呼び掛けるということが重要だと思って、一律の外出の自粛ではない形での対応といたしました。
(読売新聞)
「BA.5対策強化宣言」についてお伺いいたします。国としては50パーセント超または昨冬ピークを超える場合、かつ、もう一つの基準として、入院患者が概ね中等症以上などの入院医療を必要とするものである場合など、医療の負荷の増加が認められる場合というふうにしています。知事としては、道内の医療の負荷の状況について、今現在、どういう状況にあるというふうにお考えなのかという点と、あともう一つ、宣言を発令した場合、国からの支援として、リエゾン職員の派遣などをするというふうに定めていますが、国からどういった支援を受けたいかなど、お考えがあればお聞かせください。
(知事)
病床の負荷は確かに、まず50パーセントを超えていません。それと、前回の冬のピークの40.1パーセントも現時点では超えていないのですけれども、われわれとしては、来週には40.1パーセントを超えてくることも想定されるという状況でありまして、医療への負荷が日に日に高まっていると認識しています。
北海道においては、最大確保病床数について言うと、東京都、大阪府に次ぐ全国で3番目の最大確保病床を、医療機関のご協力をいただいて確保しています。東京都や大阪府に比べて北海道は人口が少ないですから、人口(当たり)で考えたら相当な数の病床になるということです。そういった状況の中で、今、30パーセントを超えているという状況ですので、今後さらに負荷が高まると、フェーズ3が基本的に最大フェーズですから、道央と十勝のフェーズを3に上げますので、何とかこの中で収めていく取り組みが重要だと思っています。
国の支援のお話については、いろいろ国のほうで言っています。関係省庁等との連絡調整や好事例の提案・導入支援、感染対策に関する助言・指導などのほか、必要に応じてリエゾン職員の派遣を行うということであります。ただ、対策強化宣言を行ったところに状況確認いたしますと、国からリエゾン職員が派遣されたといった状況にはないとも聞いています。われわれとしては、明日から宣言に基づくパッケージを実行していきます。国のほうとしては、その地域に指定するという手続きがありますので、今、聞いてるところでは、明日、国として指定ということを検討いただいているということなので、その指定をもって、詳細をしっかり確認して、必要な支援を国にも求めていきたいと思います。
(朝日新聞)
先ほど、保健所や医療機関の負担軽減のお話がありましたけれども、今、感染症法上の分類について、岸田首相は第7波が終わった後に見直すというようなことを発言されているようですけれども、その前に、全数把握が今必要なのかどうかということで議論があると思うのですが、知事としては、今この状況の中で陽性者の全数把握というのは必要だとお思いでしょうか。
(知事)
まず、(7月28日の)全国知事会に私も出席しまして、全数把握の要否について検討してほしいと申し上げました。(全国知事会での)その発言の当時は99.9パーセントでしたけれども、今は99パーセントが軽症、無症状で、さらには感染がかなり広がっているという状況の中で、今までと同じようなフェーズでの全数把握が必要なのですかと、そういうことをちゃんと検討してもらうことは、コロナを軽視するとかそういうことでは全くないです。中等症、重症で医療が必要な方に対して、保健所や医療機関の資源を投入していくためです。そもそも本当に全数を把握できていないですよね。検査で確認されている方は確認できていますけれども、本当の意味で全ての数が全国で把握できているのですかと言った時に、今の時点でも確認できているところが限定的なわけですね。そういう状況の中で、今そういった議論をしてほしいと。
一部で、2類と5類の話と混同して、神奈川県の黒岩知事が5類にしてほしいと、知事会の順番で言うと私の後に、黒岩知事が発言したのです。私は、直ちに2類を5類にしてほしいとか、そんなこと言っていないのですよ。医療費が対象になるのかとか、ワクチン接種とか、万が一の緊急事態だとかができなくなりますよと国が言うのですけれども、私は2類から5類にしてほしいと単純な話をしているわけではないですが、そもそも医療費負担は公費でやればいいだけの話ですし、また、ワクチン接種も定期接種という市町村を支援する枠組みがあるわけですから、そういうところに切り替えてちゃんと困らないようにするとか。とにかく今、毎日ものすごい数の感染が確認されていて、全数把握という中で、医療機関だとか保健所とかみんな忙殺されている状況の中で、医療が必要な方に向き合ったり、そういった方々に対して必要な時間を割くということが、残念ながら事務作業とかいろいろなことがありまして、なかなかそれが難しいですよね。その点について検討してほしいと、できないのだったらこういう理由でできない、できるのだったらこういう理由でやると、とにかくそういうことで、知事会の緊急提言にもそれが(盛り込まれるよう)、全数把握はちゃんと見直しなさいと、全国知事会で言いました。
それを受けて、国としても項目を少なくしましょうとか、把握についても検討していくということになりました。これは大きな前進なのですけれども、われわれとちょっとかみ合っていないのは、今、ものすごい大変なので、ちゃんと検討してくださいというのが知事会の意見。いやいや混乱も生じるので、今の感染が収まったら検討しますよというのが政府の考え。でも混乱が起きないように見直せばいいだけですよね。ちゃんと保健所とか都道府県の意見を聞いて。今、そういう状況になっています。
結局、国は、われわれみたいに保健所を持ってもいないし、夜中まで24時間残業しながら、毎日向き合っている医療機関や保健所、道庁の職員、市町村の職員の熱と、東京のほうで数字を見ながら、何件増えたなとか言っている世界と、若干、その温度に差があるのではないかなと思うのですね。言うは易く行うは難しで、われわれとしては、とにかく大変な人をちゃんと医療につなげたい、限られたマンパワーや医療資源を最大限有効活用して、とにかくこの厳しい感染の波を乗り越えたいというところに対して、ぜひ、引き続き政府は耳を傾けていただいて、聞く力から実行するほうにシフトしていただくということが重要ではないかと思います。
(北海道新聞)
先月起きた安倍晋三元首相の襲撃事件の犯行動機を背景に、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治家との関係が問われる事態となっています。自民党を中心とした一部国会議員や他県の知事など、教団側との接点が次々と明らかになっていますけれども、鈴木知事はこれまでに旧統一教会、またその関連団体に選挙で支援を受けた、またはイベント参加や祝電の送付、金銭の寄付、支出などを含めて接点があるかどうか確認させてください。
(知事)
一部マスコミからアンケートなども来たところでありますけれども、知事選挙の運動期間、そして知事に就任した後を通じて、知事というのは、政務と公務というのがあるのですけれど、この政務、公務問わず、旧統一教会の組織的な支援、こういうことを受けたことはございません。特段の接点もないということであります。
また、選挙について調べまして、旧統一教会などからの推薦状ということもいただいてございませんし、また寄付、こういったものも受けていないということでございます。また、知事就任後、政務、公務問わず、旧統一教会の行事、こういったものに出席はしていません。それと祝電やメッセージ、こういったものを送っておりません。また、政治活動に関する寄付、政治資金パーティー券の購入、こういった組織的な支援、これも受けていないということです。
(北海道新聞)
旧統一教会を巡ってはですね、霊感商法や多額の献金などのトラブルが度々指摘されております。被害者も多く存在しています。こうした団体、教団と政治家との付き合いについては不適切との声が強まっていますけれども、知事はどうお考えになるのかということと、今、接点がないというようなお話ですけれど、今後のご自身の姿勢も含めて見解を教えてください。
(知事)
まず私自身につきましては、そういった接点がないということでございますので、今後においても、変わらない形で対応していきたいというふうに考えています。また、国会議員の皆さま、また地方議員の皆さまもそうですけれども、首長ももちろん、私自身もそうですが、社会的なそういった問題が指摘されている団体、これは旧統一教会のみならずだと思いますけれども、そういった(団体との)関係については、政治家として当然、十分注意していかなければならないというふうに考えています。
(北海道新聞)
一番初めの質問の際に、組織的な支援を受けていないというお話があったのですけれど、組織的ということは、つまり旧統一教会側との組織としてのやり取りというのはなかったということなのですけれども、全国的には、中には、よく分からないまま支援を受けていたというケースですとか、実際に選対(選挙対策本部)の中にどのような人がいたのか分からないというような回答をされているケースもあるのですけれど、これについてはつまり、組織的でないということは、そちらについてはちょっとまだ分からない部分もあるということですか。
(知事)
これは、組織的支援を受けていません。ただ、極端な話をしますと、私、知事選挙の期間中、大体5万人ぐらいの方に向けて、街頭演説とかいろいろな形で訴えさせていただいていまして、その集まった聴衆の方一人一人に、どういった信条を持って、宗教も含めて何を信じて、ということを確認することは不可能なのではないかというふうに思っております。
そういった意味で、確認できるものは全て確認させていただいて、そういった支援がなかったということであります。
(北海道新聞)
総務省が今日発表した今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査で、道内ですと、恵庭市、東川町、更別村の3市町村を除く176市町村で人口が減少していることが分かりました。札幌市など、これまで増加していた札幌圏の市部も減少に転じていて、人口減が加速している状況かと思います。今回の調査結果を、知事は率直にどのように受け止められたかと、今後の人口減対策についてどのようにお考えかお聞かせください。
(知事)
本日公表されています、令和4年1月1日現在での北海道における人口は、約518万3千人ということで、本年4月に公表された令和3年10月1日現在の人口推計と同程度であったものの、前年比では約4万5千人の減少となりました。
この状況について、少し去年の部分も含めて見ていきたいと思うのですけれども、人口の自然増減というのは、生まれる、亡くなるということ、社会増、社会減というのは、転出したり、転入したりということなのですけれど、ここ(社会増、社会減)に着目しますと、令和2年にこれまでなかった動きがありました。令和2年は、それまでずっと(日本人の社会増減は)大幅なマイナスでしたけれども、プラス88人ということで、プラスに転じたのですね。今回の調査においては、令和2年にプラス88人だったものが、昨年はマイナス2310人になりました。それだけ見ると大幅なマイナスになったという状況になるのですが、さらに、これ以前を見ていきますと、令和元年はマイナス7907人なのです。そして平成30年は(マイナス)7988人。コロナの動きなども関係していると思うのですけれども、今までになく社会増減がプラスになったのが令和2年で、今回マイナス2310人なのですけれども、その前を見ると7900人とかマイナスだったのですね。ですから、これまで人口減少問題について、関係人口の創出なども含めて、179の市町村がさまざまな取り組み(を実施し)、道としても連携して行ってきました。そうした点がこの結果につながっているのではないかと受け止めています。
ただ、今後このトレンドをもう少し見ていかなければいけないと思うのは、このコロナの状況で、(令和2年に)プラス88人と今までにないような数字になったのですね。今までマイナス7千人とか8千人だったのがプラスになるわけですから。今回、(マイナス)7千人とか8千人とかあったのが(マイナス)2千人になったのだけれども、これが今後どういうトレンドになっていくのか、しっかり見ていかなければいけないのですけれども、われわれとしては、感染症を契機とした地方への関心の高まりですとか、人々の行動変容、そしてデジタル、脱炭素といった社会変革の動き、こういうものを踏まえた中で、道民の皆さまが、やはり住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、ポストコロナに向けた地域づくりをしっかりと進めていくことが大事だと思っています。こういった新たな成長に向けて、強い危機感を持って困難な状況にしっかり立ち向かっていきたいと考えています。
(北海道新聞)
関連データの追加で念のためなのですけれど、社会減は減っているということではあると思うのですけれども、そもそも自然減が増えていて、例えば札幌市とかですと、社会減の影響もあって今回減ったというのはあると思うのですが、これから自然減がさらに増加して、より厳しい状況になるのではないかということを懸念されています。そういった点について知事はどうですか。
(知事)
そうですね、そこもしっかり取り組んでいかなければいけないと思います。自然減などについては、出生率を上げていく、安心して子どもを産み育てられる環境を切れ目なく、しっかり進めていくことも重要ですし、また、健康寿命を延ばしていって、高齢者の方々も、北海道で安心して住める環境をつくり出していく。北海道のみならず、日本全体で非常に大きく人口が減っていっています。その大きな流れの中で、みんなで取り組んでいかなければならないと思います。また社会増減でいうと、これはまさに転出・転入の話なので、魅力的な地域に(人が)移っていってしまうというところで数字に表れやすいですよね。ですから、この二つに対して、しっかりと対策を打っていくことが大事だと思っていますけれども、(社会増減は)令和2年、そして今年の状況を見ると、今までの大きな減少に対して、少しトレンドが変わってきています。そこに対してしっかりと政策を打ち込んでいくことも重要だと思っていますので、市町村ともしっかり連携して、取り組みを進めていきたいと考えています。
(NHK)
北方四島の洋上慰霊についてなのですけれども、明日で予定されていた全10回の行程が終了します。政府では来年度も続けるという方針も出ているのですけれども、道としては今後、どのように対応していくのでしょうか。
(知事)
今回、初めて洋上慰霊という形で、現下のウクライナ情勢の影響によって、当面、北方墓参、訪問事業を見送らざるを得ないという状況の中で、元島民の皆さまの思いに少しでも寄り添うために、国、そして関係機関の皆さまのさまざまなご支援、ご協力をいただきまして、今できることということで、千島連盟(千島歯舞諸島居住者連盟)とともに実施させていただいております。明日で最後の10回目となります。マスコミの皆さまにも洋上慰霊を取り上げていただきました。北方領土問題を多くの方に考えていただくために、本当にご協力いただいたことに感謝申し上げます。
今回の事業は、とにかく安全最優先で、コロナもそうですし、天候を見て、悪天候で危ないときは出港しないということで対応しました。明日で最後ですけれども、9回のうち2回は天候の状況によって出港できないということで、代替で根室港での慰霊式を行ったという状況があります。それとコロナのPCR検査を皆さんに受けていただいた中で、陽性確認という状況もあって、残念ながら今回参加できなかったという方もいらっしゃいましたけれども、概ね計画どおり、今のところ実施できています。参加者の方と私もお話ししましたけれども、洋上での慰霊ができて良かったという話や、少しでも島の近くに行って慰霊したかったので、この機会は良かったですということ、また島の近くまで行って亡くなった(方への)供養ができたということで、一定の評価の声はいただいておりますけれども、やはり、四島に渡って慰霊したいという、元島民の方からその切実な思いを、私も1回目に参加して、あらためて直接お話いただきましたので、洋上慰霊は、墓参などに代わるものではないということ、北方四島交流等事業の再開が切望されていると強く認識しています。
ですので、こうした元島民の皆さまの思いや、北方領土問題について国民の皆さまに知っていただくことが必要であります。今月、北方領土返還要求運動強調月間ということで、全国で取り組みが展開されています。各種取り組みを実施していただいている他都府県をはじめとして、今回の洋上慰霊の様子、そして元島民の皆さまの思いを広く発信して、機運の醸成につなげていきたいと考えていますし、いち早く、北方四島交流等事業の再開を、われわれとして国に求めていきたいと考えています。
(日本農業新聞)
先日ホクレンがですね、生乳取引価格、いわゆる乳価の改定をすると決定しました。道としての受け止めを教えてください。
(知事)
ホクレンが乳業メーカーとの交渉の結果、本年11月1日から飲用等に向けた生乳の取引価格を、キロ当たり10円値上げするということで、承知しています。これは全国の生乳生産量の約6割を占めます本道の酪農が、コロナ禍による生乳需給の緩和に加えまして、配合飼料や肥料などの高騰による生産コストの上昇によりまして、厳しい経営環境にありますので、こうした状況に対応するために一定の措置がなされたと認識しております。
道としては、道内の生乳生産量の約8割を占めます乳製品向けの取引価格は継続協議となっていますので、こうした動向を注視したいと考えています。そして引き続き、国に対して全国的な需給調整機能の発揮、脱脂粉乳の在庫対策の確実な実施を求めていきたいと考えております。そして、あらゆる機会を通じて、牛乳乳製品の消費拡大も引き続き、道として呼び掛けていきたいと考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)