知事定例記者会見
- 日時/令和4年4月22日(金)16:30~17:20
- 場所/記者会見室
- 記者数/21名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 高病原性鳥インフルエンザへの対応について
- 新型コロナウイルス感染症対策について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- 就任3年を迎えるに当たって
- ほっかいどう応援団会議について
- IRについて
- 赤潮被害について
- 原子力防災訓練について
- ヒグマ対策について
知事からの話題
高病原性鳥インフルエンザへの対応について
定例の記者会見を始めさせていただきます。私から二点お話をさせていただきます。
一点目が高病原性鳥インフルエンザへの対応についてであります。4月16日、全道2カ所の農場で確認されました高病原性鳥インフルエンザへの対応について、ご説明させていただきます。
白老町の農場では採卵鶏約52万羽となり、道内では過去最大、国内においても今シーズン最大の規模となりました。本日22日15時現在でありますが、殺処分数は約49万羽という状況になっていまして、進捗率につきましては93パーセントとなっているところであります。私も19日に現地へお伺いしました。あらためて規模の大きさ、そして防疫措置の大変さ、困難さを痛感したところであります。
また網走市の農場でありますけれども、エミューが約500羽、採卵鶏が115羽という状況でありました。特にエミューは国内初の大型家きんの感染事例となりました。こちらにつきましては、18日に殺処分を終了いたしまして、20日に防疫措置が終了という状況にございます。
感染の拡大を最小限にとどめるために、自衛隊、関係機関、市町村の皆さま、道職員が連携、協力いたしまして、24時間3交代の体制で防疫作業を実施してきたところでございます。昼夜を問わず現場で奮闘していただいたすべての皆さまに対して、あらためて心から感謝を申し上げます。
発生した農家の皆さまへは、殺処分された家きん等に対する手当金が交付されますほか、移動制限や搬出制限区域とされた周辺農場の皆さまも含めて、資金融通や技術支援など、道としても、1日も早い経営の再開と安定に向けて支援してまいります。また、このたびの発生により影響を受けました関連中小企業等の皆さまからの、経営および金融に関する相談窓口につきましても設置させていただいておりますので、こちらにつきましてもご利用いただければと思います。
本道では、野鳥などでの鳥インフルエンザの陽性確認が続いております。5月中旬ごろまでは、渡り鳥の北上が続き、感染リスクが高くなる状況がございますので、全道域において、日々、鶏舎周辺の消毒など、農場への本ウイルス侵入防止の徹底をあらためて皆さまにお願いを申し上げます。道民の皆さまには、死んでいる、また弱っている鳥などの野生動物を見つけましても、素手で触らないということをお願いしたいと思います。もし触れてしまったという場合につきましては、手洗いを十分行っていただくなど、冷静に対応していただきたいと思います。
一方で、高病原性鳥インフルエンザウイルスでありますけれども、通常では人に感染しないと考えられております。流通しております鶏肉や鶏卵は食べても安全であります。道としても正しい情報の発信に努めてまいります。消費者の方々も根拠のないうわさなどで混乱しないように、皆さまには冷静な対応をお願いいたします。道産の鶏肉ですとか、卵を食べて、農業者の皆さまを応援していただきたいと思います。
最後に、道としては地域の方々に安心していただくために、白老町、網走市の発生農場における防疫措置を一刻も早く完了させることができるように、引き続き全力で対応してまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
これが一点目です。
新型コロナウイルス感染症対策について
二点目が新型コロナウイルス感染症についてであります。本日、新型コロナウイルスに感染され、お一人の方がお亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
本道におきましては、4月18日から春の感染拡大防止に向けまして、基本的な感染防止行動の徹底など、三つの行動について道民の皆さまにお願いしているところでありますが、新規感染者数につきましては、増加傾向が続いています。道内の人口10万人当たりの新規感染者数でありますが、328.9人となっていまして、先週比で言いますと、1.1倍という状況です。一方で病床の使用率については14.4パーセントとなっていまして、こちらにつきましては増減しながらではありましたけれど、足元では減少しているという状況になっています。新規感染者数は増加しているのだけれども、病床使用率が減少しているという状況です。
全国の新規感染者の動向を見てみたいと思いますけれども、沖縄県が全国の最多となっていまして、人口10万人当たりで言いますと651.5人ということで、突出して新規感染者数が多いという状況になっています。一方で大都市の東京都、福岡県、大阪府といったところは減少傾向という状況になっている。一方で北海道はどうなのかというと、北海道については先週は上から数えて10番目だったのですけれども、上から数えて4番目になっています。ですので、全国的に見ても、北海道の人口に占める新規感染者数は4番目ですので、増加が続いてるというだけではなくて、感染の状況も全国的にも多い状況になっています。
オミクロン株より感染力が強いと言われていますBA.2系統の検出率についても増加傾向という状況になっています。国の専門家からは、これまでの感染拡大についてはBA.2系統への置き換わりが強く影響しているのではないかと指摘されています。道立の保健所所管分の4月20日の検出率でありますけれども、48パーセントという状況になっています。ここ最近ずっと見てきましたけれども、20パーセント台から48パーセントということですので、置き換わりが進んでいると。下のほう(モニター)は国立感染症研究所が出しました予想ですね。これぐらい進んでいるのではないかという推定というものがあります。こちらを見ていただくと全国は75パーセント置き換わりが進んでいるのではないかということで、最近、専門家は約8割が置き換わっているのではないかと言っているのですけれども、北海道は57パーセントなので、全国より置き換わりが若干遅れていると見えるのではないかと。実際に検出されているのが48パーセントですので、これは4月10日時点ということなので、近いような数字になっているのかと思います。ですのでBA.2系統への置き換わりが進んでいると考えられますので、この点については一層、警戒感を高めていく必要があると考えています。
こうした状況の中で、春の感染拡大防止ということで、道民の皆さまに三つの行動をお願いしています。普段からの行動としては三密の回避ですとか、手指消毒、換気。飲食の場面の行動については短時間、大声を出さず、お話になるときはマスクをしていただく。感染に不安を感じるときの行動として検査を利用していただく。それぞれの場面で道民の皆さまにご理解、ご協力をいただいて、この行動を実践していただきたいと、あらためてお願い申し上げます。
そして、来週末からはゴールデンウィークとなります。この期間における、全道の宿泊予約の推計を見てみたいと思うのですけれども、こちら(4月20日以前)は実際の数でこちら(4月21日以降)が推計ですけれども、やはりゴールデンウィークは、多くの方が宿泊をご利用することを予定されるわけであります。5月3日から5日の3連休をピークとして大きく増加することが予想されています。帰省ですとか旅行での移動によって、人の動きが活発になるということが予想されます。多くの方がゴールデンウィークを楽しみにされていると思うわけでありますけれども、この期間を安心して過ごしていただくためには、まず旅行や帰省に当たって、あらかじめ感染防止に取り組んでいただくということが重要になります。旅行や帰省を予定していますよと、そういった移動を予定していますよという方々、そして道民の皆さま、そして道外からは北海道に来道される皆さまがいらっしゃるわけですが、まず基本的な感染防止対策をそれぞれ徹底していただきたいと思います。また、事業者の皆さまにも感染防止対策の徹底をあらためてご確認いただいて、利用者の皆さまと事業者の方々の双方で徹底していかなければなりませんので、この点についてご協力をお願い申し上げます。
また、感染に不安を感じるなど、検査を希望される方には、移動などの出発前に検査を受けていただきたいということであります。北海道においては全道667カ所で無料検査を実施しています。この無料検査の期間についても延長いたしましたので、これを活用していただきたいと思っています。ゴールデンウィーク中につきましては、事業者によってはお休みですという場合もあるのですけれども、事前に実施の日時などをご確認いただいた上で、早めに予約していただいて、ご活用いただければと思います。
ゴールデンウィークはお休みが続くわけでありまして、このため体調管理がしやすいという時期でもあると思います。接種後の体調によってやむを得ず仕事を休まなければならなくなる場合があるということが、ワクチン接種ではあるのですけれども、道においては、企業等で働く現役世代の方々がワクチン接種をしやすい環境づくりを、企業の皆さまなどにお願いしてまいりました。仕事の状況については一様ではないわけでありますが、道民の皆さまには、(接種を)ご希望されている方でまだ予約されていないという方につきましては、体調の管理がしやすい形になりますので、ぜひゴールデンウィーク中の接種をご検討いただければと思います。接種にあたりましては、あらかじめ予約が必要な場合が多いので、早めにご検討いただければと思っております。
そして、ワクチンの3回目接種の状況でありますけれども、全体では5割を超える方が3回目の接種を終えるところまできました。その一方で20代、30代の若い世代の方の接種は20パーセント台にとどまっています。これは1、2回目の接種を受けたときから一定の期間を経て接種券などが届くので、これから接種の対象になってくるということで当然まだ低いという状況もあるのですけれども、感染の急拡大を抑えて、医療への負荷を増加させないためにも、早い時期に接種を検討していただきたいと考えています。特に若い世代の皆さまは、これから接種という形になってくるかと思いますので、積極的に3回目の接種をご検討いただきたいと思います。
道のワクチン接種センターでありますけれども、5月2日、3日、6日の3日間を除きまして、ゴールデンウィーク中も接種を実施しています。道のワクチン接種センターはゴールデンウィーク中もご活用いただけますので、ぜひご検討いただきたいと思います。また、3回目の接種におきましては、個人の申し込みは普通にできるのですけれども、大学ですとか企業、グループや、サークルだとかみんなで予約しようということもご相談を受けています。ぜひこちらについてもご活用いただきたいと思います。また大学生の方などで、住民票を移していないのですよという方も対象になってきます。そういった内容はホームページにも記載がありますので、ぜひご確認の上でご活用いただきたいと思います。
現在、新規感染者数の増加が続いている状況の中でありますが、国の通知がございまして、感染の急拡大に備えた保健・医療提供体制の点検を行ったところであります。この点検を通じまして、本日から最大確保病床数については、医療機関のご理解、ご協力をいただきましてさらに増加を図ります。これまでの2133床に対して、14床をさらに上積みいたしまして、2147床となります。また今後の検査需要の増加を見据えまして、検査能力についても増強を図ります。これまでより5822件増となります(1日当たり)3万9711件の検査を実施できる体制を整えます。
そして、道では昨日「どうみん割」の延長を決定させていただきました。連休中を除きまして、5月31日利用分まで延長いたします。本日の正午から販売を開始させていただきました。これまでも、観光関連事業者の皆さまには、徹底した感染防止対策に取り組んでいただいております。延長後も利用者の皆さま、事業者の方々、双方で基本的な対策の徹底をしていただいた上で、道内の旅行を楽しんでいただきたいと考えています。事業者の皆さまだけの努力では、なかなかこれは難しいわけでありまして、事業者の皆さまと利用者の皆さまの双方で感染対策を協力いただいて、道内の旅行を楽しんでいただくということでお願い申し上げます。
最後になりますけれども、BA.2系統を含めまして、オミクロン株に対しても基本的な感染防止対策が有効だということでございます。道民の皆さまお一人お一人、「普段から」、「飲食では」、また「感染に不安を感じるとき」ということで、三つの行動を思い返していただいて、その徹底について引き続き、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
私からは以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
念のための確認だったのですけれども、今回、人の往来ですとか、会食の機会が増えるゴールデンウィークに向けて、いろいろ対策をおっしゃってはいたのですけれども、極端に言うと対策強化みたいなものについては踏み込んでいない印象を受けたのですけれども、あらためて、かなり増加傾向が見られる中で、こういうご判断に至ったことについて、念のためにちょっと確認させていただきたかったのですけれど。
(知事)
まず、道民の皆さまに対して、三つの行動について、今お願いを申し上げています。この点、引き続き徹底していただきたいと思います。その上で、来週末から始まるゴールデンウィークがありますので、旅行や帰省といったことを準備されている利用者の方々や事業者の方々、双方に向けて感染防止対策の徹底をあらためてお願いしていきます。
また、希望される方に対する無料検査の利用、そしてワクチン接種の予約促進は、先ほど申し上げたように接種した後の副反応で、次の日にお休みなどされるわけですけれども、(ゴールデンウィークの)お休みの期間中は、副反応に対応しやすいということもありますので、積極的な促進を図っていきます。そして、市町村と事業者の方々、関係団体と連携いたしまして、地域においては振興局を中心に、今お話申し上げたようなゴールデンウィーク期間中における対応について、速やかに周知を図っていきたいと考えています。
さらに国の動向、全国的な状況も踏まえながら、ゴールデンウィークへの対応については、さらに検討も進めていきたいと考えています。なかなか直前で申し上げても(対応いただけないので)、帰省や旅行をご検討されている方については、まず今申し上げたようなことにご注意いただきたいということについては、本日申し上げるべきだと考えましたので、対策本部会議で決定して、呼び掛けを行うとともに、各地域における振興局で、関係機関とそうしたことを共有した中で、周知を速やかに行っていきたいと思っています。
(北海道新聞)
ちょっと私の理解力が不足していて恐縮です。そうなると、また直前に、より何かしら強い対策ですとか、ちょっと違ったものが出てくる可能性もあるという、そういう理解でよろしいでしょうか。
(知事)
そうですね。どうしても人の移動ということになりますと、単独の県、というか北海道で言えば道ですけれども、県や道だけでできることと、全国的に、統一的に注意していかなければならないというところがあるかと思っています。
道としては、直前にお話しをするという形になりますと(対応いただけないので)、そもそも帰省や旅行を予定している方に対する呼び掛けは、現時点で行ったほうがいいと思っていますけれども、おそらく政府としても、大型連休の前に注意喚起など、総理を先頭にお考えなのだろうと思います。
また、各圏域における需要喚起で「どうみん割」も延長しましたけれども、例えば道民の方が他の県に移動するときというのは、3回目のワクチン接種か検査を受けていただくことになっているのですね。道民が道内で旅行する場合については、2回のワクチン接種か、検査という形になっているのですけれど、これは北海道だけではなくて、そういう取り扱いがある中では、私はやっぱり感染に不安がある方はこちらに来られる前に、無料検査を受けてもらう必要があると思うのですけれど、これは正直、北海道だけの問題なのかと言ったときに、私はこれは全国的に同じだと思うのですね。例えば、東北エリアではない(地域の方で)、需要喚起策をご利用されない方でも、北海道にお越しになる方はいらっしゃいますので、注意していただくということは、私は必要ではないかなと思っていますので、これは北海道だけが呼び掛けるというよりは、全国で統一的にやっていく必要があるのではないかなと、私は思っています。ですから、そういったことも(全国)知事会などでも言いたいなとは思っていますが、全国的な注意喚起については、さらに検討を進めながら、皆さんにはご協力をお願いできたらなと思います。
(NHK)
今日、知事の任期満了まであと1年になりました。3年前に掲げた公約について、知事としてはどこまで実現できた、もしくは着手できたと考えているかお願いします。
(知事)
私も知事に就任して以来、コロナの感染が広がる前でしたけれども、ピンチをチャンスにという視点で、新たな発想、そして行動力を大切にさせていただきながら、「ほっかいどう応援団会議」の結成をはじめとして、食・観光・文化の発信、また北海道胆振東部地震からの復旧・復興、さまざまな施策に取り組んでまいりました。皆さまにお約束した公約につきましては、そのすべてで着手しているという状況でありますけれども、コロナの影響を受けているというところもございます。
こうした状況の中で、先ほど申し上げたように、2020年の2月以降ですけれども、新型コロナウイルス感染症が、全国に先行する形で、本道で感染が拡大するという状況になりました。それ以降、この間、まず、道民の皆さまの命そして暮らしを守るということを最優先としながら、取り組みを進めてきました。そこに向けて全力で取り組んできました。本当にこの点、道民の皆さま、事業者の方々に、今もそうですけれども、多大なるご理解とご協力をいただいていることに、あらためて皆さんに深く感謝を申し上げたいと思います。マスコミの皆さんにも、この対応について道民の皆さまに対して発信するご協力をいただきました。今もいただいています。このことにも感謝を申し上げたいと思います。
こういったコロナの対応がございましたけれども、2020年には民族共生象徴空間「ウポポイ」がオープンし、またその翌年には、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されました。また、本道の食・観光がなかなか厳しい影響を受ける中で、本当に素晴らしい北海道の食やさまざまなものをPRするアンテナショップの「どさんこプラザ」がありますけれども、有楽町店は日本一のアンテナショップの売り上げを誇っていますが、玄関口である羽田空港に悲願だった「どさんこプラザ」をオープンする。また、関西にアンテナショップがないということで、大阪府のあべのハルカスに「どさんこプラザ」をオープンする。今度、町田市にもオープンしますけれども、コロナ禍であっても、素晴らしい北海道の食、さまざまなものをPRしていくことに取り組んできました。
また、アドベンチャートラベル・ワールドサミット2021、これはアジア初の開催ということで、バーチャル開催という形にはなりましたが、2023年のリアル開催につながったと思っています。
「ほっかいどう応援団会議」の結成、そして、セミナーやポータルサイトでの発信など、さまざまやってきましたけれども、この「ほっかいどう応援団会議」を結成しようというときに、北海道を応援してくれる人、愛している人がいっぱいいる、その受け皿をつくって、例えばふるさと納税で日本一を目指すのだと言ってきました。令和元年、令和2年ともに日本一になることができました。これは本当に市町村、そして北海道を応援してくれる多くの方々のおかげであります。本当に、道民のみならず全国の皆さんから、北海道を応援したいということでご協力いただきました。このことにも感謝しています。
これからもしっかり道民の皆さまの声に真摯に耳を傾けながら、しっかりと、活力あふれる北海道の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
(NHK)
続いてなのですけれども、残り任期1年、特にどの政策に力を入れたいかということがあればお願いします。
(知事)
まずは新型コロナウイルス感染症の対応に万全を期すということは、やっていかなければならないと思っています。また、集中豪雨ですとか大雪ですとか、頻発化、激甚化する自然災害、そして、ロシアのウクライナ侵略による暮らし・経済への影響、そして、今日もお話しましたけれど、高病原性鳥インフルエンザといったものが発生する、こういった国内外のさまざまなリスク、道民の皆さまの生活に影響を与えるリスク、ここに「守り」の視点を置いて、しっかり対応していくことが、やはり重要だと思っています。
ただその上で、「どうみん割」の延長もそうですけれども、社会経済活動の回復との両立という、難しい状況にも取り組んでいかなければならないと思いますし、また、ゼロカーボン北海道の実現に非常に多くの方々にご協力いただかなくてはなりません。また、北海道Society5.0 、DX、デジタル化、こういう時代の潮流をしっかり捉えた上での「攻め」の視点です。「守り」とともに、この「攻め」の視点を持って、ポストコロナを見据えた取り組みを加速していくということをやっていかなければいけないと思っています。
ゼロカーボン北海道を提唱して、多くの方がゼロカーボン北海道と聞いたときに、脱炭素の取り組みですよねということで、少しずつ皆さんに広がってきていると思いますけれども、2030年度の目標(温室効果ガス削減)48パーセントという、国の46(パーセント)を上回る野心的な、意欲的な目標になっています。ですので、まず目標を掲げつつ、各地域が持つ個性、そしてその独自性を生かして、地域が潤うという視点が私は大事だと思っていますので、そういう視点の下で取り組んでいきたいと思っています。デジタルも、私はこの道庁は北海道最大の企業だと思っていますので、4月から1万6500台のスマホを全ての職員に配布し、道庁自らが、そういった時代の潮流の中で意識を変えて、率先して取り組んでいく。これが大事だと思っていますし、先般、日本郵政や楽天との連携をやりましたけれども、寒冷地のドローン配送ですとか、北海道をフィールドとして、デジタル技術を活用した官民連携の取り組みで課題を解決していくという実例もしっかりつくっていきたいなと思っています。
いずれにしても、道が率先して取り組んでいくという姿勢が大事だと思っていますし、あと、縦割りだとよく言われますけれど、それぞれの政策効果を最大化するときに、かけ算の世界で相乗効果を生み出していくということ。それと、やはり皆さんの共感を得ないといけないと思います。道庁だけで出来ることなんてほとんどないのです。多くの方の共感を得て、一緒になって取り組んでいくことが大事だと思っていますので、そういう視点で、任期最終年になりますけれども、全力で取り組んでいきたいと考えています。
(NHK)
ありがとうございます。その上でなのですけれども、来年の知事選の再出馬については、現時点でどのようにお考えでしょうか。
(知事)
知事の任期が4年間でありまして、その最後の1年になるわけであります。今申し上げたように、さまざまな山積する課題、そして、この1年でしっかり取り組んでいきたい課題がありますので、そこに向けて日々、全力で取り組んでいく、このことに尽きるのではないかと思っています。
(NHK)
分かりました。とはいえ、どこかで判断しないといけないわけなのですけれども、いつまでにという何か期限みたいなイメージはありますか。
(知事)
そこは何もまだ考えていません。しっかりまず、日々、全力で道政課題、ここに向き合って仕事をしていく、これが今、大事だと思います。
(北海道新聞)
先ほどお話があった、「ほっかいどう応援団会議」のことでお伺いしたいと思います。創設から2年半がたって、先ほどふるさと納税のお話されていましたけれども、他にどういう成果があったのかというのを、あらためて教えていただければと思います。
(知事)
そうですね、北海道に想いを持っていただいている個人や企業の皆さまが本当にいっぱいいるということは、皆さんマスコミの方々も、いろいろな取材などでもお感じになられていると思うのですが、そういうものをネットワーク化して可視化するという、この受け皿がなかったので、応援団会議をつくりましょうとなって、何を目指すのですかと言ったときに、一つは、例えばふるさと納税を日本一にしたいよねということで、申し上げてきましたけれども、何とかそれは令和元年、日本一ということで達成しましたけれども、今、この企業・団体はもう500社以上、ゼロだったのが500社以上に参画いただいて、先ほど言ったようなさまざまな民間との連携事業の具体化につながっているということ。あと企業版ふるさと納税ってすごく難しいのですよ。私も夕張市長として当時、日本一、企業版ふるさと納税を集めましたけれど、(自治体が)プロジェクトをつくって、企業側がこのプロジェクトは面白いですねということで寄附してくれるという形なので、どういうプロジェクトがあるか分からないと企業側とのマッチングが難しいという状況があったので、それを全部ポータルサイトで可視化して、あとは(コロナ禍では)オンラインになってしまったのが残念でしたけれど、セミナーで実際に企業側の意向と自治体をマッチングさせるということが機能した結果として、全国一の金額になっているというのも一つあるのではないかなと思っています。とにかく見える化ですよね。自治体側もこういうことをやってほしい、企業側もこういうことをしたい、そこが全く見えないと、なかなか結びつかないというところがあるので。
それと、これは民間の調査ですけれども、魅力度ランキング13年連続北海道1位というのがありますけれども、それとともに、応援したい都道府県はどこですか、1カ所だけ答えてくださいというのが、1位が福島県で、福島県を応援したいというのは、これはみんなそうだよねということなのですが、2位が北海道なのですよね。北海道は魅力だと感じられているのは13年連続(1位)だけれども、応援したいというのは、結構さらに踏み込んだニーズだと思うのですよね。応援したい人がいるわけですから、それを可視化していくということによって、応援の具体的な例示をしていく、これが必要なのではないかなと思っています。さらに、応援の輪を広げていきたいなと思っています。
コロナのときも、コロナに対するふるさと納税は、日本で一番最初に北海道がやりまして、その次は大阪府がやりましたけれども、12億円ぐらい集まりましたけれども、こういうものにつながってるのではないかなと思っています。
(北海道新聞)
関連してですね、今、団体・企業から500社が集まっている、参加しているという話だと思うのですけれど、こういった企業の知恵だとかを借りて、何か道政運営に活かせた部分ってあるのかどうか教えてください。
(知事)
そうですね、先ほども申し上げましたけれども、行政だけではできないことばかりですね。例えば、ゼロカーボン北海道を推進するにあたっても、実際に事業者の皆さまにご協力をいただかなければなりません。道民の皆さんはもちろんそうですけれども。こういうネットワーク化した中で、今、ゼロカーボン(戦略課)に、企業からも職員の派遣、常勤でいただいていますけれども、普段からの連携を積み重ねながら、具体的に企業としてもプラスになる。われわれ行政側としてもプラスになる、また、なかなか民間でないとできない分野、または専門性のあるものを、お互いWin-Winの中でやっていく、こういう実例につながっていると思っています。
それと、やっぱり人間そうですけれど、動機がないとなかなか次の話に行かないですね。私、企業の経営者の方々に会って、応援団会議に入ってくださいと話をして、何ですかそれと言われて、これは北海道を応援する皆さんにまず入ってもらっているのですよと言って、どんなことやっているのですか、この企業はこういうことをやっています、じゃあ、うちだってそれに協力できますよ、と。今まで具体的な受け皿がない、何となく北海道を応援します、何かあったら言ってください、協力しますから、みたいな話だったので、そこをちゃんとこれからも確実につなげていく。こういうことが大事かなと思います。
(北海道新聞)
最後に一点だけですね、先ほど、今後賛同の輪を広げていくということが大事だという話をされてましたけれど、若干この1年で、参画企業・団体数というのが、前年よりも伸び悩んでいる状況もあると思うのですが、どういった取り組みが今後必要になってくるかというのをお話しいただければと思います。
(知事)
そうですね、出来上がってからゼロから増えているわけですから、そこは急激に伸びて、それから先というのは、スタート時点よりも増加の幅というのは当然、少なくなっていくというところは、一定程度あるかなと思っていますけれども、まだまだ北海道を応援したいという企業・個人、多くの方がいらっしゃいますので、そこをしっかり行政側としてネットワークをつないでいく、そういう努力をしていくということが大事だと思っています。
金銭的な支援だけではなくて、いろいろな形で北海道を応援してくれている企業・団体・個人、いろいろな方々がいます。そういう方々ともしっかりつながって、お互い北海道のために何ができるかというのを考えながら取り組んでいく、それがしっかり機能していくことが大事だと思っていますので、しっかり取り組みを、さらに加速していければなと思っています。
(朝日新聞)
先日、IR(統合型リゾート)に関して、和歌山県議会で国への申請計画が否決されたということがありましたが、このことについて知事はどうお捉えになったのかということと、あらためてIRについてのお考えを伺えればと思います。
(知事)
それは、それぞれの県議会ですとか、知事のお考えの中で、それぞれの自治体がご判断されたものと受け止めていますので、その各県における行政判断、また議会の判断についてコメントすることは差し控えたいと思っています。
北海道としては、北海道らしいIRの検討を計画的に進めていきたいと思います。
(北海道新聞)
話題変わりまして、道東赤潮の情報発信について伺います。道は昨日、赤潮の研究の中間報告をホームページで公表されまして、内容的には原因を示唆する内容だったのですが、プレスリリースがなかったことから、報道がごく一部にとどまっております。2月末には、セリフォルミスのDNAがロシアの赤潮のDNAと一致したという内容の研究報告が出ましたが、こちらはホームページでも公表されずに、アメリカの専門誌で掲載されただけでした。
知事は、昨年10月の会見で、赤潮の原因等について分かったものから分かりやすく発信していくというふうにおっしゃったわけですけれども、この半年間でそうした様子はあまり見られなかったように感じるのですが、現状の受け止めと、今後改善するおつもりがあるかをお聞かせください。
(知事)
さまざまな声があるかと思います。今回については、昨日、道と道総研水産試験場のホームページのほうで公表させていただいたわけでありますけれども、令和3年度分の研究成果として、海洋熱波と呼ばれる異常な海水温が観測され、赤潮発生との関連が推察されたという内容であります。当然のことながら関係する皆さまに対しては、こういった状況について、適切に情報共有し、周知するとともに、関心を持たれている道民の方のみならず、今回の前例のない、広範にわたった赤潮発生に興味を持たれている方は多くいらっしゃいますので、そこへの情報発信につきましては、今後とも多くの方に理解いただきやすい形での周知に努めていきたいと考えています。
(北海道新聞)
泊原発のことでちょっとお伺いしたいことがございまして、道はこれまで泊原発に関する原子力防災訓練などを通じて、住民避難の手順確認というのをされてきたと思うのですが、昨年10月の訓練で、コロナ対策で住民不参加となっておりました。訓練はそれ以前から参加者が減少傾向になっておりまして、福島原発事故から時間がたって危機感も薄れて、訓練のマンネリ化というのも指摘されています。今後、住民の参加を増やして、より実効性のある訓練を行うために何が必要とお考えでしょうか。
(知事)
住民の皆さまに参加していただくというのは、私は大変重要だと考えています。昨年度の訓練ですけれども、関係町村と協議させていただきまして、その結果として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図るための対応として、住民の皆さまの参加による避難訓練は見送りましょうということで、協議した結果としてそうなりました。そういった状況の中にあって、この防災対策に従事する関係機関の能力向上に重点を置かせていただいて、職員を住民と見立てて、感染対策を講じたバス避難、その避難所の運営の手順を確認するという訓練に取り組みますとともに、この様子を動画にしてホームページに公表させていただいて、訓練に参加できなかった住民の皆さまに動画をご覧いただいて、可能な限りの訓練の実効性を高めてきたということがあります。
本年の訓練については、適切な感染対策を講じながら、住民の皆さまに参加していただけるように、まだ決まっていませんけれども、内容ですとか時期も含めて効果的な実施方法を検討させていただきたいと考えています。
(北海道新聞)
もう一点だけ。泊原発で事故が発生した場合に住民避難用に、民間バス会社がバス車両を派遣する取り決めになっていると思います。弊紙が2018年に道内大手などのバス会社各社に取材を行ったところ、放射能漏れの危険があることから、ほとんどのバス会社が派遣は難しい、できないと回答がありました。それから3年半以上たって、道の担当者もバス会社に対して出前講座を行うなど、派遣してもらえるような理解促進に努めていらっしゃるとは思いますが、弊紙の取材では、なかなかバス会社が、依然として派遣に慎重な姿勢をしております。多くの住民を安全な場所に避難させるには、バスは欠かせないと思うのですけれども、実情を踏まえて、実効性のある計画への見直しなどのお考えというのはございますでしょうか。
(知事)
今ご質問にありましたけれども、原子力災害時におけるバスによる住民避難は、大変重要です。バス事業者や乗務員の方々に、原子力防災の重要性についてご理解いただくということが大切だということで、今ご質問にもございましたけれども、放射線に関する基礎知識などの習得のための出前研修の実施や、リーフレットを配布させていただくなど取り組んできたところでございます。
今、(そういったことも踏まえた中で、)協会の会員のバス事業者の方においては、(道と)協会とで定めた「住民避難用バス要請・運行要領」というものがあるのですけれども、この枠組みの下で、必要なバス台数を確保しているところであります。ですので、しっかりとしたご説明により、理解促進を図っていくことが重要だと思っていますので、今後とも、バス協会やバス事業者のご意見をお伺いして、原子力災害時の対応に関する理解促進を図るなどして、円滑な住民避難の実施に向け、不断の取り組みをしていかなければならないと考えています。
(TVh)
ここ数日ですね、札幌近辺でヒグマとみられる動物が非常に出ているということがありまして、道のほうでも(北海道ヒグマ)管理計画とか策定されて、いろいろ対応のほうを取られていると思うのですけれども、クマに対する対応として何か具体的に、知事はこのようなことやっていけたらいいなというお考え、何かあるでしょうか。
(知事)
まず、ヒグマのようなということで、確認はされていないですけれども、目撃情報などが寄せられています。さまざま道におけるツイッターなどでも、情報について皆さまにお知らせするとともに、万が一出会った場合の注意点などについてお知らせしているところでございます。
ぜひ皆さんには、現場で確認された情報の提供をいただくなどのご協力もいただきながら、地域の皆さまと連携してしっかり対応していきたいと考えています。
(TVh)
例えばですね、道外で取り組みが結構進んでいるかと思うのですけれども、ベアドッグ(クマ対策のための特別な訓練を受けた犬)とか、市街地だとどうしても駆除する場合、銃を使えない場合とかも想定されるので、そういった取り組みというのも実際にあったりするのですけれども、そういったものをぜひ北海道で展開していこうというお考えとかはあるのでしょうか。
(知事)
ヒグマの取り扱いについては、人身事案も過去最多になる中、ヒグマ管理計画(の策定)をはじめとして、注意報(の発令)、皆さんに対する注意喚起など、さまざまな専門家の意見を踏まえて対応を進めているところでありますので、今後ともしっかり皆さんの不安を解消していくためにも、取り組みを進めていきたいと考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)