知事定例記者会見
- 日時/令和3年12月28日(火)15:30~15:51
- 場所/記者会見室
- 記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- 今年(2021年)を振り返って
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- 北方領土問題に係る安倍元首相の発言について
- 今年(2021年)の漢字一字について
知事からの話題
新型コロナウイルス感染症対策について
私から二点お話をさせていただきます。
まず一点目は新型コロナウイルス感染症についてであります。本日の新規感染者数は20人となっています。2桁の感染確認が続いています。人口10万人当たりで言いますと2.7人となったところであります。現在、全国各地でオミクロン株の市中感染が確認されています。国の専門家も、感染拡大が急速に進むことを想定すべきとの懸念を示しているところであります。道内ではまだ確認されていないわけでありますが、いつ確認されてもおかしくないという状況だと考えています。道内での感染拡大を想定して対応していくことが重要であります。
本日で、仕事納めを迎える方も多いと思いますが、特に年末年始、離れて暮らす家族や親戚、ご友人など、普段は会わない方と交流する機会も増えます。オミクロン株であっても、感染防止に向けた行動はこれまでと変わりないわけでありまして、この年末年始の過ごし方が重要になります。特に飲食の場面は、どうしても感染リスクが高くなります。年末年始は自宅や親戚、ご友人の家に集まる機会もあると思うのですけれども、飲食を伴う場合には短時間、深酒をしない、会話のときにはマスクを着用する、こういったことなど、お一人お一人が感染防止行動の実践を心掛けていただきたいと思います。また、年末年始は混雑する場所も多くなります。外出の際は混雑している場所をできるだけ避けていただく、こういった点も必要になってくると思います。いつもと体調が違うと感じるときは、外出や移動を控えていただいて、積極的に検査を受けていただきたいと思います。
現在、オミクロン株の市中感染、先ほど申し上げたように(全国各地で)確認されております。確認されている都府県やその隣接県においては、無料検査が実施されています。そうした地域の方で、感染に不安を感じるという方については、今無料の検査がありますので、ぜひその無料の検査を受けていただいて、ご来道いただきたいと思います。オミクロン株の市中感染が確認されている都府県、その隣接県において、不安を感じるという方について無料の検査が実施されていますので、ご来道いただく際には、不安を感じている方につきましては、ぜひ無料の検査を受けていただいて、ご来道いただければと思います。
例年、年末年始は多くの医療機関が休診となるわけでありますけれども、明日29日から1月3日までの間、全道で430以上の医療機関におきまして、発熱の際の診察にご協力いただけるということとなりました。ご協力をいただきます医療機関の皆さまに感謝を申し上げます。その際、直接、医療機関に行くということではなくて、まずはかかりつけ医がいる場合については、そのかかりつけ医のほうに電話で確認するということ、そしてかかりつけ医がいませんよという方などについては、道の健康相談センターがありますので、こちらの番号(モニター)にお電話をいただきたいと思います。こちらのセンターにつきましては、年末年始24時間対応していますので、ぜひ、こちらの電話番号にご連絡をいただければと思っています。
年末年始においても、道では、海外や道外の往来歴、滞在歴がある方、感染経路が分かりませんという方、原則全ての検体について、デルタ株のスクリーニング検査、そしてゲノム解析を実施していきます。また、オミクロン株の感染疑いがある事例が確認された場合、入院していただくと。その濃厚接触者の方については、原則宿泊療養施設で滞在していただくことにご理解をいただいてまいりたいと考えています。
現在入院されている方は48人となっています。今後の感染拡大を想定して、全道で最大今2028床確保しています。48人の方が今、入院していますけれども、最大2028床確保しています。さらにこれを超える事態も想定して、緊急フェーズにおいては、2214床を設けます。宿泊療養施設についても、全道で11施設、2370室確保しています。そのうち1施設については、オミクロン株の濃厚接触者の滞在施設として運用しています。今後の感染状況を踏まえて、こちらについても機動的に対応していきたいと考えています。
また24日になりますけれども、新たな治療法として期待される経口治療薬、モルヌピラビルが国から承認されたということであります。この取り扱いですけれども、この治療薬の発注が行われている道内の医療機関、薬局に対しまして、早いところでは本日28日から配置されます。医師の処方によって、患者に投与できる体制が整うという予定になっています。現在、道内の52カ所の医療機関などからの発注を確認しています。配置場所は今後、順次さらに拡大されていくという状況になります。
また、「ワクチン・検査パッケージ」制度などを活用する場合の無料検査についても、昨日、道内10事業所を登録した形になっています。オミクロン株の市中感染が確認された場合、感染に不安のある方に対する無料検査を実施している県もあります。道としても今後の動向を注視しながら、検査事業所の登録を積極的に進めていきます。
現在の新規感染者数でありますけれども、比較的低い水準で推移しているという状況にあります。道民の皆さま、事業者の方々、医療機関、市町村の皆さまをはじめとして、感染拡大防止の取り組みにご理解、ご協力をいただいている全ての皆さまに対して、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。しかしながら、全国各地でオミクロン株の感染確認が相次いでいるという状況がありますので、年末年始も警戒を続けていかなければならないと思っています。皆さまにも引き続き、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
これが一点目でございます。
今年(2021年)を振り返って
そして二点目でございますけれども、本日、この定例記者会見をやらせていただいていますけれども、この1年、どれぐらい記者会見をやったのかなということで数えてみましたら、定例記者会見、臨時会見、またぶら下がり会見ということで、今日を入れて73回目ということになっています。本当に数日に1回やっているような状況になるのではないかなと思っています。記者クラブの皆さんには、今年も新型コロナウイルス感染症における対応をはじめとして、さまざまな情報を道民の皆さまに発信いただくことに、ご協力を本当にいただきました。道政記者クラブの皆さん、そしてこの会見をご覧いただいている道民の皆さまにも、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
今年も、新型コロナウイルス感染症への対応ということで、どうしてもその対応が中心となった1年だったと思っています。何よりも道民の皆さまの命、そして暮らしを守るということを最優先に、感染症への対策、この取り組みに最善を尽くしてまいりました。長期にわたって皆さまに多大なるご理解、ご協力をいただきました。本当に全ての皆さまに対して、この1年を振り返る中で、あらためて感謝を申し上げたいと思います。
一方で、この感染症との戦いが続く中にあっても、7月には北海道・北東北縄文遺跡群を世界文化遺産に登録いただきました。また、8月には東京オリンピック・パラリンピックが開催されましたけれども、北海道、札幌市においてもマラソン、競歩、サッカーが開催されました。また、アイヌ舞踊を発信させてほしいということでお話をしてきましたけれども、その場面も何とか用意いただくことができました。9月にアドベンチャートラベル・ワールドサミットということで、このアジア初の開催、知事に就任してすぐにこの取り組みをしまして、何とか開催ということになったのですけれども、コロナの影響を受けて、アジア初の開催は変わらないのですけれど、バーチャル開催ということになりました。実際にリアルで皆さんに来ていただくということは叶いませんでしたけれども、バーチャル開催の中でも、北海道はやっぱりアドベンチャートラベルの魅力が非常にあるということで、2023年のリアル開催(内定)にもつながりました。国内外、コロナとの戦いが続く中でありましたけれども、北海道が注目を集めた、そういう1年でもあったと思っています。 また、ずっとコロナで、私はなかなか道内を回ることができないという状況にありました。10月以降、少しずつではありますけれども、道内の地域を回ることができたということも、本当に嬉しかったですし、また今後も、この感染対策とともに、来年さまざま新しい挑戦をしていきたいと思っています。
今日は仕事納めですので、新しい年が道民の皆さまにとって、希望に満ちた素晴らしい年となるように、来年もしっかり力を尽くしていきたいと考えておりますので、皆さまには、今後ともご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
先ほどのご説明の中にあった、新型コロナの経口治療薬についてお伺いします。道内でも本日から薬を配置されたというご説明だったのですけれども、既に届いた道内の地域はどこなのか、把握されていれば教えていただきたいというのと、これからいつまでに、道内にどれぐらいの量、つまり何回分が届くのか、そういった薬の配分スケジュールなど分かればそちらについてもお聞かせください。
(知事)
先ほど申し上げたように、本日、その体制が整う予定です。ただ、その全体量というのは、最初は限定的だとお伺いしています。また、希望する医療機関が発注しています。発注した内容について、道として、今の時点でどれぐらいありますと確認させていただいて、52カ所ということで確認は取りました。これはどんどん増えていくと思っています。詳細な医療機関だとか、量というのは公表されるのですか。
(感染症対策局長)
今のところ細かいところまでは、まだ分かっておりませんので。
(知事)
そうですよね。なので、またその内容が分かり次第、皆さまにお伝えできるのかどうかも含めて、情報共有を図っていきたいと思っています。今日、お伝えできる内容としては、52カ所の医療機関などから発注されているという事実を確認しました。これは皆さんと共有できるのではないかということで、今日、お話をさせていただきました。
また、52カ所は今日で体制が整うのかといえばそうではなくて、北海道の交通事情などもあって、28日のこの体制というのも、今日時点で、今予定されている状況でして、またその医療機関によっても、状況は正直変わってきます。なので、そこら辺も含めて、共有できる内容については、後ほど共有させていただきたいと思っています。
(北海道新聞)
北方領土問題についてお伺いさせていただければと思います。安倍晋三元総理が、北方領土問題を含むロシアとの平和交渉を巡って、2018年11月のシンガポールでの日ロ首脳会談で、歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを明記した日ソ共同宣言を基礎としたことについて、「100点を狙って0点なら何の意味もない」と、弊社のインタビューに答えて、北方四島の返還ではなく、いわゆる北方四島の返還ではなく、2島返還を軸とした交渉に転換したことを事実上認めました。「路線を考え直せば日ロ関係は後退する」とも述べ、岸田総理に戦略の継承を求めていますが、安倍元総理の発言に対する知事の考えをお伺いいたします。
また、すみません、もう一点。北方領土問題に対する知事の基本姿勢についても、あらためてお伺いできればと思います。
(知事)
私もその北海道新聞さんの記事を見ました。安倍元総理が、これまで27回に及ぶ首脳会談に臨んで、この戦後76年間、日ロ両国間に残されている平和条約締結問題に強い思いを持って、粘り強く取り組んできたということでございます。
今ご質問にありましたけれども、この両首脳間における交渉の具体的な中身が、この報道、新聞記事でも明らかになっていないという状況がありますので、その点については分かりかねるわけでありますけれども、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するという政府の方針に変わりないということで、前総理である菅前総理、そして現総理である岸田総理とも、今ご質問ありました、2018年のシンガポール合意を含めて、これまでの両国間の諸合意に基づいて外交交渉を進めているという認識です。
そして、私としては、これはわが国固有の領土でありまして、国民の長年の悲願である北方四島の一日も早い返還に向けて、地元自治体、関係団体の皆さんと連携して、領土交渉が具体的に進展をするように、さまざまな機会を捉えて、国に対して強く求めていきます。
(北海道新聞)
知事の姿勢としては、今後、四島返還を目指すというふうな理解でよろしいのでしょうか。
(知事)
今申し上げたとおりでございまして、北方四島の一日も早い返還に向けて、地元の自治体、そして関係団体の皆さまと連携しながら、強く働き掛けてまいりたいと考えています。
(共同通信)
10月か11月ぐらいの会見でですね、今年の漢字一文字はというふうなご質問があったかと思うのですけれども、ちょっと今日あらためて仕事納めなので、伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
一部、取材でもうお受けしているのですけれども、今年の漢字、この漢字ですね。「変」ということで、これはあまり今年の一字として選ぶことは少ない漢字ではないかなと思うのですけれども、今年について言えば、今、オミクロン株の話がありますけれども、変異株への対応が、新型コロナウイルスの感染の増減を繰り返す中で求められた部分がありますし、また、ゼロカーボン北海道もそうですし、デジタルトランスフォーメーションもそうですし、そういった社会変革の動きもそうですし、また、われわれの行動変容がある意味では、実践されて、大きく社会全体の動きとして変化した年でもあったと思います。一字ということなので、今年はこの一字を、そういった思いの中で選ばせていただきました。
(広報広聴課長)
それでは以上で本日の定例記者会見を終了いたします。ありがとうございます。
(知事)
本当に1年間、皆さん、ありがとうございましたと言った後に、今年まだ終わっていないので、また臨時会見とか開くこともあるかもしれませんけれども、本当に皆さん、できればお休みいただいて、お疲れになった体を癒していただければと思います。本当に1年間、皆さん、ありがとうございました。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)