知事定例記者会見
・日時/平成30年9月5日(水) 14:30~14:47
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 台風第21号について
2 サハリン州への訪問について
記者からの質問
1 北方領土墓参(第3班)の中止について
2 JR北海道の事業範囲の見直しについて
3 百年記念塔について
知事からの話題
台風第21号について
私からは2点お話をいたします。
一つ目は、台風第21号についてであります。この度の、大変規模の大きい台風第21号によりまして、関西地方を中心に、特に3府県(大阪府、滋賀県、三重県)に大きな被害をもたらしたと理解しているわけでありまして、まだ数字の精査もされていないようでありますが、亡くなられた方々、負傷された方々も多数に上っているようであり、甚大な被害が生じております。亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
この台風は、速度を上げまして、日本海側を北上し、北海道にも昨日の夕方くらいから、今日の明け方にかけて、大変な被害が出ることが想定されましたので、われわれ道としては、昨日、災害対策連絡本部を設置し、厳重な警戒態勢を敷き、市町村や関係機関と連携して、対応してきたところであります。
被害状況については、現在、精査中でありますが、本日午前の取りまとめによりますと、強風による転倒で1名の方が、また、倒木の処理作業中に2名の方が負傷されたという報告を受けております。このほか、住宅、学校の損壊や農業被害なども確認されているところでありまして、今、詳細な把握に努めているところであり、対応を急いでいかなければならない、こんなふうに思っているところであります。これが1点目であります。
サハリン州への訪問について
〔配付資料:北海道・日露友好・経済交流サハリン訪問日程案(PDF)〕
二つ目は、私を含めた明日からのサハリン州への訪問についてであります。
配付資料があるかと思いますが、以前から申し上げておりますとおり、北海道命名150年の今年は、北海道とサハリン州との友好・経済協力提携20周年の節目ということでもございまして、知事の相互訪問をやろうということで以前から計画をしておりました。明日6日から土曜日(8日)までの間、サハリン州を訪問することといたしております。
今年の5月にサンクトペテルブルクでコジェミャコ・サハリン州知事とお会いした時にも、そういうことも申し上げていたところでございます。
今回は、道議会議長をはじめ、道議会の方々、経済界、自治体の方々と一緒でありまして、また日程は若干ずれるのですが、同時期に稚内・コルサコフ航路を活用した友好訪問の方々も行かれるわけでありまして、そういった方々も含めますと、総勢で約140名規模の北海道訪問団となる見込みでございます。
私の滞在中に、「友好・経済交流促進プラン」の改定を予定しておりまして、現在、道側とサハリン州側で最終調整をしているところであります。これまでの20年の取り組みの実績を踏まえまして、さらに太く、深化させていく内容としたいと、このように考えております。
また、北海道フェアや日ロ文化フェスティバルなどの記念行事によりまして、経済や文化など、さまざまな分野、多層的な分野における交流の機運をさらに高めてまいりたいと思っているところでございます。
こういった訪問によりまして、両地域の関係発展は当然でありますが、加えて、両国間の懸案である平和条約締結に向けた環境整備にもつなげてまいりたいと、こんなふうに考えております。
私からは、以上2点であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
昨日、報道発表がありましたけれども、北方領土の墓参中止、択捉島に10日から13日まで行く予定でしたけれども、ロシア側との調整がつかなかったということで残念ながら中止となりました。この中止に対しての知事の受け止めと今後の対応、また明日からサハリンに行かれる中でですね、7日には北方領土を管轄するサハリン州のコジェミャコ知事との会談も予定されています。その知事会談等々で、今回の問題について何か働き掛けをされるのか、お考えをお聞かせください。
(知事)
分かりました。墓参の中止、一言で言えば大変残念であります。
日ロ首脳会談において、元島民の方々の四島往来に係る人道的な措置の案を検討していくという両首脳の合意があって、そういう中で私ども道としても、昨年から年間の墓参回数を1回増やすなどの努力をしてきたところですが、そうした中、今回ロシア側から、明確な理由すら示されていないと私どもは理解をしているのですが、外交当局間の調整が実らずに、受け入れられなかったことは誠に遺憾であります。墓参という機会を心待ちにしてこられた団員の皆さん方のお気持ちを考えると本当に心苦しく、残念でなりません。
私自身は明日からサハリン州を訪問いたしますが、担当副知事に東京に行ってもらって、来週にウラジオストクで次の日ロ首脳会談が見込まれるということもございますので、その前に道内の元島民の方々とともに、われわれの思いを要請という形で、外務省、それから北方担当大臣の部局にもしっかりと伝えたいということを考えているところであります。一つは、元島民の方々に対する人道的な措置としての墓参、このことが確実になるように外交ルートで努力をしてほしいということであります。それから例の共同経済活動調査が、8月中に行く予定でしたが、天候の関係で実施できなかったわけでありまして、その際も往来の手段である船舶の融通がなかなか大変だという話もございましたので、往来船舶の複数化というようなことも、ぜひ要請したいと思っております。そういったことで、明日要請を行うことで調整しておりますが、担当副知事に外務省、それから内閣府のほうに行ってもらおうというふうに考えております。
そして私自身、明日からの訪問の中では、私どもの理解はやはり現地のサハリン州というよりも、モスクワサイドの両国政府間の外交的な問題だというふうに認識しているところではありますが、機会があれば私からコジェミャコ知事にも問題提起はしたいと、こんなふうに思っております。
(HBC)
JR北海道の支援に係る地元負担について2点お尋ねします。昨日と一昨日に釧路市と旭川市であった地元市町村への説明会では、国が支援する400億円の前提として地元市町村も一定の負担が必要という国の方針に対して、地元からの反発の声が上がっています。道は今後地元負担について、国とどう調整していく方針なのか、これがまず1点で、もう一つは地方の負担を軽くするための地方財政措置の受け皿として、第三セクター方式を利用するという案もあるようなのですけれども、その三セク方式の可能性などについて見解があればお願いします。
(知事)
分かりました。時系列で言いますと、7月末(27日)に、国土交通大臣がJR北海道の路線見直し問題への対処ということで大まかな方向性というものを記者会見で発表されたところであります。また、国のほうが、人事異動もございましたので、新しい鉄道局長になったのですけれども、新局長に来ていただいての6者による関係者会議が8月21日にございました。その後、国土交通省の方にも入ってもらう形で、各沿線の自治体等への説明というのを順次行ってきたと。広大なるがゆえに、そういうことを一つ一つやることに時間がかかってしまうので、それが現状だと認識をいたしております。
8月21日に町村会長、市長会長にもご出席いただいて開催した6者による関係者会議でも発言のあった、地元としてのご不安、ご不満ということが、各沿線でも個々の首長から出てきたということは想像に難くなかったかなというふうに思うわけであります。一方で、この3月に皆さま方のご意見も踏まえてまとめました北海道交通政策総合指針の中では、地元も一定負担をするということは、われわれの思いとしても書かせていただいているところではあるのですが、今回の大臣発表の中で、それがどれぐらいの規模を想定するのかという規模感が出ておりません。そしてわれわれが以前からお願いしていた規模感と同時に、地方が負担する場合には当然地方財政措置というものも総務省にセットしていただきたい、調整していただきたい、交渉していただきたいと、そこも不透明だという中で、負担ありきというふうなお話を、国土交通省の方がされたことに対するご不安、ご不満というのが各地域から出てきたのかなと思う次第であります。
私どもとしては、これでおおむね沿線自治体説明というのは、本省の鉄道局から職員が派遣された場合、あるいは出先の国土交通省の一部である運輸局の方がご説明された場合など、だいたい一巡をしたと理解しております。そういう中で国土交通省も直接地域の声というものを聞かれましたし、また8月末(21日)の関係者会議の時に鉄道局長がこういう点をさらに内部でも検討しますとおっしゃったということもありますので、そういったことを含めて、次回の関係者会議というものをできる限り早く開催するということが、この議論を加速していくためには不可欠かなというふうに考えているところでございます。
それからもう一つが、地財措置についてでありますが、これは私どもからはもとより、国土交通省に対して、地財措置のとりまとめである総務省と交渉してほしいと前から言っているわけでありますが、そういう過程で例えばさまざまなスキームというものが必要であれば、それは市長会、町村会なり道議会とのご議論もいただきながら、われわれとしても知恵を出していくということはあり得るかなと思う次第であります。しかしながら、いわゆる上下分離というのはいろいろな形があるわけですが、そのうちわれわれ地方が、当初JR北海道が主張しておられた地方が下を持つという上下分離、これは絶対にあり得ないということは再三、国土交通省に対しても、JR北海道に対しても申し上げておりまして、そのスタンスについては、道、市長会、町村会、変わりはございません。
(HTB)
百年記念塔について質問させていただきます。一部報道で、解体されるというお話が出ていますけれども、今後のご対応やスケジュールについて、決まっているものがあれば教えてください。
(知事)
百年記念塔というのは、北海道命名100年を記念して、50年前の1968年に着工し、1970年に完成したものでありまして、私も現地に行った際、ヘルメットをかぶって、上まで登りましたけれども、ご案内のとおり危険度が高まっているということであります。
これをどうするかということについて、有識者の方々とさまざまな議論を重ねてきたところでございますが、やはり50年前に記念塔を構想された当時の道庁の方々や、民間の方々の思いというのが詰まっているものでありますので、そんなに軽々しく危険だから解体しようということにはなりません。その意味では、有識者の方々の議論をしっかり今まで続けてきたところでございますが、来週から道議会がスタートいたしますので、道民の代表である道議会議員の皆さま方にもしっかりご議論をいただいた上で、百年記念塔を含めた野幌森林公園エリア全体、北海道博物館というふうに名称を変えた旧開拓記念館、あるいは開拓の村、そういったもの一体としてのこれからのありようというものをしっかり議論していければというふうに思っております。
一つだけ、私として思いがあるのは、50年で危険になったというのはちょっと悲しいことでもありますので、今回、皆さま方と議論をして作っていくものがモニュメントになるのか、あるいは公園整備になるのか、そこも含めて皆さま方のアイデアですが、最低やはり100年は耐えられるものにしていきたいなと、それが今を生きるわれわれの責務かなと、こんなふうな思いは持っております。
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