知事定例記者会見
・日時/平成30年2月15日(木) 14:00~14:52
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平昌オリンピックにおける北海道関係選手のメダル獲得について
2 日高管内における大雪に伴う農業施設被害について
3 平成30年度当初予算等について
記者からの質問
1 旧優生保護法について
2 北海道新幹線・札幌駅のホーム位置について
3 原子力防災訓練について
4 平成30年度当初予算等について(1)
5 平成30年度当初予算等について(2)
知事からの話題
平昌オリンピックにおける北海道関係選手のメダル獲得について
私からは3点お話をいたします。
一つ目は、平昌オリンピックにおける、どさんこ選手のメダル獲得についてであります。髙木美帆(たかぎみほ)選手がスピードスケート1500mで銀メダル、1000mが銅メダル、この二種目で二つのメダルを獲得されました。
それから、スキージャンプの髙梨沙羅(たかなしさら)選手が銅メダルを獲得されました。
本当にうれしい限りであります。メダリストとなられたお二方に対しては、心からおめでとうと、そして、感動をありがとうということを道民の皆さま方と共に申し上げたいと思う次第であります。
髙木選手は、前回のソチオリンピックでは出場が叶わなかったということでありました。その悔しさと自分自身が目標とするメダル獲得に懸ける強い意志で、激しいトレーニングを重ねた結果、今回の快挙になったと理解をしております。ぜひ、2月21日水曜日に行われますパシュートで、三つ目のメダル獲得も大いに期待したいと思っております。私は平昌には行けないのですが、札幌市内でパブリックビューイングが行われると伺っておりますので、このパシュートの時に日程調整がつけば、私も道民、市民の方々と共に応援をしたいなと思っております。
ジャンプの髙梨選手は、前回のソチオリンピックではメダルに届かず、それから4年間、本当に日々トレーニングに取り組んでこられたところでありまして、見事、銅メダルを獲得されたことは、本当にうれしいです。
私たち道民に、夢と勇気と感動を与えていただいた髙木選手と髙梨選手には、道民を代表してわれわれの感謝の気持ちを表したいと、このように考えるところであります。
栄誉賞については、まだ大会中でありますので、大会終了後、さまざまな検討に入り、しかるべきタイミングに公表させていただきたいと、こんなふうに思っております。
日高管内における大雪に伴う農業施設被害について
二つ目でありますが、日高管内における大雪に伴う農業施設被害についてであります。
2月5日月曜日からの大雪によりまして、本来、雪が少なく温暖な気候と言われております日高管内において、ビニールハウス等の倒壊など、大きな被害が発生したのはご承知のとおりであります。大雪によりまして被害に遭われた農家の皆さま方に対し、そして関係者の皆さま方に対し、心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
特に被害の大きかった新ひだか町及び新冠町におきましては、道外から夢を持って新規就農された方も、残念ながら被害を受けられているということをお伺いしているところでありまして、私も大変心を痛めているところであります。
来週から道議会(平成30年第1回定例会)が始まりまして、なかなかスケジュール調整も難しいと思いますので、明日(16日)、私自身、現地に赴きまして、被害状況の確認などをさせていただき、また、地元の首長や農業関係者の方々などと懇談を行いたいと思っているところであります。もとより、町あるいは関係機関の方々としっかり連携をして、被災された農家の方々に対する支援に万全を期してまいりたいと考えております。
平成30年度当初予算等について
〔配付資料:平成30年第1回北海道議会定例会提案補正予算(平成29年度補正)について(PDF)〕
〔配付資料:平成30年度予算の概要(第一回定例会)〕 ※総務部財政局財政課のページへリンク
〔配付資料:「行財政運営方針」後半期(H30~32)の取組(案)(PDF)〕
〔配付資料:平成30年第1回北海道道議会定例会に提案する条例案(40件)(PDF)〕
そして、三つ目が(平成30年度当初)予算についてであります。
予算につきましては、昨日、総務部長から計数的なところはご説明を申し上げましたので、資料2の「予算の概要」の冊子に沿って、私からは、ポイントについて簡単に触れたいと思います。
3ページの予算規模でありますが、当初予算額は、前年度対比で0.1パーセント減の2兆7,498億円となっております。実質的に一体として執行される(平成29年度)補正(分)を含めると2兆8,549億円で、3.7パーセントの伸びとなっております。こういった予算を来週開会いたします(平成30年)第1回定例会に提案したいと考えているところであります。
13ページは、財政健全化に向けた取り組みということで、昨日、総務部長からしっかりご説明申し上げたと思いますが、後半期、2018年度から2020年度に向けての数字を掲げさせていただいております。これは、昨年11月に方向性を示した今後3年間の収支見通しをローリングしたものであると、このようにご理解をいただきたいと思います。
そして、人件費について、ここで削減ということを掲げさせていただいておりますが、庁内でもさまざまな議論を重ねた結果、職員の士気、それから道庁として優秀な人材の確保、そういったことへの影響というものを勘案いたしまして、給与の縮減は、2018年度、すなわちこれからご説明する、この4月からの年度をもって終了するということを明確に申し上げたいと思う次第であります。
これから予算の中身の説明に入ります。19ページからであります。まずは、基本的な考え方ということでありまして、三本柱、これは予算の知事査定の時に申し上げたことと相通ずるわけでありますが、人口減少・危機突破に向け、地域創生の成果を確かなものとし、未来への投資を推進するという基本的な考え方に沿いまして、「地域創生の推進」、「未来を担う多様な人づくり」、さらには「世界を見据えた果敢な挑戦」、これを三つの柱としております。実際の予算項目は重複する部分は多々あるわけでございますので、その点はご理解をいただければと思う次第であります。
今年は、北海道命名150年の節目を迎えております。次の50年、100年に向けて、未来への投資を推進する年にしたいという思いで、「北海道未来創生予算」とネーミングをさせていただいたところであります。
さて、具体的な中身につきましては、20ページ以降をご覧いただきたいと思います。19ページの三つの柱の下に、中項目がありまして、それを順次、20ページから追っていく形でこの資料は構成されております。
まずはやはり、150年の節目でございますので、「北海道150年事業の展開」ということに触れさせていただいております。具体的には、夏の8月5日に記念式典を開催いたします。加えて、さまざまな事業がございますが、ここではいくつか主要なものとして、世界的に著名な研究者を招いての若者をはじめとする聴衆参加型の講演会、これは北海道大学と提携をしておられるMIT(マサチューセッツ工科大学)のご協力もいただいて実施するものであります。また、道は世界の各地と姉妹友好提携を結んでおりますので、そういう地域の皆さま方が集う会議など、さまざまな一連の事業を展開していきます。
北海道150年事業といたしましては、(北海道150年事業)実行委員会が行います各種記念行事などのほか、「北海道みらい事業」として、全道各地域においても、さまざまな主体の方々により多様な企画、事業が展開される予定となっているところでありまして、こういった一連の事業を通じまして、子どもから大人までの誰もが北海道の歴史や文化を体感し、未来に思いを馳せ、また、北海道の誇るべき価値というものを共有し、国内外へ発信して、文化、経済など幅広い分野で交流を広げていく1年にしたいと、このように考えております。
それから、「アイヌ文化の発信等強化」という項目がその下にございます。2020年4月の民族共生象徴空間の開設に向けて、取り組みを進めてまいります。
それから、21ページに移っていただきまして、ここでは「未来を担う多様な人づくり」ということで、さまざまな項目を掲げさせていただいております。
それから、冒頭に申し上げれば良かったのですが、北海道未来創生事業について、これは全体に関わってくるのですが、例えば、それぞれの事業が掲載されております30ページ以降に「来」という文字が付いているのは、下の注釈のところにございますとおり、北海道未来創生事業であります。これは、2016年度から設けた、いわゆる別枠予算ということでありまして、これを引き続き、来年度に向けても、われわれとして打ち出したところであります。この北海道未来創生事業というのは、詳しくは後から総務部長に聞いていただければと思うのですが、来年度トータルで42.5億円、対前年度比で4.6億円の増という形で展開をいたしております。
さて、人づくりのところでございますけれども、21ページから23ページに掲げさせていただいております。北海道と命名されてから150年目を迎え、これからの50年、100年を考えた場合に、その地域づくりのコアとなるのは、やはり人づくり、未来への投資という視点からの人への投資、これが重要だと考えます。
また、現在、好景気も背景にあるのでしょうが、人手不足ということも言われておりまして、そういう意味での人材の育成、長期、短期、いろいろな観点から人づくりという事業を進めていこうということを掲げさせていただいております。
具体的には、「新たな道を切り拓く人財の育成」ということで、それぞれの項目が重要でありますが、例えば、林業王国北海道の林業大学校設立に向けた準備費の計上もございますし、それから高校生の交換留学、こういったことをしっかりやっていきたいと思います。昨年、私はハワイにも参りましたが、ハワイ州との高校生の交換留学なども行っていきたいと思っておりますし、また、これもやはり人づくりのために重要な学舎、特に私立学校については、なかなか耐震化について助成措置も少ないということで、多くの道内の関係の方々から要請をいただいておりましたが、私立学校施設の耐震化の支援、こういったことも掲げさせていただいたところであります。もとより、教育庁と知事部局が連携して、道立高校を核としたキャリア教育、産業教育、こういったことの充実にも取り組んでまいります。
22ページであります。ここでも中項目で二つ掲げておりますが、「多様な人材の活躍促進と呼び込みの強化」ということで、女性の活躍支援、若者の支援などであります。また、下の「スポーツを通じた人づくり・地域づくりの推進」という中項目では、今、まさに平昌でわれわれ道民は燃えておりますし、さらには冬季オリンピック・パラリンピックの招致を札幌市と共に行っております。こういったことに向けた人づくり、ジュニア選手の育成強化なども行います。さらには2020年、東京オリンピック・パラリンピックに向けた、われわれの受け入れ態勢の充実に向けた取り組みなどを多様に行っていきたいと考えております。
23ページでありますが、「子どもの確かな成長を支える環境づくり」、そして「ライフステージに応じた少子化対策の推進」と大変重要な項目が並んでおります。(北海道)総合教育会議でも議論を大変活発にさせていただいた、コミュニティ・スクール、すなわち学校現場を地域全体で支えていく、そういった(コミュニティ・スクールの)導入促進に向けた施策、あるいは保育士の専門性や保育の質の向上を図るためのキャリアアップ研修、子どもの貧困対策、いじめ対策なども重要でありますし、また、昨年度に引き続き、多子世帯の保育料軽減、あるいは特定不妊治療費への助成などにも予算を計上しております。詳しくは、後ほど保健福祉部に聞いていただければと思いますが、少子化対策予算という括りで予算を足し上げますと、全体で604億円、今年度との比較では31億円増と理解しております。
24ページ、「海外との地域間交流等の拡大」、これは、世界を見据えた果敢な挑戦、世界の中の北海道という視点であります。インバウンドがどんどん増えてきております。昨年度、2016年度のインバウンドの実績は230万人でございました。今年度は、まだ見込み値ではありますが、270万人は確実に超えそうであり、約270万人から280万人が想定されると観光局から報告を受けております。今、海外から本当に多くのお客様が北海道に来ていただいておりまして、その意味では、アジアを中心に北海道ブランドの高まりということを実感いたします。このことは、われわれ道民の努力の成果だというふうに思うわけでありまして、これをさらに高めていかなければならないというのが一つあります。しかしながら、こういったインバウンドが増加する中で、あるいはグローバル化の進展に伴いまして、外国とつながることによる道内におけるリスクの高まり、これが地域に直接影響を及ぼす可能性が高まっているという事実もあろうかと思います。テロリストの問題も場合によってはあるかもしれません。もう少しわれわれの身近な問題として申し上げますと、例えば、滞在中に病気になった方の治療費の支払いが滞るなど、いろいろなリスクもありまして、そういった両面をにらんだ上で、われわれは、世界の中の北海道という視点を常に持ちながら、世界を見据えた果敢な挑戦という視点から重点的な施策を展開していかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。今日、(北海道)観光審議会の答申がまとまったということを伺っておりますので、この記者会見が終わった後に(答申を)いただいて、新たな財源の議論ということにもなろうかと思うわけであります。
24ページの「海外との地域間交流の拡大」、これにつきましてはいくつも事業はあるのですが、一つは日中の経済協力会議、日中経済協会と連携する形で、新年度に道内で(ハイレベル会合を)開催させていただくことにしております。それから、ベトナムとの交流、ロシアとの交流、できれば5月に(ロシアの)サンクトペテルブルクに出張したいと思っております。また加えて、今年1月に参りました香港において、予想していた以上の北海道熱の盛り上がりの中で、ジェトロ(日本貿易振興機構)のご協力をいただいて、新年度、(ジェトロの)香港事務所に職員を派遣することを新たに決めたところでございます。
それから下段のほうにございます、「新たな国際環境等に対応した強い農林水産業の確立」につきましては、TPP11、それから日EU・EPAなどの国際化、グローバル化は私ども北海道の基幹産業である農林水産業にとって、その対応を見据えていかなければならない大きな課題でありまして、しっかりと競争力を付け、いかなる環境下でも北海道の基幹産業として持続可能な発展ができるような対策を進めてまいりたいと、こんなふうに考えております。
25ページでありますが、「インバウンドの加速化と「稼ぐ観光」の促進」ということであります。インバウンドが増えているということは先ほど申し上げましたけれども、やはりそれを「稼ぐ観光」の促進という形につなげていく努力をわれわれはもっとしていかなければならないということで、道議会からこのたび議員提案されると伺っております「北海道自転車条例(仮称)」の趣旨というものも踏まえまして、サイクルツーリズムに取り組みますほか、欧米などもターゲットにし、それからムスリムなど、幅広い地域を対象とした多様な旅行スタイルに応じたツアーの造成などにも取り組んでまいる予定であります。
ここで若干申し上げますと、観光予算全体につきましては21.3億円を提案する予定としておりまして、これは前年度比で約8千万円の増ということになります。
さらには、(25ページの)下のほうでは、「食の輸出拡大戦略の推進」、これも行っていきたいと考えております。
次に26ページでありますが、「働き方改革の着実な推進」。ここから今までのものと重複する部分もございますが、「地域創生の推進」という項目立ての中でのご説明であります。 人口減少・危機突破ということを掲げて、これまで3年間いろいろな事業を行ってまいりました。そういう中で、2月2日の記者会見でもご説明いたしましたが、北海道からのいわゆる社会減、転出超過数が3年連続で改善するなど、成果の芽は徐々に現れてきていると認識しており、こうした中で、若年層を中心とした道外への転出超過を少しでも改善をしていかなければならない、こういった課題に正面から取り組んで、地域創生の成果を確かなものとするため、(北海道創生)総合戦略に基づきまして、今、ご説明したさまざまな政策、あるいは以下ご説明をするような政策も展開をしながら、関連する施策を重点的に推進してまいる考えであります。
「働き方改革の着実な推進」についてでありますが、人づくりの面でもやはりこれは重要でありますし、また、就業環境の改善ということも重要であります。そういったことや働き方改革に取り組む企業の認定制度の創設、あるいは学校における働き方改革として、先生方にもゆとりを持っていただく必要があるため、部活動指導員やスクールサポートスタッフの配置などを考えております。この部活動の指導ということにつきましては、いろいろな議論がございます。私どもは、先生方の働き方改革、そして先生方がもっともっと集中して子どもたちに丁寧に親切にしっかりと取り組める環境整備ということも重要だと思いますが、私は文部科学省のスポーツ審議会の委員を拝命しておりまして、先般東京で議論をしておりましたところ、部活動というのは、やはり学校教育の一環であるということを強くおっしゃる有識者の方々も多くいらっしゃるところでありまして、この辺りは、今後さらに議論を積み重ねていかなければならないのかなと、そのような思いも強く持っております。
それから26ページの下、「暮らしと経済を支える交通・物流ネットワークの構築」についてもいろいろ検討しております。交通政策局のほうでも指針づくりが最終版になってきているところでありまして、こういったこととも連動していくわけでありますが、例えばここで掲げさせていただいておりますのは、運送業における人手不足という課題、あるいは地域の貨物輸送の効率化に向けた対策ということで、いわゆる「ラストワンマイル」、これは宅配便等の拠点から個々の配達先までの物流の部分をこういうふうに言うようでありますけれども、その物流の効率化などを想定し、地元の事業者の方々との共同輸送の検討などを行うことを考えております。
また、これも交通指針と関わってくるのですけれども、道内は広大で、例えば空港の民営化などを行っても、二次交通をどうするのかと、シームレスな交通体系という言葉も有識者の方々は使っておられますけれども、そういったことの一環として、道内空港間の路線就航に向けた運航可能性調査を行います。例えば、道外から新幹線で函館市に多くの方々がいらっしゃいます。観光客、ビジネス客、いろいろいらっしゃると思うのですが、函館市から道内の各空港に、どのように、採算性も考えながら路線というものを考えていくのかなど、さまざまな課題があると思っているところであります。
27ページであります。「本道の強みを活かした新しい成長産業の創出」についてです。昨年、大樹町で民間初のロケット発射に全国から期待と注目が集まりました。こういったことを大きなきっかけとして、宇宙産業の育成であるとか、あるいはAI、IoTなど先端技術の導入促進、これはいろいろな分野、北海道らしいところでは農業分野などもあろうかと思います。それから水素エネルギーの利活用推進、自動走行車開発の拠点化に向けた取り組みなどもここで掲げさせていただいております。
そして「経済と雇用を支える地域産業力の向上」ということにつきまして、実はこれは本当に重要な経済政策の中心であると、私は常日頃から認識しておりますが、道内の99パーセントを占めている中小企業にはさまざまな業種がありますし、地域もさまざまでございますが、そういった方々の競争力を高めていく、こういう努力を北海道産業振興条例などに基づきまして、しっかりと助成をしていきたいと考えているところでありますし、ふるさと納税の活用など、われわれなりの支援もしてまいりたいと考えております。
それから28ページの「暮らしを守る地域医療の確保と健康づくりの推進」であります。これも大変重要な項目ばかりでありますが、ここではがん対策、それから医育大学の地域枠入学者に対する修学資金の貸し付け、さらには、新たな専門医制度のもとで研修する医師である専攻医に対する支援事業などをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
下段は、「誰もが心豊かに暮らし共に発展できる社会の構築」ということで、今定例会に障がい者の意思疎通、あるいは手話に関する条例を提案をさせていただくこととしているところであり、こういった取り組みの啓発事業などをここに掲げさせていただいているところでございます。
29ページでありますが、「地域課題の解決に向けた取組の推進」ということでありまして、道実施事業の一部でクラウドファンディングを試行的に導入いたします。また、14振興局ごとに、振興局と市町村が協働で取り組むプロジェクトの推進、また、北方領土におけます北方四島共同経済活動の本格化を見据えまして、私どもとしても調査費、あるいは旅費などを計上し、必要な事業を進めてまいります。
そして最後に、「「まさか」への備えと強靱でやさしい地域づくり」ということであります。飲酒運転撲滅への取り組み、防災・減災対策、洪水時における円滑、迅速な住民避難に係る施設の整備など、さまざまな事業を展開したいと、このように考えているところでございます。
そして、30ページ以降は、今、触れたそれぞれの中項目に沿う形で事業の説明を掲載させていただいているところでございます。なお、新規事業の本数は93本であります。また、先ほど、グローバル化の中における国際競争力強化というようなことを申しましたが、TPP、日EU・EPAによる農林水産業対策につきましては、関連対策を54ページ以降にまとめております。
それから、62ページ以降につきましては、振興局が中心となって推進する施策、それから振興局からの政策提案を踏まえた本庁の施策などを掲載しております。
私からの説明は以上でございます。
記者からの質問
(uhb)
昨日(2月14日)、弊社で優生保護法に関する放送をしたのですけれども、その中で、北海道が優生手術を千件突破したという記念誌を発行していたという内容だったのですが、その内容として、道が積極的に進めていたという事実があったのですけれども、それについて、知事としてはどのように思われるか伺います。
(知事)
分かりました。2月2日の記者会見の時に、私ども道庁内で保存している旧優生保護法下の審査会資料についてのご質問にお答えをしたことと同じでありますけれども、当時のさまざまな事情、昭和23年にこの優生保護法という法律が国会で議決されて成立し、国、そしてその意を受けた自治体でその法律に基づいて(優生手術が)行われた中で、今回、昭和31年に北海道が作成し、京都府に送付した資料が残っていたと理解するところであります。
当時は、そういった事情があったにせよ、当時の(北海道)知事が、本当にご存じだったのかということは、今、思わなくはないところでありますが、ただ、世の中がそういう形で動いていたという事実がある中での道としての対応だったというふうに捉えるわけであります。
今日、21世紀に至り、平成30年に入った今の時点の科学的知見、あるいは人権に対する配慮などを考えた場合には、特に私は同じ女性として悲しいのは、こういった法律に基づき、本人の同意なく医者からの申請に基づきこういった手術が行われていたという事実であり、大変重く受け止めて、われわれとしてまずは資料開示ということをしっかり行っていかなければなりませんし、また、その後どのような対応をしていくかということにつきましては、道庁内部の議論あるいは道議会との議論などもしていかなければならない、こんなふうに思っております。
そして、この京都府に残っていた資料のコピーをこちらにいただいて保存するということにいたしたわけでありますが、そういったことも含めて、優生保護審査会の資料と併せ、先般の記者会見で申しましたとおり、来週から道議会が始まりますが、その議会が始まる前に、私どもから内容を公表させていただきたいと、そんなふうに考えているところでございます。
(STV)
前回(2月7日)の定例記者会見の時にも言っていた質問なのですけれども、新幹線の札幌駅のホーム位置の問題で、先週金曜日(2月9日)に5者会議があって、JR北海道から正式に「大東案(東案その2)」という案がでてきたと思うのですけれども、その提示を受けて、知事の見解がございましたら教えていただきたいと思います。
(知事)
分かりました。あまり前回の記者会見の時と(状況は)変わっておりませんが、四つの案があったわけですが、一番新しい案が「東案その2」という従来の東案から少し離れた東のほうにホームをつくる案をJR北海道が新たに提案され、それが一番新しいわけでありますが、4案の中で「現駅案」と「大東案(東案その2)」の二つが残ったと。それ以外の「地下案」と「東案」というのは、さまざまな事情からこの5者会議の中で検討の対象から除外するというところまでいっておりますので、「現駅案」か「大東案(東案その2)」かということでこれから議論を進めるということだと思っております。
先週の金曜日に、国土交通省の鉄道局の方もいらっしゃって5者会議が道庁内で行われましたけれども、ただ残念ながら非公開で行われたと報告を受けておりまして、マスコミの方からももっと情報開示をすべきだというご指摘があったという報告を受けているところであります。
これはとにかく早く結論を出さないと。2030年(の札幌延伸)に間に合わないということはあってはならないことでありますので、その意味で、石井国土交通大臣もおっしゃってますし、私もそれぐらいがぎりぎりだろうと思いますが、今年度いっぱい、すなわち3月いっぱいで結論を出すと、これはもう絶対に譲れない線であると思うわけであります。そこに向けてこれから加速的にプロセスを経ていかなくてはならないわけでありますけれども、まずはその第一歩として、先週の金曜日の5者会議の時に、技術的な課題、説明を要する点がいくつか残っていたようでありますので、そういう点について、鉄道・運輸機構、あるいはJR北海道から情報のご提供を受けて、その上で道と札幌市としっかり議論をしていかなければならないし、それから、これは何回も申し上げておりますけれども、50年、100年先の札幌市のまちづくりに直結する駅前の大変重要な問題でありますので、本当は道民お一人お一人という思いもありますけれども、少なくとも経済界の方々のご意見を十分お伺いする時間的ゆとりも含めて、年度内に決着をする、このことを強く申し入れるように、9日の報告をした事務方には、私から指示をしたところであります。
それからもう一つは、先ほどの繰り返しになるのですが、ここまでいろいろな関係者の思惑などもあって、情報があまりオープンにならない形で議論が進んできたということを私自身も感じているところでございますので、両案に絞り込まれた経緯であるとか、あるいは両案それぞれの内容や負担がどうなるとか、それからこういう課題がまだあるとか、そういうことをしっかり情報提供する形で選んでいくというプロセスも必要なのではないかと、ここにはやはり鉄道局の思いも入るかもしれませんので、私ども道庁だけでそういったものを決定するわけにはいかないのですが、そのことを関係者に強く申し入れるように、このことも事務方に指示をいたしているところであります。
(HBC)
先日(2月5日、8日)、真冬の原発事故を想定した防災訓練がありました。(知事は)現地にも行かれてましたけれども、課題や、その課題に対する今後の対応などありましたらお願いします。
(知事)
分かりました。初めて、冬場のみで大規模に実施させていただいた(今年度の)原子力防災訓練でありました。確かに今年は雪も結構多く降っておりますし、あの日(8日)も吹雪いておりまして、私も「屋外は寒いな。風も強いな。」と思いながら参加させていただきました。実際にあってはならないことではありますが、こういう環境下で原子力事故が起こったらどうなるかということを、私も含め、関係者が皆しっかりと認識を深めた中で行われた訓練だったというふうに振り返るところであります。
課題はたくさんあったと思います。例えば、自衛隊のご協力を得て、ヘリコプターを使って孤立集落の住民の方を救い出すという訓練を予定しておりましたが、まさに悪天候の中で、これができませんでした。その場合には、陸路であらためて救助に向かうということが必要だと認識いたしました。次回以降、そういったことも新たな条件として設定して実施していかなければならないと思います。また、岩内町の(5日の意思決定訓練において)安定ヨウ素剤配布に係る状況把握など、さまざまな課題があったという報告も事務方から受けているところでありますし、あの現場では、事後に検証をしていただくための有識者の方々にもご視察をいただきました。今、申し上げましたこと以外のいろいろな課題も整理した上で、次回以降、さまざまな条件を変える形であらためて、厳冬期も含め、原子力防災訓練を繰り返し、繰り返し行っていく必要があると思いますが、今後も実施してまいりたいと、こんなふうに思っております。
(毎日新聞)
冒頭の知事からのご説明で、予算について、この資料にある重点項目の中で特に言及されたものについては重要というお考えでお話しされたのだと思うのですが、知事査定あるいはその他の中で、特に新規事業で盛り込むように知事からお話があった事業とか、あるいは増額を指示したものとか、もしいくつか例があれば教えていただけますでしょうか。
(知事)
そうですね、一言で言えば資料の19ページに集約されているということになります。新規事業も重要なのですけれども、今まで行ってきた事業を少し変えて、充実、拡充をすることも重要でありますので、その意味では、この地域創生、人づくり、世界、この三つの項目それぞれの中で、私どもとして考える重要な事業を少しずつ形にしていったということですけれども、あえて言えば、やはり150年事業は今年限りでありますので、その意味では、ここで子どもたちの記憶に残る事業を、これは査定の時と言うよりも、その前からずっと各部にも、総務部長にもお願いをしてまいりましたので、こういったものであるとか、それからやはり150年事業の一つの大きな柱が共生、多様性ということだといつも申し上げております。すなわち、150年前のこの北海道のいろいろな事実を発見してくれた松浦武四郎とコラボレーションされたアイヌの皆さまに対する感謝と、そのアイヌの皆さまとの共生ということを考えた場合、2020年4月に一般公開する民族共生象徴空間に対する強い思いを私は持っております。東京に行くたびに国とも議論をするのですが、このことについて、官民の応援組織に横内(北海道経済)同友会代表幹事がヘッドになっていただいて、盛り上げていただいております。引き続きお願いしたいと思っているのですけれども、こういう民間の方々とわれわれ行政がしっかり連携をしながら、もとよりアイヌの皆さまのご意見を十分に取り入れながら、アイヌ文化の発信ということも行っていきたいなと、この辺りがあえて言うと思いがあると思います。ただ、だからと言って、人づくりについては思いがないのかとか、世界(を見据えて果敢に挑戦すること)については思いがないのかと言われると、それは違うのですが、全部が重要です、そのようにご理解いただければと思います。
(朝日新聞)
予算についての思いなどご説明いただきましたけれども、来年の春はおそらく骨格予算になるかと思います。今回、今任期の高橋知事として思いを込められる実質、最後の予算になるかと思いますが、その辺りを含めて、この予算に込めた思いをお言葉でいただけますか。
(知事)
4期目の政策予算を含めたフルバージョンといいますか、全体予算というのは、この4月からのものが最後になろうかと思います。その意味ではやはり、3年前に道民の方々にお約束を申し上げたさまざまな公約、それらを全て着手しているということは当然でありますけれども、世の中はハイスピードで進んでおりますので、3年前のことはもう古くて、それ以降、また新しい課題がいろいろ出てきておりますので、それに対応することを、4期目の最後の年度に少しでも形にしていきたいという思いもありますし、やはり4期目に入った時から地域創生ということを進めていこうということで、まず広域自治体たる道として北海道創生総合戦略をつくりました。そして、同時並行で各市町村も総合戦略をつくられて、それが形になった2年度目以降は、それをいかに実施し、成果をあげていくかということで、この3年間、取り組んできたわけでありまして、それが少しずつ、人口の転出者数では成果が出てきているということは、先ほど申し上げたところでありますので、それをもう一押しできないかということなど、やはり3年前に道民の方々にお約束した4期目に入った時の私の思いの実現をいかに少しでも高めていくかということと、それ以降の環境変化の中で必要となった政策について、しっかりと対応していくということを込めた当初予算あるいは補正予算かなというふうに思います。
ただ、今、自分で話していて思ったのですけれども、その後に起こった一つの大きな課題であるJR北海道の再生に向けた予算、これは今回の予算案の中に、交通対策として若干はあるかもしれませんが、明確なものとしてはございません。これは国との議論も必要でありますし、また、沿線自治体の皆さま方との議論も必要でありますので、必要であれば、年度途中でも迅速な形、効率的な形で補正予算化ということはあり得るかなと、そこは留保させていただきたいと思います。総務部長、そういうことでよろしくお願いします。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し、作成しています。
(文責 広報広聴課)
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