知事定例記者会見
・日時/平成24年2月17日(金) 14:00~15:15
・場所/記者会見室
・記者数/35名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 2012北海道マラソンの開催について
2 インフルエンザの流行について
3 平成24年度当初予算等について
記者からの質問
1 平成24年度当初予算について(新エネルギー・省エネルギー)
2 平成24年度当初予算について(バックアップ拠点構想)
3 平成24年度当初予算について(観光)
4 平成24年度当初予算について(核燃料税)
5 平成24年度当初予算について(中期展望)
6 平成24年度当初予算について(新幹線)
7 平成24年度当初予算について(TPP)
8 災害廃棄物の処理について
9 平成24年度当初予算について(選択と集中)
10 JR石勝線におけるJR貨物列車脱線事故について
知事からの話題
2012北海道マラソンの開催について
〔配付資料:2012北海道マラソン大会概要(予定)〕
私から来年度の当初予算案、議会に提案させていただきます私どもの予算案の説明がメインですが、それ以外に二つの話題を(はじめに)申し上げます。
一つは、2012北海道マラソンについてです。2012北海道マラソンの概要が、関係の皆様方のご理解も得て、このほどまとまったところです。
開催は、8月26日、日曜日。夏の北海道の魅力を内外に伝える一大イベントとして、昨年以上に多くの方々に参加していただきやすいような形になるように、これまでも規模の拡大、そしてソウルとの連携というような国際化にも努めてきたところです。
今年は、参加定員を昨年の9,200名から11,000名に(拡大)しまして、初めて1万人を超える規模の大会としたいと、このように考えているところです。併せて、スタート時間を午後0時10分から午前9時に繰り上げることとしました。そしてスタート地点も大通公園とさせていただくことといたしました。
北海道の夏の朝特有のさわやかな空気の中、観光都市札幌の中心、大通公園を発着するコースとすることによりまして、この大会のより一層の魅力の向上を図ることとしたところです。
海外からのスポーツ観光の促進は、日本国政府としても力を入れておられるところでして、今回は、この私どもの北海道マラソンに対しまして、観光庁の溝畑長官からお手元に配付のとおりメッセージを頂いています。
北海道マラソンは、昨年、ソウル国際マラソンと連携協定を結んでおります。これは、北海道とソウル特別市との(友好交流)協定を契機として結んだ協定ですが、この協定に基づき来月の18日に開催されますソウル国際マラソンに選手を派遣いたします。派遣する選手は、昨年の北海道マラソンで上位入賞を果たされた新人選手、男女1名ずつでございます。男子が保坂優介(ほさかゆうすけ)さん、女子が古瀬麻美(ふるせあさみ)さんです。選手の所属や記録は配付資料に記載させていただいているとおりです。
こうした相互交流の一環としまして、今年の北海道マラソンに、昨年同様、ソウル側からも男女1名ずつの選手を派遣していただくこととなっています。
また、来月のソウル国際マラソンの際に、大会同士のさらなる交流拡大に向けた協議を行うこととしているところであり、特に今回は日韓両国政府によるスポーツ交流の促進の観点から、観光庁からも職員を派遣・参加いただき、交流の拡大に向けた支援を頂くこととなっております。
ソウルでは、今回から「北海道マラソン実行委員会ソウル事務局」を開設し、韓国の皆さんが北海道マラソンへの参加申込みと航空券の手配などについて、現地スタッフによるワンストップサービスを受けられる体制を整えることとしております。
併せて、私の後ろに掲示しています北海道マラソンのポスターですけれども、これを韓国語に翻訳しまして、ソウル国際マラソンの公式プログラムに掲載し、当日、会場で配布することとしております。2万5千部の作成だそうです。
北海道マラソンの実施にあたりましては、道警の多大なるご協力をはじめとして関係の多くの方面の皆様方にご理解ご協力を頂くことになるわけですが、今年2012年の大会の成功に向け皆様方と連携し、素晴らしい大会となるよう取り組んでまいりたいと思っております。
そしてこのマラソンが夏の観光のさらなる振興にもつながること、これが私の心からの願いでございます。
インフルエンザの流行について
もう一つはインフルエンザの流行についてです。2月3日の記者会見でもお話を申し上げましたが、その後、全道でインフルエンザ患者数が急増しております。そして、直近の北海道感染症情報センター、これは道立衛生研究所が行っている機能でございますが、ここによりますと、1医療機関あたりの患者さんの数が、2月6日から12日の第6週で48.05となりまして、その前の週からの警報レベルが継続し、流行のピーク期を迎えているというふうに懸念しています。
ちなみに2月3日の記者会見の時には、警報レベルの保健所はまだ1桁にとどまっているというふうにご報告申し上げたと思いますが、今現在は23の保健所管内で警報レベル、注意報レベルが4保健所管内ということになっているところです。
道民の皆様方におかれては、ぜひ、こまめな手洗いやうがい、十分な栄養と休養など、予防に努めていただきたいと思います。今日、朝行ってまいりました札幌モーターショーのオープニングの時も、大きなマスクをしておられる方が心なしか結構おられたなというふうに思ったところですが、急な発熱や咳などの症状があるときには、当然外出を控えていただくほか、早めに医療機関を受診していただきたいと思います。そして、マスクをして咳エチケットをしっかり心掛けていただければと。周りの人にうつさないような努力もぜひしていただければと思っています。
平成24年度当初予算等について
〔配付資料:平成24年度予算の概要〕※総務部財政局財政課のページです。
〔資料1:平成24年第1回北海道議会定例会提案補正予算(平成23年度補正)について〕
〔資料2:平成24年第1回北海道議会定例会に提案する条例案(76件)〕
〔資料3:平成24年度重点政策について〕
〔資料4:主要な施策ごとの関連予算一覧〕
〔資料5:「活力ある持続可能な地域づくり」に向けて~平成24年度地域振興政策のポイント~〕
〔資料6:平成24年度赤レンガ・チャレンジ事業の概要〕
〔資料7:北海道新幹線(新函館・札幌間)の道負担額〕
それでは次に予算の話に移ります。今回は担当部局が頑張っていろいろな資料を用意しましたので、私からはこの「予算の概要」、これは総務部長から昨日ご説明申し上げた資料ですが、それと資料3に重点政策の資料がございます。それから資料4で「主要な施策ごとの関連予算一覧表」がございます。それから資料7で「新幹線の道負担額」という資料があります。それらを使いながら説明をしてまいりたいと思います。
まず、予算のマクロ的な数字については、総務部長から昨日申し上げたとおりですけれども、平成24年度当初予算額、一般会計で2兆7,410億円、これは対前年で2.0パーセントの減という状況です。これは国の各種基金に関する予算の減少ということの要因もあるわけでして、この要因を除けば、前年度とほぼ同規模、0.3パーセントの減というのが実態です。
こうした中で、来年度予算の策定作業を歳入の見積もり等を踏まえて行ったわけですが、どうしても収支不足額の全額を解消する見通しが立たなかったわけでして、残念ながら国直轄事業負担金の一部50億円の計上を留保して収支の均衡を図らせていただいたところです。
また、今後3年間の収支対策については、昨年11月に「新たな行財政改革の取組み」の後半部分、すなわち平成24年度から26年度の方向性をお示しし、また、職員団体の皆様方のご協力も得て、(給与の)独自縮減ということも継続することにしたわけですけれども、しっかりとこうした収支対策を実行していかなければならないと、このように思っているところです。
「予算の概要」の15ページをお開きいただきたいと思います。道財政の中期展望ということで、(平成)24、25、26(年度)、ここが今申しました後半3年間の対策の期間でございますが、その後も33年までの10年間について、この展望をお示しをしているところです。人件費が一番上の欄にございますが、ここの上に書いてある数字に独自縮減の数字を重ねますと、24年度5,560億円、25年度5,510億円、26年度5,480億円ということで、ご理解、ご協力を頂きましたが、それでも50億円の要調整額を一番下の欄に計上せざるを得ないという状況は残念ながら続いているところでして、今段階で見通した平成33年までも、ここにお示しのとおり、大変厳しい状況になっているというふうに理解をしております。
若干の救いと申せば、臨財債(臨時財政対策債)を除く形での、これは地方交付税で、本来、われわれはキャッシュ(現金)という形でもらうべきものだと前から申し上げておりますが、それ以外の通常分の道債償還費は、やっと少しずつ下がってくるということも目に見えてきたかなということ。一方で義務的経費の中で、特に保健福祉関係は、高齢化ということもございまして、なかなか厳しい状況がこれからも想定されるなど、そういった数字がここに並んでおります。
それから16ページの実質公債費比率のグラフがございます。25パーセントというのが(早期健全化基準の)危険ラインでして、現行金利が1パーセントから1.1パーセントという状況ではありますが、33年までの間も金利の想定によっては、この25パーセント超えもやはり想定せざるを得ないという予断を許さない状況にあり、何とかこの25パーセント超えということを私どもとしては回避しつつ、道の財政運営を行っていかなければならない、このように思っているところです。
いずれにしましても、大変厳しい中で、私どもとしては来年度の予算をメリハリがある形で組ませていただいたということです。
資料3をご覧いただければと思います。この1ページ目に基本的な考え方の方向性を示しております。下のほうに重点的に取り組む政策、三つの柱を掲げております。「地域経済の再生と未来を拓く経済構造の確立」。雇用は何としても守っていかなければなりません。そういったことも含めてこの経済再生ということが重要な柱であります。二つ目の柱は、「優位性を活かした先進的社会モデルの創造」。具体的な中身は後から申します。三つ目の柱は、「安心して住み続けられるふるさとの実現」と、こういうことであります。
3ページをお開きいただきたいと思います。今申しました3本の柱に沿ってさらに六つにブレイクダウンをした項目を掲げさせていただいております。地域経済の再生等との関係においては、食産業立国の推進、そしてアジアへのアプローチということの二つであります。そして、先進的社会モデルについては、エネルギー、環境、それからバックアップ構想など、世界に対する北海道の役割の発信ということ、それから安心したふるさとづくりでは、医療、がん対策、震災対応などを盛り込んでいるところです。
さて、5ページですが、一つ目の経済の関係ですが、まずは何といっても食産業立国、これが1番目の中身です。4ページに食産業立国のいくつかの予算項目を掲げさせていただいております。もちろんベースとなる農業対策もございますが、二重丸が新規予算でして、例えば、上から丸でいうと三つ目くらいに、(道産小麦新品種の)「ゆめちから」の普及などによる麦チェンの話、これをしっかりやっていこうということも考えております。また、昨年、国からのご指定を頂いた北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区、これを起爆剤とした食クラスター産業、付加価値の高い商品づくり、このことにもわれわれとしても独自予算なども導入して取り組んでいきたいと思っております。また併せて、産業振興条例の規則を改正しまして、これまで食関連というのはいろいろ分散をして位置付けていたわけですが、今回のこの改正によりまして、食品工業や食品機械といった食関連というものをひとくくりにして、新たな重点産業分野として位置付け、積極的な企業誘致あるいは地場企業の育成、こういったことを行っていきたいと考えております。
経済の2本目の柱は、アジアへのアプローチということです。同じようにこの4ページの左に予算の項目がございますが、中国、韓国、台湾、東南アジアなどをターゲットとして、新たな市場ルートを開拓していく、商談会や物産展の開催、販路拡大、いろいろやっていきたいと思っておりますし、また、人の流れを太くするために、さまざまなメディアによる情報発信、あるいはインセンティブ旅行の誘致などさまざまなアプローチをしていきたいと考えているところでございます。
また、7ページをお開きいただきますと、これもアジアへのアプローチの続きでありますけれども、私は、去年、タンチョウのお供をして台湾へ行ってまいりました。1911年の革命から100年という節目だったわけですが、今年は日中国交正常化40年という日中間の節目の年になるわけでして、昨年の暮れに開設しました上海事務所を活用した経済交流の拡大、あるいは黒竜江省を中心とした友好関係強化など、この40周年記念事業として、さまざまなことを関係の皆様方と連携をしながら進めてまいりたいと、このように考えているところです。
駆け足で恐縮ですが、9ページ。二つ目の大きな柱の「優位性を活かした先進的社会モデルの創造」、これはいろいろな意味での北海道の優位性というものはありますが、そのうちの一つとして、9ページには、「次世代環境エネルギーモデルの創造」ということを掲げさせていただいております。いろいろなところで申しておりますが、北海道は再生可能エネルギーの宝庫です。脱原発という視点を盛り込んだ条例を全国で唯一有している北海道として、この再生可能エネルギーを十分に活用していかなければならない、振興していかなければならない、このように私自身、認識しているところでして、このエネルギー産業のあるいは環境産業の振興ということにつきまして、8ページにも予算のいくつかの項目を示しておりますけれども、こういったことでしっかりとやっていかなければならない。また、先ほどの食の分野でも申しましたが、産業振興条例の規則改正によりまして、新エネ関連産業の誘致強化ということもしっかり位置付けをしてまいりたいと、このように思っているところです。
それから11ページですが、エネルギーの関係では、「エネルギー地産地消の推進」ということです。今年度、道議会からの強いご要請もございまして、179市町村それぞれの新エネルギーの見える化事業というもの、ソフトの開発ということをやったわけです。来年度はそれを踏まえて、「みつける」、「ふみだす」、「ひろげる」というふうにこの3段階のステップを書かせていただいておりますが、市町村の方々と共に努力をしながらエネルギーの地産地消を進めていきたいという思いでして、この関連予算、10ページにもございますとおり、新規予算もいくつか用意をいたしております。エネルギーの地産地消促進事業もございますし、また、いわゆるE10(バイオエタノールを10パーセントまで混合した燃料)対応車のモデル事業というような予算も計上させていただいております。
また、離島というのは、この再生可能エネルギー、エネルギーの地産地消ということを見える形で大変実行しやすいということでもございまして、ご承知のとおり23年度、今年度、奥尻島をモデルとして、私ども北海道それから北電、それからもちろん町も入っていただいてワーキンググループを設けて、さまざまな新しいエネルギーの導入モデルの検討ということを行ってきた経緯があるわけですが、来年度に向けては、ぜひこれを利尻島などにも広げていきたいと、このように考えているところです。
それから、もう一度9ページに戻りますが、北海道先進モデルの二つ目は「バックアップ拠点構想の推進」と「次世代北方型居住空間モデル構想の推進」ということです。バックアップ拠点構想は私の公約の一つですが、食料供給基地北海道、それから先ほど申しました再生可能エネルギーなど21世紀型のエネルギーの宝庫である北海道は、そういったさまざまな意味での役割を日本国の中で持っております。また、経済活動、行政機能の分散化の受け皿としての役割も持っております。このことにつきましてはとりわけデータセンターなどの受け入れということを積極的に東京方面に展開しているところでして、今やはりこれだけ首都圏直下型の地震の蓋然性が高まっているということ、あるいは東海、東南海などの三連動地震の蓋然性が高まっているというようなことが、声高に日本国全体でいわれている中で、比較的災害のリスクが少ないといわれております北海道において、こういったデータセンターをはじめとする経済活動の分散の受け皿になるというのは、私どもとして当然の役目だと思っているところでして、こういった発信をしっかりやっていかなければならないというふうに思っております。
また、この北方型居住空間モデル構想、このことはもともとわれわれとしては寒冷地ならではということで考えてきたわけですが、先般、国交大臣とお話をした時に、実はこれは暖かいところ、暑いところでの冷房効率の向上にも意味があるのだという話も頂戴したわけですが、これもやはり北海道の長いこの蓄積の歴史の中で発信をしていきたいと、このように考えているところです。
3本目の柱が、13ページにございますが、「安心して住み続けられるふるさとの実現」です。それをまた二つの柱にブレイクダウンしておりますが、まずは、この15ページで「災害に強い安全・安心な地域づくり」ということです。3.11の大震災がございました。福島の原発事故がございました。こういったものを踏まえて北海道地域防災計画を早急に見直し、地震、津波などの自然災害への対応、ハザードマップの見直しなど、しっかりやっていかなければなりません。
また、原子力防災も今度(防災対策を重点的に充実すべき地域が)30キロ圏ということで、今までは4町村だったものが、13町村に拡大するわけです。こういったところにもしっかり目配りをしながら、例えばこの14ページの予算の中で、原子力防災安全対策費、これが倍増弱になっておりますが、これも今までは4町村を対象にしたのを13町村対象としたさまざまな支援ということも考えていかなければならない。また、災害時における中枢的な機能を担う公共施設を中心とした基盤の整備、これは道庁自身の耐震化も含めて実施していかなければならないと思っているところです。もとより札幌直下型地震というものも絶対安心かといえばそういうことではございません。断層が三つくらいあるのですよね。私どももやはりそういうことも想定しながらいろいろな考えを巡らせていかなければならないと思うわけですが、いずれにしましても、「災害に強い安全・安心な地域づくり」に向けての努力をしっかりやっていかなければならないと思っております。
そして、次が17ページです。やはり「安心して住み続けられるふるさとの実現」のために、地域医療の充実、そしてがん対策、がん対策は私の公約にも入れさせていただいた条例の制定という柱もありますので、あえて特定させていただいたところでございます。医師対策の関係につきまして、札幌医科大学の施設整備あるいは医師不足の地域に対する引き続きの医師派遣、これは関係の皆様方のご理解、ご協力を得てでありますが、また先般、私、札幌医科大学で学生さんとの意見交換も行いましたが、学生さんの修学支援なども重要です。
また、救急医療体制の整備の面では、ドクターヘリの運航支援、また4機目、道南圏に向けての検討もしっかりやっていかなければならない、それから、メディカルウィングの研究運航への支援、こういったことを救急医療体制の整備としてもやっていかなければならないと考えているところです。
がん対策については、今、条例の制定の準備をいたしております。また、さまざまな形での支援ということをやっていかなければならないと思っております。
また、ページが後先して恐縮ですが、12ページの左に障がい者の方々、あるいは高齢者の方々に対する支援メニューも少し書かせていただいておりますが、白石区の大変痛ましい事件がありました。こういったことの再発防止ということもしっかり踏まえながら、障がい者の方々、高齢者の方々あるいは認知症の方々への対処ということもやっていかなければならないと思いますし、またこれも公約の一貫でありますが、成熟社会総合フォーラム、これは先般2回目の議論、私も参加させていただいて、大変興味深く先生方のご議論をお伺いしておりましたが、この来るべき高齢化社会というものを、これを大変なことだからどのようにそれへの備えをするかという捉え方だけではなくて、この高齢化社会というものを成熟社会と捉えて、ポジティブ思考でこの社会のありようというものを考えていこうではないかというのが成熟社会フォーラムでして、こういった議論も深めていきたいと考えております。
それから19ページに「安心して生み、健やかに育てる環境づくり」。北海道は出生率が低いです。いろいろな対策をしていますが、札幌市も政令指定都市の中でとりわけ低い状況にありまして、ここを何とかしなければならないということで、さまざまな政策を引き続きやっていくわけですが、今回の私の公約の中では、妊婦さんに安心を贈る「母になる人への贈りもの運動」、これを展開をしていきたいと思っております。詳細はもしご関心があれば保健福祉部に聞いていただければと思うのですが、これは私が公約に書いた時には、何かハードなものをお贈りすることによって、例えば出産の前の受診の促進などということを考えていたわけですが、お母さんになる方々に対するアンケート調査の結果、もっとソフトな支援をしてほしいという、そういったご要望が多いようでありますので、中身についてはしっかりこれから検討していきたいと、このように考えているところです。
次に、資料3で触れなかった何点かだけ、この「予算の概要」の資料でご説明をしたいと思います。
一つは29ページ、地域商業の活性化に向けてということです。これも昨年来、道議会でも申し上げておりますとおり条例を制定します。29ページの下に書いてございます。大型店の撤退に向けてのさまざまな対応など、それから買い物弱者への対応なども考えているところでございまして、30ページの一番上の地域商業活性化総合対策事業費の中でも、買い物弱者の方々に対する対策というようなこともしっかりやっていきたいと、このように考えております。
それから36ページですが、エゾシカ対策です。このことももう去年からいつも申し上げているところですが、エゾシカの被害の拡大の中で、その駆除を効率的に行うと同時に、利用の促進の拡大、こういったことをしっかりやっていきたいというふうに考えているところです。
また、この予算の中で、最後の1点、40ページでございますが、「文化力創造・スポーツ王国づくり」ということです。北海道は文化がないとか歴史が浅いとかおっしゃいますが、そうではございません。縄文時代から弥生文化という本州にある文化の経路を経ずに、続縄文文化という時代を経てアイヌの方々が大変に長い期間にわたって北海道の文化そして自然、そういったものを守ってきていただいたという歴史がありまして、こういったことを踏まえてアイヌ文化の理解促進、あるいはそういったことも含めての北海道博物館の設置、設置費と書いてございますが開拓記念館のリニューアルを考えているところです。また、東北の皆様方と連携をして、北の縄文遺跡群の世界遺産登録の推進などもしっかり進めてまいります。
それからスポーツ王国。先ほど北海道マラソンのことを申しましたが、このスポーツに加えまして、文化の面を含めてしっかりと北海道の良さを発信し、道民の皆様方にもスポーツに親しんでいただいて、子どもたちの体力、学力だけではなくて体力もちょっと弱いのですが、そういった面の充実にもつながっていけばと、このように思っているところです。
さらに駆け足で恐縮ですが、資料4をご覧いただきたいと思います。また別の観点で、重要予算についての列挙と、もちろんこれは他の資料と整合性ございますので、もし何かありましたら担当部長や担当職員に言っていただければと思いますけれども、それぞれ23年度予算と24年度予算というものの比較をさせていただいたものです。
ここで、6ページを開いていただきますと、観光関係の予算がございます。海外に向けて発信ということを先ほどご説明をいたしました。あえて言えば、国内に向けても、しっかりと発信することであります。(北海道観光)ブランディング事業費の中にございますとおり、24年度は国内向けデスティネーションキャンペーンをさせていただきます。こういったこともしっかり発信をしていきたいと思っております。
それから雇用関係が8ページでございます。雇用関連は、冒頭申しましたいわゆる基金事業であるところの緊急雇用創出事業の一部、それからふるさと雇用再生事業、これがなくなりますので、見た目は予算が減ったように見えてこれは大変残念です。(重点分野については)95億円くらい減った形にならざるを得ないというふうに思っているところです。1番下の欄で見ますとそういうふうになりますが、私どもとしましては、こういった状況を踏まえてこの欄外に書いてございますが、中小企業総合振興資金の融資枠を100億円程度拡大することによって雇用機会の創出を図るという政策を重点的にやっていかなければならないと思っております。ここに掲げさせていただいた雇用関連、これは(雇用関係交付金事業を除いた)通常分でありまして、それ以外、例えば食産業、環境産業なども、究極はやはり雇用をいかに維持・拡大するかという予算ですので、広義に言えば幅広いのですが、あえてここで通常分も掲げさせていただきました。
それから表紙で見ていただくと、がん対策関連予算が556パーセント増となっておりますが、実は国の(地域医療)再生基金も活用しながら、ハード機器設備整備の補助、助成なども行うということでこのようになっているとご理解をいただければと思います。
最後に資料7、皆様方もご関心の北海道新幹線の関連です。残念ながら今現在でまだ政府のほうで正式着工という状況にはなっておりません。今、B/Cの議論などが専門の小委員会で進んでいるところでして、これが今2月の中旬ですからもうしばらくかかる、3月にも入ってしまうのではないかというふうに考えているところでして、いずれにしましても年度内の着工ということを大いに期待をしているところですが、正式に国のほうも決めておられないという中で、不確定要素が大きいのでなかなか数字を出すというのは難しいところもあるわけですが、ここに書いてございますとおり一定の前提を置きました場合、今後の収支見通しは先ほどの「予算の概要」の資料にもございますとおり、33年までお示しをしておりますので、それまでの間の道としての負担というものをアバウトに数字を出してみますとこのような形になるということです。道負担額が、実質的には71億円(道の負担額は71億円であるが、公債費(元利償還金)の50パーセントは交付税措置があり、実質負担額は52億円となる)ということです。以上、私からは本当に駆け足で恐縮でありましたが、ご説明をさせていただきました。
記者からの質問
(北海道新聞)
予算関係で2点伺いたいのですけれども、一つは新エネ・省エネの関係なのですけれども、知事、先ほどもおっしゃったように、北海道は再生可能エネルギーの宝庫であると。従来からも議会でもそういうような答弁ありましたけれども、そうした中で資料4なんかに出てくる省エネ・新エネ促進関連予算というのを拝見すると、総額で言いますと23年度と24年度というのはあまり変わっていない状況だと。中身なんかも見ると、事業によっては、例えば地域の新エネ導入取組に補助する一村一エネ事業、これが減っていたりという状況があります。福島の事故を受けていろいろ注目を集めていますけれども、そういった中で、この省エネ・新エネ関連予算が総額として変わらなかった、あるいは事業によっては額が減っているということについての理由といいますか、考え方をお聞かせいただきたいのが1点です。
それともう1点は、同じく重点政策に入ったバックアップ拠点構想なのですけれども、これは先日構想がまとまって、震災後の北海道をどうつくっていくかということで、非常に大きな柱になる話だと思うのですけれども、バックアップ拠点構想に関する事業費というのは、資料3の8ページを拝見すると、事業としては2件で2千万くらいというふうに入ってますね。これもやはりこれからの北海道を、震災後の北海道をどうしていくかというところで、知事も非常に力を入れていらっしゃるのだと思うのですけれども、構想がまとまって、いよいよ事業展開していくという段階において、2件で2千万というのはちょっと寂しいような印象も受けます。そういったところの考え方、どのようにお考えになっているかということですね。その2点、よろしくお願いします。
(知事)
一つ目のご質問は、そういうご質問もあるだろうなと思いまして、資料4の9ページの下の注釈に加えましたとおり、私ども自身の予算はこの程度で残念なわけですけれども、国の事業を最大限活用してやっていきたいということを想定しているところです。私どもとしては、再生可能エネルギーの賦存状況などというのは、全国どこよりも優位にあるということは自負を持っておりますので、その意味でわれわれとしてはそういったことをまずは全国にセールスポイントとして売っていきたいと思っておりますし、また、道としての振興の姿勢としては、(産業振興)条例の規則改正ということを先ほどご報告申しましたが、そういった形でしっかり姿勢を示しながら道の財政的な負担は最小限に抑えつつ、効率的にことを進めていかなければならない、このように考えているところです。
それからバックアップ拠点構想は道の予算のみに着目して何の意味があるのでしょうか。むしろこの構想はわれわれとしてはコンセプトを固めた上で、国なり全国に対して、いかに発信をし、ご理解を得ていくのか、そういったことが重要であって、道が道内で完結して何かをやるという性格のものではないのではないかと、このように考えているところです。
(読売新聞)
今の質問と似ているのですけれども、観光予算についてなのですけれども、食産業立国という食のほうは、今年1.3倍くらいに大幅増だとは思うのですが、もう一つの外貨獲得の柱である観光がですね、対前年でほぼ横ばいというようなイメージがあって、識者からも、もっと予算を増やしてほしいというような意見も昨日の観光審議会の部会とかで出たりしてたのでですね、この点、予算が何でほぼ横ばいにとどまっているのかという点について、知事の認識を聞かせていただければと思うのですが。
(知事)
なかなか難しいご質問でありまして、観光予算については、確かに北海道観光振興機構の皆様方、あるいは道議会の観光議員連盟の方々からも予算を少しでも伸ばすように、伸ばすようにというご指摘を頂戴しておりますのは事実です。私どもとしては、そういう中でできる限り配慮したつもりですけれども、これにつきましても、道の予算に加えてデスティネーションキャンペーンなど全国のJRの皆様方のご協力を頂いて展開するキャンペーンでございますし、いろいろな道財政を投入しないような形でのご協力を関係方面から頂きながら、北海道観光の振興ということをしっかりやっていかなければならないのではないかなとそんなふうに思っているところであります。
一般論として申し上げれば、観光にしろそれから災害対応にしろ、道財政は投入しないでいろいろな分野の政策課題を実現するためにいろいろな民間企業と連携協定を結んで、連携協定を結んだ企業からすれば社会貢献という意味でステータスが上がるというような相互にWin-Winの関係で提携を結んで、まさにそういう発想でさまざまなこともやらせていただくなど、道財政の厳しい中で、知恵と工夫でさまざまな形で政策を実現していきたいということで努力をしているところです。
(朝日新聞)
前回の記者会見でお尋ねした際に、予算の時にということであったものですから、あらためて伺いたいのですけれども、核燃料税を未計上とされた理由は純粋な税務手続き上のことなのか、何らかのメッセージ性があるものなのか、そのあたりお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
要するに、歳入として明らかなものを計上することが予算ですので、その意味で明らかに計上できるような状況にはないだろうということで計上しなかったということです。その意味では、そのことの可能性が高まった段階で補正対応ということは十分にあり得るということではないかと思っております。
(朝日新聞)
そういたしますと、特段再稼働に関しまして、ニュートラルな姿勢を示す意味とか、そういったものは特に込めてはいないという理解でよろしいですか。
(知事)
再稼働についてニュートラルというのは前から申し上げておりますが、その議論と予算の歳入歳出の議論は全く別であります。
(朝日新聞)
もう1点なのですけれども、道財政の中期展望(一般財源ベース)ということで「予算の概要」の15ページで、平成27年度以降、700億円の収支不足であったりというデータを示しておられると思うのですが、例えば過去に新たな行財政改革の取組ということで、平成18年ですとか、平成20年にも何度か中長期展望というのを示されておられると思うのですが、そうした数字を見ていますと、当初想定した数字よりも見通しが、平成18年にはこれくらいの収支不足と将来的に見込んでいたものが平成20年にはもっと悪くなっていたりということで、過去の取組を見る限り、納税者の視点から見た場合に見通しが甘かったのではないかという部分もあるのかなと思ったのですけれども、私なりに財政の運営が大変なんだなというのは理解に努めようとしているつもりではあるのですが、実際にここで示されている中期展望の数字を素朴に信じて良いのかどうか、これまでの見通しが甘かったのではないかという指摘も含めてですね、いやもっとこういう事情を理解してほしいですとか、反論とかご見解があれば聞かせていただけますでしょうか。
(知事)
お答えするのが難しい質問なのですが、例えば御社でも、これから5年、10年、20年、何年か分かりませんけれども、売上の計画であるとかあるいは世の中がこのように展開するだろうという見通しであるとか、いろいろなことを出されることがあろうかと思います、一般論として。そういうときにその見通しを立てるのに一定の要件というのを設定しますよね。それが変わることによって中身が変わってくることがあり得るというのはある意味必然的なことではないでしょうか。
(北海道新聞)
先ほど知事が説明された資料7の新幹線の関係でお尋ねしたいのですけれども、これを見ますとですね、今後10年間で道の負担額というのが71億ということで、その際の仮定の条件として置いているものが、10年間で工事は8.2パーセントしか進まないという仮置きの条件を置いて試算したのだと思うのですけれども、工期は24年というふうに国のほうで出していますけれども、それで逆算して考えればですね、残り14年間で92パーセントの建設費用を負担していくことに、この仮定から見ればなるのだと思うのです。要するに工期の後半のほうに非常に予算が大量に支出が必要になるということだと思うのですけれども、いろいろな道財政の厳しい状況を考えれば、そういう形で集中して支出が必要になってくる、この辺の財源確保ですとか、ほかの事業への影響だとかですね、この辺を知事としてどのようにお考えになっているかという点についてお聞かせいただきたいのですが。
(知事)
この資料7をご説明した時に申し上げましたとおり、国自身が正式の着工ということも決めておられませんので、さまざまな係数などについて、私どもとして、決定されていない部分が多々ある中で数字を出すというのはなかなか至難の業ですが、その中であえてここに書いてあるような一定の前提の下に10年間平成33年度までを出したと。実は同じようなこの手法で、8.2パーセントを100パーセントにしたときにどうなんだというそういうご質問だと思うのですけれども、全くこれと同じような形で計算すれば、道負担のトータルはアバウトに言って交付税措置を除いた道の実質的負担というのが2,200億円くらい、プラス金利負担の700億円で2,900億円が実質的な道の負担になって、これを工期は24年間と今言っておられますけれども、実際はその倍くらい、もっとかな、設定の仕方にもよるのでしょうけれども、それを超える大変に長い期間で負担をしていくということになるわけですので、今、その各年負担がどうなるかなどということはもちろん申し上げられるだけの要素はないわけですが、ただおっしゃるようにこの2,900億円という数字というのは、大変大きいです。やはりこれだけの負担をして、北海道新幹線の札幌延伸ということをやっていくわけですので、これは私去年の暮れから再三再四申し上げておりますとおり、この財政負担というのはまさに道民の方々からお預かりしたお金を私どもが執行するというにすぎないわけですので、何としてもそのことについて、道民の皆様方のご理解を頂くためにはこの新幹線という広域的な交通ネットワーク、加えて高速道路など、そういった広域的な北海道の中におけるネットワークを最大限に活用して、地域のバランスある発展にいかにつなげていくのかということをまさに24年から50年かまだ分かりませんけれども、長い期間、私どもはこの負担を負う間において実現をしていく、それを前倒しでやっていくということを道が先導してやっていかなければならないと、このようなことをあらためて私はこの数字を見て思ったところです。
(北海道新聞)
ちょっとまた別の質問なんですけれども、先ほど重点政策、資料3だと思うんですけれども、基本的な考え方の最初のところにですね、TPP協議への対応というところが道政を取り巻く情勢というところの中の一つの項目になっているんですけれども、それで今回の予算を見ますと食関連ということで、農業ないしは漁業の基盤整備の予算も相当前年度よりは付けてるような格好になってます。こういう背景にですね、総合特区の指定はあるにせよですね、こういったTPPによる影響が今後懸念される中で、道として強化するというような狙いがあったのかどうか、その辺についてお聞かせいただきたいのですが。
(知事)
なかなかこれも難しいご質問でありますが、TPPについては、われわれはオール北海道で反対であります。これは農業に限らず、20を超えるそれぞれの分野についてあまりにも不透明なところが多い中で、先般、国からのご説明も受けたというふうに事務方から報告は受けておりますが、何ら明らかになったところがないわけでして、大変に不満であり、今段階ではやはり反対ということを明確に言っていかなければならないと思っております。
それはそれとして、北海道はいずれにしろ食関連の国際競争力を高めていかなければならないという、われわれ自身の政策目的というものがございまして、そのことのために食産業立国という言葉を使わせていただいておりますが、さまざまなことを実施していくということですので、こういう食産業立国関連の予算を計上して一生懸命やるということが、じゃあTPPはいいのかという議論、そういうことは一切ないということは、ぜひご理解頂きたいと思います。
(読売新聞)
予算のこととはちょっと違うんですけれども、昨日がれき処理の関連でですね説明会がありました。そこで市町村の方がですね、道が方向性を示さないとちょっと動きずらいといったような声も出てきました。道も調整役としてですね、権限を持たない中でなかなか難しいと思いますが、あらためてがれき処理についての知事の思いと、あと今後の方向性などお考えがあったら聞かせてください。
(知事)
被災県のがれきについて広域的な処理を受け入れるかどうかということにつきまして、私は記者会見の場あるいは道議会の場で、前向きにぜひやっていきたいということを常に申し上げてきております。
それはなぜかといえば、被災された東北の皆様方というのは、明治以降の北海道の開拓の歴史の中で、東北から入ってこられた方々が一番多いわけでして、やはり道産子の方々でも東北に親戚がいる、あるいはルーツが東北だという方、本当にいっぱいおられます。そしてお隣同士で今もいろいろな形でさっき申しました北の縄文文化回廊であるとか、現状もいろいろ連携しながらやらせていただいている大変近い間柄の皆様方が大変ご苦労しておられる中で、それをサポートするのは北海道としては当然だろうという私の強い思いもあって、このがれきの受け入れについても私自身は前向きな発言をずっとさせていただいております。
しかしながら、東京都の場合と違って、他県はみんな一緒でありますが、実際にこの廃棄物の受け入れをするという業務を自治体として受け持っておられるのは市町村ですので、単に道知事がやると言っても、やはり市町村のご理解を頂かなければ物事は進まないとそういう役割分担になっているわけです。そういった中で、昨日初めて道内でも国の方に来ていただいて説明会を開催したわけでして、その際に御社を含めて各社さん道の対応が不十分という強いご指摘を頂いて、私も担当部長を呼んで、先ほどもいろいろ議論をさせていただいたわけです。
まず基準については、国より厳しい受け入れの基準を設けておられるところ、あるいは国と同じ基準にしておられるところ、各県いろいろあるわけですが、私はもちろんこれから道議会での議論も必要だと思いますが、私ども道庁としては、国の基準を超えていくつかの県が出しておられる基準が、本当に科学的な根拠があると言えるのかどうか。他県の批判をするつもりはありません。ただそういった科学的な根拠を持って、これがうちの県の基準だということを言っておられるところは必ずしも多くないというふうに私どもとしては理解をしておりまして、その意味では、東京都と一緒になるのかもしれませんが、国の基準というものをベースにまずは考えていただくということ。これは道自身も考え、また各市町村もそのように考えていただくというのが一つではないかと。
しかしながら、これも昨日議論が出たと思うのですけれども、道内の市町村は、広域の北海道でもありますので、全然それぞれ事情が違いますよね。農業の地域もあるだろうし、水産業の地域もあるだろうし、また受け入れ側の一般廃棄物の処理施設を想定するわけですけれども、その焼却施設の状況などいろいろな条件があると思いますので、まずは国の基準を前提に、すなわち具体的には、埋め立て廃棄物の基準としては8,000ベクレルですが、廃棄物は燃やせば当然濃縮しますので、そんなことも考慮しながらいろいろ考えなければならないわけですけれども、受け入れ廃棄物の段階で240から480ベクレルというのが国の基準なのでしょうか。そういったことを前提にお考えいただき、いろいろと議論していただいて、もちろん住民説明の際に、われわれ道も一緒に行きます。一緒にご説明をするということです。
もちろん必要があれば国も一緒に来てもらって、今回は国と道主催で札幌へ市町村等の皆さんに来ていただく形で、説明会を開催したわけですけれども、個別にいろいろ水面下で市町村と話をして、先ほどのような国の基準をベースに、可能性があるようなことを言っていただけるような市町村には、具体的にご説明に参上して、住民の方々にもご説明した上で、その地域としての受け入れの基準の設定を個別に決めていくというのが、広域である北海道の状況などを考えた場合には、合理的なのではないかなというふうに私自身、部長と議論をして今段階でそのように考えているところです。
また、道議会での議論なども踏まえて、このことについて私どもとしての考え方をさらに高めていければというふうに思っております。
いずれにしましても、マスコミの皆様方から見て道が大変消極的だというふうに見られたとしたら、それはとても残念でございますが、私ども道としても、やはり先ほど私の、知事の思いとして申し上げたとおり、隣同士の東北の皆様方の状況を少しでもお助けしたいという思いは、それは道の担当職員まで私は持っているとそのように確信をしておりまして、ただそのプレゼンテーションの仕方が必ずしも十分ではなかったのかなということは、皆様方のご指摘を踏まえて反省をしつつ、一歩でも二歩でも具体的にこの話を進めていければと、このように思っております。
(読売新聞)
具体的にですね、条件付きでなら受け入れ可能だと言っている市町村もあるわけで、団体もあるわけで、そういうところに協力をあらためて呼びかけたり、知事自らですね、道の職員派遣したりして協力を依頼したりすることは、行っていくのでしょうか。
(知事)
実は、水面下でもう十分に個別に協議しています。ただ、申し訳ないのですが皆様方に申し上げるとそれが(まだ調整以前の早い段階で)表に出てしまって、合意を得られるものも得られなくなるということも現実の世界ではあり得るので、担当部が一生懸命動いております。
(毎日新聞)
予算の質問に戻るんですけれども、全体的な選択と集中の話で道財政が知事もおっしゃるとおり大変厳しくて、義務的経費は上がり続ける中で道債の償還が依然として高い額を支払っていく中で投資的経費はどうしても伸びないという中で、喫緊の政策課題として震災を受けてのエネルギーであったり、防災分野、それから経済回復しないという中で、非常に政策課題はたくさんあると、知事の中でもあると思うんですけれども、その中で今回こういうふうに選択と集中という予算の配分の仕方をしてですね、特に喫緊の課題である防災や経済の中で、知事としてこういった事業もやりたかったんだけれども、今の厳しい道財政の中ではどうしてもできなかったというような事業がもしあったら、聞かせてください。
(知事)
私がやることを道民の方々にお約束申し上げた3期目の公約、このことはすべてやりたい、やらなければならない政策だと思っているところでして、それをすべて具体的な実行費として盛り込めたかといえば、そうではございません。まだ調査費段階の計上にとどまっているものもありますし、そういう実態はあるわけですが、ただやはり今目の前の重要なものは今ご質問の中でもおっしゃられたとおり防災関係、原子力防災、自然災害防災、それから医療の問題、がん、これは公約で喫緊の課題です。今や2人に1人が、がんになる時代ですので、さらには北海道のこれからの未来を築いていくために重要な食産業立国なり、エネルギー・環境産業の振興なり、やはりこういったところに重点的に少しでも予算を配分し、もちろん道財政の足らざるところは先ほど申しましたような多様な政策ツールを活用しながら政策目標達成のために努力していくということを申し上げたわけですが、予算の中で十分に計上できなかったもので、調査費にとどめたものはございます。
それからやはり、これも何回も言っておりますが、職員団体の方々に大変に厳しい中、ご無理を申し上げた(給与の)独自縮減を継続せざるを得なかったということも、私は大変胸を痛めているところでして、記者会見でも問われた際に申しましたが、何としてもこういった独自縮減等に頼ることのない道財政運営を私どもとして目指していかなければならない、このような思いは強く持っているところです。
(NHK)
予算の関連ではちょっとないのですけども、昨日のですねJRの石勝線の貨物列車の事故の関係なんですが、こういう事故が起きますと、やはり去年の5月の同じ石勝線のトンネル火災事故というのを思い出してしまう方もいらっしゃるかと思うんですが、今回もちろん会社が違います。貨物と旅客では違うんですけども、やはり道民の方々の間ではですね、安心して公共交通機関に乗るということに対する疑問、不安の声が出ております。知事としては、まだ昨日起きたばっかりですから原因も分かりませんけれども、今の段階でどのようなご感想をお持ちでしょうか。
(知事)
石勝線のトンネルの中における火災事故が去年ございました。不幸中の幸いとして、亡くなられた方いなかったということでしたが、そういったことも含めて、いろいろな中で当時のJR北海道の社長が大変残念な形で亡くなられたということにもつながり、私を含めて道民が大変心を痛めた石勝線のJR北海道の事故だったと思っております。
同じ石勝線のラインの中で、場所は今回は東追分駅の近くということですので、少しは違うわけですが、JR貨物の事故が起こり、また今段階でまだその事故原因というものが明らかではない。国の調査官も来ておられるようでありますので、近々明らかになると思いますけれども、そういう状況を大変に悲しく、そのように受け止めているところです。
ただ、公共交通機関、これは北海道の場合には、例えば空の便というものも、これは東京までは新幹線の札幌延伸前は、飛行機に乗らざるを得ないわけでして、こういったことを含めて公共交通機関というのはやはり安全を大前提として成り立っていますので、ぜひこのJR貨物の昨日の事案についても原因究明をスピーディーに行っていただいて、再発防止に向けての努力をしていただき、今後二度とこういった事故が起こらないような形で、JR貨物とJR北海道には議論していただき、また私どもにもその内容をご報告いただきながら、道民の皆様方に安心をしていただけるような公共交通機関になることを心から願い、またそのために必要であれば、われわれからJR貨物なりJR北海道にも働き掛けをしていかなければならない、このように考えております。
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