知事定例記者会見記録(平成23年6月8日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年6月8日(水) 14:00~14:52  
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ1台)

会見項目

230609-a.JPG 230609-b.JPG

知事からの話題

1 平成23年度2定補正予算について

記者からの質問

1 平成23年度2定補正予算について(予算編成についての思い)
2 平成23年度2定補正予算について(公約の反映について)
3 平成23年度2定補正予算について(今後の収支対策について)
4 大連立構想と首相の退陣時期について
5 JR北海道の事故について
6 青森県知事選挙の結果と大間原発について
7 平成23年度2定補正予算について(こだわりのある政策について) 
 

知事からの話題

 

平成23年度2定補正予算について

〔資料1:平成23年第2回北海道議会定例会提案補正予算について
〔資料2:平成23年度予算の概要(第2回定例会)〕※総務部財政局財政課のページです 
〔資料3:平成23年第2回北海道議会定例会に提案する条例案(11件)
〔資料4: 「活力ある持続可能な地域づくり」に向けて~平成23年度 地域振興施策のポイント~
〔資料5: 赤レンガ・チャレンジ事業~平成23年度登録事業の概要~

 それでは今日は補正予算のご説明を申し上げたいと思います。
 昨日、総務部長からマクロの数字を中心にご説明申し上げたかと思いますが、配付資料は「予算の概要」(冊子)とあと2種類の参考資料ということで地域政策の関係と赤レンガ・チャレンジ事業、この3種類をご参照いただきながらご説明を申し上げたいと思います。
 まず、「予算の概要」により全体の計数については、昨日部長から申し上げたとおりでありますので、私からは口頭で説明しますが、平成23年度の2定補正予算額は一般会計で2,760億円、当初予算と今回の補正を合わせた総額で2兆7,956億円となったところでございまして、昨年22年度の当初予算規模との比較において、0.8パーセントの減になっているところです。しかしながら、4年に1回の知事選後の2定補正予算額という意味では、過去最大の補正額となったところです。これは部長からも説明があったと思いますが、何年も前からの国の経済対策に伴って積み立ててまいりました各種基金事業、これを積極的に活用しているということなどが影響しているわけでありまして、このことはこれまでの4年に1回の知事選後のこういったいわゆる肉付け予算(知事選後の2定補正予算)との比較において、過去においてはこういう基金はなかったということで、今回はこのように過去最大の補正額になっております。
 大変残念なことでありますが、これも昨日部長から申しましたとおり、引き続き大変厳しい財政状況の中で収支不足額の解消に向けて取り組んでいかなければならない、このように考えているところでございます。以下は、17ページから事業のポイント、特徴的なことを中心にお話を申し上げたいと思います。
 まずは全体の重点政策の基本的な考え方は17ページの下の図に書いてございますとおりです。これまでもいろいろな記者会見などで申し上げておりますが、まずは目の前の危機である東日本大震災の復旧・復興対策、そして本道の役割発揮ということ、そしてそれと並んで、それ以外の危機克服と未来を拓く道づくりということでございまして、雇用づくり、あるいは環境のフロントランナー・文化力づくり、安全・安心の健康社会づくり、そして活力ある持続可能な地域づくりという大きく分けて二つの柱、五つのグルーピングにより政策を議論して今回確定してまいったところです。
 さて、18ページから政策を具体的に記載しているわけですが、まず東日本大震災の道内の復旧・復興、これは3月、それから5月と2回にわたって補正予算も計上しておりまして、少しずつ進んでいるわけですが、まだ残っている課題として道議会の臨時会での議論でもあったように、被害の大変大きかったホタテ、あるいはカキなど個人が持っておられる養殖施設の復旧対策、これはそれぞれの場所で状況が異なる中で、地域全体としてどのように復旧・復興を図っていくのか、これは国への要請を踏まえて、我々としても考えていかなければならない、そんなふうに考えている項目であります。
 それから18ページの道内経済の緊急対策です。道内では風評被害などというような形で大きく影響がでております。そういった中で、私も全道を回ったり、市長会、町村会からのご要望などを踏まえて、まずはあらゆる分野の中小企業に影響がでているということで、そういった中小企業の支援というのが一つございます。それから事業でいいますと18ページの北海道クール・サマー誘客促進事業費などにも表れておりますが、首都圏等に対して、震災前と変わらない北海道の魅力、こういったものをPRします。次の北海道ツーリズム誘客促進事業、19ページの一番上でありますが、道内における札幌圏以外の各地の観光団体の皆様方の道央圏において行うような集中的なイベントへの開催支援、これが道内観光振興にもつながっていくのではないかと考えています。中小企業対策は下のほうに記載があります。
 それから19ページの防災・危機管理対策の強化につきましては、これも従来から申し上げております。私どもがやるべき津波浸水予測図のリバイスというか、新たな状況の中における策定、それから市町村の皆様方の分担となっておりますハザードマップ、あるいは津波避難計画、詳細な避難のありようでありますが、こういったことの作成を促進するというような予算を計上させていただいているところです。
 20ページからは被災地への支援、あるいは我が国全体の復興に向けての本道の貢献ということでございますが、被災地への支援ということではさらなる専門家を中心とした道職員の派遣であるとか、あるいは就学が困難となった世帯の幼児児童生徒に対する支援なども計上させていただいているところです。それから同じ20ページでありますが、「21世紀バックアップ拠点構想」調査検討費、これは私の知事公約にも書かせていただいたのでありますが、わが国全体の東京に対する一極集中を是正し、全体としての再生、さらなる活性化を果たしていくための北海道のバックアップ拠点構想、そしてこういったことの具体論の展開をしてまいりたいと考えております。
 それから前にお話をいたしましたけれども、東北・関東地域の企業の方々との道内企業の受発注の支援など、あるいは本道へ移転する道外企業の方々、東北・関東等の方々の支援なども実施してまいりたいと考えております。
 さて、21ページからは震災対応以外の危機克服、そして未来を拓く道づくりということで、まず雇用づくりであります。このことは今までも切れ目のない雇用、中小企業対策を続けてきたと認識しておりますが、このたび新たに21ページの地域若年者雇用奨励事業費をスタートしようとしております。これは若年者、若い方の雇い入れを伴う新規開業に際しまして、設備資金等の支援、あるいは雇用奨励金を支給するという事業であります。また加えて、ジョブカフェ北海道、ジョブサロン北海道、若年者の方、中高年の方に対するそれぞれの再就職支援、あるいは若年者の早期就職支援、こういったカウンセリング体制の強化を考えております。
 22ページの地域を支える中小企業の振興、これは先ほどの繰り返しになる部分もありますが、まずは昨年から表明させていただいております地域小売商業に関する条例(名称未定)の制定に向けての取組を進めてまいります。また、これまで建設業の新分野進出への支援を各部にまたがってやっておりましたが、窓口を建設部に一本化するとともに取組の充実を図ってまいります。23ページの一番上の事業であります。
 それから、本道の成長力強化に向けた取組。これは強い経済・安定した雇用づくりの項目になるわけでありますが、昨年度に引き続き食クラスターの形成、このことは重点的にさらに事業を展開してまいりたいと考えております。道総研(北海道立総合研究機構)にも一定の役割を果たしていただきますし、また昨年発足した食クラスター連携協議体との連携も視野にしっかりと入れてまいりたいと考えております。また、国内の販路拡大等もやってまいります。
 そして25ページの環境・エネルギー関連分野のビジネス創造、食と同時にこの分野も北海道に優位性があるわけでありまして、さまざまな取組の支援をしてまいりたいと考えております。
 それから26ページの成長する世界市場への挑戦ということでは、「食」「観光」「ものづくり産業」のさらなる磨き上げと国内外への発信ということでありまして、27ページには海外への拡大ということで中国、韓国、アジア新興国を念頭に置いたさらなる発信をしっかりとやってまいりたいと思っております。引き続き、私自らのトップセールスということも強化してまいりたいと考えております。
 28ページ、「観光」の磨き上げということであります。これも今までも頭出しはさせていただいておりますが、例えばLCC、格安航空会社さんの誘致などに伴って必要不可欠となってまいります地上業務設備への支援、こういったことをやってまいりたいと思っております。さらには国際チャーター便の道管理空港、国のほうは国でご検討されていると思いますが、道管理空港の着陸料免除をしてまいりたいと思っております。このことはエージェントさんからも、金額の多寡ではなく、やはり姿勢が重要だとされているところです。
 それから29ページ、ものづくり産業の強化、このことは引き続き私どもとして強化をしていかなければならないと考えているところであります。29ページの「Hokkaido」の発信力強化ということで、その1番目に上海事務所の創設に関する予算の計上をさせていただいております。
 それから30ページでありますが、何といっても北海道の基幹産業は農林水産業であります。その強い基盤づくりの項目であります。主な施策の1番目にございます、いわゆるパワーアップ事業として新規地区の整備支援をいたします。これは強いご要望が地域からでているところであります。また加えて31ページに記載してございます、例えば水産業についてはナマコなどの資源増大、あるいは林業に関しては植林への新たな支援制度など各種盛り込んでいるところでございます。それから31ページの地域の産業を支える人づくりということでございまして、32ページの具体的な予算事業の1番上、農業支援組織実践研修モデル事業です。農業においては、なかなか新規就農に入ることが資金的にも大変だというお声もございますので、新規参入希望者の方々が農業支援組織で賃金を得ながら就農訓練を行う、いわゆる入りやすい新規就農支援、こういった体制の構築も図ってまいりたいと考えているところでございます。
 それから、33ページからは危機克服と未来を拓く道づくりの大きな二つ目である、安全・安心の健康社会づくりでございます。医療の状況を最重点項目として、引き続きさまざまなことを進めてまいりたいと思っております。本来的には医師を増やしていく、このことの要請も国にしっかり行っておりますし、我々としても定数を増やすということもぎりぎりやらせていただいております。また、臨床研修医制度の見直しということも国に要請をしているところでありますが、ただそれには時間がかかるであろうという思いの中で、この33ページの具体的な施策の一番上にございます緊急臨時的医師派遣事業費、これは今回は道外医師の方々も視野に入れた取組ということで拡充をしたいと考えているところです。
 また34ページの真ん中よりちょっと上くらいの札幌医科大学整備構想策定費、札医大は道内の三医育大学の中でも、もともと道立という経緯もある医育大学でございまして、医師を育てるため、あるいは先端的な研究をやっていただくために、この老朽化した施設の整備ということを長年にわたってご要望いただいているところでありまして、地域への医療貢献ということの議論をしっかり深めながら、札医大の施設整備の構想の策定、そして具体的な建設へと順次つなげてまいりたいと考えているところです。また、医療については、新たに三次医療圏ごとに、地域医療再生計画を策定し、計画の実行に必要な基金の積み立てなどさらなる体制の充実も考えているところです。
 35ページからは、「支え合い」の地域システムづくりということでございまして、高齢者の方々、障がい者の方々が地域で安心して暮らしていくためには、支え合うことが重要であります。そういった観点で35ページの具体的な施策の一番上にございますが、地域支え合い体制づくり事業費、地域の住民の方、あるいはNPOなどによる活動の立ち上げの支援なども考えているところです。
 また、これは教育庁の予算でありますが、35ページの下から二つ目の項目の視覚障がい教育センター校の新設費ということです。私自身も今ある盲学校も視察させていただきましたが、なかなか厳しい状況にございまして、望まれていたことをしっかりやろうというふうに考えているところです。
 それから36ページに移っていただいて、上から三つ目の事業であります。成熟社会総合フォーラム開催費。これは人口減少、これを止めるためのさまざまな政策は、子育て支援とか社会的な移入とか移住とかいろいろ進めてはおりますが、それでもやはり大きな流れとしてのこの北海道の長寿社会到来というものを避けることはできないという認識のもとに、この段階におけるさまざまな地域社会、経済のあり方などについて検討していくための予算であります。
 それから36ページの下からは、子育て環境の整備ということでございまして、具体的な事業の一番上、赤ちゃんのほっとステーション。授乳であるとかおむつ交換などのできる施設の登録制度の創設と、そこに対する助成というようなことで赤ちゃん連れの方々が、若い方々が、おばあちゃんでも良いのですけれども、外を出歩くことが容易になるような環境整備を考えております。また、「地域子育て支援拠点」ステップアップ事業。こういったこともやっていき、親子相互の交流の場となる地域の子育て支援拠点の充実ということを図ってまいりたいと思っております。
 それから37ページからは「母になる人への贈りもの運動」の展開。これも公約でございますが、着手をさせていただきたいと思っております。
 それから37ページ、学びの環境整備。道内は、やはり学力が相対的に他県との比較において低いということがいわれております。家庭・学校・地域が一体となった学習、子どもたちの学力向上に向けての取組を総合的に推進する。具体的な内容については教育庁のほうにお問い合わせをいただければと思っております。それからその下に記載している事業で、英語教育推進事業費、イングリッシュキャンプのプログラムの開発などでございます。
 39ページからは、犯罪や交通事故のない安全・安心の地域づくりということで、暴力団排除推進条例を本年4月から施行しているところですが、こういったことに基づきまして、暴力団排除のための体制整備、普及啓発の推進ということを重点的に進めてまいります。また、合わせて、交通死亡事故、昨年は全国ワースト1になってしまいました。お年寄りの方々の事故未然防止強化など、地域ぐるみの交通安全運動も展開をしてまいりたいと考えております。
 40ページは地域の自立を支える交通ネットワークの確保。HAC(北海道エアシステム)は新たな船出をし、6月1日には丘珠集約も果たしております。こういったHACをはじめとする道内航空路線の旅客の需要開拓であるとか、いろいろなことをやってまいりたいと考えております。
 それから危機克服と未来を拓く道づくりの大きな3番目の項目が、42ページからの環境のフロントランナー・文化力づくりです。その一つ目の先駆的な地球環境保全活動の推進ということにつきましては、まずは具体的な事業、42ページの下にございます地域づくり総合交付金を拡充いたしまして、地域環境サポーター支援分というものを計上し、住民あるいは団体などの方々が自ら取り巻く環境保全活動への支援制度を創設をいたします。
 また、生物多様性保全に関する条例についてはこれまでも議論はでておりますが、制定に向けた取組を推進してまいります。
 43ページからは、引き続きエゾシカ対策であります。組織的には本年度から環境生活部にエゾシカ対策室を設置させていただきまして、総合的な取組の加速を検討をしております。具体的な施策としては捕獲個体処理支援施設設置運営事業費、いわゆる「現地シカ・ステーション」というものを設置をいたしまして、地域における捕獲従事者の方々などを支援し、捕獲効率の向上を図る取組をやってまいりたいと考えております。
 それから、44ページからは地球温暖化防止対策の加速ですが、今年も全庁一丸となって「ガイア・NEXTプロジェクト2011」として取組を推進します。国のほうでは、環境基本法がどのようになるかということがいろいろ報道を通じていわれているところでございますが、私どもとしては、やはり再生可能エネルギーの宝庫であるという北海道の位置付けというものを踏まえて、いろいろな取組を率先して行っていかなければならないと思っているところでございます。45ページの上から2番目、バイオ燃料利活用普及促進事業費であるとか、カーボン・アクション・フォーラムというのを昨年設置いたしましたが、このことをさらに進めるためのカーボン・オフセットの相談支援体制の充実なども行ってまいりたいと思っております。それから次世代北方型居住空間モデル構想検討費というものが、その45ページの上から三つ目の事業にございます。こういったことは、地域のエネルギーや資源を地域内で循環利用して排出物抑制と産業振興を目指す、北海道独自のこういったモデル事業もやってまいりたいと考えているところです。
 47ページからは文化力創造・スポーツ王国づくりということであります。まず文化のところでは、北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取組の加速を考えているところです。東北と北東北と連動しながら、しっかりやってまいりたいと思っております。また、それと平行して、国の全国展開の施策も大きく、一歩一歩展開しておりますが、アイヌ文化の一層の理解の促進に向けた普及啓発事業も実施をしてまいりたいと考えております。また、このスポーツの分野におきましては、北海道はウィンタースポーツなど幅広いさまざまな分野のスポーツにおいて、多くのアスリートを輩出し、冬のオリンピック、夏のオリンピックともに道産子アスリートが大活躍というのを我々は常に見ているところであります。こういった中で、子どもたちに例えば怪我をさせると困るなど、親御さん方、父兄の方々に、子どもたちにスポーツをやらせるということについてのやや慎重なご意見等もある中で、ぜひやはり道産子アスリートの方々にもご協力をいただきながら、スポーツ王国北海道の強いアピールというものをしていきたいと考えているところでありまして、そのための予算も計上をさせていただいております。
 49ページからは、危機克服と未来を拓く道づくりの大きな四つ目の項目で、活力ある持続可能な地域づくりということであります。私は今回の知事選で、地域に徹底的にこだわるということをどの地域でも申し上げてまいりました。そのためにもこの項目については、しっかりとやっていかなければならないと思っているところでございまして、地域づくり総合交付金の拡充、金額的にこの程度で拡充かと言われるかもしれませんが、我々としてはこの中身をさらに充実することによって各振興局が使い勝手良く、それぞれの地域の特徴を活かしながらの地域振興ができるようにしてまいりたいと考えております。
 50ページには、自助・互助・共助が支える地域づくりということで、今の政権もよく言っておられる「新しい公共」というものを支援するという観点から、公共的サービスなどの新たな担い手であるNPO等の自立的な活動の支援、これは50ページの一番下の事業ですが、こういったことも計上させていただいているところでございます。これは拡充予算であります。
 それから51ページは地域主権の理念に基づく自治のかたちづくりです。ようやく私ども地方から強く要請しておりました地域主権3法も成立を見たわけでありまして、残念ながら(地域主権という)名前は変わってしまったようでありますが、趣旨として我々はやはり地域主権だと思っております。このことの実現のために、市町村の広域的な連携が円滑に進められるよう、市長会、町村会と連携して必要な支援を行っていく、引き続き市町村への権限移譲の推進とそれに伴う職員の派遣なども行ってまいりたいと考えているところです。
 以上がこの冊子のほうの大体のご説明でありまして、あと引き続き、特別な予算に頼らずに、道庁の人材あるいは施設や資源などを有効に活用する赤レンガ・チャレンジ事業も今年度も引き続き実施いたしますし、また、民間企業、道民の方々との協働によるタイアップ事業、こういったことも引き続き展開をしてまいる考えであります。私からは以上でございます。

記者からの質問

(北海道新聞)
 3期目最初の予算といっていいと思いますけれども、非常に厳しい財政の中でもですね、肉付け予算(知事選後の2定補正予算)としては、過去最大であると。そこに込めたその知事の思い、あるいは苦労した部分なんかについて、もう少し詳しく教えていただきたいんですけども。
 特段この震災の厳しい状況、北海道、将来的にもなかなか明るい兆しが見えないかもしれないと思っている中でのこの予算にかけた思いという部分です。

(知事)
 規模的には、こういった肉付け予算としては過去最大になった理由というのは、これは前政権時代からも含めての国の補正予算に計上されたあまたある基金事業を、今年度も活用しようというような中で予算が膨らんだという面もあるわけですけれども、それはさて置き、そういうことを活用しながらも、私として積極的に政策をやっていかなければならないという思いの中で、今回の肉付け予算(知事選後の2定補正予算)を議論をし、このような形でご提案申し上げることとしたところです。
 その思いはですね、財政は厳しいです。昨日、総務部長からも説明があったと思いますが、道債残高の状況、あるいはこれから将来的に、3パターンくらいご提示申し上げたと思いますが、金利等の状況によっては、平成29、30年頃には、実質公債費比率が25%を超えるという危険ラインも予想されますので、引き続き財政改革を行い財政規律をしっかりと守っていく、歳出を例外なく見直して削減していくという、そういう基本を持ちながらも、ただやはり道内で震災復旧・復興は、これは全く時を待たないわけでありまして、それは水産業の直接被害もありますし、また観光業を中心とした間接的な被害も含めて、これは今ただちにやっていかなければならないことだと思っております。
 また、医療をはじめとする、地域の危機的な状況への対処ということも、金額の多寡もさることながら、振興局職員にしっかりと地域に出向いて、飛び出してもらって、仕事をしてもらう。あるいは、先ほども申しましたが、道職員を市町村に派遣して、市町村職員と共に汗をかきながら仕事をするということも含めて、地域の厳しい状況へ対処していく必要もあるわけでありまして、こういった状況の中で、金額的にはそんなに大きなものはないとは思うんですけども、メリハリのある形で新規予算の事業の計上、あるいは緊急臨時的医師派遣事業などもそうですが、これまでのものを少しメニューを追加する形で予算の充実など、メリハリをつけた予算というものを心掛けたつもりです。


(読売新聞)
 今回、知事公約を掲げて当選されたわけなんですが、公約がどの程度(予算に)反映されているのかというところをお伺いできますでしょうか。

(知事)
 今回、公約、170本ですか、数えてみると多くなってしまったのですが、従来からの延長線上のものもございますし、新規のものもありますが、今回のこの肉付け予算の中でもできる限り頭出しをしてほしいというのを知事査定の時にも冒頭で総務部長にお願いした経緯もあるわけですが、結果的にこの数字を改めてチェックしますと、170本のうち145本、公約の8割強に着手するもの、さらに進化するもの、そういった状況になっているところでございまして、私としてはこういったことを、これまで8年間も取り組んでまいりましたとおり、4年間でやりますというのを公約で出しました。それを毎年、毎年、アクションプランという形で見直しをかけながら、4年間でしっかりやり遂げてまいりたいと、今段階では思っているところです。


(北海道新聞)
 収支見通しの部分でお聞きしたいんですが、今年度、このままいくと190億収支足りないというかなり厳しい状況だと思うんですが、先ほど知事のほうからも引き続き歳出削減やっていくということなんですが、かなりこの平成25年まで見てもかなり厳しい状況だと思うんですが、具体的にどのようなことに取り組んでいかれるかですね、お考えがあればお聞かせいただきたいのと、一つ大きいのはやっぱりその職員の給与カットの部分がですね、今年やるのかやらないのかという判断が必要だと思うんですが、国のほうでも国家公務員の給与削減っていう動きもでておりますけれども、現時点で知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 まず、収支不足額が、今までも厳しかったのですが、平成22年度の要調整額は90億円でとどめることができたのが、今回の23年度については190億円ということで倍以上になったというのは、先ほど冒頭でも申しましたが、やはり財政再建と例外なき歳出削減ということをしっかりやっていかなければならないと重く私どもは認識しなければならないと思っております。
 歳出が広まってきた理由のいくつかは、昨日も総務部長から説明があったと思うのですけれども、例えば、病院会計の赤字幅とか、社会保障関連の歳出が事前の予測以上に増えてきているということもございますし、このことはさらに高齢化が進むと想定される道内においては、24年度以降もより厳しくなってくるかもしれないということでありますので、ここについては、今、国のほうで社会保障と税の一体改革という議論が一応始まったところですが、地方の言うことをあまり聞いてくれていなくて残念ですが、ああいった議論を加速してもらわなければならないという思いはありますけれども、とりあえず、我々の23年度の予算に戻って申し上げれば、これから1年間の中で、なんとしてでも190億円を取り戻すことができるようにあらゆる手だてを講じていかなければならないと、このように総務部長とは話をしているところであります。
 これ以降も大変厳しい状況が続くと、これは12ページの収支の中でも出てきているところでして、そういった中での職員の給与カットについてどうするのかというご質問でございますけれども、国が震災復旧・復興財源に充てるというような目的のために国家公務員の給与削減とそれに伴うところのさまざまな制度改正ということもパッケージで議論を深めておられると聞いておりますが、我々地方からすればそれはちょっと遅かったぐらいの感じでありまして、我々はもっと早くからこういう独自縮減というのを組合の皆さん方のご協力を得ながらやってきたところです。
 しかしながら、(独自削減は)今年度までというのがお約束ですので、今この時点で、私が何か予断をもって、来年度以降のこの独自縮減の扱いについて何かを申し上げるというようなことは、差し控えたいと思っております。
 これから、まだまだ時間はございますので、私ども自身のこの例外なき歳出削減の努力ということ、一方でまた予期せぬさまざまな歳出増ということも、先ほどの社会保障費関連も含めてでてくるかと思いますので、そういったことを見極めながら、しかるべきタイミングで来年度以降どのような形にするかということについて、我々としての意思を決定していかなければならないと考えております。


(共同通信)
 予算の話から少し離れるのですけれども、政府の中で、大連立を模索する動きがでていますが、その件について地方の観点から知事はどのようにお考えになるかご意見お聞かせください。それと、先週の内閣不信任案に関して首相が退陣を示しているのですけれども、退陣の時期についても知事はどう考えていらっしゃるか、ご意見伺えればと思います。

(知事)
 報道を見ていますと大連立という言葉ばかりが踊っているような気がするわけですけれども、私も政治家の端くれとして考えれば、そんなに簡単にできることではないのではないかなというのが、まず率直な思いです。もちろん我々地方の立場からすれば、今の中央のこの与野党の動きというのは、震災からの復興の最中に何をやってるんだという率直な思いがあって、先ほども少し申しましたけど、我々北海道でも2次補正予算を求めておりますので、何としても与野党がしっかりとした一体的な体制を作ってもらって震災復旧・復興にあたってほしいという思いはございます。ただ、だからといって震災復旧・復興だけの部分で大連立というのが政党間の議論として成り立つのかどうか。やはり基本的な政策の方向性、これはそういうことをそれぞれが国民にお約束をされた中でこれまで戦ってこられたわけでありますので、その基本的な方向についてそれぞれのほうを見ている方々が、震災対応ということをきっかけとして大連立というのは、またそれはそれでどうなのかなという思いもありまして、まずはじっくりと関係の政党間で議論を深めていただきたいということを思います。その上で、繰り返しになりますが、地方の立場からすれば、とにかくできる限り早く一致団結して復旧・復興にあたると、足の引っ張り合いはしない体制になっていただくということを心から求めたいと思っております。
 それから退陣の時期については、それは分かりませんけれども、これは総理ご本人のお気持ちの中にあるのだと思いますので、総理ご本人が、今目の前の危機である大震災の復旧・復興にしっかりと取り組んでいきたいということをいつもおっしゃっておられて、そのことのために国民目線で何がどういうタイミングで重要かということを総理自身がご判断されるのではないかなと思います。 


(uhb)
 2点あるのですが、まず1点、JRの事故が相次いでいるということについての知事のご意見を少しお伺いしたいなと思います。
 あと2点目なのですが、先日、青森県の知事、三村知事が当選されたのですが、大間原発推進派ということで、それに関して今後また話し合いや検証等を進めるとおっしゃってましたが、こちら北海道の影響があると思われる函館はちょっとそういった話し合いの場には加える方針はないというような趣旨のことをおっしゃたのですが、北海道として何かこう意見を言ったりしていくということは考えていらっしゃるのかということをお聞きさせていただきたいのですが。

(知事)
 まずJR北海道の石勝線の事故、これは大惨事になりかけました。お怪我をされた方々にお見舞いを申し上げるとともに、最悪の犠牲になられる方がでなかったということは、不幸中の幸いだと思っておりますが、その石勝線の事故に続いて、先日、室蘭線において、また事故がありまして、大変残念であり、遺憾であります。
 とりわけこの石勝線の事故というのは、私が中国に行った際、北海道の観光は放射能(問題を)含めて安全であると、ぜひ来てくださいということをセミナーにおいてPRし、大変好感触を得た直後に起こったということもございまして、大変残念であり、遺憾であります。
 こういった事故が連続する、とりわけ石勝線の事故について、できる限り早く原因究明と再発防止ということを、私どもからもJR北海道に要請をいたしましたので、このことを強く願うものであります。
 それからもう一つ、大間の件ですけれども、今建設が中断中という現状にあるわけです。三村青森県知事がいつも言っておられるのは、「安全なくして原発なし」と、この線はしっかりしておられますので、別にその安全がなくとも何がなくとも原発推進だということは、私の理解とは違っております。安全を大前提としての原発のありようということで、そこは私と三村さんでは、気持ちは全く違いはないと理解しております。
 またあえて言えば、今回の青森の知事選では、3人立たれたうち三村さん含めてお二人は、原発問題についての認識の差はなかったと私は理解をしておりまして、みんな思いは一緒なんですね、やはり現実論として、安全をいかに確保していくのかと、そのことが何より重要だと考えているところです。
 そういう中で、大間はまだ稼働に至っていない、まだ建設中ですが、岡田幹事長もしっかり推進という、もちろん安全を前提に、そういうご発言も現地でされているということが大きく報道で取り上げられておりまして、昨日も新幹線の要請で函館市長と一緒でありましたので、いろいろ話をしまして、できる限り早く、函館市長と私どもと、私が行ければ私が一緒に行きますが、行けない場合には副知事くらいと一緒に、国、そして事業者に申し入れをすると。申し入れは、反対、賛成以前の問題として、私どもは情報を提供受けられていない状況にありますので、そういったことを中心に、今、案文は函館市さんと調整中でありますが、できり限り早いタイミングで大間原発について、国と事業者たる電源開発、J-POWERさんに申し入れをしていきたいと考えております。
 そして、前に記者会見の場で申し上げたと思うのですが、泊においては、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)以外の後志管内の町村の方々が道知事の私に要請をされて、私どもから情報提供するというのは、それは同じ道の中だから何ら違和感はないわけですが、この大間の件について、青森県知事に対して函館市に情報提供しろというのは、ちょっとこれは私ども無理筋ではないかと、もちろんEPZ(エマージェンシー・プランニング・ゾーン)の見直しの中でしっかりそういう体制になればそうでありますが、今現在で私どもが相手にしなければならないのは、青森県さんではなく国なりJ-POWERさんであろうと、しかしながら、記者会見で申しましたけれども、青森県さんと私ども道庁との間で、大間についても一定の情報の共有を図るということにつきましては、これは青森県さんのご理解も得られると思っておりますので、そういったアプローチはしっかりやっていかなければならないと考えております。


(読売新聞)
 予算の話に戻るのですが、知事が肝いりの政策というのでしょうか、事業というのでしょうか、全部肝いりだと思うんですけども、特に肝いりというのがありましたら、お教え願えますでしょうか。

(知事)
 道知事というのは国でいえば総理大臣ですので、全ての政策分野について道民に責任を持っているということでいえば、全部肝いりということになるのですが、ただ、私は女性知事でありますし、自分自身、子の母でもありますので、その意味では、予算的には小さいけれども、先ほども少し申しました、「赤ちゃんのほっとステーション」というネーミングの事業。とにかく子育て中の小さい赤ちゃんのいるお母さん方は、外出が大変なんです。そこで、我々としてもやはりそれをサポートをしてあげたいという予算であるとか、それから、去年、一昨年ぐらいでしたか、道内でも問題になりました、妊娠したのに検診に行かないお母さん方というのが、ウエイト的にはそんなに大きくないのだろうけども、少しずつ増えてきていると。これは、経済的な厳しさも背景にあるというふうに私ども理解しているわけでありますが、そういったお母さん方に母子手帳、検診に行った上で母子手帳をもらうことになりますので、そういうことへのインセンティブになるような、「母になる人への贈りもの運動」という事業を、予算額はそんなにありませんけども、36、37ページにありますけども、こういったところはぜひきめ細かに展開をして、やはり、北海道は出生率が低いので、これを少しでも高めていきたいという思いを、私は強く持っております。その経緯で言えば、これは、拡充でありますけども、小児救急電話相談事業。小児科の医師が圧倒的に少ないです。そういう中で、子どもは時間外によく熱を出したり病気になる。これは、母親としての経験則でありますので、そういった事業なりを、私の気持ち的には、重視したいと思っているところであります。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top