北海道データブック2017 > 北海道の産業-水産業
全国における北海道水産業の位置 |
北海道は、日本海、太平洋、オホーツク海とそれぞれ特性の異なる3つの海に囲まれ、全国の12.5%にあたる4,457km(北方領土等を含む。国土交通省、2015年度海岸統計)の海岸線を有しています。周辺海域は、北方に広く展開する大陸棚と、日本海の武蔵堆などの堆を擁しているなど、海底地形は起伏に富んでおり、また道東太平洋沖では黒潮から分かれて北上する暖流と栄養塩に富んだ親潮(寒流)が交錯して潮目が作られるなど、総じて好漁場となっています。また、豊かな恵みの場である広大な漁場を背景として、漁業や水産加工業を中心とした、水産都市や漁村が海岸線に沿って形成されています。
平成27年(2015)の海面漁業・養殖業(属地統計)の生産は、107万トン(全国生産の
23.3%)、3,116億円(全国生産の20.9%)で、量、金額ともに都道府県別で第1位の生産規模となっており、特に主要魚種であるホタテガイ、スケトウダラ、ホッケ、サケ、サンマ、コンブは、道産の占める割合が高く、都道府県別第1位の生産となっています。
また、道内の水産加工業を見ると、出荷額は6,678億円(全国の21.6%)であり、漁業生産と合わせて、水産業は本道の基幹産業となっています。
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活力ある水産業と豊かな漁村づくりに向けて |
わが国の水産業は、周辺水域の資源状況の悪化や漁業生産の低迷、漁業就業者の減少、高齢化など厳しい状況に直面している一方、水産業や漁村に関する国民の期待は多様化しています。
このような状況を踏まえ、道では平成14年(2002年)3月に「将来にわたっての安全かつ良質な水産物の安定的供給」、「地域を支える活力のある産業としての水産業の発展」、「水産業の基盤のみならず自然とのふれあいなど多様な機能を発揮する漁村の発展」を基本理念とする「北海道水産業・漁村振興条例」を制定するとともに、平成15年(2003)3月から「北海道水産業・漁村振興推進計画」(第1期:2003~2007年、第2期:2008~2012年、第3期:2013年~2017年)を策定し、水産業及び漁村の振興を総合的、計画的に推進しています。
平成29年度(2017)は、「水産資源の持続的な利用と栽培漁業の推進」、「人材の育成・確保と魅力ある漁業経営の展開」及び「安全・安心な水産物の安定供給と競争力の強化」を重点として、秋サケ資源の回復、日本海ニシンの栽培漁業定着、農林漁業の一体的な担い手確保の推進、道産水産物の安心・安全確保及び水産物の流通拠点となる漁港・流通加工施設の整備、水域の環境保全対策などに取り組んでいます。
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海面漁業・養殖業の魚種別構成比(2015年・属地生産量・単位:トン) |
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資料:北海道水産林務部「北海道水産現勢」(生体重量) |
[ワンポイントメモ] |
『今日はお魚!』消費拡大PR
国内では、ライフスタイルの多様化等社会情勢が変化する中、魚離れが進んでおり、平成19年以降、家庭における食料 支出のうち魚介類が肉類・乳卵類を下回るなど、水産物の国 内消費は減少傾向にあります。
こうした状況に対応するためには、水産物の生産者から流通加工、消費に至る全ての関係者が一丸となって、これまでとは異なる新たなアプローチで、多くの消費者の方々に「魚を食べたい!」というニーズを喚起することが重要であることから、道では、平成28年3月に、メディア、販売・流通、食品加工、水産関係者などで構成する「北海道もっと食べようお魚協議会」を立ち上げ、水産物の消費拡大について協議し、6月に『今日はお魚!』提言書を取りまとめました。
具体的な取り組みとしては、『今日はお魚!』というシンプルでわかりやすい共通のキャッチフレーズのもと、9月から11月にかけて集中的に道内のテレビ・雑誌でブランド魚や食べ方の紹介などのほか、父親を対象とした料理講習会のイベント開催や北海道の魚を使用した「地産地消弁当」を企画するなどのキャンペーンに取り組みました。
水産物の消費の拡大には、継続的な取組が必要であり、今後も提言書に基づいた様々な活動を推進していくこととしています。
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