北海道データブック2024_観光

北海道の産業 - 観光

北海道の観光の現状

本道の観光産業は、広大で豊かな自然や新鮮な食、文化、多彩な温泉、様々な体験メニュー等が楽しめるアウトドアなど豊富な観光資源を活かしながら、これまで道内のリーディング産業としての地位を確立してきました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより、人々の往来が活発となり、来道観光客数の回復の兆しが見えてきた半面、昨今の原油価格高騰や電気料金値上げなどにより観光事業者の経営環境は依然厳しく、宿泊業などにおける人手不足も課題となっております。
水際対策の終了などにより本格的な需要回復の兆しが見えてきた中、本道経済に大きな効果をもたらすインバウンドを含めた観光入込の回復に向けて、滞在日数の拡大や、モノ消費からコト消費にも軸足を置いた流れに対応した観光消費額単価の向上を目指していく取組が必要になります。
また、令和5年度の4月~12月までの本道の観光入込客数は、全国旅行支援「HOKKAIDO LOVE!割」の実施効果などもあり、コロナ過前の令和元年同期と比べて約9割の4,077万人になりました。そのうち訪日外国人来道者数は円安の影響やコロナ禍からの旅行需要回復により、コロナ前(2019年4月~12月)の約77%まで回復してきています。

観光振興に関する道の施策

令和3年11月に策定した第5期「北海道観光のくにづくり行動計画」の考え方に基づき、コロナ禍を経て変化した旅行者ニーズなども踏まえながら、アジアはもとより欧米などをターゲットとした戦略的なプロモーションなどを通じて、新たなインバウンドの取り込みを進めていくほか、本道の強みを生かしたケア・ツーリズムやワイン・ツーリズムの推進、アドベンチャートラベルに代表される観光の高付加価値化に向けた取組などを重点的に推進していくことにより、「観光立国北海道」の再構築に向けた取組を進めていきます。

【北海道観光のくにづくり行動計画における施策展開方針】 
1.クリーン×セーフティ北海道
本道のアウトドア活動を楽しむことができる体制の整備や、観光客の安全・安心に向けた情報の積極的な発信、そして公共交通機関を利用した観光の推進など、北海道の貴重な財産である自然を損なうことなく守りながら、環境と共生する観光振興に努めていきます。

2.量×質の追求
人口減少などにより量の拡大が難しい状況下において、道内観光の高付加価値化を目指すとともに、観光入込客数の8割を超える道内客からも愛される観光地づくりや、自然環境、食など本道の観光資源のブランド力強化による新規誘客・リピーターの獲得、富裕層向け商品・サービスの充実による戦略的な市場開拓や観光地づくり、AI、IoTといった先端技術の導入による低コスト化を実現することにより、観光客のさまざまなニーズに対応できる施策を展開し、「満足度向上と連動した消費単価の向上」を目指していきます。

3.旅行者比率のリバランス
道内観光を支える道民による道内旅行需要を改めて見直すとともに、道外観光客の旅行需要を喚起しつつ、地域偏在や季節偏在などの課題解決につながる取組を進めます。また、訪日外国人来道者については、欧米や東南アジアなど東アジア以外からの観光客をより増加させるなど、新たな市場獲得に向けた施策検討に取り組みます。

4.新しい旅行スタイルの推進
本道の豊かで優れた自然環境等を活かしたワーケーションの推進や、アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本(ATWS2023)の開催で得られた諸課題に対応したアドベンチャートラベルの受入体制の構築・市場開拓のほか、新たなインバウンドをはじめとする道外からの旅行客の取込方策の検討を進めるなど、長期滞在が促進され、繁忙期、閑散期の差の解消ができ、観光総消費額を増加させる「新たな北海道観光価値の創出」を目指していきます。

5.観光インフラの強靱化
広域観光の拠点としての道内空港の利活用や観光産業を支える人材の確保や育成、災害時等に観光客の安全・安心に資する基盤の強化などで地域における観光インフラの充実を目指していきます。

6.推進体制の強化
施策を推進する体制強化のため、観光関係団体との連携や安定的な財源の確保に向けた検討を進めていきます。

【観光入込客数(実人数)の推移】

観光入込客数の推移

出典:北海道経済部(2023年)「北海道観光入込客数調査報告書」

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