北海道データブック2024_自然・気候

北海道のすがた － 自然・気候

知床世界自然遺産

2005年7月、知床が、海と陸の生態系と生物の多様性が類いまれな価値を有するとして評価され、日本で3カ所目となる世界自然遺産に登録されました。面積は約710km2で知床国立公園を含んでいます。知床は、北半球で流氷が接岸する南限であり、海から陸につながる生態系の微妙なバランスの下で多様な動植物が混在し、オオワシやオジロワシ等の国際的希少種の重要な生息地にもなっています。また、豊かな海の恵みは、遡上する魚によって森に運ばれ、そこに生息するヒグマなどの動物を育んでいます。

23の自然公園

環境省が実施した第4回自然環境保全基礎調査（緑の国勢調査 1988～1993年）では、全国の自然林の59.5%が北海道に分布し、北海道の全面積の47.1%がこれに該当しているという結果が出ています。日本の中でも、特に自然に恵まれている北海道には、7つの国立公園、5つの国定公園、11の道立自然公園があります。
その総面積は約10,224km2で、北海道全体の12.3%を占めています。雄大な山岳やそこに広がる原生林や高山植物、広大な湿原や湖沼などが、北国らしい景観を形づくっています。

明瞭な四季の変化

北海道は、年平均気温5～10℃、年平均降水量600～1,600mmであり、本州以南に比べて冷涼・少雨であります。特に冬期には、平年1月、2月に日平均気温が0℃以上になるところはほとんどなく、また、1月から2月にかけてオホーツク海が流氷で覆われるなど、気候から本道の特徴を一言でいえば、まさに「積雪寒冷の地」ということになります。
四季の変化がはっきりしていますが、地形や位置、海流、季節風などにより地域によってかなりの気候の違いがあり、太平洋側西部、日本海側、オホーツク海側、太平洋側東部の4つに区分されます。

季節によって多彩な表情を見せる広大な大地

北海道は、日本最北に位置し、独自の自然と文化を持った地域です。
花が一斉に咲き乱れる春。梅雨が無く、ラベンダーやライラックの花が咲くさわやかな夏。川にサケが遡上し、山々が赤や黄に染まる紅葉の秋。そして、各地の平均気温が氷点下になり、スキー、スケート、スノーボードなどのウインタースポーツが楽しめる冬と、四季の移り変わりが明確で多彩な表情を見せてくれます。
また北海道では、四季の変化に合わせて、さまざまなアウトドア活動を楽しむことができますが、誰もが安全で快適にアウトドア活動を楽しめるように、知事認定の「北海道アウトドア資格制度」等により、質の高いサービスの提供及びガイドの育成に努めています。
こうした独自の自然や文化が北海道の大きな魅力となり、北海道型ライフスタイルが創出されています。

＜ワンポイントメモ＞

流氷

オホーツク海に注ぐアムール川から流れ出た淡水により、海面から50mまでは塩分の薄い海水、50m以下は塩分の濃い海水の2層に分かれます。冬季の寒風により50mまでの塩分の薄い層で対流が起こり、一冬でマイナス1.8度に達して流氷が生まれ、オホーツク海の一番北側で出来た海氷が厚く大きく成長しながら南下します。紋別や網走などでは、例年1月下旬に流氷が見え始めて、3月中旬に海あけとなります。
北海道は、北半球で流氷を見ることのできる、もっとも南の地域です。流氷を砕いて突き進む観光船が紋別市や網走市で運航されています。また、紋別市には、真夏でもマイナス20℃の空間で流氷にふれることができる教育・研究施設「オホーツク流氷科学センター（GIZA）」や海中から流氷を観察できる氷海展望塔「オホーツクタワー」などがあります。

世界自然遺産・国立公園・国定公園・道立自然公園

出典：地方独立行政法人北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所「自然公園等の指定状況」（2024年6月現在）

北海道と全国

出典：総務省統計局（2024年）「統計でみる都道府県のすがた2024」（県庁所在地）

緯度・年平均気温・年間降水量（平年値）

出典：気象庁ホームページをもとに算出