北海道の産業 - 水産業
全国における北海道水産業の位置
北海道は、日本海、太平洋、オホーツク海とそれぞれ特性の異なる3つの海に囲まれ、全国の12.6%にあたる4,442kmの海岸線を有しています。周辺海域は、北方に広く展開する大陸棚と、日本海の武蔵堆などの堆を擁しているなど、海底地形は起伏に富んでおり、また道東太平洋沖では黒潮から分かれて北上する暖流と栄養塩に富んだ親潮(寒流)が交錯して潮目が作られるなど、総じて好漁場となっています。また、豊かな恵みの場である広大な漁場を背景として、漁業や水産加工業を中心とした、水産都市や漁村が海岸線に沿って形成されています。
2021年の海面漁業・養殖業(属地統計)の生産は、123万トン(全国生産の約29.9%)、2,586億円(全国生産の約20.6%)で、量、金額ともに都道府県別で第1位の生産規模となっており、特に主要魚種であるホタテガイ、スケトウダラ、ホッケ、サケ、サンマ、コンブは、道産の占める割合が高く、都道府県別第1位の生産となっています。
また、道内の水産加工業を見ると、出荷額は5,954億円(全国の約18.4%)であり、漁業生産と合わせて、水産業は本道の基幹産業となっています。
活力ある水産業と豊かな漁村づくりに向けて
わが国の水産業は、周辺水域の資源状況の悪化、漁業生産の低迷や漁業就業者の減少など厳しい状況に直面している一方、水産業や漁村に関する国民の期待は多様化しています。
このような状況を踏まえ、道では2002年3月に「将来にわたっての安全かつ良質な水産物の安定的供給」、「地域を支える活力のある産業としての水産業の発展」、「水産業の基盤のみならず自然とのふれあいなど多様な機能を発揮する漁村の発展」を基本理念とする「北海道水産業・漁村振興条例」を制定するとともに、2003年3月から「北海道水産業・漁村振興推進計画」(現在、第5期:2023~2027年)に基づき、水産業及び漁村の振興を総合的、計画的に推進しています。
2023年度は、将来にわたり安心して漁業を営むことができる持続的な本道水産業・漁村を確立するため、喫緊の課題や新たな課題・役割に対応する必要があることから、「海洋環境の変化等に対応した漁業生産の早期回復と新たな生産体制の構築」、「持続可能で魅力ある漁業経営体の育成と人材確保」、「消費者ニーズに合った道産水産物の供給力強化」、「水産業を核とした漁村の活性化」、「水産技術の向上と道民理解の促進」を施策の柱として対策に取り組んでいます。
海面漁業・養殖業の魚種別構成比<2021年(令和3年)>(属地生産量)(トン)
出典:北海道水産林務部(2021年)「北海道水産現勢」(生体重量)