科学技術振興課の業務概要

 本道の経済の活性化と自立的発展、安全で安心な生活基盤の創造及び環境と調和した持続的な社会の実現に寄与することを目指し、道では、国の大型プロジェクトを活用した研究開発拠点の形成や研究開発機能の充実など、科学技術の振興に取り組んでいますが、広大な本道において産業の振興を一層図るためには、各地域の様々な特性や政策課題を踏まえつつ、産学官金の関係者が強固に連携をとりながら、大学を核とした研究開発拠点の形成や、地域資源を活かした新事業・新産業の創出など、本道経済の自立化及び活性化に向けた取組を進める必要があります。

 道では、本道の科学技術の振興に関する基本理念を定めることなどを目的に、「北海道科学技術振興条例」(平成20年4月施行)を都道府県としては初めて制定し、令和4年度には、自然科学と人文科学の連携のもとでの科学技術の一層の振興に向け、本条例を改正しました。

 さらに、令和5年3月に、本条例に基づく科学技術の振興に関する基本的な計画を定めた「第4期北海道科学技術振興基本計画」を新たに策定し、この計画に基づき、産学官金等の協働の推進、知的財産の創造、保護及び活用などに取り組むことで、北海道における科学技術の振興を推進していきます。

 また、平成22年4月に道立試験研究機関を統合して設立した地方独立行政法人北海道立総合研究機構(道総研)の円滑な運営を支援します。

産学官金等の協働の推進

研究開発拠点の形成促進

 道では、地域の課題解決や新産業の創出に向け、道内大学との緊密な連携・協力体制を構築し、国の大型プロジェクトの獲得や新規プロジェクトの発掘などを着実に推進しています。
 このほか、産学官の連携によるリサーチ&ビジネスパーク構想を推進するため、(公財)北海道科学技術総合振興センターの機能を最大限活用して研究開発から事業化までの取組を一貫して支援するとともに、北海道大学等が実施している一次産業をスマート化しバイオブランドの確立を図る「地域バイオコミュニティの形成」や、少子化の克服や新しい食の価値共創を目指す「共創の場形成支援プログラム」など関連するプロジェクトの支援を行います。
 また、大学の研究シーズを産業創出に結びつけていくインキュベーション施設の入居者に対する支援を行います。

産学官の共同研究への支援

 産学官の連携による科学技術の振興を推進するため、(公財)北海道科学技術総合振興センターと連携して産学官が行う科学技術の基礎的・先導的な研究や新技術の創出などに繋がる研究を支援するとともに、ICTやAI、ロボットなどの先端技術を活用した新たな取組の創出を図るため、道内大学、企業等による共同研究やその成果の製品化・事業化等の支援を行います。

研究交流の推進とコーディネート機能の充実

 道内各地でのコーディネート活動を推進するため、産学官連携担当者等による全道産学官ネットワーク推進協議会を運営するとともに、大学等の研究機関、支援機関、金融機関のコーディネータの連携を図る、北海道コーディネータ・ネットワーク・フォーラムを開催します。

知的財産の創造、保護及び活用

 本道において知的財産を戦略的に活用した新技術の創造と新産業の創出を図り、道内企業等の競争力強化を目指すため、知的財産の創造、保護及び活用からなる「知的創造サイクル」の確立を図る必要があります。そのため、道と北海道経済産業局が共同で、オール北海道の推進体制として「北海道知的財産戦略本部」を設置・運営するとともに、構成機関が一体となって各種施策を展開します。

 また、経済のグローバル化の進展や近隣諸国の経済成長に伴い、海外との競争が激化し知的財産を活用した競争力強化の必要性が高まっていることから、地域団体商標地理的表示(GI)保護制度などの活用について啓発するとともに、関係機関と連携して対応を推進します。

科学技術振興の環境づくり

道民が科学に親しむ機会の創出

 道民が科学技術に触れ、親しむ機会を創出するため、企業や試験研究機関、教育機関等と連携・協力し、研究成果等の紹介や実験などの体験を通じて科学を楽しく学ぶことができる科学体験イベント「サイエンスパーク」を開催します。

優れた研究開発等の顕彰

 優れた発明や研究などを行い、道民生活の向上と地域産業の発展に寄与した個人又は団体に対して「北海道科学技術賞」「北海道科学技術奨励賞」を贈呈するなど、優れた研究開発等を顕彰し、その功績を広く周知します。

地方独立行政法人北海道立総合研究機構(道総研)の運営支援

 道総研が、道内外の様々な大学や研究機関などとの連携を図りながら、総合力を発揮し、農業、水産業、林業、工業、食品産業、環境、地質及び建築の各分野に関する試験、研究、技術支援等を行い、道民生活の向上及び道内産業の振興に寄与することができるよう、円滑な運営を支援します。

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