北海道の治山事業施工地は、急峻狭隘という地形が多いため、すべての現場にICT等を活用することが困難ですが、「治山事業におけるICT等の活用方針」により、ICT等を活用できる現場条件などを定め、積極的なICT活用を推進しています。
治山事業におけるICT等の活用方針
1.目的
近年、災害の激甚化・多様化に伴い、事業量や難工事の増加が見込まれています。一方、技能労働者の高齢化などにより、今後労働力の大幅な減少が懸念されており、国土交通省等では、生産性向上を目的に ICT 等を活用した取組等が行われていますが、治山事業施工地は急峻狭隘という特殊性があることからそのまま適用することは困難です。
そのため、令和3~5年度の3箇年で試行・検証を行い、治山事業における活用方針を策定し、生産性向上及び労働環境の改善に取り組んでいます。
2.活用事例
ICT 建設機械による土工
建設用重機に、位置情報や掘削寸法などを入力するコンピューターを搭載し、効率的に掘削を行うことができます。
建設機械内の操作画面
掘削中のICT建設機械
GNSS受信アンテナ
UAV 緑化
UAVに草本類の種を積んで広範囲に散布を行い、荒廃した斜面の緑化を行います。
UAVに種を搭載
UAVによる種の散布
緑化された斜面
UAV 資材運搬
UAVにより、資材を山腹斜面に運搬します。
資材運搬用UAV
資材運搬の様子
山腹斜面に資材を置く様子
軽量化筋工
軽量な袋型の筋工を使うことで、運搬、設置を効率的に行うことができます。
軽量化筋工
軽量化筋工の設置状況
設置完了状況
遠隔臨場による段階確認等
Web会議システムなどを活用し、工事監督員の事務所から現場の段階確認を行うことで、現場までの移動時間などを節約できます。
Web会議システムを使った段階確認
Web会議システムの画面
航空レーザ測量
広範囲に地形を把握し、山地災害の危険度判定や事業の計画立案等に活用します。