“カニ”の名が付いているがヤドカリの仲間
カニ類は先端がはさみ状になった鉗脚のほかに4対の歩脚をもちますが、ヤドカリの仲間であるタラバガニは最後の1対が退化して甲殻の下に隠れています。甲殻面には明瞭な棘が多数みられます。生まれたときは背面が紫色で腹面やはさみの部分は朱黄色ですが、熱を加えると体全体が朱色に変化します。
北海道周辺の水深30~360mに分布し、産卵期には沿岸域の浅みに移動します。
カニ類の雄がもつ交尾器はなく、雄は第5脚、雌は第3脚の基部にそれぞれ生殖孔をもちます。雄は成熟した雌と出合うと鉗脚で雌をつかまえて雌の脱皮を待ち、脱皮が完了した雌をつかみ直して短時間のうちに精子を渡します。その後雌は腹肢に卵を産み付けます。産卵期は4~6月で、産卵から約1年後に子どもが生まれます。
現在は、活ガニやゆでガニ、その冷凍ものなどが主に出回っています。
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