背骨以外のほとんどが食材に
頭は幅広く、大きく裂けた口の中および舌の大部分は白色で、下顎は上顎より前方に突き出ます。皮膚は滑らかでうろこはありません。
分布が浅みに集中する5~7月には主にかれい刺し網で混獲され、10~翌2月にはあんこう刺し網での漁獲量が増えます。魚価は季節による差が大きく、冬季は夏季の5倍ほどにもなります。
食用になり、「身肉」「肝臓(きも)」「えら」「ひれ」「皮」「卵巣(ぬの)」「胃(水袋)」は“アンコウの七つ道具”といわれ、背骨を除いてほとんど捨てるところがありません。特に鍋の王様は「アンコウ鍋」といわれるほど、冬場のアンコウ(キアンコウ)は美味。「あんきも(きも(肝臓)の塩ゆで)」などは珍味とされます。また、アンコウ類は大きくて体表面にぬめりがあるため、下顎の周囲の固い骨にかぎを刺してさばく“吊るし切り”で卸されるなど、さばき方にも特徴があります。
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