分類記号:B65
笠原格一は、1852(嘉永5)年現在の新潟県三条市に生まれた。幼名を嘉助、信太郎と称し、父の没後に文平の名を襲い、さらに1901(明治34)年に格一へ改称した。郷里では富裕な呉服卸商兼洋糸卸売業を営んでいたが、1886(明治19)年に新潟県長岡で創設された北海道開拓会社、北越殖民社に幹部として参加し、活動の拠点を北海道に移した。笠原は北越殖民社の土地の一つ、現月形町知来乙(現月形)を実質的に引き受けて経営にあたったほか、1889(明治22)年に北海道庁から官営の味噌醤油製造所の払下を受け、篠路醤油屋を始めた。このほか、札幌木挽所、北海造林会社(手稲村)、酒造店の千歳屋(江別太)、丸木製軸工場(苫小牧)の経営など手広く実業に関わり、1899(明治32)年には札幌区会議員に当選した。1910(明治43)年没。
資料は、北越殖民社知来乙農場、篠路醤油屋、札幌木挽所など笠原が関係した各種事業の文書や、笠原家家政関係文書、笠原家各人に係る文書などからなる。新潟時代の呉服業や、1878(明治11)年の新潟行幸に関する文書もある。冊子体の文書はわずかで、大半がこよりを通して料紙を綴ったもの、あるいは一枚物の文書である。
文化年間~大正期
5,148点
関連する文書
北海道紀行(北越殖民社大橋順一郎関係文書) 北越殖民社『漫遊酒録』