北海道立文書館所蔵資料案内~私文書 深見和三郎文書

1 私文書群の作成者に関する情報

(1) 存在年月日

1872(明治5)年7月14日生、没年不詳。

(2) 職務・職業及び活動

石川県士族。1889(明治22)7月、室蘭郡輪西村に屯田兵として入植(第2次)。
日清戦争に参加し、戦功により賞金が下賜されている(B0-148/1)。
また、明治37年8月に日露戦争に充員招集(後備役)され、翌38年6月に帰郷療養を命ぜられている(B0-148/3~5)。この間、所属していた第七師団歩兵第二十七聯隊は旅順攻囲戦・奉天会戦などを戦っている*1
帰郷後は輪西村にて塵別組長、衛生組合組長などの公職を務めている(B0-148/6~9)。

輪西屯田兵村

室蘭屯田兵村については1873(明治6)に設置が計画されたが翌年中止となっていた。しかし、1886(明治19)の北海道庁設置前後に東・西和田(根室市)、南・北太田(厚岸町)、輪西(室蘭市)といった太平洋側の要所に屯田兵村を設置する方針が決定され、輪西には1887(明治20)に第1次、1889(明治22)に第2次入植が実施され、屯田兵村が成立した。輪西屯田兵村は1887~95(明治20~28)現役、1895年半ば~1902(明治28~35)後備役で、1902(明治35)年3月に解隊となっている。

(3) 内部構造

屯田兵、公職。屯田兵後備役解除後の生業について、資料からは判然としない。

2 私文書群の入手経緯

平成21年度に、文書館が古書店から入手した。

3 私文書群の概要

(1)  資料総点数

9点

(2)  資料年代

1896(明治29)~1936(昭和11)

(3)  資料内容

本資料は、一屯田兵としての深見和三郎に関する資料と、輪西村で公職を務めた関係の資料とからなる。

公職関係では、「公書綴込」(B0-148/6)が主であり、輪西村塵別組長、塵別衛生組合長などを務めていた関係の書類が綴られている。また、役職に就いていたかどうか定かでないが農会、総代人、兵村会、兵村有財産管理などに関する書類も含まれている。

詳しくは別紙件名目録を参照のこと。

(4)  私文書群に関連する主な地域

胆振地方(室蘭市)

(5)  私文書群に関連する主な主題

屯田兵、政治・経済(公職)

4 利用条件

 閲覧~通常どおり

 複写~通常どおり

 出版物等への掲載~通常どおり

5 参考文献

  1. 『新撰北海道史 第4巻通説3』 北海道庁編・発行、昭和12。
  2. 『新北海道史 第4巻通説3』 北海道編・発行、昭和48。
  3. 『室蘭港のパイオニア 室蘭屯田兵 (室蘭港湾資料 第9集)』 市立室蘭図書館編・出版、昭和48。
  4. 『屯田兵村の百年 上巻』 伊藤廣著、北海道新聞社、昭和54。
  5. 『室蘭市史 上巻』 室蘭市編・発行、昭和16
  6. 『新室蘭市史 第2巻』 室蘭市史編さん委員会編、室蘭市発行、昭和58。
  7. 『新室蘭市史 第4巻』 室蘭市史編さん委員会編、室蘭市発行、昭和62。

 


*1 参考文献(1)1026頁ほか。


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