獣医療広告ガイドライン

1 広告制限の趣旨

 獣医療に関する「広告」については、誇大な宣伝等により、獣医療について十分な専門知識をもたない飼育者等が惑わされ、不測の被害を受けること等を防止する目的で、獣医療法第17条第1項により、獣医師または診療施設(診療施設等)の業務に関し、その技能、療法及び経歴に関する事項の広告が制限されています。 

 

※技能とは獣医師が行う診療に関する獣医学的判断や技術に関する能力、療法とは治療方法を指します。

 

※広告の定義:以下の3つの要件をすべて満たすもの

 ・誘引性:飼育者等を誘引する意図があること

 ・特定性:獣医師の氏名または診療施設の名称が特定可能であること

 ・認知性:一般人が認知できる状態にあること

 

 今般、令和5年10月13日付けで獣医療法施行規則第24条が改正され、令和6年4月1日より、飼育者が獣医療サービスを適切に選択できるよう、正確かつ適切な情報を提供するよう努めることを条件に、特例として広告できるものが追加されます。

 

 なお、広告においては、獣医療法以外の法律(景品表示法、医薬品医療機器等法、不正競争防止法)による規制への注意も必要です。

 

 

2 獣医療法上の取扱い(令和6年4月1日より変更)

●令和6年3月31日まで

 獣医療法施行規則第24条において、技能、療法及び経歴に関する事項のうち特例として広告できるものが定められていますが、それらを広告する場合も、他と比較して優れていること、実際の提供内容より誇大であること、費用の併記は認められていないため注意が必要です。

広告への該当性

通常、広告に該当すると考えられる例 テレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告、看板、ポスター、チラシ、ダイレクトメール・はがき等、インターネットの広告サイトやバナー広告、SNS(不特定多数の者に情報が拡散するもの)
通常、広告とはみなされないものの例 学術論文・学会発表等、新聞・雑誌等の記事(飼育者等を誘引する意図がある場合を除く)、体験談・手記等(診療施設が個人の体験談・手記等を利用して広告する場合を除く)、診療施設内でのみ掲示・配付するもの、診療施設のホームページ(その診療施設に関する情報を得ようとする者が自ら検索して閲覧するもの)、診療施設の職員募集広告

 

詳細は以下をご確認ください。

「ご存知ですか?動物病院の広告ガイドライン」

 公益社団法人東京都獣医師会の取り組みでわかりやすく解説されています。

 

●令和6年4月1日以降

 

 獣医療法施行規則第24条の改正により、これまで限定的であった技能・療法に関して、問い合わせ先、通常必要とされる診療内容、主なリスク及び副作用等の事項及び費用を全て併記することを条件に広告することが可能となりますが、引き続き、他と比較して優れていること、実際の提供内容より誇大であることの広告は禁じられています。

 また、広告には該当しない診療施設のウェブサイト等による情報発信については、これまで特段の制限がされていなかったところですが、普及状況を踏まえ、獣医療の安全対策の一環として、飼育者等への正確な情報発信が図られるべきという考え方のもと、広告に準じて客観的で正確な情報発信に努めるとともに、診療内容等の情報を掲載する場合には、問い合わせ先、通常必要とされる診療内容、主なリスク及副作用等の事項、費用を全て表示するよう、ガイドラインで規定し、獣医師の自律的な行動を促すことになります。

 詳細は、農林水産省のウェブサイトをご確認ください。

広告への該当性(明確化)
通常、広告に該当しうる媒体の具体例

テレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告、看板、ポスター、チラシ、ダイレクトメール・はがき、ウェブサイト(インターネット上のバナー広告、検索エンジンでのリスティング広告、それらの広告等にリンクしている診療施設ウェブサイト等)、動画共有サイト、SNS(不特定多数に情報が拡散するもの)

通常、広告には該当しないものの例 学術論文・学会発表等、新聞・雑誌等の記事(飼育者等を誘引する意図がある場合を除く)、体験談手記等(診療施設が個人の体験談・手記等を利用して広告する場合を除く)、診療施設内でのみ掲示・配布するもの、飼育者等の求めに応じて送付するパンフレット等、診療施設等のウェブサイト及び獣医師等が個人で開設するブログ・SNS等(その診療施設等に関する情報を得ようとする者が自ら検索して閲覧するものに限る)、診療施設の職員募集広告、行政機関の広報又はポスター

 

獣医療広告制限見直しについて(農林水産省ウェブサイト)

  • 獣医療に関する広告の制限及びその適正化のための監視指導に関する指針(獣医療広告ガイドライン)(令和5年11月13日全部改正)
  • 獣医療に関する違反広告者の氏名等の公表に関する指針
  • 獣医療に関する違反広告者に対する行政処分に関する指針
  • 獣医療広告ガイドラインに関するQ&A

 

3 関係法規等

 

獣医療法

(広告の規制)

第17条 何人も、獣医師又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない。
 一 獣医師又は診療施設の専門科名
 二 獣医師の学位又は称号

2 前項の規定にかかわらず、獣医師又は診療施設の業務に関する技能、療法又は経歴に関する事項のうち、広告しても差し支えないものとして農林水産省令で定めることは、広告することができる。この場合において農林水産省令で定めるところにより、その広告の方法その他の事項について必要な制限をすることができる。

3 農林水産大臣は、前項の農林水産省令を制定し、又は改廃しようとするときは、獣医事審議会の意見を聴かなければならない。

 

獣医療法施行規則

(広告制限の特例) 

第24条

新旧対照表(令和5年10月13日農林水産省令第52号反映) (PDF 581KB)

(令和6年3月31日までは旧規則、令和6年4月1日以降は新規則が適用)

 

 

4 獣医療広告に関する相談窓口

 

獣医療広告の相談窓口

石狩管内

石狩振興局産業振興部農務課生産振興係

(011)204-5847

渡島管内

渡島総合振興局産業振興部農務課生産振興係

(0138)47-9496

檜山管内

檜山家畜保健衛生所

(0139)52-0707

後志管内

後志家畜保健衛生所

(0136)22-2010

空知管内

空知総合振興局産業振興部農務課生産振興係

(0126)20-0083

上川管内

上川総合振興局産業振興部農務課畜産係
上川家畜保健衛生所

(0166)46-5964
(0166)57-2232

留萌管内

留萌振興局産業振興部農務課生産振興係

(0164)42-8489

宗谷管内

宗谷総合振興局産業振興部農務課生産振興係

(0162)33-2951

網走管内

オホーツク総合振興局産業振興部農務課畜産係
網走家畜保健衛生所

(0152)41-0665
(0157)36-0725

胆振管内

胆振総合振興局産業振興部農務課生産振興係
胆振家畜保健衛生所

(0143)24-9816
(0143)85-3231

日高管内

日高振興局産業振興部農務課生産振興係
日高家畜保健衛生所

(0146)22-9344
(0146)42-1333

十勝管内

十勝総合振興局産業振興部農務課畜産係
十勝家畜保健衛生所

(0155)27-8613
(0155)59-2021

釧路管内

釧路総合振興局産業振興部農務課生産振興係

(0154)43-9224

根室管内

根室家畜保健衛生所

(0153)75-2439

 

 

 

 

    

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