水素基本戦略
2017年12月に策定された「水素基本戦略」は、2016年11月のパリ協定発効を背景に、2050年を視野に将来目指すべきビジョンであると同時に、その実現に向けた2030年までの行動計画です。
基本戦略では、目標として、従来エネルギー(ガソリンやLNG等)と同等程度の水素コストの実現を掲げ、その実現に向け、水素の生産から利用まで、各省にまたがる制作群を共通目標の下に統合しています。
エネルギー基本計画
2003年10月に策定されたエネルギー基本計画は、前年6月に制定されたエネルギー政策基本法に基づき、政府が策定したもので、安全性(Safety)・安定供給(Energy Security)・経済効率性の向上(Economic Efficiency)・環境への適合(Environment)の「3E+S」というエネルギー政策の基本方針に則り、エネルギー政策の基本的な方向性を示すものです。
第4次エネルギー基本計画
2014年4月に策定された「第4次エネルギー基本計画」は、将来の二次エネルギーとして、電気、熱に加え、水素が中心的役割を担うことを期待しており、多様な技術開発や低コスト化を推進し、実現可能性の高い技術から社会に実装していくため、戦略的に制度やインフラの整備を進めていくものです。
第5次エネルギー基本計画
2018年7月に策定された「第5次エネルギー基本計画」は、2017年12月に策定された水素基本戦略等に基づき、水素が、中長期的なエネルギー安全保障と温暖化対策の切り札となるよう、戦略的に制度やインフラ整備を進めるとともに、多様な技術開発や低コスト化を推進し、実現可能性の高い技術から社会に実装していくものです。
水素を新たなエネルギーの選択肢とすべく、環境価値を含め、水素の調達・供給コストを従来エネルギーと遜色のない水準まで低減させていき、脱炭素化したエネルギーとして、水素を様々な分野における利用を図っていくこととしています。
水素・燃料電池戦略ロードマップ
2014年6月に策定された「水素・燃料電池戦略ロードマップ」は、水素の製造から貯蔵・輸送、利用に関わる様々な要素を包含している全体を俯瞰したロードマップです。
2016年3月には、燃料電池自動車(FCV)の市販開始、FCVに水素を供給する「水素ステーション」の整備拡大や、家庭用燃料電池(エネファーム)の普及拡大など、最新状況を反映して改訂されました。
その後、2017年12月に策定された「水素基本戦略」、2018年7月に策定された「第5次エネルギー基本計画」など、水素に関する大きな動きを受け、2019年3月に新たに「水素・燃料電池戦略ロードマップ」が策定され、「水素基本戦略」で掲げられた目標を確実に実現することを目指し、さまざまな取り組みを産学官連携でおこなっていくことが示されています。