第14回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)

 

 

第14回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)


 

 

 

第14回検討委員会・会議議事録

第14回深地層研究所計画検討委員会・会議議事録


1 日 時 平成12年1月24日(木)13:30~15:00

2 場 所 ホテル札幌ガーデンパレス 4階「平安の間」

3 出席者 堀委員長代理、稲垣委員、清野委員、和氣委員、村井委員、磯田委員
  幌延問題道民懇談会 上田代表、山本事務局長、藤井、滝川、三谷、白倉、渡辺、出村、七里、柏、園部、
                新保、窪田、高橋、石神、枝川、畠山、樫見、中島、佐藤
  (事務局等) 経済部資源エネルギー課 本多、村井、板谷、村本
           留萌支庁 橋本、宗谷支庁 稲村、上川支庁 今村
4 開 会
○事務局
・ ただ今から、第14回深地層研究所計画検討委員会を開催いたします。
・ 本日は、幌延問題道民懇談会の方に来ていただきまして、ご意見を伺うことにしました。
・ 私の方から、ご紹介させていただきます。前列の方から、上田代表、山本事務局長、藤井さん、滝川さんです。この他16名の方に来ていただいております。 
・ 議事の進行は委員長代理である経済部長が行わせていただきます。 
・ 本日所用により西山委員が欠席しております。

5 議 事
(1)深地層研究所(仮称)計画に対する意見について
○委員長代理 
・ 皆様ご苦労さまです。幌延問題道民懇談会からは、第6回、昨年の5月24日、第9回、8月19日に来ていただいて、意見を伺っていますが、本日はさらに中味を深めたご意見をお聞かせ願えるものと思っています。どうぞよろしくお願いします。 
・ 早速ですが、まずは上田代表のほうからご意見を伺わせていただきたいと思います。 
○幌延問題道民懇談会 
・ 機会を与えていただいたことにまず感謝申しあげたいと思います。 
・ 第11回の検討委員会の議事録をインターネット等で見させていただきまして、当懇談会の今日に至るまでの対応について事務局の方から検討委員会の委員に報告があったようですけれども、その内容についてはいささか私たちの理解と違うところ、不本意な部分が多々ありますけれども、そのことについては異議を申す程度に留めておくというようにさせていただきまして、本論の方に移りたいと思います。 
・ これまで、何度もいろいろなところで主張させていただいておりますけれども、今日は資料1のところで幌延問題道民懇談会の意見骨子という用紙がお手元にありますので、ご覧いただきたいと思いますが、必ずしもこの順番どおりというわけではありません。与えられた時間でなるべく多くのことを理解していただきたいということで意見を述べさせていただきます。 
・ それで私どもの考え方を結論的にいえば、今回の深地層研究所の設置に関するこの検討委員会で検討すべきことというのは、基本的なベースとして情報があまりにも不足している中で、検討すべき対象が非常にわかりにくくなっている。それがこういう段階でこの問題を道民に投げかけて、正しい道民合意を得ることができるのかということであります。そこのところの検討がなされない限り、上辺だけの同意だとか、あるいはなんとなしの意見を述べにくい状況の中で真の道民の意思が反映できないというようなことになるのではないかと私ども考えているわけです。そのことについてきちっとした対応をこの検討委員会でもしていただきたいと考えているわけです。 
・ 一つは深地層研究所そのものの具体的な計画内容が非常にわかっていないということがあります。「地層処分研究開発第2次取りまとめ」においても、今後基本計画を立てて、そして深地層研究所ではこういうことをするのだと、これから決めることになっているわけですので、そのことについて深めた議論をきちっとして、道民からこれはいったいどうなのだと問われた場合に、直ちに答えることができる。そういうことを道ができるような状況にしておくことがどうしても必要なことであると私は思っています。 
・ それから、第6回、第9回でも申しあげましたけれども、核廃棄物の処分の問題に関する法制度がいかにも不備である。この点についてさらに掘り下げた議論をしていただきたいと考えております。この法制度の不備という問題については、処分問題についての中間報告とか、いろいろなことで縷々申しあげているところですが、詳しくは今日私どもが提出した資料5というところで、共同レポートという形で「高レベル放射性廃棄物、わが国の基本政策と法制度準備状況」を出しておりますので、これをじっくり検討いただきたいと思います。後ほど少しくこの点について触れさせていただきますが、私はこの法制度が不備の中で、これは何を意味するかというと道民の意思がどの程度反映できるシステムとなっているかということについて、全く今その保証の限りではないという状況であるということについての提言です。したがいまして、法制度も不備、そしてこの深地層研究所の内容自体も不明という中で、何を検討して何について道民合意を得るのかということについて、きちんとした対応をとっていただきたいということが冒頭の意見です。今までこの幌延問題について深地層研究所という課題を掲げられてから、核燃サイクル機構あるいは科学技術庁との間で核を持ち込むのか持ち込まないのかというところの約束を得るということに、今まで道の方ではいろいろ苦心をされてきたというように思っています。しかしながら、核を持ち込むか持ち込まないかということについて、それだけが道民の不安ではないということをしっかり捉えておく必要があると思います。それは1998年6月の段階での北海道新聞の世論調査でも明らかであります。98年の6月6日付けの北海道新聞に結果が出ていますが、タイトルだけ申しあげますと「幌延問題核抜きにも抵抗感、道民世論調査道民合意の道険し、科技庁提案に不信感も」というタイトルで記載があります。これでいきますと科技庁がいくら核抜きだということを言っても、道民はそれに対してそれでも抵抗感があるということがこの世論調査でも出ています。この結果によりますと「賛成」という方は6.4%、「どちらかというと賛成」という方が13.6%、合わせて20%でございます。その他「反対」、「どちらかというと反対」を合わせると62%の道民の方々が、核抜きであるということを前提にしても深地層研究所というものは北海道に必要がない、どちらかというと必要がないものだという意識をもっているということについて、やはりきちっとわきまえるというか認識をしなければならないと思うわけです。そして、これが一昨年の話であるということではなくて、更に昨年の末に至ってもいろいろなところから同じような反応がでているということを知っておいていただきたい。報道されている部分だけでもご紹介致しますと、幌延に隣接いたします猿払村の村長さんがこういうように言っています。「国と道の確約どおり幌延町に放射性廃棄物の施設を立地しないのであれば、研究所を建設する必要もないのではないか」というように非常に率直な感想を述べていることが北海道新聞の99年10月13日付けの道北版に載っています。それから利尻富士町の町長さんが99年12月15日に開催された町議会において、やはり「深地層研究所について今後も反対の意思を貫いていきたい」と議会で答弁をしているという報道が日刊宗谷という新聞に掲載されています。さらにご承知のとおり、豊富町の農業協同組合が理事会において幌延町に建設が計画されている深地層試験場について反対する決議が全会一致で決議されたということが昨年の8月13日の北海道新聞に掲載されています。これらは、98年6月の世論調査の結果が今日に至っても全く変わっていないということの証左であります。こういう中で「核抜きであっても道民は不安を持っているという根拠はなにか」ということになりますと、深地層研究所というのが、一体何をなすところであるか、それがつまびらかになっていないということが一つ。それから我々の不安といったものが、道民世論といったものがきちんと北海道が表明したとしても、それが受けいれられる法制度になっていないそういうことの裏付けのある、根拠のある疑いである、不安であるというように私どもは考えるのであります。ここら辺をはき違えて核抜きでありさえすれば道民合意が得られるのだという見通しのもとで道民合意を得ようという努力をされることは、いささか方向が違うのではないかと考えるわけであります。 
・ 法制度についても私どもの提供した資料2で、これは法案の名称についてはわからないですけれども、仮に処分推進法という法律がつくられつつあるというようにいわれていますけれども、その概要についての資料です。通産省が作ったものであります。「高レベル放射性廃棄物処分に係る制度の概要」というものです。ここで「基本計画の策定」と2の制度の概要のところで書いていますけれども、要するに「高レベル放射性廃棄物処分の推進に関する基本的な方針や処分施設立地に関する事項等を定めた基本計画を定める」となっていまして、この中でこういうことが書いてあるわけです。「処分施設の立地に関する事項については、当該地点の都道府県知事の意見を聴かなければならない」と、こういう規定を設けようとしているわけです。これは当然のことであります。「当該都道府県知事の意見を聴かなければならない」ということでありますけれども、しかしこれに続く一文がありまして、「都道府県知事が意見を述べる場合、当該地点の市町村長の意見を勘案しなければならない」となっています。これは、都道府県知事が知事の独自の見解を述べることができるということではなくて、当該立地地点、市町村ですね、この単位の長の意見を勘案しなければならない。要するに尊重しなければならないとなっているわけです。幌延問題でいうならば、立地を表明している、推進をしている幌延町長の意見を当該都道府県の知事が勘案をして意見を述べなければならないということになっているわけです。要するに知事は北海道の全体的なこの深地層研究所なり、処分場ができるということについての意見を全体的な問題として捉えて、そして意見を述べるというフリーハンドを持っているわけではなくて、立地推進をしている市町村の長の意見を勘案して意見を述べなければならないということになっているわけです。要するに立地地点の意見を表明しなければならないということに結びつく法制度になっているわけです。かつて私どもがずっと反対をしていました貯蔵工学センター計画、これは北海道の長期総合開発計画の中で「地元及び北海道の意見、理解を得て推進していく」と規定がされていたと思います。このことと関連で比較をするならば、北海道知事がフリーハンドでものを言えるというのでなくて、それに足かせをはめることに、この新しい通産省の案では、ハードルが低くなっていることになるわけです。したがって、こういう立法が現在されつつあるということを踏まえて、国では立地地点だけがいいと言えばそれでできるようなシステムにしていこうという法案を作ろうとしているわけです。ハードルがどんどん低くなっていく状況の中で、幌延の貯蔵工学センター計画の時よりは、この深地層研究所の計画が実現した場合には処分場になる可能性がはるかに高くなっていく。そう見るのは誰がみても明らかであるというように考えるわけです。この検討委員会におきましてはこの法律が現状どうなっているのか、どうなろうとしているのかということを十分に見極めて、そして道民に問いかけをするという作業に至っていただきたい。 
・ 知事公約はあくまでも道民合意を前提にした上での検討するということになっているわけです。資料9ですが、そういう知事公約との関係でいえば、これは非開示になっていました公文書を開示請求した結果、開示された黒塗りの文書であります。平成10年11月11日、検討委員会の委員長であります副知事、次長が科技庁の審議官室に行かれまして、そこで議論がされた内容の復命書であります。ここでは、審議官が「国としては、深地層の研究所は是非とも実現したいと考えている。どんな段取りでやれば良いのか相談したい」と副知事に持ちかけているわけです。これに対して副知事がどう答えたのか。「私どもも考え方は同じである」と言っている。既に道では、審議官がどうしても深地層研究所を実現したいというように言っておられることに対して、平成10年11月11日既に「私どもも考え方は同じ」と言っていることに重大な関心を持たざるを得ないのであります。これは明らかに知事公約とは違うことを言っている。あるいは知事公約自体が道民に対してなかなか本当のことを言っていない証左ではないかと思うわけです。そういう意味でこの検討委員会で本当の知事の公約というものを私どもの意見を十分にお聞き取りいただいて検討していただく。皆さん方の仕事をしっかりとしていただきたいと思うのが私の冒頭からの提言であります。 
○幌延問題道民懇談会 
・ それでは行政の現実と法律の準備状況について、凝縮した形で申しあげたい。 
・ 資料3をご覧いただきたい。これは我が国の処分事業全体のスケジュール概要であります。ここでは2000年、今年ですね、処分候補地の選定段階に入って処分の実施主体を決めるということでありまして、処分に向けての具体的な日程の段階に今年はもう入っていくわけです。こういう状況にあるといういことまず知っていただきたい。
・ さらに次の資料4をご覧いただきたい。この中で、これは84年の報告でありますが、有効な地層の選定が終わって現在は処分予定地の選定段階にあるというところで、いよいよ今年は処分実施主体を決めて、処分予定地の選考をしていこうという作業に入っていく年となるわけです。そして2010年には候補地を選定するところにいくことになっています。そこで重要なのは、現在の法律制度はどうなっているのかということですが、これに横並びする形でこの先ほど示しました資料2の法律制度の準備が行われています。先ほど代表が言いましたように、当該地点の市町村の意見が強く反映される形になっている。当該地点というのは先ほど示した表からいって、これは公募制という形になっていますから、言葉を変えていえばいわゆる誘致自治体です。誘致自治体が手をあげれば、その意向を勘案して知事が意見を述べなければならないということで、知事の意見が大幅に制限されます。そういう具体的なスケジュールの中で、端的にいうと幌延が仮に誘致をいたしますと手をあげた時には、それを勘案して知事は意見を述べなければならないということであります。なおかつ今年は実施主体が決まって、その予定のための作業に実施主体が入っていくわけですから、重大な状況、処分に向けて具体的な日程の段階に入ったというところで私たちは今議論しているのだというところを知っていただきたい。 
・ もう一点は、これに併せて考えていただけなければならないことは、既に核燃の第2次取りまとめがありますが、既に結論として、有効な地層の選定が終わり、なおかつ幌延についていえば、あそこが有効な地層ではないという結論はもはやありません。というのは既に終了している。しかもこの間のいわゆる旧動燃の極秘資料、あれもまさに84年報告のために作ったものでありますけれども、あとは手をあげさえすればそのまま処分の問題が現実化してきて北海道の意見は非常に薄められた形でしか述べられないという現実にあるということですので、是非考えていただきたい。 
・ 次に今のことを前提として担保措置について申しあげます。現在の法律については、私どもが配付した資料1をご覧いただきたい。これは、法律の条文ですから、ここでは廃棄の事業に関する部分については、内閣総理大臣の許可を必要とするとなっています。担保措置を考える場合には、一番最大のテーマは条例によって担保措置を講ずることができるかどうかということであります。条例が自治体においては最高の法形式ですから、これについての検討は当然最大のテーマとして取り上げなければならないと考えます。道でも取り上げていますので、私たちも検討いたしました。これについては、内閣総理大臣の許可でありますから、実施事業者が申請をしてそれに対して許可を与えるかどうかについて、条例によってこれを規制することはできません。従って私たちの考えは、条例を検討した上で、なおかつ条例によって担保措置を講ずることはできないと考えています。これは、釧路の産廃処分場設置問題においては、北海道知事が許認可権限を持っているわけですけれども、機関委任事務として法律の要件に当たれば許可しなければならないという判決もあるわけです。それから準備中の法制度との関係ですが、ここでも先ほど言いましたような手続き、要するに手を上げた誘致自治体の意向が強く反映されるような形で許認可を与えることになっていますから、この点からも担保措置にはならない。 
・ 次に協定を結ぶ件について申しあげます。協定については、処分を実施する主体との間で約束をして初めて協定になるわけです。核燃サイクル機構は、処分事業の実施主体ではありませんから、例えばAさんとの間で協定を結んでも、Bさんとの間には効果を及ぼさないということであります。これについても協定自体が法に反するようであれば無効になりますし、そういう協定というのは、結ぶ相手も違うし、現在実施主体ができていませんから結ぶこともできない。従ってこの担保措置については、十分議論、検討をしていただきたいのですけれども、私たちの見解は以上のとおりです。 
・ 研究と処分の区別について、これは言葉の上での区別はできるのですけれども、「処分と研究を区別する」というのは、92年あるいは94年の原子力長計あたりからそのように言っているのですけれども、これはあくまでも先ほど示したような処分予定地の選定段階における研究であります。そして、仮に区別するとすれば、これは人為的に、例えば産廃なんかでは安定型といったように施設区分を人為的に法律によって行いまして、それについては一定の操業期間が何時までだとか、期限を定めるとか、これはフランス法なのですけれども、そういうこととか、あるいは実施した当該地点の市町村には処分場は持ってこない、そういうことが人為的に法律上区別されてその施設区分に基づいて処分しないという形の法制度ができないか。これは単なる言葉の上ではありません。核燃サイクルで「研究です」としていても、全然別なところから処分の事業実施主体の申請が上がってきて、それに対して内閣総理大臣の許可を与えるという法律上のシステムであります。その点はどうか間違えないで十分議論、検討をしていただきたいと思います。それから仮に区別をしたとしても、2000年、今年以降予定されて自治体公募、誘致自治体をどこにするか、そういったことについて、何らこれは障害になるものではありません。そこが手を上げてそれに対して国が許可を与える。意見を聴くときには、知事の意見書には誘致自治体の意見書が当然添付される形になりますから、それを勘案して意見を述べなければなりません。仮に反対といってもそういったものが添付されている以上、それに基づいて国が許可を出す可能性が非常に大きい。そうしたことからいっても、処分と研究の区別というのは、言葉の上でする、しないというのはあまり大きな意味がない。基本的なそういう法律と行政のシステムのあり方、スケジュールのあり方をきちんとみていただきたい。 
・ 次に処分につながる恐れについても、今まで話したことと重複しますので、箇条書き程度でいいますが、処分のスケジュール、それから地質条件をもう既に満たしているという結論が出てしまっている。幌延についてはそういうものが出てしまっている。それから法律の準備制度から誘致自治体の意見を非常に重視したものが実現されてしまう。この3点から、処分につながる恐れというものが貯蔵工学センター計画の時よりも、なお一層現実的になってきたと考えています。もう今年から新たな現実的な日程の段階に入っているわけですから、その中で私たちが議論していく。それについては、矢継ぎ早にこういう事実なり、あるいは一定の安全に関する結論までも出てしまっているということをきちんと捉えた上で検討委員会で議論していただきたい。さらに、処分につながる恐れとしては、こういう短期間で処分予定地を見つけるわけですから、処分を受け入れる自治体というのは全国的にみてもどう考えてみても見いだすことはできません。そこで必然的に浮上するのは深地層試験場の受け入れたところに、それとは別に処分について応募していただきたい、誘致を受け入れていただきたい、という形にならざるを得ない。したがって、深地層試験場の立地点が処分場に浮上せざるを得ない。これはこのスケジュールを見ればどう考えてみてもそう捉えざるを得ないと思います。したがって、知事が反対しづらくなった、誘致自治体の意向が強くだされる可能性が大きくなったということを考えて判断していただきたい。
・ それから、「第2次取りまとめ」についても法律の関係で少し触れておきます。このように処分の問題がもう今年からどんどん具体化してくるわけです。フランスの方に道でも調査に行ったようでありますが、フランスの法律というのは処分の推進法ではありません。研究のための段階の法律です。地層処分をするという法律はまだできておりません。ところが、日本では、もう処分するということで、しかも安全にできるという前提もとって、大きくそこを飛び越えて法律を作って、現実に処分の具体的な日程に入ろうとしているわけです。そこで「第2次取りまとめ」ではどのようなことが書いてあるのかというと、そんなに急いでやれば我々は非常に不安になるわけですけれども、一体そんなに急いで埋めた後はどうなるのかというと、埋めた後汚染が広がった時にどうやって汚染を除去するのか。あるいはモニタリングはどうしていくのか。一体そういう処分を2030年頃ですか、処分をした後にそれでは汚染が広がった時に責任をどうするのかということですけれども、実はこれについても最近結論をだしてしまったわけです。まず技術的な点からいうと、そういうものが一切必要が無いということが「第2次取りまとめ」の重大な結論です。それから、もう一つ法律もそれに右ならえをして、賠償とか、財政負担について、資金を設けることになっていますが、こういったものは全部無視して入れない形になっています。ですから今までいったような法制度、現実のスケジュールの問題、核燃サイクル機構で作ったこういった取りまとめの問題を入れると、これは重大な局面に至って、貯蔵工学センター計画の時よりも問題は深刻であり、処分場になる恐れは高まっています。なおかつ将来に対する不安は、これが正確に道民に伝わることはこれからかもしれませんが、将来は地下に埋めて、将来の人達はあんな埋め方ならまずかったのではないか。100年後、200年後の人達が気がついたときに、もはや掘り返すこともできないようなものだと思います。これが今の政策でありますので十分検討をしていただきたい。 
○幌延問題道民懇談会 
・ 事前に「深地層(仮称)計画についての検討事項の修正案」を道民懇談会から出してあります。そのことについてと、資料6の内容について意見を述べさせていただきます。 
・ まず検討事項の修正案でありますけれども、この問題につきましては、この検討委員会の第6回、第9回に出席したときにもかなり時間を割いてこちら側で述べさせていただきました。それはなぜかというと、今後予定されている有識者懇談会、あるいは道民合意の問題で、これから道の方で方向付けをされていくということになろうかと思うのですけれども、その時に、非常に大きな意味を持つということで、意見を述べてきました。そのことについて、委員長代理である経済部長とも昨年の9月にいろいろ意見交換の場をもっております。それらを踏まえて、道がすでに示している検討事項が非常に問題があるのではないかということで、我々の方でそれに対する代替案という形でまとめたのがこれであります。道の方ですでに出している検討事項の修正案は、非常に受け入れる場合を前提にして、条例や協定の方に誘導している中味であるので、もっと基本のところをきちんと明示するべきではないかということでまとめました。ちょっと長くなりますけれども、これをまず読みます。 
・ 1項目、「基本的認識」です。 
・ わが国では、原子力発電所の運転によって発生する使用済み核燃料を再処理した後に生じる「ガラス固化体」を「高レベル放射性廃棄物」(以下、高レベル廃棄物と略)と呼んでいる。なお、原子力政策の違いにより再処理を行わない国では、使用済み燃料そのものが高レベル放射性廃棄物とされる。 
・ 高レベル廃棄物の特徴は、放射性が高く、長寿命のものが多いことである。そのため、放射能による潜在的な危険性は長期にわたる。 
・ わが国の高レベル放射性廃棄物は、制度的にも技術的にも今後、数十年から百年程度の期間は安全に管理することが可能(『地層処分研究開発第2次とりまとめ』)とされる。 
・ 高レベル廃棄物を永久隔離するために、さまざまな処分概念が検討されてきた。その一つが「地下数百メートルより深い地層へ処分する」という概念である。現時点では、実際に高レベル廃棄物を地層処分を実施した国は存在せず、地上または浅地層での長期保管を検討している国もある。 
・ 核燃料サイクル開発機構が計画している深地層研究所(仮称)の計画は、(『地層処分研究開発第2次とりまとめ』)で示す技術的信頼性を、実際の深地層での試験を通じて検証することとされている。研究所計画の詳細は明らかになっていない。 
・ 高レベル廃棄物の処理・処分に対して、道民のなかに法制度の不備や原子力行政に対する不信や懸念などがあり、道民合意が得られていない。 
・ 「幌延問題」には、約20年間にわたる経緯がある。地元自治体による低レベル放射性廃棄物施設の誘致などを経て、1984年4月には旧動燃の高レベル廃棄物貯蔵施設計画が明るみに出た(当初計画に深地層試験場はなかった)。旧動燃は同年8月、深地層試験場などを追加して「貯蔵工学センター計画」を発表した。「貯蔵工学センター」については、広範な道民の反対の声があり、1990年7月に道議会が「設置に反対する決議」を可決した。同年8月、知事は科学技術庁に対して、計画の白紙撤回を申し入れている。 
・ 1998年2月、科技庁は知事に対して、「貯蔵工学センター計画を取り止めて新たな提案として幌延町における深地層試験を早急に推進したい」と申し入れた。申し入れの「深地層試験」と当初計画にある「深地層試験場」とは、基本的に同じものである。また、幌延町には残存施設があるなど計画は白紙に戻っていない、との指摘もある。 
・ 深地層における高レベル廃棄物の処分研究についても、「幌延問題」をめぐる歴史的経緯があることや、処分研究と処分地選定プロセスが法律のなかで明確に区別されていない。処分場の立地基準や選定に当たっての地元の同意等を含む立地プロセスが確立されていない。などの理由から、道民合意が得られていない。 
・ 2項目として、「道の対応の考え方」です。 
・ 深地層研究所計画については、上記の基本的認識のもとに、知事公約の 
・ 放射性廃棄物の貯蔵・処理・処分に係わる研究施設の立地については、全国的規模で調査し、選定するべきである。 
・ 「幌延計画」は、白紙に戻すことを国に求める。 
・ あらためて国から放射性廃棄物を持ち込まない研究開発施設計画の提示があれば、道民の合意を得ることを前提に検討を進める。  
に沿って検討していくものである。そこでは、道内に放射性廃棄物を受け入れない(泊原発からの発生分を除く)。道民の合意がない限り深地層研究所を受け入れない。  
との考え方に立ち、幅広く道民の意見を聴いて議論を深めながら、計画の是非を検討する。 
・ そして、具体的な検討事項として、7点挙げております。これについては省略しますが、この7点に沿って、わたしどもの方の意見を述べていくということであります。 
・ この修正案の特徴をいうと、原子力関係者の間で常識的とされていることを、ずれて道の方で整理している部分もあるものですから、基本的認識のなかできちんと明記をいたしました。それから歴史的な経過についても触れております。特に第1回の検討委員会で出された資料の中で、例えば1990年の8月に前知事は科学技術庁に白紙撤回をきちんと要請しているのですけれども、こういった事柄について資料から抜けておりますのでそういったものは基本的な認識の中にきちんといれるべきであるということです。それから、「処理・処分について道民の合意が得られていない」と書かれてあるのですけれども、この処分研究についても先ほど代表の方からその調査等の中味を引用して説明がありましたけれども、これについても道民のなかで合意が得られていないということを、きちんと基本的認識のなかで示すべきだろうということであります。それから、当然の事でありますけれども、知事公約に沿って検討するものであるということであります。それから、計画を取り巻く状況について具体的な項目で整理したという内容であります。そういうことで、検討事項の修正案については説明させていただきました。 
・ 次は、資料6についてです。この深地層研究所計画については、勿論あの反対している人たちの中ではさまざまな形での懸念や疑問ということが提起されているわけですけれども、ことはそれだけにとどまっていなくて、原子力行政あるいは核燃の比較的周辺にいる人の中からも、この計画について疑問視する声があります。そのことをご紹介します。 
・ 最初登場するのは、原子力委員会の委員である方が、今度通産省が本国会に上程するといわれている処分法の前提となるさまざまな議論を通産大臣の諮問機関の総合エネルギー調査会の原子力部会で議論した経過があります。その中で98年の9月の部会の中で、いろいろ通産省、核燃のほうから説明を受けて、それについて委員は「いろいろな研究開発によって、これだけいろいろなことが分かっているのであれば、何で改めて研究施設が必要なのかという気がしないでもない」ということをおっしゃっています。この方は原子力委員会の委員として、先ほども出ました処分に向けての基本的な考え方についてもまとめておりますし、原子力委員として中枢にいる人であります。そういった人の中でもこういう発言が出ているということをぜひとも委員の皆様には知っていただきたい。 
・ 次に登場しますのは、核燃の運営審議会というのがあります。これは動燃改革の一環として審議会が設けられたのですけれども、その委員の一人が昨年4月27日の衆議院科学技術委員会の中で幌延の問題について触れております。そして、「幌延はわたしは適地ではないと思っている」と述べておられます。その理由について、その後昨年7月に行われました原子力委員会が設置した原子力政策円卓会議の中でこう述べております。「はじめからガサガサの地層のところで地下研、(深地層研究所のことですが)を造ってみてもあまり意味がない。幌延など私はそれに近いのではないかというように思っている」と言っております。第7回の検討委員会の中で委員の方から、「研究は条件の良いところでするものだ」とか、あるいは「なぜガスや石油など異常高圧層があるところをこの研究所の実施地点に選んだのか疑問である」というようなことが出ておりますけれども、それと同じようなことを指摘しております。 
・ それから、幌延立地については、これは動燃改革の一環として設置された課題評価委員会というのがありますけれども、そこが昨年8月にこういう報告書を出しています。その中でいろいろな意見が出ています。この2つの研究施設、幌延と瑞浪ですね、「最適ポイントかどうか非常に疑問である。それ以前の全国的な調査あるいは評価が必要となるのじゃないか」という意見であるとか、幌延の場合、地下深くで見学する施設を造るとか、学際的な研究の地にするとかいろいろな説明がなされていますけれども、「幌延の場合、ライニングなしで直接岩盤に触れることができるような状態を保つことはなかなか困難なように思える」という意見もあります。それから「平成12年から処分候補地の選定が始まるのであれば、場合によっては無理な姿勢で幌延の研究所を立ち上げるよりも、候補地の中から選ぶのも方法ではないか」というような意見も出ております。特に核燃はこの2点目の指摘に対して、「ご指摘の通り地下でむき出しの岩盤を露出させて見学するというようなことは、非常に制約を伴うものと予想しています」と非常に難しいということを認めています。このように、いわば身内に近いところの人たちの中からもこの研究所計画の非常に曖昧なところだとか、不適当であるとかということを伺わせる発言がでているということを、是非これからの検討作業の中で検討していっていただきたい。 
・ なぜ、やっぱりこういうことが出てくるかというと、この計画自体が科学的な根拠に基づいて出されたというよりも、地元の幌延町の誘致に合わせて適当な理由を核燃の方でつけて出してきた。だから非常に曖昧な点、いいかげんな点がたくさんあるという事だろうと思います。 
・ 次の点です。幌延やその周辺が処分地になるのではないかという懸念についてであります。このことについては、94年の原子力長計をひいて先ほど出ましたけれども、「処分場の計画と深地層試験施設の計画とは明確に区別する」ということは出ていて、それを根拠に「だから心配ないのだ」と言わんばかりのことが今まで流されております。しかしこれは、計画の区別であって地層を区別したものではないといことを知っていただきたい。計画さえ区別されていれば、周辺地域の同じ地層での処分が可能という読み方もできるわけですから、その辺もぜひ検討していっていただきたい。それから、この原子力長計の基になったものは原子力委員会の専門部会で92年8月に中間報告としてまとめております。当時その専門部会の有力委員であったお二人の方がこういうことを言っております。神奈川大学の教授がエネルギーフォーラムという業界誌の中で、「地下研究施設が将来処分場にならないとしても、施設に近い同じ地層の地域はどうなるかという疑問が残る」というふうに幌延計画の経験をふまえて言っております。この専門部会の部会長は原子力産業新聞のインタビューに答えて、「将来的に研究にメドがついた後、地元の意向が変われば、話が変わるかもしれない」と言っております。私も神奈川大学の教授と同じ疑問を持ちます。ということで去年の2月に科学技術庁に対して道民懇談会の方でいろいろなことについて、質問書を出しました。その中で「こういった発言についていったい現時点ではどう考えているのか」ということを質しました。しかし、それらを含めて質問に対する回答が全くなされていない。そういう現状があるということを是非知っていただきたい。 
・ それから、「処分地は全国平等に選ぶ」と通産省や科技庁は言っておりますけれども、去年の12月に東京で通産省・科学技術庁と全国のこの問題に取り組んできた市民団体との意見交換の集まりがありました。実は私もそこへ出席しました。その中で、この新聞記事のとおり、北海道では98年の12月に知事に対する回答が出されているのですが、「この3つの同じ様な回答を出している青森県、岐阜県を含めた3つの道県を処分候補地から除外するというふうに法案などに盛り込むのか」という質問を出したところ、先ほどの原子力長計の中で地元の了承というのが一般的な原則とされているからどの県も平等だと。確約書を出しているいないに係わらず処分地としては全国平等だというように言っています。その後、参議院議員のほうから質問主意書として問いかけているのですけれども、ここにありますとおり政府答弁は、「三つの道県以外の都府県の扱いについては、今後適切に対応してまいりたい」ということで非常に曖昧な答弁で終始しております。結局、これら回答は法的な裏付けのないリップサービスにすぎないと思いますので、その辺を含めて是非検討していただきたい。
・ 最後に前回の検討委員会の中で道北の人達から、旧動燃の調査報告書の話が出されたと報道されています。一部報道によると、その報告書を道のほうは既に核燃から提示を受けて知っていたという報道がなされました。知っていたのなら何故それを道民に知らせなかったのか。あるいはこの検討委員会に示さなかったのかということが、非常に疑問に思うところです。ことの重さがわかっていないのではないかと感じるものですから、この後で事務局なり委員長代理の方から一言コメントをいただければと思います。 
○幌延問題道民懇談会 
・ 第1番目はわかりきったことではございますけれども、検討委員会の第一回で、委員長は「深地層研究所計画の位置づけや内容を検討する」と言っております。それから、道の事務局が検討委員会に出された資料7で主な項目の4に「幌延町における深地層の研究計画」となっております。ここで、結論的に申し上げますと、この幌延の深地層研究所計画というのは、今後出てくるということなのですね。昨年の11月下旬に核燃で、「地層処分研究開発第2次取りまとめ」というのが出ました。これを見て参りますと、先ほど申し上げましたように、地下研究施設を利用したら処分の実規模のスケールの研究開発を進める。これが幌延の深地層研究所においてです。ということになりますと、結局まだ計画が出てこないわけです。何か風聞によると、もう2月中に早々に検討委員会を切り上げてしまうという噂さえ流れているのです。これでは、計画を検討するということになっているのに、計画が出てこない以前に店じまいをしてしまうという全くおかしなことが出てくるのじゃないか。 
・ それから2番目には、この取りまとめは「第3紀の堆積岩の地層の傾斜は5度」というふうになっております。処分をする場合は5度と。それを幌延で実証するということなのですが、実は動燃がかつて開進地区で深層ボーリングを行いました。その結果、このパンフレットになって皆さん方のところにも配布されたと思います。道議会にも出ました。これは急傾斜になっております。適地適層だといった声問層、開進地区、傾斜が明らかに急傾斜になっております。とてもじゃないけれども、傾斜5度なんてものではございません。これは前の調査、全然役に立たないということになる。問題は別のところで仮に研究所を計画するとした場合、同じような結果が出たらどうするのだ。計画を中止するのが常識になって参ります。そういうことをきちんと検討委員会では確認をして、今後作業を進めなければならないのではないかと思うわけです。 
・ 次に、検討委員会の資料に問題がございます。先ほどちょっと触れましたように、この検討委員会に出された幌延問題の計画に、「1、これまでの経過」というのがございます。この中には前知事が貯蔵工学センターその他について反対して参りました。科学技術庁の長官も来ました。動燃の理事長も来ました。その時も、会談の中で反対しているわけです。それから道議会の決議が載っておりますが、先ほど言いましたように、道議会の決議の後に、知事は科学技術庁と動燃に行って、そして計画の撤回の申し入れをしております。その申し入れ書がこれです。それから、調査の申し入れについても反対の申し入れをしております。これは全部その当時のエネ課の記録なのです。私が道会議員をやっているときに資料請求して取り寄せたものを保存しておりました。今も恐らくあると思います。是非これをご覧いただいて、この経過については正しく修正されるべきであるというふうに考えます。 
・ それから私は動燃や核燃のすることについて、批判的な態度でいつも見ております。理由は、その一つは、古い人はご存じだと思います。例の貯蔵工学センターが提案された時、こういうパンフレットを作って流しました。いわゆる有名な9つの質問、高レベルガラス固化体の側に女の人が立っている。これは国会で問題になりました。これは即死ですよね。こんな所に立てるわけもない。国会で陳謝して撤回されましたのですが、その後チェルノブイリの事故の後にまた同じようなことをしました。これは道北の住民に配布されたチラシです。高レベルガラス固化体の側に低レベルのドラム缶があります。そこをガイガーカウンターを持って一所懸命に放射線量を計ってる。これは道議会で問題になりました。3つ目には幌延の展示館でもって実際ビデオで映されて問題になったことですが、プルトニウムを水で薄めて、そしてこれを子供に飲ませて、なんでもないというビデオなのです。世界中探したって、こんなことをするところはないわけですよね。さすがに問題になって、早々にこれは回収されました。 
・ 4番目は事務局に聞いてみますと、みなさん方に配付されているという深地層研究所計画が提案されてから作られた概要のパンフレット、これを開いてみますと、ここに縦坑と螺旋坑道、スパイラルともいいますが、この螺旋坑道は入気です。気動車が入ります。排気ガスが出ます。それらが坑底の現場に運ばれるのです。排気はどうするのかというと縦坑だと言います。ところが排気をする縦坑が途中までしか降りてないのですね。地下まで降りてない。しかも、滑稽なことに入気のスパイラル坑道と中間で繋がっているという、こんな馬鹿な話はないのですね。私は炭鉱の出身ですから、こういうのを職場の皆さんはなんというかといいますと、「学識未経験者の危険な計画」といって相手にしないのです。私は一から十まで核燃を疑えとはいいませんが、やはりよく検討を深めていただかなければ道民の命や、健康というものを守ることはできないのではないですか。同じようなことは最後にも出て参りますが、次に進みます。 
・ 知事公約。はしよって申し上げます。ここに書いてございますから。先ほど知事公約については述べられました。ところが、ここの委員会の事務局はエネ課で担当しておりますが、こういう知事公約が公式の文書として懇談会の方に提出されております。後でよく読んでください。これ封建時代ですと、殿の逆鱗に触れて市中引き回しか、遠島になりますよ。エネ課に知事より偉い人がいるっていうことになるのじゃないですか。こんな馬鹿なことはあり得ないわけです。 
・ 次に、なぜ幌延かということについて、あれこれ理屈をたくさん並べてます。時間がないから後でゆっくりご検討いただくとして、左手に核燃がいうことを書きました。右手に反論のコメントをつけております。極端な話をいたしますと、奥尻島に地震があり津波が発生しました。だから幌延で防災計画を立てなければならないというのです。奥尻の津波で幌延がどういう被害を受けたというのですか。幌延で被害を受けるのだと、日本海沿岸の市町村は全滅になってしまうのではないですか。そんないいかげんなことを持ち出して、防災計画であるとか、あるいは今まで北海道の北のほうは特に幌延の問題に限っていえば、「火山には関係ない」といっているのです。今度は利尻の火山調査をするっていうのですよ。なんでもかんでも理屈をつけてやろうとしている。ここまでするのだったらもはや試験場ではないんじゃないかと、処分場じゃないのかという疑いさえ出てくるわけです。こういうような核燃の計画について、評価委員会の中では「地下研究の主の目的は技術の実証にある。幌延、瑞浪の地質、地下水の調査にならないよう留意する」。これが委員の発言です。これに対して、核燃はなんと言ってるかというと、拝承なんです。承りました、承知をいたしました。ずいぶん違って参りますね。検討委員会の議事録を見て参りますと、委員の質問の中になぜこんな条件の悪い中で幌延で試験をするのだ。普通試験というのは条件のいいところでするのが当たり前なのではないかと、私もそう思います。そういう質問に対して、事務局は核燃の言うことを口移しに言っている。これでは検討委員会の役割は果たせないわけです。まじめに批判、検討、評価をすべきだと思います。
・ 最後は例の核燃のドラフトと、それから第2次報告書は山はねの問題について取扱が若干違っております。基本は「堆積岩には山はねはないのだ」という考え方にたっております。冗談じゃないです。昭和30年代後半、40年代かけて空知管内の炭鉱には山はねというのはずいぶん出て参ります。そのために働く人たちは大変な被害を受けました。私たちも労働組合として何回か通産に交渉したり、会社側と交渉をしました。札幌通産では数々の技師長を、あるいはそのほか技術者を集めて保安センターの所長とかを入れて、対策会議をしました。何回しても結論が出ない。方法がないのです。ガス爆発とか、あるいは突出とか、炭塵爆発とかいうことについては、およそきちんと対策をすれば、事故を起こさなくてすむまではいったのですが、この山はねの問題についてだけは結論は出なかった。そのうちに炭坑はなだれ閉山でなくなってしまったわけです。核燃は堆積岩の穴掘りについては、東濃の130メートルの経験よりないのです。それは自分たちでしているわけではない。下請けに出してしているわけで、そういう人たちが、例えば、ガラス固化体を横おきに処分をする穴を掘るとすれば、直径2.22メートルということなのですが、これは炭鉱で言うとたぬき堀りといいます。こんなに小さな穴を掘るわけですからね。そういう技術がないのです。これはただちに山はねの危険を招くし、縦おきにしたってそうなのです。十分、エネ課には資料があることは承知しておりますから、この辺で止めますけれども、要は計画が出され、その上にたってきちっと検討すべきだと結んで終わります。 
○幌延問題道民懇談会 
・ どうもお時間いただきありがとうございました。私ども今日提出いたしましたのは、道民懇談会が検討しているいろいろな論点についての資料でございます。あらかじめ道の事務局の方にお願いをして、幌延の深地層試験場の問題点についての資料2でございますが、ここに記載がある事項が私どもの基本的な考え方と論点の整理でございます。これをしっかり検討していただくこと。そのことが我々道民のためになることはもちろんですが、国の原子力政策そのものをきちんとしていくという意味合いにおいては非常に重要なことである。国の政策、立法を正しい方向に持っていく、そういう国に貢献することができる非常にいい機会だと私ども捉えておりますので、是非このことについてすべて網羅的にこの検討委員会で検討を重ねていただきたいということを重ねてお願いを申し上げたい。それからこちらから提出いたしました資料8につきましては、経済部長との間で私ども交渉をさせていただいた内容についての記載がございます。これらも冒頭に申し上げました道民懇談会の立場ということとの重なり合いで、是非ご覧いただきまして我々の立場というものを誤解なきように是非ご検討いただきたいというふうにお願い申し上げて、今日の意見陳述を終わらせていただきたいと思います。先ほどちょっと質問あったことについて、もしお答えいただけるのであれば、お答えいただければありがたいと思います。 
○事務局 
・ 4人の方ありがとうございました。先ほどお話あった資料の件でございますが、何か道北連絡協議会の方から当委員会の方に話がありまして、この後委員会の中でご議論したいと思っております。取扱いは、道北連絡協議会が委員会に対してこのような話があったと、その取扱いについて、まず検討委員会で話し合いたいと思っております。 
○幌延問題道民懇談会 
・ ちょっといいですか。こういう道民から要望がきております。道は相当にたくさんの国のあるいは旧動燃の資料をお持ちですので、それらについては一箇所に閲覧できるような形で、誰でも見れるような形の閲覧可能な状態にしていただきたい。私も情報公開の関係で委員をしたものですから、相当数のそういう要望がきております。それも含めて検討委員会で検討していただきたいと思います。 
○幌延問題道民懇談会 
・ 先ほどの報告書の件ですけれども、報道にあったように道は去年の夏頃、その段階で核燃の方から報告書について提示を受けて、見ていたというか、報告書を持っていたというか、そういう報道については事実関係としてどうだったのか。最低そこだけでもお答え願いたいのですが。 
○事務局 
・ 今日は検討委員会ですから、個々の質問に答える立場ではないのですけれども、前回の検討委員会で道北の方から資料の説明があって、その後の記者レクでは、道は昨年に聞いていた。聞いた理由は開示請求があった。東濃地区のほうの団体から開示請求があって、ある程度聞いて、8月に開示をした。そしてプレスに出した。その時点でもらっています。それはプレスと何回か話をしております。ただこれは検討委員会で出たテーマなんで、検討委員会でかけてから答えた方がいいのではないかというプレスの意見もあったので、それで話は終わっております。ですから道は8月に開示と同時にいただいております。以上です。 
○幌延問題道民懇談会 
・ 結構です。 
○委員長代理 
・ ありがとうございました。ただ今、たくさんの意見をいただきました。ただ今拝聴した意見をもとに、委員会で議論しまして、今後委員会の考えをまとめていきたいと考えております。本日はお忙しい中来ていただいて、ありがとうございました。 
・ また、報道の方々については、既にご案内のとおり、会議終了後、道政記者クラブで会議内容を説明しますので、この場は退出願います。  

○事務局 
・ ただ今の意見に対して何かありましたら、お答えしていきたいと思います。 
○委員 
・ 道がいろいろな資料をサイクル機構から手に入れてるので、いつでも閲覧できるようにして欲しいという話について、これは公表されているものですか。サイクル機構から道に対して資料の提供があったとしても、著作権の問題などから全部を公表するというのはダメなのでしょうか。 
○事務局 
・ 例えば今回の場合、検討委員会の資料は行政情報センターや支庁に配付してあるし、地元の市町村にもおいてあるのでそれを見てくださいという考えです。道の資料については情報公開条例の非開示情報に該当するものを除いて全て公開していますので自由に見れるということです。機構で作ったものは機構に請求してくださいと話をしています。道にも資料はありますが道が情報を公開する立場ではないと考えています。 
・ 過去の資料に関しては昭和59年頃の貯蔵工学センター計画に道は反対の立場ですから、国や動燃との資料はほとんどありません。新たな提案についての資料は公になっていますから、それ以外の資料でもらってるものはほとんどない。 
・ 情報公開の関係で、正式に提出を受けているのはここに出しているような状況であり、前回のMー6資料といわれるものや昭和60年の立地環境調査などはありますが、これは核燃サイクル機構が開示請求を受け出している資料です。道が入手したからといって積極的に出すという資料ではないと思っています。あとは、第2次取りまとめや、委員会の評価報告書も提供はあるのですが、我々が出すものではないと思っております。 
・ 道が説明するものでもないだろうし、サイクル機構の連絡所が近くにあるからそこに請求して欲しいと伝えています。 
○事務局 
・ 今日の懇談会の4人の意見ですが、検討委員会で何をするのかというのは最初からのテーマです。研究所計画については、平成10年10月の深地層研究所(仮称)計画しかありません。先方が言っているのは研究所が処分に繋がると処分のことをメインで言っています。検討委員会は、最初から処分の内容を検討する場ではない。深地層で処分するしないは国の政策であり、それに対しては検討委員会で議論するテーマではない。それに基づいて研究するものについてはどういう位置付けであるかを確認する。その際には、最初の段階に議論があった、持ち込まないでできるのかについてなど議論をしようと。先方は、処分につなげて、研究所が済し崩し的にそのまま処分場になるのではないかという意見です。 
・ 今回の4人から出た意見は、今回委員の皆さんの前で話すということだったのですが、これらについては、今まで何回もやり取りして事務局でそれぞれに答えてきているものが多いです。 
○委員長代理 
・ 幌延問題道民懇談会が言っていた高レベル放射性廃棄物処分に係る制度の概要のうち当該市町村の意見を勘案しなければならないの「勘案」というのは、尊重という意味の解釈でよいのだろうか。 
○事務局 
・ 具体的な条文が見たいのですが、公表されていません。 
○委員長代理 
・ 懇談会の方では、弁護士で法律の専門家だから、勘案しなければならないということを、尊重ということで解釈している。勘案というのは、尊重ではなくて斟酌とかそういう意味ですかね。 
○委員 
・ 勘案というのは、必ずしも尊重という解釈であると言い切れないのではないかなと思います。 
○委員 
・ 前段の該当部分は、処分施設の立地に関する事項については、当該地点の都道府県知事の意見を聴かなければならないというのが頭にありますから、当該市町村というよりはそこが存する都道府県知事の意見を聴くというのが最初にあって、ただ、今お話があったように当該地点というのが気になるところですが、三行を頭から読んだ時に、最初に都道府県知事ありきで、ただ当該時点の市町村の意見はどうかということは、当然、斟酌なのか、配慮なのかわかりませんが、そこは解釈の別れるところですが、ここは彼らは途中から引用しておりますけれども、都道府県の知事の意見を聞かなければならないということでは、まさにこの本来の意味合いなのではないか。
○事務局 
・ 処分場については、公募という形をとっていますから、市町村が手を上げるわけです。前提は、処分場の立地地点は公募スタイルですから、手を上げる市町村が先にありきなのです。それを聴いて、国が知事の意見を聞いてくると思うのです。 
○委員 
・ 今日のお話では、処分と直結する計画ではないのかが一つと、都道府県、市町村、あるいはそれぞれの首長がどういう対応をするのかということに限っていえば、たまたま引用して今委員の言ったような、向こうの論理構成として言ってきている。このことは、先週の道北連絡協議会の皆さんの主張をおおつかみに集約すれば処分につながる。それを深地層研究という限りにおいてするのは若干の疑問がある。一歩退いて、基本的には道民の合意のもとに対応しなさい。それで道民合意については、情報を十分開示し、必要な判断材料を明らかにしたうえで行うべきである。道はもっと客観的、第三者的な立場で結論を出しなさいと。こういうように私なりに集約したのですが。 
○事務局 
・ 道の立場は、誘致でもなんでもない。国からの提案があって、説明を受けている。道は深地層研究所計画の中身を説明する立場ではない。こう言われてるから、こう言っているだけですよと。そういう質問に対しては検討委員会ではこう答えてますよと。これの繰り返しなのです。だから早くあなた方の意見を聞かせて欲しい、そのうえで整理し、道民の意見を聴いていきたいと。道の今の立場では、検討委員会で受け入れを決める立場でもなんでもない。そう繰り返しているのですけれども、その立場をもう少し、道民側にたって国に対し言うべきだと言ってるわけです。 
○委員長代理 
・ 前回と今回も研究所は必ず将来は処分場になると言っているわけですね。 
○事務局 
・ 平成4年の原子力委員会で処分場の計画と研究の計画は別々のものですというように切り離したのです。それで原子力政策の一番の根っこの平成6年の長期計画の中で、はっきり区別したのです。 
○委員長代理 
・ サイクル機構は別物である研究所計画をやっているわけです。処分のことは全く考えていませんよと。 
○事務局 
・ 国では地層処分を前提にしている。当然、研究所計画は地層処分のための研究で、この一環には間違いがないのです。 
○委員長代理 
・ 前は旧動燃が研究と将来的には処分もということだったのでしょうか。今度のサイクル機構は研究だけを持たせます。それで、処分のほうはどうなのだというと、サイクル機構はうちはそういう役割ではないですから研究だけですと言っている。将来の処分はそれはどこがどうするのかそれは知りませんということですね。 
○事務局 
・ 処分実施主体は、新たな法律によってこれから作るのです。 
○委員長代理 
・ 過去の経緯からいうと、地元の関係者は将来処分のこともするのではないかと言っているんでしょう。 
○委員 
・ 過去の動燃なり、当時の関係省庁の対応してきたことを考えると、真のシナリオはそこにあるのではないかというように受け止めているのではないか。 
○事務局 
・ 深地層研究所が処分場にならなくても、隣がなるのではないか。地層が同じであれば隣にできるのではないかと。それに対して、知事は北海道に持ち込ませない、処分させないと言っているわけです。ただむこうが言ってるのは知事がかわったら変わるだろうという言い方をする。研究所の中に持ち込まないのはわかっているし、当然のことだと。ただ同一の地層だったら処分場になる恐れがある。それに対しては知事が放射性廃棄物を持ち込ませないと言っていますが、さらに担保措置を検討しているところです。 
・ 協定をサイクル機構と締結しても意味がないというのは、サイクル機構は処分実施機関ではないので、機構との協定は研究している間は持ち込まないという協定なんです。実施主体がないわけですから当然協定は結べないわけで、それは当たり前のことです。それで違う担保、宣言なり、条例などを検討して北海道に持ち込ませない。研究所については協定で大丈夫、それ以外のところについては別途何か検討しようということです。 
○委員 
・ 処分に関する法律を今作ろうとしていますが、これまでの考えですと研究と処分は区分するという検討委員会の考え方があり、それも踏まえた形で法制度を整え、その上で国が処分地は北海道を除くと言えば、信じないわけにはいかないのではないか。
○事務局 
・ 法律で特定の地域を除かなければいけないと言っている、それは無理だ思います。 
○委員 
・ 処分については、47都道府県全国一律である。今の段階では法律上の区分をするわけにはいかない、何も理由が無くて特定地域だけを除くのはありえないことですね。 
○事務局 
・ 国の方も、新しい法律の中で特定の地域を除くのは無理です。ただ、大臣の言った発言は重いから、それは尊重しましょう。その時法律ができないから研究所の計画が検討できないのかというとそれは、別の話でしょうということなのです。 
○委員 
・ 法律が必要十分条件でないから、法律がなくてもできるけれども、ことがことだけに、法制化して担保すべきだというのが通常の発想ですよね。 
○事務局 
・ 例えば法律ができてもその法律が、先ほど説明しましたけれども処分を推進するための法律ですから、反対といったらそれで止めるということにはならないのです。 
○委員 
・ そうしたらもう一つ研究に関する法律も作れば良いのではないか。それは今のところ誰も発想していないですね。 
○事務局 
・ 例えばフランスは1991年に、15年間研究をするという法律を作ったのです。15年間ですから、2006年に研究が終わるのです。その間にどの方法がいいのかを決めましょうと。深地層処分、長期貯蔵、核種分離・消滅の三つの方法を法律を作って行っています。それで昨年の8月に地下研究施設の場所が決まったところです。2006年までにそれぞれ成果を出していい方法を選びましょうという法律を作っているのです。法律を作った経過は、最初、強引にしようとしたのですが、もめて15年間研究する法律を作ったのです。研究所をつくるための法律があるのは、フランスぐらいです。後は処分場に関する法律はあるけれども研究所の法律は特に作ってはいません。 
○委員 
・ 私が言うのは、そういう法律があれば、彼らの主張に対応できるということです。 
○事務局 
・ 研究施設のための法律を作りましょうというのは、一つの案だと思います。 
・ フランスは、法律に基づいて研究して成果を出すのですけど、日本の場合は、サイクル機構が研究し、その取りまとめたものを、国際レビューを受け、さらに国の評価を受ける段階となっています。地層処分がいいかどうか研究してきて、それでまとめが終わって、そして9月頃国の評価が終わることになっています。 
○委員 
・ 一昨年の10月、サイクル機構が申し入れたときのやり取りを読んでみて、これが一番大きく響いているようですね。要するに、理事長が発言したものに対して、担当責任者がプレスに紙を配ってひっくり返したのですね。 
○事務局 
・ サイクル機構は、自らのガラス固化体を持っているので、これを北海道に持ってこないと責任を持って言える。ただ、他から出たものはわからないし、言える立場でもない。サイクル機構の理事長としては、自分のところで持っているものは、北海道に持ってこない。ただ他については、権限外のことであると発言しています。 
○委員 
・ 研究と処分の区別の話に関連して気にしているのは地元が、誘致しているという態度が基本的に変わっていないことですね。そういう不信が強いと思うのですが、前回の道北協議会の人達も幌延の議会で条例をつくるかどうかの議論があって、それについて将来の手足を縛ることになるので、条例をつくるということにはならないと答弁している。この当たりの幌延町の理事者の考えはどうなのですか。 
○事務局 
・ 町長は議会で、選挙の際に核抜き施設として受け入れ、今後、中間貯蔵や処分場は受け入れるつもりはないと表明したと言ってます。この前の町議会議員の質問に対して、町長は私はそういう気はないと答えています。 
○委員 
・ 議会の誘致決議も生きているという話しもしていましたね。 
○事務局 
・ それは貯蔵工学センターの誘致ですから、深地層試験の誘致ではないのです。 
○委員 
・ 公式に言っているのは、中間貯蔵施設や処分場については誘致する考えはないと議会で言っているのですね。
○事務局 
・ 昨年の選挙に出るときも言っています。廃棄物を持ち込ませない、持ち込まない研究施設なら検討すると言っています。 
○委員長代理 
・ 他に何かありますか。なければ、次回の日程は事務局で調整させていただきます。今日はこれで本委員会を終わります。



(この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理のうえ、作成しています。) 
 

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