北海道レッドリスト【鳥類編】改訂版(2017年)について
1.改訂検討の体制
鳥類については、以下の構成員による「北海道希少野生動植物保護対策検討委員会鳥類専門部会」を設置(平成26~27年度設置。平成28年度は「北海道希少野生動植物種保護対策検討有識者会議鳥類専門部会」として開催。)して詳細な検討作業を行いました。
・北海道希少野生動植物保護対策検討委員会鳥類専門部会構成員一覧表
氏 名 |
所 属 等 |
備 考 |
藤巻 裕蔵 | 帯広畜産大学 名誉教授 | 部会長 |
玉田 克巳 | 北海道立総合研究機構環境科学研究センター 主査 | 部会委員 |
川路 則友 | 森林総合研究所北海道支所 非常勤職員 | 専門委員 |
綿貫 豊 | 北海道大学大学院水産科学研究院 教授 | 専門委員 |
2.改訂検討の方法
道内に生息記録のある鳥類の種・亜種について目録を作成した上で、収集した文献や専門的知見による生息地の現状や個体数の減少等の状況(渡り経路上にある道外の生息地における状況を含む。)、環境省や他県のレッドデータブック・レッドリストへの掲載状況などを基に、評価対象種を選定、定量的又は定性的な要件による対象種のカテゴリー判定等の評価を行い、評価結果をリスト化しました。
なお、道内での生息数や確認数が少ない場合であっても、北海道が本来の生息地ではないと考えられる種・亜種については、レッドリストの選定対象から除外しました。
〇 「【種・亜種目録】北海道の鳥類(2017年)」 へ
3.改訂結果の概要
鳥類については、目録に掲載された計501種(亜種を含む。以下同じ。)のうち、改訂版レッドリストに掲載されたのは計88種で、改訂前と比べて16種増加しました。
区分別に見ると、絶滅危惧に分類されるものでは、Cr(絶滅危惧1A類)として前回と同ランクのシマフクロウ他7種に加えてランクアップのシマアオジ他5種の計12種(改定前と比べて5種増加)、En(絶滅危惧1B類)として前回と同ランクのクマタカ他2種に加えて新規掲載又はランクアップのヒメウ他5種の計7種、Vu(絶滅危惧2類)として前回からランクダウンのタンチョウ他3種、前回と同ランクのクマゲラ他6種に加えて新規掲載又はランクアップのアカショウビン他4種の計13種、合計32種が掲載され、改訂前と比べて2種増加しました。
また、Nt(準絶滅危惧)として前回からランクダウンのオオタカ他3種、前回と同ランクのエゾライチョウ他10種に加えて新規掲載のウミネコ他8種の系21種が掲載され、改訂前と比べて18種減少する一方、N(留意)として前回からランクダウンのエゾヤマセミ他7種、新規掲載のヤマシギ1種の計8種が掲載され、改訂前と比べて7種増加しました。
さらに、今回から設定したDd(情報不足)としてイヌワシ、アオバズク他計24種が掲載され、前回は1件も該当がなかったLp(絶滅のおそれがある地域個体群)としてオオムシクイ道内繁殖個体群が掲載されました。
目録掲載 |
レッドリスト掲載種・亜種数 |
レッドリスト |
||||||||||
Ex |
Ew |
Cr |
En |
Vu |
Nt(R) |
Dd |
N |
Lp |
合計(B) |
|||
旧版(2001年) |
405 |
2 |
0 |
7 |
7 |
16 |
39 |
- |
1 |
0 |
72 |
17.8% |
改訂版(2017年) |
501 |
2 |
0 |
12 |
7 |
13 |
21 |
24 |
8 |
1 |
88 |
17.6% |
増減(改訂版-旧版) |
96 |
0 |
0 |
5 |
0 |
-3 |
-18 |
- |
7 |
1 |
16 |
- |
※1 準絶滅危惧(Nt)については旧版では希少種(R)と表記していた。
※2 情報不足(Dd)については旧版ではカテゴリー区分がなかった。
※3 絶滅のおそれのある個体群(Lp)については個体群数を表記した(1つの種で複数の個体群が選定される場合あり)。
※4 合計(B)についてはEx~Nの各種数、Lpのみ該当する種数を加算した(表記の数値の単純加算とは異なる場合あり)。
※2 情報不足(Dd)については旧版ではカテゴリー区分がなかった。
※3 絶滅のおそれのある個体群(Lp)については個体群数を表記した(1つの種で複数の個体群が選定される場合あり)。
※4 合計(B)についてはEx~Nの各種数、Lpのみ該当する種数を加算した(表記の数値の単純加算とは異なる場合あり)。