水環境用語集

水環境用語集

水質汚濁防止法

 工場・事業場からの排水の規制や生活排水対策の実施を推進することによって、公共用水域の水質汚濁の防止を図ることを目的とした法律で、昭和46年6月から施行されている。汚濁物質を排出する施設が政令で指定されており、排出基準に適合しない排出水を公共用水域に排出してはならないとされている。

環境基準

 人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準のこと。行政上の目標であり、各種の規制措置や施設整備等の施策を講ずる際の根拠となる。水質の環境基準については、全国一律基準の健康項目(継続摂取により人の健康を損なうおそれのある物質)が、カドミウムなど27項目ある。また、生活環境項目は、BODやCOD、全窒素、全りんなど、水域の利水目的に応じた類型ごとに基準値が設定されている。

BOD

 生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)の略称。水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁を測る指標。この数値が大きいほど河川は汚れている。

COD

 化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)の略称。水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素の量で、湖沼・海域の有機汚濁を測る指標。この数値が大きいほど湖沼・海域は汚れている。

富栄養化現象

 湖沼などの閉鎖性水域で、水中の窒素・りん等の栄養塩類の濃度が増加することによって、植物プランクトンが異常繁殖し、赤潮やアオコが発生する現象。富栄養化が進行すると、水中の溶存酸素が不足し、魚類や藻類が死に、水は悪臭を放つようになる。

北海道湖沼環境保全基本指針

 道内の主要な湖沼を対象に、環境保全対策に関する基本的考え方や推進施策、その進め方を定めたもので、平成元年10月に策定された。特に総合的な取組が必要な湖沼については「重点対策湖沼」とし、現在では春採湖、クッチャロ湖、大沼の3湖沼が指定されている。

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春採湖

クッチャロ湖

大沼


トリハロメタン

 水道水の浄水過程で、水中のフミン質等の有機物質と消毒剤の遊離塩素が反応して生成される副生成物で、クロロホルムや、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムなどの総称。発がん性の疑いがあり、肝臓・腎臓の機能障害等を引き起こすものがある。水道水の水質基準は0.1mg/l以下。

 

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クリプトスポリジウム

 人や牛、豚などの哺乳動物の腸に寄生し、糞便と一緒にオーシストと呼ばれる形で排出される、大きさ4~6ミクロンの寄生性原虫。感染すると1週間程度下痢等をおこす。通常の塩素滅菌ではほとんど死滅しないため、クリプトスポリジウムによって水道原水が汚染されるおそれのある浄水場では、急速ろ過等の浄水処理を行うなど、より一層の水道施設の維持管理の徹底が必要となっている。平成8年6月に埼玉県越生町において集団感染が発生して話題となった。

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北海道の水道水源保全に関する基本方針

 安全で豊富な水道水の確保を図り、「おいしい水」の供給に向け、次世代に北海道の貴重な財産として良好で豊かな水資源を引き継ぐため、水源保全に関する各種施策を総合的かつ効果的に進めていくことを目的として、平成10年3月に策定された。特に総合的な対策を必要とする流域については「重点対策流域」とし、その保全対策を講じることとしている。

農業集落排水施設、漁業集落排水施設

 農村地域や漁村地域における生活環境の改善と、生活排水対策等を目的に設置されるミニ下水道のことで、処理水の水質は下水道とほぼ同等。


合併処理浄化槽

 し尿だけでなく、台所や風呂からの生活雑排水も一緒に処理する浄化槽のことで、個人下水道とも呼ばれる。合併処理浄化槽は、地形等の影響を受けず、各戸別に短期間で安価に設置が可能であるため、人口散在地域での整備に有効な生活排水施設である。

北海道公害防止条例

 北海道の公害防止に資することを目的に、昭和46年10月に制定された条例。


排水基準

 水質汚濁防止法に基づく特定事業場から、河川、湖沼、海域等の公共用水域に排出される排出水に適用される規制基準のことで、基準を超過するおそれのある場合は改善命令や排出水の排出の一時停止命令を受け、基準を超過した場合は罰則の適用を受ける場合がある。排水基準には、国が一律に定めた基準(カドミウム等の有害物質28項目、BOD等の生活環境項目15項目)と都道府県が条例により定めた上乗せ基準がある。


 

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