建設業退職金共済制度は、建設業の現場で働く人たちのために、国によって作られた退職金制度です。令和6年3月末現在、北海道でこの制度に加入している建設業者は約9,600社となっていますが、建設業許可業者約19,300社と比較しますと、加入状況はまだ十分とは言えません。
この制度は、現場で働く方々の共済手帳に、働いた日数に応じて掛金を充当し、その労働者が建設業界で働くことをやめたときに、建設業退職金共済事業(以下、「建退共」といいます。)から退職金を支払うという、いわば業界全体での退職金制度です。
季節労働者を直接雇用しない元請建設業者にあっても、公共事業では、元請建設業者が証紙または退職金ポイントを購入することとなっていますので、ぜひ加入してください。
制度6つの特長
1 安全確実かつ簡単
退職金は、国で定められた基準により計算して確実に支払われます。手続きはきわめて簡単です。
2 退職金は企業間を通算して計算
退職金は、働く企業が変わっても、それぞれの期間を全て通算して計算されます。
3 掛金が一部免除
新たに加入した労働者(被共済者)については、国が掛金の一部を補助します(加入後初回交付の手帳の50日分)。
4 掛金は損金扱い
事業主が払い込む掛金について、法人企業の場合は損金、個人企業の場合は必要経費として全額算入できます。
共済証紙の現物交付及び退職金ポイントにより元請負人が負担した下請の掛金も、工事原価に算入できます。
5 経営事項審査で加点
公共工事の入札に参加するための経営事項審査において、制度に加入し適正に履行している場合は、加点評価されます。
6 電子申請で手続き可能
掛金は、インターネットを利用して電子的に納付することも可能です。これにより、事業主は、共済証紙の購入・貼付・消印および共済証紙の現物管理が不要となります。
加入するには
建退共北海道支部で、「共済契約申込書」及び「共済手帳申込書」に必要な事項を記入して申し込んでください。共済契約が結ばれますと、事業主には「共済契約者証」、現場で働く方々は「共済手帳」が交付されます。
1 契約できる事業主
建設業を営む方なら、総合、専門、職別、元請、下請の別を問わず、専業でも兼業でも、また建設業の許可を受けているといないとにかかわらず契約できます。
2 加入できる労働者
建設業の現場で働く方なら、国籍や職種(大工・左官・とび・土工・電工・配管工・塗装工・現場事務員など)を問わず、また、日給制・月給制に関係なく加入できます。ただし、役員報酬を受けている方や本社等の事務専用社員等は加入することができません。
掛金を納入するには
共済証紙貼付方式か電子申請方式によって納付します。この制度は公共・民間工事を問わず、すべてに適用となりますので、共済手帳と就労状況に応じた共済証紙の貼付と消印又は退職金ポイントによる掛金の充当を行います。
1 共済証紙貼付方式
(1) 共済証紙の購入
必要に応じて、最寄りの金融機関で共済契約者証を提示して購入してください。
(取り扱い金融機関)
都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、一部の信用金庫および信用組合など
(2) 共済証紙の貼り方
労働者に賃金を支払う都度(少なくとも月1回)、その労働者が働いた日数分の共済証紙を共済手帳に貼り、消印すれば掛金を納めたことになります。
2 電子申請方式
(1)電子申請方式の申請
就労実績報告作成ツールまたは建退共ホームページから「電子申請方式申請書」を出力し、建退共北海道支部へ提出してください。
(2)退職金ポイントの購入
ペイジー(※スマートフォンやパソコンから支払いができる決済サービス)または口座振替により「退職金ポイント」を購入してください。
(3)掛金の充当
就労実績ファイル作成後、建退共本部において、労働者の就労実績に基づき、あらかじめ購入された退職金ポイントを掛金へ充当(納付)します。
退職金を受け取るには
退職金は、労働者が建設関係の仕事をしなくなったとき等に、共済手帳に貼り終わった共済証紙及び電子申請により掛金納付された日数の合計が12月(21日分を1ヶ月と換算)以上あったときに、労働者又はその遺族からの請求により、その請求人に直接支給されます。
1 請求方法
退職金を請求するときは、「退職金請求書」に必要事項を記入して、住民票、共済手帳、退職所得の受給に関する申請書、個人番号及び身元確認のための書類を添えて建退共北海道支部へ提出してください。
2 受け取り方法
退職金は、原則として、請求人個人の普通預金口座に、直接振り込む方法で支払われます。
問い合わせは
建設業退職金共済事業北海道支部
住所 札幌市中央区北4条西4丁目1 札幌国際ビル3階
電話 011-261-6186
詳しい内容は
厚生労働省では建設業退職金共済制度について、ホームページで詳しく紹介しています。参考にしてください。 |
建設業退職金共済制度の手引
また、建設業退職金共済事業本部のホームページでも詳しく紹介しています。参考にしてください。 |