たばこと子ども
20歳未満の方は、心身ともに成長期にあり各臓器(脳を含め)も発育段階にあるため、たばこの煙に含まれる有害な化合物により影響を受けやすいといわれています。また、大人の喫煙により、喫煙をし始めると常習化しやすいといわれています。
現在の喫煙者の多くが10代で吸い始めていることからも、そのことが伺えるかもしれません。20歳未満の時に喫煙を開始すれば、それだけ生涯の中での喫煙年数や喫煙本数が多くなり、20歳以降に喫煙し始めた集団より健康障害を受ける確率が高くなるといわれています。
20歳未満の方の喫煙に影響するものとして、家庭内での保護者や兄姉の喫煙、友人の喫煙などがあります。特に母親や兄姉が喫煙していると、子どもの喫煙率が高くなるといわれています。家族が喫煙する姿を子どもに見せることは、子どもの喫煙に対する抵抗感を弱め、喫煙行動に向かわせると考えられています。
また、わが子の喫煙を容認する保護者がいますが、法律で20歳未満の者の喫煙は禁止されており、また子どもの喫煙は、大人で喫煙するより身体に悪い影響を与える可能性が指摘されています。
法律と健康を考えて、子ども自身が自ら喫煙しない行動を選択する価値判断は、その後の生き方にも役立つと思います。
なお、子どもが喫煙し始める背景には、単なる好奇心だけでなく、日常生活における心理的な不安やストレス、息苦しさ、自己否定、友達からの誘い等の色々な要因が関与していることもあるといわれます。
わが子の喫煙が判明した場合は、じっくり子どもの話や喫煙に至った経緯などを冷静に聴いた上で、喫煙は身体に悪いこと、法律で禁止されていることをしっかり言葉で伝えてください。その際、喫煙する保護者であれば、一緒に禁煙することで子どもの喫煙抑制効果を支えるとともに、家庭での他の家族への受動喫煙防止にもつながります。
20歳未満での喫煙は、その後にたばこ以外の薬物 (シンナー、大麻、覚醒剤、麻薬などの違法ドラッグ)の使用につながる可能性が高いといわれています。子どもの喫煙防止対策に取り組むことは、社会における違法薬物使用者の抑制が期待できるとともに、違法薬物と関連した犯罪の発生件数の抑制にも効果があるといえます。