「ケアラーとそのご家族を地域社会全体で支えるまちづくり」の実現を目指して

北海道ケアラー支援推進計画の策定に当たって

 家族や身近な方の日常的な介護、看護、援助などを担うケアラーが、健康で心豊かに、安心して暮らせる地域社会を実現していくことは、私たち道民すべての願いです。

 少子高齢化や核家族化の進展といった社会構造の変化により、「老老介護」や「ダブルケア」、「介護離職」など、家族介護を取り巻く課題が多様化する中、ケアラーは、家族から頼りにされている一方で、介護に関する悩みや不安を知られたくないとの考えから、周囲に相談することができず、心身に負担を抱えている場合があり、特に18歳未満のヤングケアラーは、本人や家族に自覚がないといった理由から、支援が必要であったとしても、そのことが表面化しにくくなっています。

 道の実態調査では、多くのケアラーが、自身の健康面に不安を抱え、頼りにできる相談相手や窓口を求めていると回答し、ヤングケアラーの約8割が、家庭での介護や援助に関する相談をした経験がないと回答しました。

 こうした状況を踏まえ、道では、ケアラー支援に関する道民の皆様の理解を深めていただくとともに、個々の事情に沿った支援につなげることができるよう、「北海道ケアラー支援条例」を制定し、昨年4月に施行しました。

 この条例に基づき策定する本計画では、全国を上回るスピードで進展する少子高齢化や介護サービス利用者の増加といった本道の特性を踏まえ、ケアラーとそのご家族を地域社会全体で支えるまちづくりの実現を目指して、「普及啓発の促進」、「早期発見及び相談の場の確保」、「ケアラーを支援するための地域づくり」の3つの柱を基本的施策としています。

 道としては、道民の皆様や市町村、関係者の方々と協働しながら、オール北海道で各般の施策を着実に推進してまいりますので、今後とも、ご理解とご協力をお願いいたします。

 結びに、本計画の策定に当たり、多大なご尽力をいただきました「北海道ケアラー支援有識者会議」委員の皆様をはじめ、貴重なご意見をいただきました関係団体や道民の皆様に、厚くお礼を申し上げます。

 令和5年3月

北海道知事  鈴木 直道 

北海道ケアラー支援推進計画[令和5年度~令和7年度]

 北海道ケアラー支援条例のもと、全てのケアラーとその家族等が孤立することなく健康で心豊かな生活を営み、将来にわたり夢や希望を持って暮らすことができる地域社会の実現に向け、ケアラー支援に係る各般の施策を総合的かつ計画的に推進するため、令和5年3月に「北海道ケアラー支援推進計画」[計画期間:令和5年4月~令和8年3月(3年間)]を策定しました。

北海道ケアラー支援推進計画[概要版]

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