北海道福祉のまちづくり条例の概要
障害のある方やお年寄りをはじめ行動上の制限を受ける人々が、建物、道路、公園などの公共的施設や鉄道、バスなどの公共交通機関を円滑に利用できるよう、平成10年4月から「北海道福祉のまちづくり条例」を施行しています。
しかし、条例の施行から5年が経過し、この間、少子・高齢化の急速な進展やユニバーサルデザインの普及、介護保険制度の施行など社会環境が大きく変化してきました。
このため、公共的施設のバリアフリー化に止まらず、交通環境、住環境を含めた生活空間全体のバリアフリー化や、道民の幅広い参加による共に生きる社会づくり(地域福祉の推進)の考え方を取り入れるなど、ハード・ソフト両面から総合的に福祉のまちづくりを進める観点に立ち、平成15年8月に条例を改正しました。
改正条例の概要については、次のとおりです
1「福祉のまちづくり」の定義
障害のある方やお年寄りなどをはじめすべての道民が、日常生活等における様々な障壁が取り除かれることにより、等しく社会参加の機会を有することができるとともに、共に支え合い、自立した生活を送ることができる地域社会づくりをいいます。
2公共的施設に係る措置
多数の方が利用する施設が対象となります。
(例)病院、デパート、ホテル、飲食店、学校、卸売市場、工場、神社、寺院又は教会、火葬場、道路、公園など
公共的施設の出入口や廊下、階段、トイレ等について、従来の「基礎的基準」及び「誘導的基準」を廃止し、ユニバーサルデザインや積雪寒冷の気候特性などを踏まえた新たな「整備基準」を定めています。
1.対象となる施設
2.整備の基準
3.基準の遵守
・公共的施設を所有したり、新築したりする方は、整備基準にあてはまるよう努めなければなりません。
・また、隣接する他の公共的施設を所有する方などと連携し、障害のある方やお年寄りなどが一体的に利用することができるような措置をとるよう努めなければなりません。
・新築等の届出
公共的施設の新築や改築等の整備をしようとする方は、事前にその内容の届出が必要です。
・認定証の交付
整備基準を満たした整備を行ったときは認定証を交付します。
3公共的車両等に係る措置
・公共交通事業者の方は、障害のある方やお年寄りなどが公共的車両等を円滑に利用できる措置をとるよう努めなければなりません。
・また、他の公共的施設を所有する方などと連携し、障害のある方などが公共的車両と他の公共的施設との間を円滑に移動できるような措置をとるよう努めなければなりません。
4公共的工作物に係る措置
・信号機、バスの停留所、案内標識、公衆電話所が対象となります。
・公共的工作物を所有し、または管理する方は、障害のある方やお年寄りなどが上記の工作物を円滑に利用できるような措置をとるよう努めなければなりません。
5住宅、住宅周辺の環境に係る措置
・住宅を供給する方は、障害のある方やお年寄りなどが円滑に利用できる住宅の供給に努めなければなりません。
・道民は、障害のある方やお年寄りなどが住宅周辺を円滑に利用できる環境を確保するよう共に連携し、必要な措置をとるよう努めなければなりません。
6道の基本的施策
福祉のまちづくりを推進するための道の基本的施策として、これまでの公共的施設の基準の策定等に加え、次の施策を追加しています。
•地域福祉を推進する観点からの追加
•人材の育成、相談体制の整備等
•積雪寒冷の気候特性、安全な移動や災害時の安全の確保の観点からの追加
•冬期間の生活環境の整備、移動手段の確保の支援、災害時の安全の確保のための措置
7規則への委任
具体的なことは規則で定めます。
8施行日
改正した条例は、公布の日(平成15年8月8日)から施行します。ただし、公共的施設の措置に係る規定については、平成15年10月1日から施行します。